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Date: 2010/0628 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Crushpadがピノ・ノワール,シャルドネ,シラー担当のワインメーカーとしてAdam Smithを採用したと発表しました。当然,歴史教科書に出てくる人とは関係ありません。OregonのDomaine Serene,Shea Wine Cellarsといった有名所を経てニュージーランドのCraggy Rangeでアシスタント・ワインメーカーとして働き,その後はまたオレゴンのBethel Heights Vineyardというワイナリでアシスタント・ワインメーカーをしていたそうです。

日本でCrushpadでワインを作る方はピノが多そうだから,彼とのコンタクトが増えるのでしょう。ちなみに生まれはカリフォルニアだとか。

Date: 2010/0625 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマ・ヴァレーでも高品質で有名なワイナリの一つであるArrowoodの創設者Richard Arrowoodが自身の名のついたワイナリを離れると発表しました。2007年に創設した新しいワイナリAmapola Creekに専念するためだそうです。
"The decision to leave Arrowood Vineyards & Winery is a philosophical choice. At Amapola Creek I can use the winemaking techniques I developed that contributed to the success of Arrowood, yet on a much smaller scale. I still strongly believe in quality without compromise and prefer to make just a few fine gems"
Winemaster Richard Arrowood Announces Decision To Leave Arrowood Vineyards & Winery -- SAN FRANCISCO, June 21 /PRNewswire/ --

Amapola CreekはArrowoodと同様,ソノマのマヤカマス西斜面にあり,オーガニックな農法を使ってウルトラプリミアムのワインを作るそうです。カベルネ・ソヴィニョン(80ドル),ジンファンデル(40ドル),シラー(45ドル)を出しています。

Arrowoodがワイナリを売却したのは2000年のこと。そのとき購入したのはRobert Mondaviでしたが,その後は数奇な運命をたどっています。MondaviがConstellation Brandsに買収された後の2005年,ArrowoodはLegacy Estate Groupに売却されましたが,同社も倒産。2006年9月にJackson Familyが購入しています。

Jackson Familyがオーナーになってからは安定しているようですが,安定のために良かれと思ってしたワイナリ売却が裏目に出てしまったことも,今回の転身の背景にはあるような気がします。
Date: 2010/0620 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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柳屋のサマーセールが始まっています。1000円台,2000円台のワインが中心ですが,目玉は1万8800円とダントツに高いShafer Hillside Select 2005の1万8800円。米国の価格だと200ドル超ですから,現地価格よりも安い値段。ワイナリのリリース価格が175ドルですから,それと比べても遜色ありません。もちろん品質は折り紙付きで,Wine Advocate誌では97点。カリフォルニアのカベルネのお手本のようなワインです。

このほかではナパで最近評価が上がっているHallのカベルネが3980円というのもなかなかの安さ。Au Bon ClimatのSanta Barbara County Pinot Noirも2280円でお得です。

6本買えば送料無料。

Date: 2010/0616 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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故Robert Mondaviの誕生日である6月18日に,Robert Mondaviに乾杯する
Raise a Glass to Robert Mondavi :: June 18, 2010」というイベントが開かれます。当日Robert Mondavi Wineryに行くとFume Blancがタダでふるまわれるとか。

午後2時には全員で乾杯をし,その様子は上記のWebサイトで全世界に放映されます。日本時間だと19日の朝6時。

Robert Mondaviの功績については今更書くまでもないとは思いますが,氏がいなかったらこのブログもなかったかも,と思うくらい,僕自身も大きな影響を受けています。
Date: 2010/0615 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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その名もズバリ「Biodynamics is a Hoax」というブログをこのほど立ち上げたのはSmith-MadroneのStwart Smith氏。日本では「自然派」という言葉が一人歩きし,それに意を唱えようものなら,あいつはワインが分かっていないと言われそうな感じがありますが,ただの有機農法でなくビオディナミ(バイオダイナミクス)というと,牛の角に牛糞を詰めたものを土に埋めて,それを肥料に使うなど,まゆに唾を付けずにはいられない面があるのも確かです。

言論の自由を大切にすることでは日本の比ではない米国でさえ,ビオディナミを面と向かって否定するのは意外と難しいところがあるのでしょうか。あえて「Hoax」と言い切ったところには「王様の耳はロバの耳」と叫んだ子供に通じるところがあるような気がします。

逆に言うとビオディナミほど極端でない有機農法のベストプラクティスをメソッド化すれば,ビオディナミの胡散臭さを嫌っている人も結構取り込めるような気がするのですが,そういう動きはないものなのでしょうか?
Date: 2010/0611 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Santa BarbaraのFoleyから始まって,ここ数年次々とワイナリを買収しているWilliam FoleyがソノマのChalk Hill Wineryを買収意向であると表明しました(Foley Buys Chalk Hill Winery)。

FoleyがWine Spectator誌に語った内容によると,Chalk Hill AVAにあるワイナリ,在庫,ラベル,機器,278エーカーの畑のほか,Chalk Hill創設者であるFred Furthの持つ家屋と敷地500エーカーも購入,そこに住む予定だそうです。

FoleyはこれまでSonomaではSebastianiを買収済み,この地域では二つ目のワイナリとなります。一方,Chalk Hill創設者のFred Furthは売却後は引退する予定であり「ここはずっと家族経営であり,家族に所有してもらいたかったのがFoleyに売却する理由だ」と語っています。

Chalk Hillは主にシャルドネで知られるワイナリ。AVA名にも使われているように,この地域のパイオニア的存在です。決して過去にあぐらをかいたワイナリではなく,Wine Advocate誌の評価を見ると最も新しい2007年が一番高い評価を得ています。例えば「Chalk Hill Chardonnay Founder's Block」が94点,「Chalk Hill Proprietary Red Estate」が95点を取っています。

これまで,ワイナリを買収してもオペレーションはそのまま残すのがFoleyの通例でしたが,今回は居住地にも使うし,創設者は引退するということですから,これまでよりも力の入れ方が大きくなるかもしれません。

Date: 2010/0611 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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石田純一と東尾理子の結婚式が各所で取り上げられています(中日スポーツ:石田純一&理子 挙式写真を公表 東尾パパも参列:芸能・社会(CHUNICHI Web))。ナパのワイナリとありますが,これはClos Pegase。ただしワイナリでの式には厳しい規制があるので実際にはオーナー宅で行われたようです。

とめでたい話に棹さしてしまうのも何なのですが,Clos PegaseといえばMitsuko's Vineyardのワインが有名で,このMitsukoという名前はオーナー夫人のMitsukoさん(日本人です)から取ったものというのも多くの人の知るところ,そのMitsukoさん,実は今年の3月に亡くなられていたという話です。

実は数カ月前にそういう噂を耳にして,いろいろ検索してみたのですが,結局本当かどうかがわからなくて記事に書かなかったという経緯があったのですが,やっぱり亡くなられていたとのこと。場所はソノマでClos Pegaseとは異なりますが,同じように夫婦でワイン造りに取り組むFreemanのAkikoさんがおっしゃっていたそうです。

Clos Pegaseはナパ・ヴァレーでは北のほうのCalistogaにありますが,Mitsuko's Vineyardは南端のCarneros,冷涼な地域にあります。ここのワインとしてはシャルドネが一番人気だと懐いますが,Mitsuko's Vineyardのメルローもカリフォルニアのメルローとしてはかなり秀逸な部類に入ると思っています。結婚のお祝い,あるいはMitsukoさんを偲んで飲みたいワインです。

Date: 2010/0607 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの夏を彩る一大イベントAuction Napa Valleyが開催されました(Auction Napa Valley raises $8.5 million, sees strong social media buzz #AuctionNV — The Cork Board)。昨年は不況でトータル570万ドルの売上にとどまったのに対し,今年は49%上昇して850万ドルの売上。不況からの回復を伺わせる好調さでした。

ひとつの変化としてはメインのオークションをディナーのイベントから昼間のイベントに変えたこと。これが好調につながったとのこと。もう一つ,Corkboardが挙げているのはソーシャルメディアによるプロモーションが効いたということ。「#AuctionNV」というハッシュタグ(Twitterであるイベントについてつぶやくときにその情報を共有するために使うタグ)が全部で1436回つぶやかれ,110万のインプレッションになったそうです。

ただ,僕の見ている範囲ではこのタグは見かけませんでした(時間的に見落としたのもあるでしょうけど)。1436回というのは少なからぬ数ではありますが,Auction Napa Valleyの時間的長さを考えたら頻発というより散発という感じがします。本当にTwitterで盛りあげようと考えるのであればもう一工夫必要な感じがするのは僕だけでしょうか?
Date: 2010/0606 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインピークスに2007年が初リリースとなるカレラの新しい単一畑「de VILLIERS」が出ています。畑の場所はJensenとMillsの中間で,CaleraのWebサイトではまだ単に「Pinot Noir 1997 Planting」としか書かれていません。5番目の単一畑として登場したRyanが1998年と2001年に植樹されているので,それよりも樹齢は上になります。97年に植えて2007年が初リリースとは,それまで他のブレンドものに使っていたのかもしれませんが,Josh Jensenのこだわりなのかもしれません。なお,ワインピークスのサイトによると,Ryanよりタンニンが強いのがリリースが遅くなった理由だとあります。

ところで,Caleraと言えば畑の名前はお世話になった人から取っているのですが,今回の「de VILLIERS」はカレラの本を執筆した人の名前です。

初リリースのこのワイン,価格も5460円とRyanよりも安く出ています。Ryanよりも従来の畑の近くにあることを考えると,こちらの方が気になる人は多そうな気がします。2007年はセントラル・コーストは全般にいい年ですから,期待してもよいのでは。

Date: 2010/0603 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ゴルファーでワインというとグレッグ・ノーマンが有名ですが,ジャック・ニクラウスも自分の名前を冠したワインを作り始めました(Jack Nicklaus gets into wine - decanter.com - the route to all good wine)。
Jack Nikraus

ワインを実際に作っているのはTerlato Winesのようです。Terlatoってあまり聞いたことありませんが,AlderbrookやChimney Rock,Rutherford Hill,Sanfordといったワイナリを保有しており,Iron Horseなどのマーケティングも行っているようです。

肝心のワインですが,最初のヴィンテージは2007年。ナパ・ヴァレーのCabernet Sauvignonとカベルネ・ブレンドのPrivate Reserveという二つのワインがあります。価格はそれぞれ35ドル,43ドル。

ラベルを見ると中央上に昔懐かしゴールデン・ベアがいるのが微笑ましいですが,ジャック・ニクラウスというブランドだけで売れるのでしょうか。
Date: 2010/0601 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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バークレイの近くAlamedaにワイナリがあったRosenblumがナパに移転しました(Rosenblum production is moving to Napa - Inside Bay Area)。Alamedaのテイスティングルームは残すそうですが,一方でソノマのHealdsburgにあったテイスティングルームは閉じてしまいます。

Rosenblumの創業者Kent Rosenblumは2008年にワイナリをDiageoに売却。その後はワインメーカーとしてワイナリに残っています。Kentは今回の移転を残念に思っているそうですが,ワインメーカーとしては引き続きRosenblumのワインを作っていくそうです。

DiageoはRosenblumのほか,BVやChalone,Sterlingといったワインブランドを保有しており,米国ではドンペリニヨンの販売も手がけています。今回は部門全体で93人の首を切るとのことで,不況対策の意味合いが強そうです。