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Date: 2009/0130 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Zinfandelの記事でRidgeについて書いたばかりですが,ショッキングなニュースがありました(元記事)。

Ridgeの顔といえばワインメーカーのPaul Draperですが,マーケティングなどで32年間Ridgeで勤め,2001年から社長になっていたのがDonn Reisen氏。彼がPortola Valleyというところで自身の車の中で亡くなっているのが発見されました。自殺に間違いないとのこと(拳銃で自身を撃ったようです)。

Ridgeのサイトには以下のように載っています。
Donn Reisen, loving husband, devoted son, brother and uncle, President of Ridge Vineyards, passed away Monday morning January 26th.

Donn's gift of humor and his ability to forge long lasting relationships, touched everyone he came into contact with. Hundreds of people across the world, inside and outside the wine industry, loved him.

We will all miss him. He left the world a better place for having lived.

A memorial service celebrating his life is planned for a future date.

If you would like to share your thoughts and stories about Donn you may send an email to condolences@ridgewine.com.



自殺の理由などは明らかになっていませんが,同僚が自殺の恐れがあると,Santa Clara郡に連絡してきたのがきっかけで見つかったということなので,事前に何かあったようです。

何はともあれ,ご冥福をお祈りします。
Date: 2009/0129 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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1月はZinfandelの月。カリフォルニアのワイン・イベントの中でも最大のものの一つであるZAP(Zinfandel Advocates and Producers)のイベントが開かれる月です。

とはいえこのところZinfandelについてはちょっと盛り上がりを欠いているというのが正直なところ。1990年代後半に一世を風靡したTurleyもいまや以前のような入手困難銘柄という感じでもないですし,価格も割と落ち着いています。「Zinfandelの3R」なんていう言葉もほとんど死語に近いような感じです。個人的にはZinfandelを飲む頻度がむしろ増えているくらいなのにあまり記事で取り上げることもありません。

そんなこんなでZAPが開かれるよということも何となく記事に書きそびれていたのですが,Parkerの掲示板に私の気持ちを揶揄するかのように「Syrah Is Pretty Good - But Zin Is Better」というスレッドができていました。

このスレッドも「小盛り上がり」といったところでとどまっていますが,
The average Zin is better than the average Syrah.
But the best Syrahs are better than the best Zins.

という2文が主流の意見を代表しているようです。普段飲みのワインとしてはZinはいいのですが,Sine Qua NonのAtlantis SyrahがWAで100点を取ったように,「すごい」ワインや人気殺到で入手できないワインはZinよりもSyrahにかなり寄っている感じがします。

Zinはこれからどうなるんでしょうね,と思う睦月でした。

ところで件のスレッドで高品質のZinの例として何回か登場しているのがRidgeとCarlisle(カーライル)。

Ridgeはご存知の方が多いと思いますが,オーナーは大塚製薬で日本にもそこそこコンスタントに入荷しています。ただ,価格統制が厳しいのか,日本での値段が高いのが残念なところ。またCarlisleは日本にはほとんど入ってきていません。Carlisleが出てくる前に米国で人気があったOutpostも同様。このあたりが手ごろな価格で入荷したりすると,また日本におけるZinの立ち位置も変わるのではないか,なんて思うのですが。
Date: 2009/0129 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Crushpadがナパにあるフルサービスのカスタム・クラッシュ・サービス「Bin to Bottle」との提携を発表しました。Bin to Bottleは2006年に設立された新しいカスタム・クラッシュ・ワイナリですが,従来のカスタム・クラッシュと異なり,流通や法的文書の整備,e-コマースなど,ワイナリの業務全般を請け負うというユニークなところです。CrushpadのMichael Brill CEOは次のように語っています。
"Choosing to partner with Bin to Bottle was probably the easiest decision we've ever made. Their proven capabilities, flexibility and 100% commitment to their customer success is a great cultural fit for us. I know our existing larger clients and the new clients we attract are in good hands."

Crushpad And Bin To Bottle Partner To Create 'Winery in a Box'

商用ワイナリ向けのサービスはCrushpadのビジネスの7割を占めているとのことで,今後はここがビジネスの核になっていきそうな感じです。
Date: 2009/0128 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン業界において「偽造」はなかなか明るみには出ませんが,オークションなど二次的な市場においては常に問題になっています。Wine Spectator誌によると二次市場において偽造ボトルの割合は5%に達するとのことです。ソノマの人気ワイナリKosta Browneも偽造ボトルに手を焼いており,その対策として米Kodak社のTRACELESSというシステムを導入したそうです(
KODAK TRACELESS System for Anticounterfeiting Helps Kosta Browne Winery Protect its Brand and Customers - MarketWatch)。

このシステム,色もなければ匂いもない特殊な素材をインクなどに混ぜて使い,一種の「透かし」を入れます。専用のPen Readerを使うことで,この透かしを調べて偽造ボトルかどうかを確認できるというわけです。

エンドユーザーが直接調べる手段がないのがちょっと疑問ですが,おそらくはクリスティーズやザッキーズあるいはWineBidなどのオークション・ハウスがリーダーを導入して検査することになるのでしょう。

あとはボトルは本物で中身をすげかえたようなものが問題として残りそうです。

偽造ボトルに関心がある方には下記の本がお勧めです。
Date: 2009/0126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ちょっと前のニュースですが,ワインのソーシャル・ネットワーキング・サイトSnoothが100万ドルの資金調達に成功したそうです。

チャート
Google Trendsで調べてみると,Snoothは,ライバルであると思われるCork'd(かつては独立したワインのSNSだったが,Gary Vaynerchukに買収された)を割とあっさりと抜き,セラー管理サービスのCellar TrackerやオンラインワインショッピングでトップのWine.comとほぼ同じ,あるいはこれらを抜きそうなところまで来ていることが分かります。

Snoothの主な収益はユーザーのデータをワイナリやワイン業者に提供することで得ているようです。

元記事には「それにしてもSnoothなどという名前でWine.comのような主軸ドメインと渡り合っているのは驚くべきことだ」と書いてありますが,これには同感。トラフィックを集めるというのはそれだけ使うユーザーにとって魅力があるということなのでしょう。実は僕もアカウントだけ取って全く使っていなかったので,ちょっと試してみたいと思います。
Date: 2009/0123 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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1月20日に行われた米国のObama新大統領の就任式昼食会で,Duckhornのワイン2種類とKorbelのスパークリング・ワインが振舞われたそうです。

読売新聞の記事によるとシーフード・シチューに合わせてDuckhorn Sauvignon Blanc Napa Valley 2007が出され,メインディッシュに合わせてDuckhornがAnderson Valleyで作るGoldeneyeのピノ・ノワール(2005年)が出されたそうです。

またデザートにあわせたのはKorbelの“Special Cuvee”。これで就任ランチでは7回連続の登場だそうです(個人的には「Champagne」を名乗るメーカーを選ぶのはどうかという気がしますが)。

Date: 2009/0116 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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原作を見てますが,エピソードも原作ほぼそのままだし,あまり違和感はなかったです。突然の花畑のシーンが変という声もあるようですが,原作もそうですし。亀梨君も軽すぎる気はしましたが,原作もそうですし(社会人にしてはひ弱すぎる感じもしましたけどねえ)。

ただ「みやび」ちゃんだけはいただけなかったですね。確かにミーハーで蓮っ葉な感じは原作でもありますが,もうちょっと品というか芯が欲しかったです。

初回は,代わりというか最初のエピソードで本仮屋ユイカさんが出ていましたが,そっちの方が好感度はかなり大。というか,彼女のソムリエール姿が漫画「ソムリエール」の樹カナそっくり。そっちをドラマ化してほしいなあ,なんて思ってしまいました。

Date: 2009/0109 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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年末に出た記事ですが,なんとなく紹介しそびれていたので,忘れないうちに一応書いておきます。

SFクロニクルが2008年のおまとめとしてレビューしたワインと与えた星の数を分野ごとに一覧できるよう紹介しています。

三ツ星以上は太字になっています。やっぱりピノ・ノワールが圧倒的に多いです。このブログで紹介したものもいくつかありますが,RoesslerのBrisaなどは日本でも購入できます。また,カベルネで三ツ星の新進ワイナリStar Laneは米国価格が54ドルで日本でも5000円台。お買い得です。

Date: 2009/0108 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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読売新聞の記事によると,QuintessaやFranciscan,チリのコンチャ・イ・トロなどのオーナーであるAgustin Huneeus(アガスティン・ヒュネイアス)氏がソノマ・コーストのFlowersに出資するそうです。

大会社による買収ではないので,急に何かが変わることはないだろうと思いますが,Flowersも苦戦しているということでしょうか?
Date: 2009/0107 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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iwine.jp(旧ワイン・イン・スタイル)で1月14日までセールをやっています。セット商品を除く全商品が15%オフ。会員価格からも割引があります。「 キャンペーンコードを入れてください 」というところで「2009wine」と入れることでセール価格になります。

ここはショップというよりインポータで,扱っているワインは自社輸入物。サイクルズ・グラディエーターやハーン,スモーキング・ルーンといったコスト・パフォーマンスの高さで人気があるワイナリや,有名なコッポラ(もちろんソフィアも),人気かつ入手困難なメルヴィル,ブリュワー・クリフトンなどもあります。個人的に気に入っているジラードもここの扱い。

セール割引を使うと,例えばWAで96点を取ったBrewer-CliftonのChardonnay Mount Carmel 2006が通常税込み8925円のところ7586円に,会員価格の8032円は6827円になります。楽天最安のカリフォルニアワインあらかるとより22%も安くなります。米国の最安である65ドル(税抜き)と比べても遜色ありません。この機会にぜひどうぞ。なお1万円以上購入で送料無料になります。


Date: 2009/0104 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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いつもは年内にやっているのですが,なんとなく書き忘れていたので,今更になってしまいますが,一応2008年の10大ニュースを挙げておきます。

10位●Sine Qua Non日本に正式入荷,WA100点で「フィーバー」
 Sine Qua Nonは生産量が少なく,日本へは並行輸入の形でかなり高額なものが一部入って来るだけだったので,知る人ぞ知るに近いワイナリだったと思います。それがAtlantisが輸入代理店から正規ルートで入ってきたうえ,Wine Advocate誌でRobert Parkerがそのシラーに100点を付けたので一気に話題になりました。インタビュー記事なども紹介する機会がありました。

9位●COPIA破綻
 経営状態が良くなさそうなのは,たまに聞こえてくるニュースでも明らかだったわけですが,いざ破綻となると,鳴り物入りでできたときを思い出し,時代の変遷を感じずにはいられません。

8位●「サイドウェイ」日本語版撮影
 これはどちらかというと今年に期待するネタですね。ナパでサイドウェイの日本語版を撮影しているということで,鈴木京香などがロケに行っていたようです。俳優ネタは検索で結構飛んできます。

7位●Montelena買収騒動
 ナパの名門Chateau MontelenaをボルドーのCosが買収するという話が持ち上がりました。背景にあるのはユーロ高。米国の退潮を感じさせるニュースだったわけですが,その後経済は二転三転。結局契約の金額を払えなかったようで,買収の話は頓挫してしまいました。それが明らかになる前日に読売新聞がCosの代表者のインタビューを掲載して,ちょっとまぬけなことになってしまいました。

6位●Wine Advocate誌に日本・アジア担当が着任
 Lisa Perrotti-Brownさんがアジア担当になりました。他の地域の担当と異なり,その地域のワインを紹介するというより,アジアで流通している欧州や米州などのワインを紹介したり,アジアのレストランや料理とワインの紹介など,ワインライフ的なものが今のところ中心のようです。

5位●Crushpad快進撃続く
 Crushpadが順調に伸びているようです。米国ではユーザーから900万ドルを調達したなんていうニュースもありましたし,一昨年の話になりますが,日本支社も誕生して,島田紳助などがワインを作っています。今年もいろいろな形でニュースに登場しそうです。

4位●採用相次ぐ太陽光発電
 世界的に見ると,米国は太陽光発電など再生可能エネルギーの利用には熱心でない国なわけですが,カリフォルニアのワイナリでは「Sustainable」なワイン作りの一環として相変わらず人気があります。原油価格が一時と比べると随分下がっているなど逆風もありますが,政権も変わることだし,この流れは止まらないだろうと思っています。

3位●Caleraの好調続く
 2007年に突如復権したCaleraですが,一時の人気ではなく何回も話題になりました。特にDancyuのワイン大賞に選ばれたMt. Harlan Pinot Noir 2006はあっという間に市場から消えてしまいました。あまり話題にはなりませんでしたが,このワイン,実は2種類あるということも判明しました。

2位●Wine Spectator偽レストラン問題で名を下げる
 Wine Spectator誌がRestaurant Awardで架空のレストランを掲載してしまったことが明らかになりました。その後の対応も高飛車なもので,同賞の重みは紙のように軽くなってしまいました。

1位●Robert Mondavi逝去
 ナパを代表する偉人だったRobert Mondaviが亡くなりました。このところの衰えは顕著でしたが,やはり亡くなるとなると感無量です。Robert Mondaviがワイナリを売却せざるを得なくなった理由の一つが,さまざまな寄付によるものだったことが明らかになり,その代表格のCOPIAが破綻してしまったことも哀れを誘います。