年末ということで,このブログの人気記事ランキングでもやるのが普通なのでしょうけど,実は今年は人気記事トップ5がどれもiPhone/iPad関連ということでワインブログとしてはちょっと恥ずかしいのでやめておくことにしました。ざっというとOpus Oneはやっぱり人気あるなあとか,石田純一の結婚式が意外と人気(笑)とか,って感じです。
そのかわりと言っては何ですが,Wine Enthusiast誌にあった2010年のトップワインストーリー10という記事を紹介します(The Top 10 Wine Stories of 2010 - Wine Enthusiast Magazine)。
1) The “new normal. はワインの価格が引き続き下落しているという話。12~15ドルだった「スイート・スポット」の価格帯は「9~12ドル」に落ち,20ドル以上のワインはなかなか売れない状況が定着しています。特に50ドル~100ドルが「デッド・ゾーン」になってしまっているようです。この価格帯って100ドル超のワインと変わらない質のものが多いのにちょっと残念な感じです。
2) Changing of the guard. はワイナリ・オーナーが身の振り方を考えているという話。Bill Foleyに売却して引退したChalk Hillとか,オペレーションは握ったままワイナリを売却したJustinとか,小規模ワイナリにとっては今後を考えることが多くなっているようです。
3) European wine flexes its marketing muscle. EUがプロモーションにお金をかけているよという話。
4) Continued export growth for Argentina and Chile. 読んで字の如く。
5) Climate change. フランスは乾燥し,ポルトガルは暑く,カリフォルニアは涼しく。2010年のカリフォルニアは1998年以来の涼しい年だったようです。
6) Green wines. 有機とかビオディナミというだけでなく,二酸化炭素排出量削減などワイナリ自体のオペレーションも含んだ動きに。
7) Exchange rate fluctuations. 為替の動きが激しくて大変だわ~という話。
8) Oversupply. 読んで字の如く。
9) Château Lafite-Rothschild in Asia. アジアとは中国のことです。日本ではありません。
10) State sales of alcoholic beverages. 終りのない戦い。
結構いいまとめだと思います。
そのかわりと言っては何ですが,Wine Enthusiast誌にあった2010年のトップワインストーリー10という記事を紹介します(The Top 10 Wine Stories of 2010 - Wine Enthusiast Magazine)。
1) The “new normal. はワインの価格が引き続き下落しているという話。12~15ドルだった「スイート・スポット」の価格帯は「9~12ドル」に落ち,20ドル以上のワインはなかなか売れない状況が定着しています。特に50ドル~100ドルが「デッド・ゾーン」になってしまっているようです。この価格帯って100ドル超のワインと変わらない質のものが多いのにちょっと残念な感じです。
2) Changing of the guard. はワイナリ・オーナーが身の振り方を考えているという話。Bill Foleyに売却して引退したChalk Hillとか,オペレーションは握ったままワイナリを売却したJustinとか,小規模ワイナリにとっては今後を考えることが多くなっているようです。
3) European wine flexes its marketing muscle. EUがプロモーションにお金をかけているよという話。
4) Continued export growth for Argentina and Chile. 読んで字の如く。
5) Climate change. フランスは乾燥し,ポルトガルは暑く,カリフォルニアは涼しく。2010年のカリフォルニアは1998年以来の涼しい年だったようです。
6) Green wines. 有機とかビオディナミというだけでなく,二酸化炭素排出量削減などワイナリ自体のオペレーションも含んだ動きに。
7) Exchange rate fluctuations. 為替の動きが激しくて大変だわ~という話。
8) Oversupply. 読んで字の如く。
9) Château Lafite-Rothschild in Asia. アジアとは中国のことです。日本ではありません。
10) State sales of alcoholic beverages. 終りのない戦い。
結構いいまとめだと思います。
SFクロニクル紙が恒例のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを発表しました(Ted Lemon of Littorai Wines - winemaker of the year)。今年はLittoraiのTed Lemon,なかなか渋いところを突くなあという感じです。
昨年はWinery of the YearとWinemakers to Watchで前者はPeay,後者はDrewのJason DrewとMatthiassonのSteve Matthiassonでした。
2008年はTurley,FaillaのEhren Jordan。なんとなくLittoraiあたりと同類項な感じです。
2007年はCaleraのJosh Jensen。この年のワインが今年のブレイクになったことを思うと慧眼だったのかもしれません。
2006年はRidgeのPaul Draper。ちょっと当たり前すぎて面白くない選択です。その代わりこの年はWinemakers to WatchもあってHonigのKristin Belair,Hahn EstatesのAdam LaZarre and Paul Clifton,Mitchell Katz WineryのMitchell Katz,SiduriのAdam & Diana Lee,L’Uvaggio di GiacomoのJim Mooreというかなりマニアックな感じの人たちが選ばれています。
昨年はWinery of the YearとWinemakers to Watchで前者はPeay,後者はDrewのJason DrewとMatthiassonのSteve Matthiassonでした。
2008年はTurley,FaillaのEhren Jordan。なんとなくLittoraiあたりと同類項な感じです。
2007年はCaleraのJosh Jensen。この年のワインが今年のブレイクになったことを思うと慧眼だったのかもしれません。
2006年はRidgeのPaul Draper。ちょっと当たり前すぎて面白くない選択です。その代わりこの年はWinemakers to WatchもあってHonigのKristin Belair,Hahn EstatesのAdam LaZarre and Paul Clifton,Mitchell Katz WineryのMitchell Katz,SiduriのAdam & Diana Lee,L’Uvaggio di GiacomoのJim Mooreというかなりマニアックな感じの人たちが選ばれています。
「「ソノマ・カウンティ」、ラベル表記へ」というニュースが読売オンラインに出ていました。2011年1月以降,ソノマの13のAVAで生産されたワインは「Sonoma County」と併記しないといけなくなります。
実はこれ,9月に決まったものなのですが,なぜ今載せたのでしょうね? 来年1月施行だからかな? ただ,実際にはそれ以降のラベル認可で適用されるので,今年出たワインには影響ありません。また,猶予期間が3年間置かれることになっています。来年から急に全部がそうなるわけではありません。
ちなみにこういった郡名を表記するのは「conjunctive label」(結合ラベル)といいます。「Sonoma County Conjunctive Labeling」に分かりやすくまとまっていますが,デザインなどには割と柔軟性があるようです。
法律ネタついでにもう一つ,ソノマのRussian River Valleyでブドウ畑用の取水制限をするかどうか,1年ほど議論をしてきたのですが,このほど取水制限はしない,その代わりに20カ所の監視ポイントを作って状況を調べるということになりました。
川の水を汲むのは,主として春先の霜対策のため,霜が降りるほど気温が下がったときに水を撒くことで気温が上がり,霜が防げます。ただ,この取水によって水位が下がりサケに影響が出ています。そこで,サケへの影響を調べつつ,ブドウ畑への便宜も図るということで今回の決着になったようです。
実はこれ,9月に決まったものなのですが,なぜ今載せたのでしょうね? 来年1月施行だからかな? ただ,実際にはそれ以降のラベル認可で適用されるので,今年出たワインには影響ありません。また,猶予期間が3年間置かれることになっています。来年から急に全部がそうなるわけではありません。
ちなみにこういった郡名を表記するのは「conjunctive label」(結合ラベル)といいます。「Sonoma County Conjunctive Labeling」に分かりやすくまとまっていますが,デザインなどには割と柔軟性があるようです。
法律ネタついでにもう一つ,ソノマのRussian River Valleyでブドウ畑用の取水制限をするかどうか,1年ほど議論をしてきたのですが,このほど取水制限はしない,その代わりに20カ所の監視ポイントを作って状況を調べるということになりました。
川の水を汲むのは,主として春先の霜対策のため,霜が降りるほど気温が下がったときに水を撒くことで気温が上がり,霜が防げます。ただ,この取水によって水位が下がりサケに影響が出ています。そこで,サケへの影響を調べつつ,ブドウ畑への便宜も図るということで今回の決着になったようです。
「ノーベル賞の晩餐会、初のカリフォルニワイン」という記事がYOMIURI ONLINEに掲載されていました。
記事によると使われたのはドライ・クリーク・ヴァレーにあるWestというワイナリのカベルネ・ソヴィニョン。オーナーがスウェーデンの出身であることから選ばれたようです。
調べてみたところありました,West Wines。晩餐会で使われた2005年のカベルネ・リザーブは現行ヴィンテージであり42ドルだそうです。
記事によると使われたのはドライ・クリーク・ヴァレーにあるWestというワイナリのカベルネ・ソヴィニョン。オーナーがスウェーデンの出身であることから選ばれたようです。
調べてみたところありました,West Wines。晩餐会で使われた2005年のカベルネ・リザーブは現行ヴィンテージであり42ドルだそうです。
SFクロニクル紙が2010年のワイントップ100を発表しました。例年通りカリフォルニアを中心とする西海岸のワインが対象です(Chronicle Top 100 Wines 2010 — SFGate)。
他のトップ100と違い,順位を付けないのも特徴。ぶどう品種ごとにオススメのワインを掲載するという方式です。ただし,各品種でトップに挙げられているワインは写真もあって特別にフィーチャーされています(2番目以下はアルファベット順)。
Cabernet/Merlotでは一番に挙げられているのがSpottswoodeの2007 Estate Cabernet Sauvignon。このワインWine Advocate誌でも99点が付いており,高騰まちがいなし。日本にはほとんど入ってこないだろうと言われています。2万円以内で買えそうだったら買っておくべきワインでしょう。Dominus(WAでは98点),RidgeのMonte Bello(WAでは92点)も高評価。懐かしい名前ですね。
Pinot Noirでは2008 Cobb Coastlandsがトップ。日本に入っているワインも多く,August West SLH 2008やAu Bon ClimatのSanford & Benedict 2008,Calera Mills 2007,HirschのM 2008,LittoraiのPivot 2008,FreemanのSonoma Coast 2008など。August West,FreemanとEd Kurtzman氏のワインが二つ入っています。
このほかシャルドネやSauvignon Blancでいいものが増えたというのが全体の評に上がっています。僕も今年はカリフォルニアのSauvignon Blancをいくつか飲みましたがどれもよかったです。一時期Sauvignon BlancといえばNZというイメージもありましたが,カリフォルニアも捨てたもんじゃありません。なお,トップはシャルドネがHdVでSBはSeleneのHydeとどちらもHydeの畑です。
他のトップ100と違い,順位を付けないのも特徴。ぶどう品種ごとにオススメのワインを掲載するという方式です。ただし,各品種でトップに挙げられているワインは写真もあって特別にフィーチャーされています(2番目以下はアルファベット順)。
Cabernet/Merlotでは一番に挙げられているのがSpottswoodeの2007 Estate Cabernet Sauvignon。このワインWine Advocate誌でも99点が付いており,高騰まちがいなし。日本にはほとんど入ってこないだろうと言われています。2万円以内で買えそうだったら買っておくべきワインでしょう。Dominus(WAでは98点),RidgeのMonte Bello(WAでは92点)も高評価。懐かしい名前ですね。
Pinot Noirでは2008 Cobb Coastlandsがトップ。日本に入っているワインも多く,August West SLH 2008やAu Bon ClimatのSanford & Benedict 2008,Calera Mills 2007,HirschのM 2008,LittoraiのPivot 2008,FreemanのSonoma Coast 2008など。August West,FreemanとEd Kurtzman氏のワインが二つ入っています。
このほかシャルドネやSauvignon Blancでいいものが増えたというのが全体の評に上がっています。僕も今年はカリフォルニアのSauvignon Blancをいくつか飲みましたがどれもよかったです。一時期Sauvignon BlancといえばNZというイメージもありましたが,カリフォルニアも捨てたもんじゃありません。なお,トップはシャルドネがHdVでSBはSeleneのHydeとどちらもHydeの畑です。
ナパで最大の地主として知られ,Beckstoffer-Tokalonなどの高級ワインを産する畑を数多く所有しているAndy Beckstoffer氏がSt. Helenaにある有名な畑「Hayne」の一部を買い取りました(Beckstoffer buys ‘legendary’ St. Helena vineyard)。価格は明らかにしていませんが1エーカー(約4000平米、坪にすると1200強)あたり「何十万ドル」というレベルの価格で,Andy Beckstofferに言わせると,「CoppolaがInglenookを買ったのに次ぐ値段」だったとか。
Hayneの畑は全部で56エーカーあり,Hayne家が1874年から持っていました。現在のオーナーはElliott Hayne,William Alston “Otty” Hayne,Martha Talbott,Sarah Simpson(後ろの二人はいとこ)で,このうちElliottが自分の持分の13.25エーカーを売却したという格好のようです。
今回の13.25エーカーは9エーカーがPetite Sirahで3エーカーがCabernet Sauvignon。Petite Sirahは1953年から54年にかけて植えられ,Larry Turleyに売られています。TurleyのHayne Petite Sirahは100ドルをはるかに超える価格で取引されています。Cabernetは2年前まではJoseph Phelpsに,現在はNickel & Nickelに売られています。
Hayneの畑は全部で56エーカーあり,Hayne家が1874年から持っていました。現在のオーナーはElliott Hayne,William Alston “Otty” Hayne,Martha Talbott,Sarah Simpson(後ろの二人はいとこ)で,このうちElliottが自分の持分の13.25エーカーを売却したという格好のようです。
今回の13.25エーカーは9エーカーがPetite Sirahで3エーカーがCabernet Sauvignon。Petite Sirahは1953年から54年にかけて植えられ,Larry Turleyに売られています。TurleyのHayne Petite Sirahは100ドルをはるかに超える価格で取引されています。Cabernetは2年前まではJoseph Phelpsに,現在はNickel & Nickelに売られています。
日本でも販売しているミネラル・ウォーターのFIJI WaterがPaso Roblesの人気ワイナリJustinを買収しました。買収価格は明らかにしていません。
Wine Instituteによると2010年のカリフォルニアワイナリの買収はこれで8軒目で,不況が始まってから最多とのこと。ただし,Justinの場合は経営不振に陥っていたわけではなく,他の例とは少し様子が違うようです。
これまでのオーナーだったJustin Baldwinは今後もワイナリに残ってワイン作りやマーケティングを行います。お金の心配をしないでワイン作りを続けられるというのが売却の主な理由だったようです。
Wine Instituteによると2010年のカリフォルニアワイナリの買収はこれで8軒目で,不況が始まってから最多とのこと。ただし,Justinの場合は経営不振に陥っていたわけではなく,他の例とは少し様子が違うようです。
これまでのオーナーだったJustin Baldwinは今後もワイナリに残ってワイン作りやマーケティングを行います。お金の心配をしないでワイン作りを続けられるというのが売却の主な理由だったようです。
ナパに移転したCrushpadがインターンを募集しています(Career Opportunities At Our Winery In Napa - Crushpad Custom Wine Making)。期間は半年。給料はほとんど支払われませんが10ケースのワインを自分で作れるようです。なお,日本から応募した場合にビザの面倒などを見てくれるかどうかは不明です。やる気があったら頑張って交渉しましょう。
と,厳しいことづくめのようですが,その代わりワイン作りやスタートアップの活気を体験できるのですから,これからワイン作りに進みたいと思っている人にとっては貴重すぎる経験になるだろうと思います。
ちなみに求められている人材像は
・すばらしいプロジェクト管理スキル
・手取り足取り説明せずに実行する能力
・他人とのコミュニケートが上手
・半年間燃え尽きずに働けること
・てきぱき働けること
・スタートアップの環境で働くことを心地良く感じられること。物事は急速に変わっていくので,あいまいな状況でものを実行できること
・Web2.0に堪能なこと
とかなりの高スキル。
若かったら挑戦したいところですが…
と,厳しいことづくめのようですが,その代わりワイン作りやスタートアップの活気を体験できるのですから,これからワイン作りに進みたいと思っている人にとっては貴重すぎる経験になるだろうと思います。
ちなみに求められている人材像は
・すばらしいプロジェクト管理スキル
・手取り足取り説明せずに実行する能力
・他人とのコミュニケートが上手
・半年間燃え尽きずに働けること
・てきぱき働けること
・スタートアップの環境で働くことを心地良く感じられること。物事は急速に変わっていくので,あいまいな状況でものを実行できること
・Web2.0に堪能なこと
とかなりの高スキル。
若かったら挑戦したいところですが…