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Date: 2008/0828 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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今年亡くなったRobert Mondaviの長男Michael Mondaviが「M」という自身のワインを今秋リリースすることが明らかになりました。100%カベルネ・ソヴィニョンのワインで価格は199ドル。MichaelはFolio Fine Wine Partnersというワインの輸入やプロデュース,マーケティングをする会社をRobert Mondavi Wineryの売却後に始めており,今回のワインもそこを通して売ることになります。
M

畑はAtlas PeakのFoss ValleyにあるAnimo Vineyard。MichaelがRobert Mondavi在籍時の1998年に買った畑。植え替えのために2004年は満足するレベルに至らず,2005年のものが最初のヴィンテージになります。ワインメーカーはMichael自身と息子のRob。Michaelがワイン作りを自らするのは1974年以来というから約30年ぶりです。娘のDinaがラベルやパッケージデザインを担当したということです。
Date: 2008/0826 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのHealdsburgにあるJordan Vineyardがこの9月,顧客向けのポイント・プログラムを開始すると発表しました(Jordan Vineyard & Winery Offers Customers One-of-a-Kind Loyalty Program - MarketWatch)。

顧客は1ドルごとに3ポイントを取得します。最低4500ポイント,すなわち1500ドルからポイントを使えます。例えば4500ポイントではテイスティングとツアー4人分,プライベート・テイスティングとオードブル2人分,イベントチケット2人分から選べます。一番上の15万ポイントでは「Ultimate Wine Country Gateway」としてゲスト・コテージ2泊,プライベート・ダイニングでの4コースのディナー(Jordanのワイン付き),Jordan湖での釣り,島でのランチョン,専属運転手によるドライブが4人分得られます。詳しくはこちら

登録に資格はなく,サイトで登録すればいいようです。
Date: 2008/0822 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌Executive EditorのThomas Matthews氏が同誌の掲示板に「Wine Spectator Has Been Scammed」(Wine Spectatorは詐欺にあった)と題して,今回の問題について何があったのか説明しています。

Matthews氏はまず,掲載するすべてのレストランを訪問してはいないこと(これは以前にも明らかになっていたことですが),ワインリストを公正に評価していること,レストランから得られたワイン・リストは実在して現実にあっていると想定していること,を明らかにしています。

一方で,それらを確かめるために,①レストランに数回電話した(そのたびに留守番電話が現在閉まっていると言っていた),②レストランをググり(原文はGoogling),それがミラノに実在する場所であることを確認した(こういうときストリート・ビューがあったらよかったのにね),③レストランがメニューリストを載せたWebサイトのリンクを送ってきた,④「Chowhound」というサイトで2008年1月~8月の間このレストランに行った経験を書いていた人たちがいたのを確認した,とのこと。

また,ワインリストについて,非常に評価が低いワインを載せていた旨書かれていたわけですが,実際にはリストに掲載されていたワインは256本あり,そのうち15本だけが80点以下であったとのことです。ちなみに53本が90点以上102本が80点以上,139本はWine Spectatorにレビューなしでした。

これらのことから,詐欺には誰でも引っかかる可能性があり,破廉恥な人間が32年の名声を持つ雑誌を攻撃できてしまった,Wine Spectatorは今後はもっと注意深くするであろうとしています。また,今回の「詐欺事件」が他の賞を取ったレストランを貶めるものではないと締めています。

Wine Spectatorのフォーラムでは同誌に好意的な意見が相次いでいますが,実在確認が直接店を訪問していないというのはやはりどうなのかと思います。ワイン・リストにしてもWine Spectatorに提出したものと実際に店にあるものとの整合性を見るわけではないし,客が提出されたリストを見られるわけでもないのだから,いくらでも嘘をかけます。レストラン評論家の友里征耶さんも,日本のミシュランで「ワインリスト偽装」があるのではないかと問題提起していますが,店を訪問しているミシュランでさえ,こういうことが起こるのに,Wine Spectatorの方法であれば,店側はやりたい放題です。せめて,提出されたワインリストや値段をWS誌のWebに掲載するなどの公明性がひつようなのではないかと思います。
Date: 2008/0820 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Vinographyに載っていた記事です。Wine Spectator誌のレストラン・アワードについては以前から「ワイン・リストを評価しているだけで意味がない」と言われてきましたが,ワイン・リストでさえ禄に見ていないという失態が明らかになりました。

Wines & Vinesに詳しい記事
が掲載されていますが,Robin Goldsteinという研究者がAmerican Society for Wine Economistsで発表したところによると,Wine Spectator誌がどのようにレストランの賞を決めるのかに不審を抱き,イタリアに架空のレストランをでっちあげて登録したそうです。メニューとワインリストも架空のもの。偽のWebサイトも作りました。さらにワインリストではWine Spectatorで非常に低く評価されたイタリアワインをそろえました。その結果,Award of Excellenceの賞を取ってしまったというのです。

Wine Spectator誌は今のところ,コメントを拒んでいるそうですが,「地に墜ちた」とはまさにこのことでしょう。
Date: 2008/0819 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパソノマで今年の収穫についてのコメントが出ています。

今年は4月に過去最大とも言われる霜の被害があったことで,ナパやソノマ,Mendocinoにおける収量については当初から減ることが予想されていました。

一方で夏からは天候もよく,順調に生育しているようです。

ワインの価格が上がりそうなのはちょっと心配ですが,いいワインがたくさんできてほしいものですね。
Date: 2008/0818 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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SF Chronicle紙にMendocinoのお勧めピノの記事が出ていました。温暖化のせいか,好みの変化のせいか,Mendocinoやオレゴンなど北の方のピノに以前よりも惹かれるものがあるように感じています。

とはいえ,今のところあまり知らない名前が並んでいるリストではあります。その中で目に付いたのはMacPhail。最近注目のピノの一つです。Wightman House Vineyardという単一畑のもので3.5星という非常に高い評価が付いています。SF Chronicleは最高四つ星の採点ですが,3.5以上はめったに出ません。
It's wildly earthy, almost evoking a Bonnes Mares in its ferocity, but with plenty of sweet, deep cherry and currant to match. Savory notes of dried leaf and meat add more interest. It's intense and nearly flawless, if in short supply (192 cases).

と,これはかなりおいしそうです。日本でもわずかながら売っています。



このほかにはPinot Daysのレポート記事で紹介したFoursightが2.5星。ここはこれから伸びてきそうな予感がします。日本にも入れてください>インポータ様
Date: 2008/0818 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Vinographyに載った記事からですが,Meyer,Bonnyという名前でピンと来る人は,ちょっと古くからのカリフォルニアワイン・ファンではないかと思います。これじゃ分からないという人は「Justin Meyer」ではどうでしょう。

うーん,これでもまだ難しいかな? ではRay Duncanと言えば?

そう,「Life is Cabernet」のキャッチフレーズで一世を風靡したSilver Oakの創設者がJustin MeyerとRay Duncan。Bonny's VineyardはSilver Oakのフラグシップとして1991年までワインが作られていた畑です。

Justin Meyerが自身の趣味のポート・ワインを作るためのワイナリとして作ったのがMeyer Familyで,Justin亡き後は息子のMattが後を継いでいます。Bonny's Vineyardも1999年に全部植え替え,2003年にMeyer Familyから新たなワインとして作られることになりました。

American Oakの樽を100%使い,34カ月そこで熟成させるといったスタイルはまさにSilver Oak。13.19%といったアルコール度の低さもSilver Oak仕込みです。

かつてSilver Oakのファンだったものとして,Bonny's Vineyardは憧れのワインの一つでしたし,飲んだことがあるBonny’s Vineyardのワインもその期待を裏切らないものでした。それが今また復活するというのは,なんだかうれしいことです。Vinographyのレビューは9~9.5という得点。期待が持てそうです。
Date: 2008/0812 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・ブログの老舗で,イベントごとに詳細なレポートを報告しているVinographyに,ようやく6月のPinot Daysの記事が掲載されました。著者のAlder氏に子供が産まれたため,資料を整理する時間がなかなか取れなかったということです。

記事ではPinot Daysの総評として,2006年のヴィンテージについて考察しています。結論として2006年は当初2005年よりだいぶいいと思われたが実際にはやや弱いヴィンテージであり,特にソノマ・コーストやRussian River Valleyのワインにはvolatile acidity(VA=揮発酸,詳しくは幻ワインの私市さんの記事を参照)を感じることが多かった,とのことです。
"I'm especially excited about the 2006 wines from the Santa Rita Hills and Santa Maria Valley, which seem to be excellent and certainly worth pursuing in greater depth."

The Best Pinot Noir in California?: Tasting at Pinot Days 2008 - Vinography: A Wine Blog

と,Santa Rita HillsやSanta Maria Valleyには比較的いいものが多く,2002~2003ヴィンテージのころ目立った過度の熟成やアルコール度の高いものは少なくなったとのこと。

また,Best Valuesとして挙げているコスト・パフォーマンスの高いワインは以下の14本。
2005 Ladd Cellars Pinot Noir, Russian River Valley. Score: between 9 and 9.5. Cost: $30.
2004 Fort Ross Vineyard Pinotage, Sonoma Coast. Score: between 9 and 9.5. Cost: $32.
2006 Patton Valley Vineyard Pinot Noir, Willamette Valley, Oregon. Score: between 9 and 9.5. Cost: $35.
2006 Joseph Swan "Saralees Vineyard" Pinot Noir, Russian River Valley. Score: between 9 and 9.5. Cost: $35.
2006 Mary Elke Pinot Noir, Anderson Valley. Score: around 9. Cost: $26
2006 W.H. Smith Pinot Noir, Sonoma Coast. Score: around 9. Cost: $28
2006 Joseph Swan "Cuvee de Trois" Pinot Noir, Russian River Valley. Score: around 9. Cost: $28
2006 Copain "Tous Ensemble" Pinot Noir, Anderson Valley. Score: around 9. Cost: $30
2006 Fort Ross Vineyard "Symposium" Pinot Noir, Sonoma Coast. Score: around 9. Cost: $32
2006 Eno Wines "Never Say Never" Pinot Noir, Santa Lucia Highlands. Score: around 9. Cost: $32
2006 Melville Pinot Noir, Santa Rita Hills. Score: around 9. Cost: $32
2006 Eric Kent "Windsor Oaks" Pinot Noir, Russian River Valley. Score: around 9. Cost: $33
2006 Byron Kosuge "The Shop" Pinot Noir, Carneros. Score: around 9. Cost: $33
2006 Londer Pinot Noir, Anderson Valley. Score: around 9. Cost: $35

先日紹介したMelvilleのピノも入っています。このほか高得点のワインにはCalera Ryanの2005(9.5点),FreemanのAkiko's Cuvee 2006(9~9.5点)などがあります。
Date: 2008/0811 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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柳屋でMartinelliのZio Tony Ranch Pinot Noir 2005が限定24本6980円で出ています。米国の小売価格で67ドル~なのでそれよりも安いです。柳屋のページにはWine Spectatorで92点と書いてありますが,ちなみにWine Advocate誌では91点です。
The 2005 Pinot Noirs also showed well, with the 2005 Pinot Noir Zio Tony Ranch dark ruby with notes of pomegranate, sweet and sour cherries, a hint of spice, and a medium to full-bodied, concentrated palate. This wine (585 cases) should age nicely for up to a decade.

いつも書いていますが,マルティネッリのピノは人によって好き嫌いが結構分かれます。濃いピノが好きな人ははまりますが,エレガントなピノが好みの人はやめておいた方が無難です。それから,カリフォルニアのピノとしては長熟型で,リリース直後より4~5年経ってからの方がおいしく飲めます。そのあたりも納得できる人にはいい買い物でしょう。
Date: 2008/0807 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ドンキー・アンド・ゴートというのはワイナリらしからぬ名前ですが,2001年に設立されたバークレーにある夫婦経営の小さなワイナリです。ブドウ畑の作業に活躍するロバが,一日の疲れをヤギとともに癒すという相携える姿を夫婦の協力になぞらえた名前だとのこと。人工的なテクニックを極力使わないことをモットーとするこのワイナリが,シャルドネの酸味を残すために古くからあるが珍しい方法を採用したそうです(Natural Winemaker, A Donkey and Goat Winery, Uses Ancient Technique for Chardonnay Acidification)。

これは,7月に熟しきっていない酸っぱいブドウを収穫し,そのジュース「Ver Jus」を後で酸味の調整に使うというもの。このワイナリが契約しているモントレーのBrosseauの畑では,シャルドネが完熟したときに望むだけの酸が残っていないことから採用を思いついたそうです。元々は夫妻がフランスでワイン作りの修行中にローヌのワインメーカーに教わった方法だとか。

なかなか面白いですね。できるワインに興味があります。

このワイナリ,日本には入っていないかと思ったら,わずかながらあるようです。下記のロゼは米国の価格で20ドル弱なので,結構割安です。
Date: 2008/0805 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌の記事によると,高品質の単一畑Syrahを何種類も作っているPax Wine Cellarsが仲間割れし,ワインメーカーのPax Mahleがワイナリを去りました。後任はHdVでアシスタント・ワインメーカーをしていたTyler Thomas。

Pax Mahleが2000年にワイナリを作ったときに資金援助をして55%の株式を持ったのがコネチカット州の投資家Joe Donelan。ワイン・コレクターとしても知られている人です。ここ数ヶ月,両者の意見が合わず,Pax Mahleはブランド買収を狙ったものの,結局逆に解雇されてしまったということのようです。DonelanはMahle夫妻を訴えているそうですが,その詳細は分かりません。

Pax Mahleは今後Forestvilleにワイナリを構え,CabernetやChardonnay,Nebbiolo,Syrahなどを作っていく計画だとか。

Paxというのはラテン語で「平和」という意味ですが,とんだことになったものです。

ちなみに楽天で見つかるのは以下の2本。どちらも現地価格より大幅に安いです。