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Date: 2007/0529 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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早いもので,「Two Buck Chuck」(2ドルのチャック)の通称で知られる「Charles Shaw」のワインが登場してから5年経ったそうです。一時ほど話題にはならなくなったものの,この5年間で売った本数は3億本。昨年はカリフォルニアで売られたワインの8%を占めていたそうです。
"I think Two Buck Chuck has helped to make people aware that wine is not just for special occasions"(Michael Mondavi)

Two Buck Chuck still making waves

それまで,カリフォルニアの安ワインというと,ジャグワインと言われるような,「Burgandy」や「Chablis」などと名が付いたものが主流だったと思うのですが,このワインのおかげでローエンドまで,いわゆる「バラエタル」のワインになってきたような気がします。おそらくそれは高級ワインの消費にもつながってきているのでしょう。

ちなみにWineLibrary.tvでもChalres Shawのテイスティングの回があります。このヴログ(Vlog=Video Log)の目的が紹介したワインの販売であることを考えると,他の店(Charles ShawはTrader Joe'sが独占販売しています)のワインを紹介するのは異例のこと。この回,なかなか面白いです。まずいのは本当にまずそうな顔をして飲むあたりが。

ちなみにテイスティング結果はSBが84,CHが67,Gamay(ヌーボー)が56,Merlotが74,Syrahが85,Cabが61でした。Syrahが結構おいしそう。
Date: 2007/0528 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレーの最北端に位置するCalistoga。ここには1976年のパリ・テイスティングでシャルドネが1位になり,現在もCabernet Sauvignonが高く評価されているChateau Montelenaや,最高レベルのCabernetやSyrah,Sauvignon Blancを生み出し続けるAraujoといった素晴らしいワイナリがあります。ところがこの地域,これまでAVA(米国ブドウ栽培地域)として指定されていません。もちろん,動きがないわけではなく,MontelenaのオーナーであるBo Barrettを中心に,策定の動きが続いています。
"Chateau Montelena Winery owner Bo Barrett says Napa Valley residents should become involved in a four-year-old push by local winemakers to create a Calistoga appellation."

Napa Valley Register | Vintners bemoan delay of Calistoga AVA

なぜ,AVAとして認められていないかというと,Calistogaの名を冠したワイナリCalistoga CellarsとCalistoga Estateの存在があるからだそうです。実はどちらもCalistogaという名を使っているものの,Calistogaのブドウを一部しか使用していないため,CalistogaがAVAになると,ワイナリ名を変えるか,85%以上Calistogaのブドウを使うようにしないといけません。

理屈で言えばそんなワイナリがCalistogaを冠するのはけしからんとして,AVAを決めてしまったらよさそうな気がしますが,さすがにそうは簡単にいかないようです。

MontelenaもAraujoも今さらAVAが認められたからといって,大きくビジネスに影響することはなさそうな気がしますが,すっきりしませんね。
Date: 2007/0525 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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今日はちょっと個人的な話なので興味ない方はスルーしてください。

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Date: 2007/0523 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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takuyaさんのmixi日記やブログで話題になった話です。

国際民間航空機関(ICIO)の指示により,2007年3月1日から液体の国際線機内への持ち込みが極めて厳しくなっています。容器は100ml以下に制限され,アルコールは薬品以外はすべて持ち込めません。そのため,ワインも手荷物として預けることが必須になります。

Parkerの掲示板でも話題になっていたのですが,ややこしいのは手荷物として預けるときのルールが航空会社によって異なっており,しかも窓口の職員が自分の会社のルールを知らないことが多いというところにあるようです。例えばダンボールの箱に入ったものはすべて駄目といった対応を取られることもあるとか。

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Date: 2007/0521 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ガラス羽シャープシューターが介在するピアス氏病の脅威が続く中,新たな害虫としてYellow Brown Apple Moth(YBAM)という蛾が注目されています。5月16日はCDFA(California Department of Food and Agriculture)がNapaで成虫を発見したと発表。俄然,注目が上がっています。
"The California Department of Food and Agriculture (CDFA) and the U.S. Department of Agriculture (USDA) have confirmed the detection of a single adult light brown apple moth on May 9 in a residential area of Napa. The announcement follows lab confirmation by entomologists with CDFA, and then supporting confirmation by USDA scientists."

Light Brown Apple Moth Detected in Napa

この蛾の幼虫は果実や様々な樹の幹や葉に住んで中を食い荒らしてしまうそうです。元々はオーストラリアにいたようなのですが,米国にまで広がってきました。これ以上の広がりを防ぐ手段を考えているとのこと。
Date: 2007/0518 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ふと思い立ってGoogleのAdWords(検索語に対して広告を出す機能)を使って,ワイン関係のクリック単価を調べてみました。その結果,一番高かったのは何だと思いますか?

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Date: 2007/0517 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国の新聞はあまたありますが,影響力の大きさで言うと間違いなくナンバーワンになるのがNew York Times。例えば米国の書店に行くと,多くの本の表紙に「New York Times Bestsellar」とうたっているほど。ワインの世界ではほかに権威がいろいろあるので,それほどの影響力があるとは思いませんが,それでも新聞の中ではトップクラスと言っていいでしょう。そのNYタイムズがサンタ・バーバラのピノ25種をテイスティング。ベスト10を選びました

1位になったのはSiduriのClos Pepe 2004(53ドル)。バランスのよさや,明るい果実味などが評価されたそうです。2位はMelville Carrie's 2003(60ドル)。3位は2005 Au Bon Climat La Bauge au Dessus。これは33ドルでベスト・バリューにも選ばれています。

この中で日本で売っているのはSiduriのClos Pepe 2004。53ドルが6480円ですから,現地価格と言っていいでしょう(もっとも,小売では40ドル台前半で売っているところもあります)。Wassy'sとVin du 268と同じ値段だったので両方掲載しておきます。

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Date: 2007/0515 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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中国はワインにとって未開拓の市場であり,潜在的には計り知れないほどの大きな市場になる可能性があります。そのため,アメリカ人にとっても中国市場は大きな魅力に映っているようです。しかし,フード・ライターのオリヴィア・ウー氏によると,アメリカ人は中国市場を理解していないということです。
"Cabernet 'is just so wrong,' she said, although it is drunk at official occasions and private banquets because it is the most revered of the noble varieties. 'State officials will make sure they get the best wines, whether they like them or not,' she said."

American wine producers

彼女の主張によるとカベルネは「ステータス」のあるブドウとしてオフィシャルの席で出されるが,中華料理には全く合わないとのこと。乳製品やソースを使わないからだそうです。中国人はそれよりもワインにウイスキーやブランデーを混ぜ,7-upなどのソーダ類まで入れて混ぜたものを好むそうです。ちょっとすごいですね。

では合うワインは何かといえばWu氏は「リースリング」が1番としています。このほかAlbarino, Gruner Veltlinerといった白も合うそうです。
Date: 2007/0507 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Patz & Hallが20年近く続いたワイナリの間借り生活をやめ,新しいワイナリを作りました。これまではNapaのRutherfordにあるHonigワイナリでワイン作りをしていたのですが,新しいワイナリはSonomaにできるそうです。
"Water Treatment System and Specialized Equipment Are the Focus for New Patz & Hall"

Wine Business - Wine News

細部にこだわるワイナリらしく,独自のポリシーに基づく最先端設備をいろいろ取り入れているそうです。1つは水の浄化システム。ワイナリからの排水はpHが低すぎるため,通常の排水処理で問題になるそうです。ここでは固定物を取り除き,中性に調整してから排出することで,非常にクリーンは排水を実現しているそうです。

また,ワインの清浄化に使うための縦長のタンクを導入しました。Patz & Hallではボトル詰めの際のフィルタリングを行わないため,ボトル詰めの前にワインを“落ち着かせる”必要があります。その専用のタンクで,ワインがより明るくクリアになるそうです。

このほか,ブドウの茎を取らずにプレスするための専用の圧搾機や,独立して温度設定可能な三つの部屋など,「ワインをよくするための技術だけを採用した」とのことです。

Date: 2007/0504 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのカリストガにある有名ワイナリChateau Montelenaが電力すべてを太陽電池に変えました。220kWの発電設備を備えるそうです。
"Chateau Montelena Winery, the venerable Napa Valley winery that helped bring California wine to global prominence, today announced that 100 percent of its electricity needs will henceforth be met through solar power."

Sun Shines Bright on Chateau Montelena Sustainable Energy Plan
これによって今後25年間の二酸化炭素排出が6625トン削減されるそうです。これは4万本の木による浄化作用に相当するとのこと。

Montelenaは好きなワイナリなので,今後もがんばってほしいです。なお,ここのEstate Cabernetは米国では大人気。WSでは2回ほど超低評価を受けたことがありますが,Wine Advocateでは95点以上の常連。しかも日本の値段は米国と変わりありません。お買い得。

シャトー・モンテリーナ カベルネ・ソーヴィニョン 「ザ・モンテリーナ・エステート」[2002]
CHATEAU MONTELENA Cabernet Sauvignon The Montelena Estate
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Date: 2007/0503 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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映画監督として知られるFrancis Ford Coppola氏が2005年末に,SonomaのGeyservilleにあるChateau Souverainの施設を買い取ってから1年ちょっと。その新しい名前が発表されました。
"Francis Ford Coppola unveiled the name of his new Sonoma winery Tuesday as only the famed movie director could -- during an one-man multimedia play at the Geyserville winery that will now be known as Rosso & Bianco winery."

Coppola directs winery
新ネームはRosso & Bianco。コッポラの普及ラインのワインのブランド名をそのまま付けました。Napaのワイナリは既にNiebaum-CoppolaからRubicon Estateに名前を変えており,そちらは高級路線。Sonomaと明確に棲み分ける計画のようです。

なお,誤解があるといけないのですが,Chateau Souverainはなくなったわけではありません。ワインは場所を変えて造り続けており,HealdsburgのCellar 360にテイスティング・ルームもあります。
Date: 2007/0502 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Paso RoblesにWestsideという新しいAVAを作ろうとする運動と,11もの新しいAVAを作ろうとする二つの動きがあることは以前に紹介しました。先行するWestsideについてのTTB(The Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)へのパブリックコメントがこのほど締め切られました。3月23日までの予定が4月24日までに延長されたこのコメント,最終的には200を超える数にいたるまで寄せられています。
"There’s a bit of appellation angst brewing in Paso Robles these days. As the public comment period on the Westside AVA petition before the Tax and Trade Bureau (TTB) came to a close on April 24th, the comments were flying and so was the mud."

Paso Robles AVA Division - Paso Robles

これまでの例では,TTBで審査されて却下になることはほとんどないそうなのですが,今回はどうなるんでしょう。コメントをいくつか見る限りでは賛否両論としかいいようがない感じです。