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Date: 2011/0831 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインブログFermentationで,ナパ・ヴァレーとソノマ・ヴァレーを訪問するのはどちらがいいか,10個のポイントで比較しています(Fermentation: The Daily Wine Blog: Top Ten Differences Between Napa Valley and Sonoma Valley)。

順に挙げると
1.ナパはワインのディズニーランド,ソノマはワインの一地域
2.良質の食事に関してはナパがソノマを大きく上回る
3.ナパの交通は面倒,ソノマは比較的マシ
4.ソノマはよい裏道がある
5.ワインの選択肢ではソノマが豊富
6.宿泊施設はナパがより洗練されていて便利
7.ナパのほうがアクティビティは多い
8.ショッピングならSonoma Town Plazaが楽しい
9.ソノマ・ヴァレーは鄙びていて,ナパ・ヴァレーは洗練されてよりビジネスライク
10.ソノマのほうがお金はかからない

ナパの方が,慣れない旅行者にとっては便利で過ごしやすいところが多く,ソノマの方が田舎感を楽しむのにはいい,といったところでしょうか。
Date: 2011/0831 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Gary Vaynerchukが5年間続いたワインビデオから引退するというのは先日紹介しましたが,それについて「ワインから利益を得るのが難しかったからではないか」という記事が掲載され,Garyがさらにそれに返信しています(The Drinks Business Article Gary Vaynerchuk quits wine videos)。

この記事では,Garyの引退をAppleからスティーブ・ジョブズがいなくなるようなものだと,いう意見を紹介する一方で,「この起業家は引退の理由を明らかにしていないが,噂によるとワインから利益を得るのが難しかったことが主な理由ではないかとのこと。そこで別のビジネス・ベンチャーに向かうのだろう」と揶揄しています。

Garyはコメントで「$$を短期的な決断につなげることはないよ。Wine Library TVは十分に金銭的な機会を与えてくれたし,売上につながった。僕はこれを5年以上やったんだ。もっと長く一つのことを続けるというのは僕のDNAにはないんだ」と書いています。
Date: 2011/0829 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインジャーナリストで,カリフォルニアワイン名誉の殿堂選考委員会委員長であるW. Blake Gray氏がブログで,2012年の候補者を明らかにしています(The Gray Report: Who IS on this year's Vintners Hall of Fame ballot )。

Richard Arrowood
Frederic Bioletti
Cesar Chavez
Paul Dolan
Joe Heitz
Peter Mondavi Sr.
Myron Nightingale
John Parducci
Vince Petrucci
Richard Sanford
Angelo Sangiacomo
Jed Steele
Lee Stewart
Charles Sullivan
Bob Thompson
Brad Webb
Albert Winkler


というのがその一覧。もちろん知らない人もいますが,Richard Arrowood,Joe Heitz,Richard Sanfordなど,玄人好みの渋い感じの人が多いようです。これまでよりも候補者の数は絞ってあるとのこと。
Date: 2011/0827 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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バークレーにあるレストランChez Panisseが40周年を迎えました。カリフォルニア料理の生みの親でもあるレストランであり,SFクロニクルでは特集を組んでいます。中でも興味深かったのはもちろんワインの記事(Chez Panisse's wines - a list to match a legacy)。

レストランがオープンしたとき,リストに載っていたワインはわずか2種。MondaviのFume BlancとRidgeのGeyservilleだったそうです。

その後,ワインプログラムは発展していくわけですが,ローカルの食材を大事にするというChez Panisseのフィロソフィーと,フランス料理に近づく,レストランの味のあいだにはミスマッチもあったようです。

最近ではカリフォルニアも繊細な味わいのワインが増え,Wind GapやバークレーにあるBroc Cellarsが一押しになってきているとか。また,Zinfandel Festivalという催しも毎年行っているそうです。
Date: 2011/0826 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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RidgeのブログでワインメーカーであるPaul Draperへの10の質問というイベントをやっていました。読者からメールで質問をもらい,Paul Draperが一つずつ答えるという企画です。

質問の概要は以下の通り。それぞれ,記事へのリンクになっています。
1.1976年のパリ・テイスティングでカリフォルニアはフランスの最も有名なワインに太刀打ちできることを示しました。2006年のテイスティングではMonte Bello 1971が最高のワインに選ばれました。この勝利がカリフォルニアがただおいしいだけでなく,よく熟成もするワインを作れることの証明だと思いますか?
2.あなたはSanta Cruz Mountainsのテロワールの熱狂的なファンだが,そのテロワールはナパとどう違う?
3.近年,カリフォルニアからいくつかの新しい「カルトワイン」が出てきており,一部はボルドーの1級ワインより高価である。Monte Belloはそれらの新しいワインと何が違うのか?
4.あなたは,わずかしか残っていないアメリカン・オークの支持者だ。ほとんどの人がアメリカン・オークというとココナツやヴァニラのフレーバーを思い浮かべるが,あなたのワインはとてもエレガントである。どうするとアメリカン・オークでそのようにエレガントなワインができるのか? またアメリカン・オークを使うメリットは?
5.GeyservilleやLytton Springsなどの,あなたのZinfandelベースのワインは,他のZinfandelと比べてアルコール度が低い。その理由と,それらが長期間の熟成に耐えるのはなぜ?
6.カリフォルニアワインを飲んだことがない人に,どのRidgeのワインを勧める?
7.ジャンシス・ロビンソンはMonte Belloのシャルドネをグランクリュのブルゴーニュと比べている。あなたはシャルドネを作るときにブルゴーニュのすばらしいワインを意識しているか?
8.複数の場所や品種のワインをブレンドするメリットは?
9.あなたは40年以上すばらしいワインを作っている。始めたころと今とで変わったことは?
10.世界のどこか別の場所でワインを作ろうと思ったことはあるか?その理由は?(9と10は同じリンク先です)

個人的には2番目と4番目あたりの質問が面白かったです。回答はリンク先でどうぞ。
Date: 2011/0824 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Library TVで一世を風靡したGary Vaynerchukが5年半続いたワインビデオの世界から引退することを発表しました(Daily Grape - Episode #89 - The Final Grape)。ショックです。

今後については明らかにしていないものの、年内は充電期間とし、2012年には何かを始めるようです。

当ブログでもたびたび取り上げているGary Vaynerchukですが、彼の米国ワイン業界における功績は、この10年において一番大きかったのではないかと思っています。特に、重要なのが、彼が毎回ショーの最後に言う「You are changing the wine world」ということ。評論家が引っ張っていった時代に引導を渡すものだと思います。最後のショーを彼は「You, with such a smaller part of me than you realize, we have changed the wine world.」と締めくくりました。

日本のワイン界にも、こういう人が出てきて、既存の枠組みを崩してくれないかと、今でも思っています。

ともあれ、Garyに感謝するとともに、彼の今後も応援したいと思います。
Date: 2011/0820 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カルトワイン中のカルトワインと言われたScreaming Eagleの創設者であるJean Philips。彼女がナパのPillar Rockが持つ畑を買収しました(Screaming Eagle Founder Buys Pillar Rock Vineyard)。

今回の買収は畑だけでPillar Rockのワイナリやブランドは含まれません。Pillar Rockはしばらく前から売りに出ていたようで,今後はワイナリやブランドの売却がカギになりそうです。

Date: 2011/0811 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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女性のワインメーカーへのインタビューをまとめた本を以前紹介しましたが,まだまだ女性は大変なことがあるようです。そのためか,女性ワインメーカー向けのサイトができたとのこと(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Women Winemakers Go Online)。

このサイト,どこに女性のワインメーカーがいるか,検索できるようになっています。やっぱり,既に女性が務めているところは入りやすいのでしょうね。Helen TurleyやHeidi Barrett,Merry Edwardsさんらに続く人たちがどんどん出てきてほしいものです。
Date: 2011/0810 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレーで売りに出ている価格トップ10の不動産をFermentationが紹介しています(Fermentation: The Daily Wine Blog: Top Ten Napa Valley Properties Now On The Market)。

10位で1050万ドルですから今の円ドルレートでも8億円くらい! これはハウエル・マウンテンからLake Hennesseyを見下ろすという,素晴らしい眺望のロケーション。6.7エーカーの葡萄畑などが付いています。3ベッドルームと家は狭め(笑)。景色を考えると個人的にはここが一番住んでみたいです。

9位はSilverado Trailのカリストガの家。ここはブドウ畑はなく,ホームシアターやサウナ,ジム,プール,バー,ピザ用オーブンなどがあって7ベッドルーム(7バスルーム)。ただ住むならいいですねえ。価格は1150万ドルですから10位とそれほど変わりません。

6位の家はSt. HelenaのZinfandel Lane沿いにありCabernet Sauvignonの畑が付いています。家の写真がかなりおしゃれ。

1695万ドルの5位の家はまるでホテルかという作り。2つのマスター・スイート,4つのゲストスイートなどなど。ちょっと持て余しそうです。

2400万ドルの3位の家はパーカーが4年連続95点以上を付けている畑があるという素晴らしさ。

3575万ドルという1位の家もどちらかというと畑がメインな感じです。

どれか一つでいいから住んでみたいものです。
Date: 2011/0806 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのLandmarkといえば,シャルドネとピノのスペシャリストとして有名なワイナリ。特にシャルドネのOverlookは,カリフォルニア各地から仕入れたブドウを使いながらも,高品質かつそこそこの価格で非常に人気の高いワインです。

その,LandmarkをFijiブランドの水を作っているフィジーウォーターが買収しました。特に経営が苦しかったというわけではなく,Fijiが出した買収条件があまりにも良かったため,話に乗ってしまったというところのようです。

現経営陣は一部の業務に残るとのこと。新オーナーは生産量を倍増させたい意向だとのことです。

Fijiは昨年12月にはPaso RoblesのJustinを買収しています。
Date: 2011/0805 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパで一番古いワイナリはどこだかご存知でしょうか? BeringerでもBVでもInglenookでもなく,実はCharles Krugです。とはいっても,ナパの歴史を紐解いてもCharles Krugが登場するのは,まずRobert Mondavi一家がナパに進出するために,このワイナリを買ったという話から。その後,Robertが勘当されてRobert Mondaviを作り,Charles Krugを提訴して勝利したという骨肉の争いが繰り広げられたのはご存知の人も多いでしょう。現在は,Robertの弟Peterから息子へと引き継いでCK Mondaviというブランドでがんばっていますが,そのCharles Krugが一番古いボトルを探しているそうです(Search begins for oldest Charles Krug bottle)。(ああ,前置きが長かった)

そのCharles Krugが今年創設150周年だそうです。創設の年というとリンカーンが大統領に就任して,南北戦争が始まったときだというから,米国の歴史だとまだまだ初期という感じです。

150周年記念のイベントとして参加を求めているのが,一番古いボトルを探すということ。Charles Krugのワインで一番古いものを買い取って展示する計画だそうです。鑑定はニューヨークのサザビーがするというのだから本格的です。

どれくらい古いボトルが見つかるでしょうねえ?
Date: 2011/0803 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カスタムのワイン作りサービスとして知られているCrushPadが2011年8月1日,新しいCEOとしてPeter Ekmanを採用しました(CrushPad Names Peter Ekman CEO)。

Peter EkmanはLVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)で6年働いた後,Wine.comのCEOを勤め,その後Ascentia Wine Estatesというベンチャーを立ち上げてExecutive Vice Presidentを勤めていました。Ascentiaでは2億3800万ドルを集めてConstellation Brandsから8つのブランドを取得しています。

CrushPadの創設者でこれまでのCEOだったMichael Brillは国際的なパートナーシップや,新製品の開発に専念するとのこと。

創設者のCEOが開発系に専念するために,ビジネス経験豊かなCEOを外部から招くというのは,米国ではよくあるパターンですね。よく知られている例だと,かつてAppleがジョン・スカリーを招いたときとか(Macintosh発表1年前のことでした)。とはいえ,スカリー-ジョブズのように,喧嘩別れしてしまうケースも珍しくないような。新しい体制がうまくいくことを期待します。
Date: 2011/0802 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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SFクロニクル紙のWebサイトに,パーカーの後を継いでWine Advocate誌のカリフォルニア担当になったAntonio Galloniの記事が出ていました(Life beyond Parker - California wine eyes a new critical voice)。

8月末にはGalloniのレビューによる最初のカリフォルニアワインの特集(セントラル・コースト)が登場する予定であり,カリフォルニアのワイン関係者もぴりぴりしている様子が伺えます。

Galloni自身は「自分がパーカーの後をそのままなぞると思っている人たちも,カリフォルニアワインのこれまでには間違った風潮もありGalloniがそれを正してくれると思っている人も失望させてしまうかもしれない」とかなり控えめ。しかし,記事ではGalloniがこれまでイタリアやシャンパーニュといった担当地域で,日の当たらなかった領域に力を入れたり,よりカジュアルなワインのレビューをしたり,といった実績を取り上げ,今後にかなり期待が持てそうな形でまとめています。