Archives

You are currently viewing archive for October 2007
Date: 2007/1030 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
日本人関連のワイナリの話題が続きますが,フリーマンのアキコズ・キュベ 2005がPinotReport誌で96点という高得点を得ています。
Freeman Akiko's Cuvee 2005
Ed Kurtzman氏の作るピノにはずれはないですね。すばらしい。フリーマンはエノテカが輸入しているので日本でも入手しやすいです(もう少し安いとさらにいいのですが)。

Date: 2007/1030 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
以前に紹介していますが,2007年2月に行われたPinot Noir世界一を選ぶPinot Noir Shootoutの結果が発表されています。どうして今頃かというと…
"2月にあったワインイベント、Pinot Noir Shootoutの結果が半年後の夏に出され、そのeMAILが8月頃レベッカに届いた。(なんとアメリカらしい。) そして、レベッカから2ヶ月かかって私に届いた。(彼女が私に連絡をするのを忘れていたので)"

幻ワイン醸造日記 : Pinot Noir Shootout
ということだそうです。私市さんのワインは91点ということで,上位4分の1くらいに入っています。

ちなみに1位はTR Elliottというワイナリの「Three Plumes」というピノ。ほとんど知られていないワイナリです。このワイン,ワイナリのオンラインショッピングで購入可能です。

あと,気になったのは3位に入っているBogleのRussian River Valley Pinot Noir。なんと13ドルです。テイスティング・ノートを見ると
Male: Velvet, raspberry, cherry, and a hint of cola on the nose. Very sexy on palate with a silky texture. Soft – Russian River style, raspberry, cinnamon and allspice. Generous and very satisfying. Nicely balanced and complex. Good with food.

Female: Oak, sweet cinnamon and ripe cherry aromas evolving to nice strawberry, raspberry, cinnamon flavors with nice acidity. Good complexity. Even better with food.

ということで食事に合いそう。Parkerの掲示板を見ても,QPR(コストパフォーマンスがいい)ピノとしてしばしば名前が挙がっています。生産量1万7000ケースということで,こういうワインはぜひとも日本に入ってきてほしいものです。

追記:ボーグル,入ってますね。でもUS13ドルが2980円はちょっと高いよなあ。この値段ならやっぱりSiduri買います。2000円くらいになってほしいところ。
Date: 2007/1029 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
恵比寿で開かれたカリフォルニアワイン グランド テイスティング(ワインインスティテュート主催)に参加してきました。1時間あまりと短い時間で,しかも全くメモも取らなかったため,記憶が曖昧なところもありますが,覚えている範囲で印象を。また,全種類を飲む根性はなかったので,気になるワインをつまみ食いした感じです。

今回は,1000円台~3000円台の割とカジュアルなワインが多かったように思いました。実際に数が出るのはそこでしょうから,あまり高価なワインばかりが並ぶよりも現実的だと思います。とはいえ,「これは掘り出し物だ」というようなワインにも出会わなかったのは事実。どちらかというと定評あるワインのおいしさを確認するようなところがありました。

白で一番おいしかったのはPatz&HallのDutton Ranch。Patz&Hallも久々に口にした気がしますが,相変わらずおいしいです。フレッシュさと芳醇さ,どちらも際立っていました。これと並んであったSaintsburyのChardonnayも同タイプで少しこじんまりしてますが,これもおいしかったです。Saintsburyは定価で3000円そこそこですから大分お買い得。欲を言えばこれが2500円くらい(米国では16~20ドルくらい)で買えると文句の付けようがなくなるのですが。

白ではもっと安いものもいろいろ試飲しましたが,ほかに印象に残ったのはClos LaChanceのunoakedのシャルドネくらいです。Kendall-JacksonのVintner's Reserveも意外においしかったですが。

赤は白以上に,これはというのが難しいところ。割と印象に残ったものを挙げておくと,Benjamin Silverのピノ,バーハム・メンデルソン(Au Bon Climatのジム・クレンデネンがRRVのブドウで作るピノ),Siduri Sonoma County Pinot Noir,SaintsburyのPinot Noir。Fort Rossのピノ。KenwoodのOld Vine Zinfandel。Syrahもいくつか飲みましたが,これというのは… Cabernet系ももう一つ。

知っている方にも何人かお会いしました。東急百貨店の●●さんに,いきなり「痩せましたね」と言われたのにはちょっと笑ってしまいましたが。

Date: 2007/1026 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
オレゴン州でワインのラベルにブドウの品種を記すための規定が少し弱くなります。現行90%以上,その品種を使っていないといけなかったのが,カリフォルニア並みの75%になります。
"wine-labeling rules for the first time in 30 years — a move that gladdens some, but not all, winemakers."

Local News | Oregon regulators ease rules for wine labeling | Seattle Times Newspaper
オレゴン州の主な品種であるPinot Noirに関しては,もともとほとんどが100%Pinot Noirで作られているので,この影響はほとんどないでしょう。カベルネのようにブレンドして使うのが主流な品種では,少し影響があるだろうと見られています。

それから,Pinot Gris,Pinot GrigioについてはこれまでPinot Grisという表記しか認められていなかったのが,Pinot Grigioでもいいということになりました。カリフォルニアなどでは既にPinot Grigioの方がメジャーな名前のような気がするので,これは朗報なのではないでしょうか。
Date: 2007/1025 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Firestone売却のニュースは以前に書きましたが,Firestone家の当主であるAdam Firestone氏がその背景についてインタビューに答えています。
"In a candid interview with Adam Firestone, the former President of Firestone Family Estates, Dennis Schaefer asks him to reveal why yet another family winery was gobbled up - and what did not get sold in the transaction."

Firestone Vineyard Sold - Santa Ynez Valley
簡単に言ってしまえば,Firestoneのワイナリが大きくなりすぎて,家族経営で管理できる範囲を超えてしまったことが売却を決意した理由のようです。その背後にはPaso RoblesやSanta YnezのCurtisなど,もっと小さなオペレーションで運営するワイナリを並行して始めたことや,ブルワリーの成功といったものもあるようです。

Bill Foleyとの交渉は,特にこれのために新たに始めたということではなく,以前のワイナリを売却していらいの付き合いの中で自然に始まったようです。他にも買いたいといってくるところはあったのですが,付き合いやこれまでの経緯(Foleyが買収後のワイナリを大事に運営していること)などからFoleyに決めたとのこと。

ワイナリ・ビジネスというのを知るためにはなかなか興味深い読み物になっていると思います。
Date: 2007/1024 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
shina_poohさんが,ミシュランのサンフランシスコ,ベイエリア,ワインカントリー版のまとめを掲載されています。
"世界で最も予約が取りにくいレストランの1つと言われている Napa の覇者 French Laundry は、2年連続堂々の3つ星。同じ Thomas Keller がオーナーを務める Napa の Bouchon は昨年同様1つ星。"

shina_poohな日々@San Francisco。 : No.341 サンフランシスコ版ミシュラン(Michelin Guide San Francisco, Bay Area & Wine Country 2008)

French Laundryはさすがですね。予約の取れないレストランとしても知られています。そういえば前のブログにFrench Laundryで予約を取る技?といった記事を書いたことがありますが,今でもそういうニーズはあるのでしょうか。元ネタは英語のブログですが,また載せてもいいかな?

Napa,Sonomaはほかにもたくさんのレストランが星付きになっています。残念ながらほとんど行ったことありませんが。ただ,HealdsburgのDry Creek Kitchenは星がなくなってしまったそうです。

Date: 2007/1022 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
日本ではBVといっても知らない人が多いのではないかと思いますが,米国ではBeaulieu Vineyardと言えば,MondaviやGallo,Beringerなどと並ぶ有名ブランド。どこのスーパーにも置いてあるし,フラグシップのGeorges de Latour Private Reserve Cabernet Sauvignonは高級ワインの代名詞的存在でもあります。
"Beaulieu Vineyard announced today that it will create a self-contained, state-of-the-art winemaking facility dedicated solely to the production of its flagship wine, Georges de Latour Private Reserve Cabernet Sauvignon, one of Napa Valley’s iconic, benchmark wines."

Napa Valley Register | Beaulieu Vineyard will create facility for iconic reserve wine

そのBVがGeorges de Latourの醸造に特化した設備を2008年の収穫時期までに作ることを発表しました。温度調節付きの醸造タンクや大樽,回転機能付きの小樽のラックなど,さまざまな技術を織り込んだものになるようです。
Date: 2007/1018 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Piero Antinoriと言えば,イタリアのワイン界の巨人として僕でも知っており,最近ではStag's Leap Wine Cellarsの買収にもからんでいますが,彼がかつてAtlas Peakというワイナリを持っていたのはご存知でしょうか。

Atlas Peakはカリフォルニアで最高のSangioveseを作ろうと,自らイタリアの苗木を運んで始めたプロジェクトでしたが,あまりうまくいかず,現在はブランド名だけが残った形になっています。

ですがAntinoriはあきらめず,最初の同志と分かれた後,Atlas Peakのワイナリや畑を購入して新しいプロジェクトを始めました。それがAntica Wineryです。当初は300ケースのChardonnayと1200ケースのCabernetというほそぼそとした形でスタートしています。Sangioveseに関してはあきらめたようです。

Antinoriはワシントン州のCh. Ste. Michelleと提携しており,ワインのほとんどはSte. Michelleを通じてレストランなどに売られるとのこと。

Cabernetはかなりおいしそうです。日本にも入らないでしょうか。

元記事はこちらこちら

Date: 2007/1017 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
台湾でブドウ畑に数え切れないほどのミミズが現れ,「地震が来る前兆ではないか」という騒ぎがありました。
"Taipei - Hundreds of thousands of earthworms appeared in a Taiwan vineyard, prompting the owner to consult an expert out of fear that a strong earthquake might be coming soon, a newspaper said on Monday."

Thousands of earthworms in Taiwan vineyard trigger quake fears : Nature Environment

畑の持ち主によると,ミミズは200~300kgくらいにはなるのではないかということで,40年前にその畑を買って以来,こんなことは初めてだとのこと。

地震の前兆かと専門家に調べてもらったところ,どうやら台風の影響らしいことが判明。近くの畑ではミミズが現れていないことを知り畑の持ち主もほっと一息ついたとか。

ミミズは湿ったところが好きですが,台風の影響で地下水が増え,湿度が上がりすぎたのが地表に出てきた理由だそうです。

食事中の方,もうしわけありませんでした。
Date: 2007/1013 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Wine Spectator誌が毎年選出するDistinguished Service Awardとして,2007年はCaymusのChuck WagnerとフランスのChâteau Lynch-BagesのJean-Michel Cazesが選ばれました。
"2007 Distinguished Service Award: Chuck Wagner"

Wine Spectator | Articles | 2007 Distinguished Service Award: Chuck Wagner

一覧のページに過去の受賞者が載っていますが,1982年に始まったこの賞,当初はChristian BrothersのAlfred Fromn,GalloのErnest & Julio Gallo,Robert Mondavi,Maynard A. Amerine,Andre Tchelistcheffとカリフォルニアワインの偉人が並んでいますが,1990年代からはワールドワイドで選出されるようになっています。ちなみに昨年はPlumpjackのGavin Newsomといった渋いところが選ばれています。いち早くスクリューキャップを採用したことが評価されたのでしょう。
Date: 2007/1011 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
南カリフォルニアのワイン栽培地域であるTemecula Valleyで,酔っ払った観光客の多さが問題になっているそうです。1日に訪問するワイナリの数を制限するようにお願いするところまでいっています。
"In an effort to curb drunkenness, the Temecula Valley Wine Association in southern California is asking people not to visit too many wineries."

American wineries call for curb on drunken visitors - decanter.com - the route to all good wine
バスやリムジンで来た観光客は飲酒運転のことを考えなくていいので,際限なく飲んでしまいがち,というのがその原因。大声で騒ぐことで,他の客に不快感を与えるということもあるようです。

一方,バスやリムジンの運転手としては,設備を壊すなどの問題がなければ,少々にぎやかになったところでそれを止めるのは難しいというのが現実。結局ワイナリに行くというのはそういう楽しみでもあるからです。

ところで,ワイナリ観光のメッカであるナパでは意外にもそういった問題はあまり表面化していないとのこと。多くのワイナリが試飲を有料にしているのがその理由ではないかと,V.SattuiのオーナーDaryl Sattuiは言っています。ただ,おおっぴらには言えないもののリムジンを嫌がっているワイナリオーナーは少なからずいるようです。

みなさんもワイナリ観光行くときは酔っ払いすぎないように気を付けて。米国は日本ほど酔っ払いに寛容ではありませんので。
Date: 2007/1004 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパでカスタム・クラッシュが増えているそうです。カスタム・クラッシュとはブドウを持ち込んでプレス,醸造,さらには貯蔵やボトリングまで行う設備のこと。ワイナリ設備を持たない小さなワイナリが使います。ワイナリの機器は高価なので,共有のものを使うことでコストが抑えられるわけです。Crushpadも一種のカスタム・クラッシュです。
"Custom crush is booming in Napa Valley."

Wines & Vines - News Headlines - Custom Crush Boom in Napa
ナパのカスタム・クラッシュはCrushpadのような素人相手中心のものではなく,ワイナリが顧客。それだけ小さいワイナリが増えているということなのでしょうね。

以前,Wine 2.0という話を書きましたが,ワインの世界でもロングテール(書籍などの世界で小部数のものの積み重ねが一部の大部数のものの部数に匹敵する量になるといわれていること。部数の多いものから棒グラフで並べていくと,右側の低く長い「尻尾」の部分がそういった小部数の積み重ねに相当することから名付いた)が起きているのだと思います。確かにインターネットの掲示板などで話題になるワインは,大量生産のものよりも,マイナーなものが多いですよね。

余談になりますが,こういったロングテールの世界ではワイナリとユーザーが直接取引して購入するスタイルが中心になります。一方で,Wine 2.0の雄の一人であるGary Vaynerchukは,ワインショップ「Wine Library」のディレクタが本職。Wine 2.0でワインショップの位置付けがどう変わっていくのかいかないのか,興味深いところですが,Wine Libraryがこの世界にどう適応してくのかも興味あります。
Date: 2007/1002 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Crushpadでワインを作ってみたり,ブドウ畑でブドウをいじってみたりしたいなあ,と思っても元手がないのが悩みの種。そういった方にお勧めなのが「Adopt a Grape」というサイト。お金を全くかけずにブドウ畑とワイン作りをした「気」にさせます。

登録時に畑とブロックを選びます。そうすると,毎週アップデートの写真やビデオを送ってきてくれます。

サイト上でもいくつかのビデオが見られますが,画像もきれいで癒されます。