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Date: 2008/1031 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアのLodiにあるPeltier Stationというワイナリが「USB Port」というワインを発売しました。

USB Port

言うまでもなくPort(ポルトガル語ではPorto)はポルトガルで作られる酒精強化ワイン(デザートワインの一種)。発酵途中でアルコール度の高い酒(ポートではブランデー)を加えることで発酵を中断させ,糖分を残す手法で作られるワインです。

米国でもPortと名乗る同様の作り方をするワインがいくつかのワイナリで作られていますが,原産地呼称の問題が米国でも以前より厳しくなってきており,それに対抗して名づけたのがPortを別の意味で使ったこのワインです。写真で分かるようにUSBのロゴと似たようなデザインになっています。

Engadget日本語版の記事によると
経緯を説明する裏面ではわざわざ「Port」を含む単語を多用したうえ、「ポートフォリオ」は"____folio"、「ポルトガル(Portugal)」は"____ugal"などすべて"Port"部分を伏せ字にする徹底ぶり。

とのこと。

価格は25ドル。ブドウはZinfandelを使っています。ちょっと飲んでみたいです。
Date: 2008/1030 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌のWebに掲載された記事からです(プレスリリースもあります)。

Adam & Dianna Lee夫妻のピノ専門ワイナリSiduriとピノ以外を手がけるNovyのワインが先週ロンドンで開催された第2回NFL Global Sport Summitの大会ワインとして採用されたとのことです。具体的には木曜日の晩に開催された「VIP gala dinner」で振舞われたとのこと。参加したVIPの中には2008年のSuper Bowlチャンピオンになった元NY GiantsのMichael Strahanや,元49ersやRaidersの名レシーバーJerry Rice,そしてMiami Dolphinsで数々の記録を作ったQBのDan Marinoなどがいたとのことです。

Adam Leeはテキサス出身で家族全員熱心なDallas Cowboysのファンだそうです。14個の醸造用タンクに「Ed “Too Tall” Jones」(超懐かしい!)など引退した元Cowboysの選手名を付けているほど。アシスタント・ワインメーカーのRyan Zepaltasが出身地の英雄であるBrett Favreの名前をタンクの一つに付けていいかと聞いたところ「タンクにBrettという名前は付けられない」と一蹴したとのこと。
Date: 2008/1024 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectatorが架空のレストランに賞を出してしまうという大失態が明らかになってからまだ2カ月ですが(記事1記事2記事3),既に来年のAwardに向けての動きが始まっているようです。

Dayton Daily NewsのMark Fisherによるワインブログ「Uncorked」によると,次回の賞は「Restaurant Wine List Awards」という名前に変わるそうです。つまりレストランの質は問わず,ワインリストだけを見るということをようやく明らかにしたという点では一つの進歩と言えるでしょう。ただ,レストラン向けの説明資料には
“No other wine list awards program carries such credibility …”

との文字が。そのcredibilityこそが問題になったということを早くも忘れてしまったのでしょうか。
Date: 2008/1023 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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E&J GalloがソノマのRussian River Valley AVAを拡大しようとしています。Galloといえばかつて「Northern Sonoma」という事実上ほとんど意味を持たないAVAを自社のワインにAVA名を入れるために認めさせたという強大な政治力を持っています。今回はTwo Rock Vineyardという同社の畑がRRVに所属するために出しているものですがどうなるか。

2年前にGalloが最初に提案したときはRussian River Valley Winegrowersは反対を唱えたのですが,今回は名目上は静観する構え。ただし,個別には反対の意見の人が多いようです。また,2年前に組合の長だったMerry Edwardsは今回も声高に反対しています。

この畑,101のかなり南の方にあります。個人的には,これをいれちゃあだめだろうと思います。
Date: 2008/1023 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wines & Vinesで来年1月に施行されるカリフォルニア州法で,ワイナリに影響があるものをまとめています。

・ピクニックエリアのワインを解禁
・組合による試飲を解禁
・招待のみのイベントを解禁
・病気のリストを作成
・農薬空中散布の制限
・未成年のワイナリ立ち入りを許可
・非営利イベントでのワイン販売を許可

というのが主な項目。ピクニックエリアのワインについては以前取り上げましたが,これまでワイナリで買ったワインをピクニックエリアで飲むことは禁止されていました。有名無実だったこの条項を法律的にも許可しようというのがこれ。

組合による試飲とは,NVVA(Napa Valley Vintners Association)のようなワイナリの組合が試飲を提供することができるようになります。これによってAVA単位などで作られている組合の活動がやりやすくなることが期待されています。

招待のみの試飲イベントというのもこれまで禁止されていました。ちょっと意外な感じですが,今回も,一つの会場が年に9回以上そういったイベントで使われてはいけないなどの制限が残っています。

未成年のワイナリへの立ち入りもこれまで本来はだめだったとのことです。ワイナリは「公共設備ではない」ということになって,自由度が増しました。

こう見ると,実はこれまで結構不自由だったことが分かります。ほかにも実は禁止されているということはあるんでしょうね。禁酒法の国だけあって,アルコールに関しては今でもいろいろな規制がかけられているようです。
Date: 2008/1022 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2008年9月からWine Advocate誌のアジア担当レビュアになったLisa Perrotti-Brownが初めて日本のワインに90点台のレイティングを付けました。とはいえ誌上ではなく,掲示板での公表ですから,実際に誌面に載るかどうかは分かりません。ワインはサントリー登美の丘ワイナリー 登美ノーブルドール 1997です。
"Suntory Tomi no Oka Winery Noble d’Or 1997 Deep golden colour. An oxidative style of wine, in the positive sense, with an attractive and complex nose of toasted hazlenuts, dried apricots and acacia honey. There’s a wonderful crisp backbone of acidity providing freshness to this rich, viscous, fully sweet wine. Appealingly silky texture and a long nutty finish. Tasted September 2008. Drink now – 2015 . 91 points."

Mark Squires

貴腐ワインという特殊なワインでしかも5万円を超える値段のものですから,これをもって国産ワインのレベルが上がったとかを論じるようなものではないですが,一つのエポック・メイキングなできごとかもしれません。

Date: 2008/1021 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Amazon.co.jpでワインの販売を始めました。Amazonが直接売るのではなく,成城石井,髙島屋,Wine Cellar KATSUDAが出品するという形になっています。大部分はKATSUDA提供によるもののようで,赤ワイン偏重,フランスワイン偏重でリストとしては面白くもなんともありません。

ちなみにカリフォルニアワインで掲載されているのはOpus Oneオーパス・ワン1982-6000mlHarlan Estateハーラン・エステート1994Opus Oneオーパス・ワン2001Opus Oneオーパス・ワン2004Opus Oneオーパス・ワン2003の5本だけ。ちなみにHarlanは28万1400円というとんでもない値段ですが,WAで100点が付いた年のものです。それにしても高すぎです。

価格はKATSUDAが楽天で出しているものと同じですから,Amazonでポイントを貯めているのならAmazonで楽天で貯めているなら楽天で買った方が得だと思います。

ただし,楽天ではオーパスワン2004がセールになっているのに対し,Amazonは通常価格のみです。楽天のセールの値段はかなり安い方です。
Date: 2008/1017 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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大手ワイナリのフェッツァー(Fetzer)が軽量ガラスを全面的に採用すると発表しました。これによってガラスの使用量が16%,2100トン減り,二酸化炭素の排出量に換算すると3000トンの節約に相当します。

これまでは高級ワインというとボトルが重いというのが珍重される理由の一つにもなっていましたが,これからは軽いほうがもてはやされるようになるかもしれないですね。
Date: 2008/1017 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Fermentationで紹介されていたブログが面白かったので,こちらでも紹介させていただきます。

「COLA」って聞いたら普通の人はCokeとかPepsi NEXとか想像するだろうと思いますが(あー,ちなみに個人的にはNEXが好きです),米国のワイン業界では「Certificate of Label Approval」すなわち,TTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau,米財務省の酒類タバコ税貿易管理局)によるアルコール類のラベルの認可のことを指しています。TTBはこの7月に「COLAs Online」なんていうページも立ち上げています。

TTBは毎年10万を超えるラベルを認可しているのですが,ここから面白いものを探して紹介しようというのが「Bevlog」です。

例えば10月14日の記事では「Recession Red」(不景気の赤)というラベルの登録が今年になってから三つのワイナリで認証を受けているということを紹介しています。

ちなみに,このRecession Redについては既にNYの会社が商標登録をしていることが,ブログのコメント欄で明らかになっており,ブランドとしては既に先行き困難なところにきています。

というように,かなり面白いブログなので一読をお勧めします。
Date: 2008/1015 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2008年の米国大統領選挙も佳境に入っていますが,今回の大統領・副大統領候補や過去の大統領にちなんだワインのクイズが「ホワイトハウス・ワイン・クイズ」として出ています。日本人にはかなり難しいですが,米国在住の人なら半分くらい分かるでしょうか?ちなみに僕は10問中3問しかできませんでした。

Date: 2008/1006 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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読売新聞のサイトに,チリのモンテスがナパに進出し,そのワインを国内ではエノテカが販売するというニュースが出ていました。「ナパ・エンジェル(NapaAngel)2006」がカベルネ・ソヴィニョン90%とシラー10%で6300円,「ナパ・エンジェル・アウレリオズ・セレクション(NapaAngel Aurelio's Selection)2006」がカベルネ中心で1万500円。

米国での報道を調べたら8月にWine Spectator誌に載ったものがありました。これによると安いほうが45ドル,高いほうが70ドル程度を目指しているとのことでした。ブドウはOakville,Stags Leap,Yountvilleで単年の買い付けをしたとのこと。今後は長期的な契約をしていくそうです。

より最近のものではChina Wine Newsという中国人向けのワインニュースサイトに載った記事がありました。これは「NapaAngel」や価格(55ドルと90ドル)も載っていて,ほぼ今回日本で公開された内容に沿っています。また,テイスティングもしたようで「どのワインも非常に似通っている。ビッグでアルコール度数が高く,芳醇で,樽のニュアンスが強く,タンニンがやわらかい」と書いてあります。分かりやすいモダンな作りに徹している感じですね。

これだけの高価格のワインにしては,ワイン好きを引き寄せる魅力があまり感じられないのはどうしたものなのでしょう。なんとなくモンテスの世界中の販売網を使って売り抜けようというふうに見えてしまいます。
Date: 2008/1006 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Joseph Phelps Wineryを先のCEOで先日亡くなったTom Shelton氏と,前ワインメーカーのCraig Williams氏が訴えていた件で初審の判決が出ました。ワイナリが各氏に1200万ドルずつ支払うという判決で,両氏の要求の1/5程度ではありますが,一応勝訴という格好。ワイナリ側は上訴を予定しています(Press Democaratの記事)。

ワイナリ側も,判決を受けてメッセージを公表。これを読む限りでは,原告側がかなり貪欲に見えるのですが,実際はどうなのでしょう。ワイナリビジネスも巨大になってくると人の醜さが表に出てくるようになってしまうのでしょうか。
Date: 2008/1002 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ピンク・リボン運動(乳がんの撲滅,検診の早期受診を啓蒙・推進するために行われる世界規模のキャンペーン--Wikipedia)に賛同して毎年リーデルが出しているピンク・オー・シリーズ。今年は「CrescendO」(最後のOが強調されていることに注意,笑)という名称で,四つのグラスのセットで登場しました。グラスの形はヴィノムのシャルドネ/ヴィオニエと同じだということなので,白ワイン向きだと思います。

クレッシェンドというのは音楽用語でも使われていますが「次第に強く」という意味。四つのグラスの底がピンク色なのですが,それがだんだん強くなっていっています。きれいですね。

このグラスの売り上げの一部はLiving Beyond Breast Cancer (LBBC)という協会に寄付されるそうです。なお,米国の定価は70ドルなので,それほど日本の価格と変わりません。