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Date: 2011/0131 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレーのワイン業界団体Napa Valley Vintnersは2011年1月26日,同団体の日本代表として白須知子さんを任命したと発表しました。白須さんは米国ワインエデュケーター協会(Society of Wine Educators)の日本支部広報部長も勤められているようです。

就任に際して白須さんは
"I feel very proud and excited to represent the Napa Valley Vintners in Japan and to conduct activities to encourage Japanese trade and consumers to better understand the value of Napa Valley and to offer them more opportunities to enjoy wines from Napa Valley"

とコメントしています。

今後の活動に注目したいですね。
Date: 2011/0126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの業界団体Wine Instituteが世界的なブランド確立のためのキャンペーンを始めました(Wine Institute Launches New Global Branding Campaign - The Wine Institute)。

キャンペーンに伴い新しいロゴもできました。


プロモーションのサイトDiscover California WinesからはPDFのブローシャーや地図,ビデオなどがダウンロードできます。

現在公開されているツールは一部のもので,今後トレードショーなどで新しいマテリアルが出てくることも表明されています。

願わくば,日本でのプロモーションもこれまで以上に頑張ってほしいものです。私でできることがあれば協力しますよ。
Date: 2011/0125 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日,中国の胡錦濤国家主席が米国を訪問したとき,オバマ大統領との夕食会に出たワインがかなりハイレベルだったようです(Obama steps up his wine game - Jon Bonne)。

一つはDuMolのシャルドネRussian River Valley 2008。DuMolといえばレベルの高さはもちろん入手が困難なことでも知られるワイン。これだけでもかなり気合を入れてワインを選んでいる感じがします。

さらに,赤ワインはワシントン州から2005年のQuilceda Creek Cabernet Sauvignon。言わずと知れたWine Advocate誌での100点最常連で,2005年ももちろん100点です。

デザートワインもワシントン州からでPoet's Leap Botytis Riesling 2008。これもWine Advocate誌で93点を取っている逸品。

また,オバマ大統領と胡錦濤主席のプライベート・ディナーでは中国系のオーナーがいるHestanワイナリのシャルドネが供されたようです。
Date: 2011/0120 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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SFクロニクル紙が注目のワインメーカーを発表しました(Winemakers to watch in 2011)。なかなかユニークな顔ぶれです。

Jared and Tracey Brandt, Donkey and Goat label
Donkey and Goatは日本にも一時入っていたような気がしますが気のせいかな? ここは夫婦で選ばれています。Sierra Foothillsでローヌ系品種を作っていますが,2001年からブルゴーニュでワイン作りを勉強したというから本当に新しいワイナリです。

Porter Creek's Alex Davis: Winemaker to watch
ソノマのPorter CreekでPinot Noirなどを作っているAlex Davisです。Pinot Noirでは新樽は1/3でそれも一回水に漬けてから使うなどデリケートなワイン作りをしているようです。

Native9 winemakers James Ontiveros, Paul Wilkins
Santa BarbaraでPinot Noirなどを作るNative9からもJames Ontiveros, Paul Wilkinsの二人が選ばれました。

Dan Petroski goes from publishing to winemaking
Larkmeadでカベルネを作る傍ら,自身のMassicanというワイナリでイタリアのFriuli流のワインを作っているというDan Petroski。ニューヨーク生まれで,出版に5年間携わった後,急に思い立ってワイン作りを始めたというからかなりの変わり者です。

Matt Taylor about to run biodynamic farm
最後はソノマのHealdsburgでFront Porchというビオディナミのワイナリを始めたばかりのMatt Taylor。まだ33歳ですが,昨年までは,あのAraujoでワインメーカーをしていたのですから実力はすごいのでしょう。あまりにもピノの話ばかりするので,Bart Araujoがあきれて,好きにしたらいいよ,ということでFront Porchを始めたそうです。今後が気になります。
Date: 2011/0118 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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楽天のワインショップ「ワインスタイル」(以前の名前はワインレッドでした)で布袋ワインズが輸入するワインの40%オフかつ1本から送料無料という豪胆なセールをやっています。スポッツウッドのリンデンハーストが4000円台とかむちゃ安いです。既に売り切れ多数。22日まで,在庫限りなのでお早めに。

セール対象のワイン一覧
Date: 2011/0114 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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New York TimesのサイトにKistlerについての詳しい記事が掲載されていました。オーナーのSteve Kistlerは学究肌の人として知られており,あまりメディアに登場しません。貴重な記事だと思います(A Cult Winemaker Tinkers With Success)。

Kistlerはここ数年でスタイルを変えつつあると言います。元々,パワフルで凝縮した味わいのワインで人気を集めたKistlerですが,フィネスを求めるようになってきているとのこと。一部の顧客は元のスタイルの方がいいと言っているそうですが,スタイルが変わったからやめるという顧客はほとんどいなかったそうです。

スタイルの変化のきっかけになったのは2006年のヴィンテージで,悪天候に備えて一部のシャルドネを通常より早く収穫したのだそうです。その結果,凝縮感はあるものの重くないワインが作れるようになったとのことで,アシスタント・ワインメーカーのJason Kesnerは「目からウロコが落ちる経験だった」といいます。

2008年にこのJason Kesnerをチームに加えたことも従来Steve KistlerとMark Bixlerの二人で運営してきたKistlerにとっては大きな変化。Kesner氏はHudson Vineyardの管理者でもあるそうです。

アシスタント・ワインメーカーを加えたのは,これまでよりも一段上のレベルに進むためのものだといいます。また,ワイナリを引き継ぐ人を欲しかったということもあるようです。Steve Kistlerには娘が二人いますが,二人とも現在のところ後を継ぐ意思はないそうです。

面白い記事なので,キスラーファンの人は一読することを勧めます。
Date: 2011/0113 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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プレミアムワイナリを多数擁するJackson Family Winesが女性ワインメーカー二人の昇進を発表しました。

まず,La Cremaのアシスタント・ワインメーカーだったElizabeth Grant-Douglasをワインメーカーのトップにしました(元記事)。Elizabethは2001年にEnologist(分析担当)としてLa Cremaに入り,2004年からアシスタント・ワインメーカー,その後副ワインメーカーを務めていました。

ElizabethがLa Cremaに入ったときにアシスタント・ワインメーカーであり,現在のワインメーカートップだったMelissa StackhouseはJackson Family Wines全体のピノ・ノワール担当ワインメーカーに就任(元記事)。ピノ専任というのは新設のポジションのようです。La Cremaではブレンディング決定パネルでの関与を続けるとのこと。

二人とも美人で実にいい顔をしています。女性が活躍する場が多く与えられているというのはカリフォルニアワインの美点の一つだと思います。
Date: 2011/0107 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワシントン州でリースリングのスペシャリストとして急成長しているPacific Rimをニューヨークでワイン輸入や流通を手がけるBanfi VintnersのMariani家が買収しました。

Pacific RimはBonny DoonのRandall Grahmのワイナリで,元々はBonny Doonの一部だったものをスピンアウトして独立したワイナリにしたもの。Randall自身は現在新しいプロジェクト(接木を使わない,灌漑をしないといった極めて挑戦的な物)に夢中なようで,それに専念するのが手放した理由のようです。

もう一つの買収ニュースはナパのCosentino。経営不振に陥りオペレーションを止めてしまっていましたが,ナパのGirardなどを有するソノマのVintage Wine Estatesが買い取ったそうです。今後については不明ですが,Girardが急成長したようにCosentinoも復活してもらいたいものです。
Date: 2011/0106 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌の記事によるとScreaming EagleのワインメーカーだったAndy Ericksonがワイナリから離れたそうです(Screaming Eagle's Winemaker Departs)。

辞めた理由は自身のブランドであるFaviaと,Dalla Valle,Dancing Hares,Ovid,Ariettaという顧客に専念するため。

Screaming Eagleは1992年にJean Philipsが設立したワイナリで,最初のヴィンテージからWine Advocate誌で99点を取り,1997年には100点を取っています。2006年にJeanは現在のオーナーであるCharles BanksとStanley Kroenkeにワイナリを売却,Andy Ericksonも同年からワインメーカーを務めていました。

Andy Ericksonの在籍中の実績としては2007年がWAで100点,2008年が96-98点。今後はStanley Kroenkeが選んだチームが引き継ぐとのこと。
Date: 2011/0104 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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かつては「世界一」と言われたGalloがContellation Brandsの後塵を拝するようになって数年,再び首位に返り咲きました(Gallo headed back to the top - Business - Modbee.com)。

とはいっても,Contellation Brandsが傘下のいくつかのワイナリを売却する予定であることによるもの。元々Contellation Brandsが一位になったのも買収によるものだったので,どっちもどっちでなんだかなあという感じはあります。

ちなみに元記事によるとGalloの2009年の生産量は推定7800万ケースとのこと。買収による規模拡大ではなくファミリービジネスを追求した結果としてのこの規模はやはり賞賛すべきでもあり,驚異でもあります。
Date: 2011/0102 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カレラのニューズレターに輸出市場をどれだけ重視しているかという話が載っていました。

そこに日本と米国,他の地域にわけて売上の比率が表になって掲載されていました。

地域1991199219931994199519971998200820092010
日本1.7%00.2%0.4%0.5% 6.3%15.6% 22.6%29%26%
他の海外5.5%5.4%5.5%9.5%7.5% 7.6%12.1% 8.2%11%16.7%
米国92.8%94.6%94.3%90.1%92% 86.1%72.3% 69.2%60%57.3%


日本向けは2010年(10月末まで)で26%,2009年には29%に達しています。1997年,1998年あたりで急増しているのはカレラが「ロマネ・コンティに似ている」としてブームのきっかけになった漫画ソムリエの影響などがありそうです。

現在日本向けの輸出は「やまや」と「ヴィノラム」の二つの代理店が扱っています。両者の比率は明らかになていませんが,どちらも相当量を売っていそうです。ニューズレターではそれぞれの担当者名まであげて感謝しています。
Date: 2011/0101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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明けましておめでとうございます。2010年のカリフォルニアワインを振り返っていくつかトピックを取り上げたいと思います。特に順位は付けず,思いつくままにつらつらと。

●Twitterの普及
 このブログでTwitterについて書き始めたのは2009年からですが,当初はあまりの無反応に日本でワイン好きの方々にTwitter普及するのは遠いなあと思ったものです。2010年は日本のワイン関係のTwitterが急増しました。ワインショップや日本のワイナリーでTwitterを始めている人も結構います。@wassysさんなんかは上手に使っている感じがします。私のワイン関係の友人でもずいぶん増えました。Robert Parkerのアカウントができたのも2010年でしたね。彼の場合は双方向性はなく一方的につぶやくだけなのでちょっと特殊な使い方ですが。

●米国ワイナリではFacebookが人気?
 一方で,米国のワイナリなどでは2009年に比べるとTwitterの利用はあまり伸びていない感じがします。どちらかというとFacebookのファンページの方が利用が進んでいる感じがします。顧客の囲い込みという意味ではそちらの方が効果が出やすいのかもしれません。
 数年前にもてはやされたWine 2.0的なソーシャルメディア利用はちょっと影に隠れてしまった感があります。
 これからはUstreamのようなライブ感があるメディアの利用が増えてくるのではないかと思っています。

●iPhoneアプリ花盛り
 ワイン関係のiPhoneアプリというと当初はSnoothなどのワインポータルが中心でしたが,2010年にはワイナリがアプリを出したり,Napaのアプリが出るなど,軽い感じのアプリが増えました。この傾向は今後も続きそうなきがしますが日本へ波及するかどうかは不明です。

●Calera人気続く
 Caleraの人気が復活したのは2008年ころだったでしょうか。テレビ番組で紹介されたのがきっかけだったと思います。その後,dancyuの5000円以下ピノのベストにMt. Harlan Cuveeが選ばれるなどのトピックがあり,2010年には2007年ヴィンテージがWine Advocate誌で過去最高の評価を得ました。今は人気・実力ともいいレベルに来ている感じです。別記事で紹介する予定ですが,カレラの生産量の約1/4が現在日本で販売されているとのことで,日本市場はCaleraにとっても大事になっています。

●Opus One復権
 Opus Oneやオーパスワンで検索して来る人は2010年半ばから急増しました。指数関数的な急上昇です。特に2007年ものは評価が高いこともあり,2007との複合検索で来る人が多いです。Tim MondaviのContinuum(コンティニュアム)も人気高いです。

●2007年2008年と良ヴィンテージが続く
 2007年はカリフォルニアは全般によく,特にセントラルコーストのピノが軒並み高評価でパーカーも2007年は買ったほうがいいとツイートしていましたが,2008年もナパのカベルネなど高評価が続いています。今の現行ヴィンテージはいずれも良ヴィンテージといっていいでしょう。
 ただし,2009年は火事の影響は春の霜の影響で生産量が少なかったり,スモーキーなフレーバーが付くものがあったりと難しいヴィンテージだったようです。さらに2010年はこれまでで一番難しいヴィンテージだったという話もあるほど大変な年だったとのこと。2007,2008は狙い目かもしれません。

●Sauvignon Blancの当たり年?
 2010年は日本市場にカリフォルニアの良Sauvignon Blancが多く入ってきました。SpottswoodeやRochioli,さらにはAraujoなど。Pomeloなど低価格帯でのいいものも増えており,2~3年前にはSauvignon BlancはもうNZで決まりでいいんじゃない,といった雰囲気から様変わりしました。

●日照りの夏
 日本は2010年は酷暑でしたね。ワインセールスにとっては厳しい夏だったようです。

八つ目まで来たので末広がりということで,この辺で打ち止めにしたいと思います。今年もよろしくお願いします。