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Date: 2007/1129 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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San Francisco Chronicle紙が2007年の西海岸のワイン,トップ100を発表しました(TOP 100 WINES / The Best of the West)。

100本の内訳はスパークリング7本,シャルドネ8本,その他の白ワイン14本,ロゼ3本,ピノ・ノワール18本,シラーなどローヌ系12本,カベルネ・ソヴィニョン14本,メルロー7本,ボルドー・ブレンド3本,ジンファンデル4本,その他赤6本,デザートワイン4本。

ピノが一番多いというのが,時代を反映していますが,全体に選ばれているワインは,新興ワイナリよりも,ある程度歴史を持っているところ,価格や生産量など,それなりに入手しやすいものが中心になっているように見えます。

いくつか目に付いたところをピックアップすると,Steve CliftonのPalminaから「2006 Palmina Honea Vineyard Santa Ynez Valley Tocai Friuliano」が選ばれています。Ed KurtzmanのSandlerの「2003 Terre Rouge High Slopes Sierra Foothills Syrah」というのもちょっとマニアックな選択。Pinotではオレゴンやメンドシーノなど北の方のワインが割と多く,数年前に数多く選ばれたRosella'sは全く入っていません。またCaleraからMt. Harlan CuveeとRyanが選ばれ,Au Bon ClimatのIsabelleも選ばれていました。

カベルネでは50ドル以下が中心ながら,100ドル以上のものでDominus,Spottswoode,Rubiconと懐メロ風の名前が登場。このあたりのワインは値上げの波に乗らず,100ドル近辺をキープしているのは好感が持てます。
Date: 2007/1128 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Decanter誌の記事によると,ガーギッチ・ヒルズが持続的ワイン作りの実践でワインツーリズムの賞を受賞したとのことです。

この賞はGreat Wine Capitalsという団体が2004年から毎年発表しているもの。「Architecture, Parks and Gardens」,「Art and Culture」,「Innovative Wine Tourism Experiences」,「Accommodation」,「Wine Tourism Restaurants」,「Wine Tourism Services」,「Sustainable Wine Tourism Practices」という7分野について各国から受賞者を選び,そこからGlobal Winnerを分野ごとに選びます。つまりGrgich HillsはSustainable Wine Tourism Practicesという分野でトップとみなされたことになります。

このほか米国で受賞したのはDarioushMumm NapaConstantMartini HouseAuberge du Soleil

この中で興味深いのがInnovative Wine Tourism賞を取ったConstant。スイス軍で使われる「ピンツガウアー」というクルマに乗ったツアーを提供しているそうです。景色もすばらしそうです。
Date: 2007/1122 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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日本では「自然派ワイン」ブームがありますが,米国でもBiodynamicなワインが少しずつ注目を集め始めているようです。先日はサンフランシスコで,シンポジウムも開かれました。ともすれば「牛の角に水晶の粉を詰めて埋める」といった魔術的な面がクローズアップされて「うさんくさい」と思っている人が米国ではまだ多いようですが,それでもBiodynamics(ビオディナミの英語表記)を実践する人は増えているようです。
"Do Biodynamically Grown Grapes Make Better Wine?"

Biodynamic grapes - America

例えば,Bonny DoonのRandall Grahmがその一人。Randall Grahmというと奇天烈な言動が有名ですが,意外?にも彼は「テロワリスト」であり,「テロワールとバイオダイナミクスは相性がいい」と言っています。彼は最近Cardinal Zin,Big HouseといったBonny Doonの人気ブランドを売却してしまいましたが,それはバイオダイナミクスに注力するためだそうです。

ちなみに,Wine Alchemyというサイトにバイオダイナミクスを実践している生産者の一覧がありますが,米国は23でうちカリフォルニアは18。さすがにフランスは多くて206も載っています(日本はゼロ)。カリフォルニアの一覧は以下の通り

Araujo Estate
Benziger
Bonny Doon
Bonterra (Butler & McNab Ranches only)
Ceago Vinegarden
Everett Ridge
Frey
Frogs Leap
Golden Vineyards
Jeriko Estate
Joseph Phelps
Masut (Calpella)
Patianna
Porter Creek Vineyards
Purisima Mountain Vineyards
Quintessa
Robert Sinskey
Topolos
Date: 2007/1115 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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CNN.comにGary Vaynerchukを中心とした「Wine 2.0」の記事が出ていました。Wine 2.0というとCrushpadに代表されるようなワインの「個」対応といった文脈で語られることが多いですが,この記事では20代の新しい世代向けといった捉え方をしているのが,なかなか興味深いです。
Of a "wild and gamey" red from Rioja, Spain, Vaynerchuk says, "Hit a deer on the road. Throw a bunch of cherries on it. Take out your knife, cut the deer. Bite it. That's the flavor profile."

Wine 2.0: Internet changes wine appreciation - CNN.com

これまでの評論家やワイン雑誌,例えばRobert ParkerやWine Spectatorには「エリート意識」「スノッブ」といったものがどうしても見え隠れします。特にWine Spectatorはその傾向を強く感じます。それに対して,Wine 2.0では「iGen」(Internet Generation)がしきいを感じずにワインに触れられるのが特徴だとのこと。例としてはWine Library TVのほか,同じくGaryが持つCorkd,CellarTracker,SavorEachGlass.com,Vine Sugar.comといった名前が並んでいます。

こういうテーマだと,どうしても「では日本はどうなんだろう」ということを考えてしまうのですが,「エリート意識」とまではいかないものの,このサイトも含めて,年令層はやはり高そうです。

mixiあたりのワイン関連コミュがもしかしたら,若い世代にとってはとっつきやすいところなのかもしれません。ただ,そういったところも「若さ」はあまり感じないのが事実。どちらかというと「バレンタインだったらカロンセギュール」的な画一的な返答が目立つような気さえします。

ワインはお金がけっこうかかるものだし,20歳以上でないといけないため,大学生あたりが入ってくるのは確かに難しいと思います。先日,某カレーサイトの主がmixiの日記で「若い人に読んでもらうにはどうしたらいいか」(彼もまだ若いのですが)といった悩みを書いていましたが,ワインの世界はもっとそのあたりが遅れている感じがします。

Gary Vaynerchukの日本版みたいな人は出てこないのでしょうか。

追記:コミック「モーニング」を読んでいて思ったこと。日本では『神の雫』がエリート主義,スノッブさをさらに助長しているような気がします。
Date: 2007/1112 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Enthusiast誌が2007年のAmerican Winery of the Yearを発表しました。選ばれたのはDFV Wines。聞きなれない名前ですが,Delicato Family Vineyardsが2007年に名前を変えたものです。ほかの候補はEtude Wines,Quilceda Creek,Iron Horse,Korbel Champagne Cellars。
"DFV Wines, formerly known as Delicato Family Vineyards, is the 2007 American Winery of the Year, as named by Wine Enthusiast Magazine."

The Modesto Bee | Winery of the Year award goes to ... DFV

Delicato Family Vineyardsという名前からは小規模の家族経営ワイナリが想像されますが,実際にはDFVは年間200万ケースを販売する米国で13番目に大きなワイナリです。Delicato Familyと名を付けて売っているもののほか(このブランド名は変わっていません),Gnarly HeadIrony337TwistedMonterraBota BoxClay StationKing FishJoe Blowといったブランドを持っています。DFVと名前を変えたのは,ブランド名としてのDelicato Familyと経営主体としての名前を分けるためだったようです。

日本ではアサヒビールがDelicato FamilyとMonterraを輸入しているようです。Shirazなどが高く評価されています。



Date: 2007/1110 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カルト中のカルトとして知られるScreaming Eagleのオーナー,Jean Philipsがワイナリを売却して世間を驚かせたのが2006年。その経緯やその後の体制についてJancis Robinsonが記事を書いています。
"What do Arsenal football club, the St Louis Rams and the Denver Nuggets have in common with the Napa Valley’s most expensive wine? They are all part of the investment portfolio of Stan Kroenke, who was persuaded to diversify from sport and real estate into wine in 2003 by Charles Banks, now 40 and a money manager for top-drawer athletes."

Screaming Eagle - the new regime - JancisRobinson.com

ブドウの病気によって植え替えが必要になったことが,売却のきっかけで,まだ植え替えは途中だそうです。現時点では54エイカーの土地のうち18エイカーだけがワインになっており,そのうち,Screaming Eagleになるのは10エイカー分だとのこと。

巷ではScreaming Eagleの払い下げブドウでできているのではないかという噂があるWhispering Doveというワインがありますが,仮に残りのブドウを買い取っているとしても,それだけでワインを作るならば数百ケースしかできない計算ですから,あまり商売にならないでしょうね。そんなことを思いました。

Screaming Eagleに縁がある人はほとんどいないと思いますが,記事は一読の価値があると思います。

参考までに楽天で一番安いスクリーミング・イーグルと一番高いのを挙げておきます。
Date: 2007/1108 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのワイナリZDの共同創設者の一人であるNorman deLeuze氏が10月26日,亡くなりました。享年75歳。ガンだったそうです。

宇宙産業のエンジニアだった氏は友人のGino Zepponi氏と1969年にワイン作りを始め,1978年から,それに専念するようになりました。

有機栽培のパイオニアであり,UC Davisのガン研究にも貢献していたとのこと。

ZDのChardonnayはアメリカにいた頃,好きなChardonnayの一つでした。Cabernetもおいしかったです。ZDはZero Defectの略だということでしたが,実は創設者の頭文字でもあったのですね。初めて気付きました。

日本でも売っていることは売っていますが,ほとんど見かけないのが残念なワインの一つです。
Date: 2007/1107 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「ナパのセミヌード・カレンダーが発売!? カリフォルニアワインのお勝手口」で紹介したカレンダー,際物かとも思ったのですが,意外にもセールスは好調だそうです。ほしい方はお早めにどうぞ(笑)。
Date: 2007/1105 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オー・ボン・クリマのイザベルといえば,一時はカレラ・ジェンセンと並んで最も入手困難なカリピノの代表でしたが,最近は入手しやすくなりました。とはいえ,ジェンセンも今年はじめまではこういう状態だったので,こちらもそのうちどこかのメディアに取り上げられて,ブームが再び来る可能性もあるかもしれません(笑)。米国で50ドルが6000円前後ということで,ほぼ現地価格並み。昔は1万5000円くらいしたような気がしますから,値段もいい具合になりました。ピノ高騰の中ではむしろ貴重かも。