Archives

You are currently viewing archive for January 2012
Date: 2012/0126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Robert Mondaviの妻だったMargrit Mondaviが回顧録を7月に出すことが分かりました(Margrit Mondavi to publish 'frank' memoirs)。

詳しい内容はまだ分からないものの、ゴーストライターを務めたJanet Fletcherによると、彼女は非常にフランクに、これまで公開されていないような様々な話をしたとのことです。

例えば、Napa Valley Auctionに出品し、5万6000ドルで落札された「ローマの乱痴気騒ぎ」の話が載るそうです。落札者を含む12人のゲストはMondavi邸で、ローマ帝国を彷彿とさせるような服装になり、朝まで騒いだとか。

まあ、現在のRobert MondaviオーナーであるConstellation Brandsのお墨付きなので、そんなにむちゃくちゃな話は出てこないのではないかとも思いますが、30年近く連れ添った(Margritは後妻)のですから、どんな話が載っているのか楽しみです。
Date: 2012/0122 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2009年に明るみに出たフランスからPinot Noirとして輸入したブドウが違う品種だったという事件で、GalloとConstellation Brandsが消費者に返金することが決まりました(Fake pinot noir settlement tentatively approved - latimes.com)。

対象となるワインは
Farallon Pinot Noir 2006
Red Bicyclette Pinot Noir 2005
Redwood Creek Pinot Noir 2005-2007
Rex Goliath Pinot Noir 2005-2008
Talus Pinot Noir 2005-2007
Turning Leaf Pinot Noir 2006
Woodbridge by Robert Mondavi Pinot Noir 2005-2008

消費者は、レシートなど購入の証拠となる書類を3月24日までに提出することで返金を受けられます。また、レシートがない場合でも1本あたり3.5ドル、合計で10.5ドルの返金を認めるといいます。つまり、誰でも申し出れば10.5ドルはもらえることになります(返金方法など詳しいことはこちら)。

返金を受けられるのは、米国で購入した人だけですが、これらのワインのうち、日本で売っているものもあります。レッドウッド・クリーク、タラス、ターニング・リーフ、ウッドブリッジの4ブランドです。レックス・ゴライアスはかつて日本でも売っており、私もよく飲みましたが、それはHahn傘下にあったときのもの。Constellation Brandsに移ってフランスのブドウになってからは輸入されていないと思います。

日本のメーカーや輸入業者が返金するのか、それよりもまずこの事実を公表するのかどうか、気になるところです。

ちなみに過去記事によると、Galloが偽ピノ問題を認めた後も、Constellation Brandsはかなり頑なに事実を認めなかったようです。日本では、さらに隠そうとするような感じがします。
Date: 2012/0120 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
先日は、NBAを引退したヤオ・ミンのワインといった話題もありましたが、NFLを引退してワイン作りをする人もいます(Former NFL greats serve up wine with a kick)。

元記事で取り上げている3人の元選手・コーチのうちマイク・ディトカは以前の記事で書いたことがあります。ジョー・モンタナはカリストガの自宅を売却してしまいましたが、元BeringerのEd Sbragiaとのワイン作りは続けているようです。「Montagia」というカベルネはSbragiaのサイトによると149ドルと、なかなか強気の値段。

3人目のディック・バーミールは元フィラデルフィア・イーグルスやロスアンゼルス・ラムズのヘッドコーチとしてスーパーボウルにも出たことがある人。元々カリストガの出身だとのことで、ラムズをスーパーボウル優勝に導いた後、2001年からワイン作りを手伝っており、2009年にバーミール・ワインというブランドでワイナリを持つようになったようです。バーミール本人もトラクターに乗って畑仕事をしているそうですが、意外にも気がつかない人が結構多いとか。

この記事のほかには、元ニューイングランド・ペイトリオッツのQBドリュー・ブレッドソーが自身のワイナリを持っています(過去記事)。ワシントン州のDoubleBackというワイナリで2008年のカベルネ・ソヴィニョンはWine Advocate誌で94点を取っています。また2007年はWine Spectatorで95点、2010年トップ100の54位に選ばれていますから、この中では一歩抜け出た存在と言ってもよさそうです。
Date: 2012/0118 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Wines & Vinesによると20ドル超の高額ワインの消費が米国で急激に伸びているそうです(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - High-Priced Wines Hottest in December)。

2011年12月の同価格帯のワインの売上は247億ドル。前年より26%伸びているとのこと。元記事のグラフを見ると2008年を底に2011年まで順調に成長していますが、中でも2010年から2011年にかけては急成長しています。いわゆるリーマン・ショック後の不況で高額ワインが売れない時期が続いていましたが、完全にそれが去ったと言ってもいいでしょう。

成長率が一番高い品種はPinot Noir。売上高ではCabernet Sauvignon、Chardonnayの順です。Syrahはほかの価格帯では減っているものの20ドル超では伸びており、沈み気味のMerlotも12%伸びています。
Date: 2012/0118 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
SFクロニクル紙が選ぶ、注目のワインメーカーが発表されています。これまでにもまして、様々な地域だったり、アルコール度が低いなど今風でないワインを作るワインメーカーが選ばれているような感じがします。知っているワイナリは一つだけでした。

唯一知っていたのはJoseph PhelpsがソノマコーストでPinot NoirやChardonnayなどを作るプロジェクトとして始めたFreestone。ワインメーカーはTheresa Herediaという人です。果実味をあまり出しすぎないために、わずかに緑のところが残っている状態で収穫するなど、ユニークな試みをしています。

Enrico Bertoz, Letizia Paulettoの夫妻はソノマで白ワイン専門のArbe Garbeというワイナリを始めました。イタリアのフリウリ出身で、Pinot BiancoやMalvasiaといったフリウリで作られている品種を中心にしています。また、カリフォルニアでのワイン作りに触れるきっかけとなったSine Qua NonのManfred Krankleからも影響を受けています。

Michael McCayはLodiのMcCay Cellarsのオーナー。天然酵母を使ってZinfandelを作るというのはおそらくLodiではここだけでしょう。

Chris BrockwayはバークレーのBroc Cellarsのオーナー。ここも天然酵母を使ったり古い発酵槽を使うといった試みをしており、アルコール度が低いワインを目指しています。例えば、Santa Ynez ValleyのHappy Canyonの畑から作るCabernet Francでは11.9%のアルコール度数になっています。

25歳と一番若いGavin Chaninはサンタ・バーバラでChanin Cellarsを営みます。Au Bon ClimatのJim Clendenenとは家族ぐるみの付き合いがあり、QupéのBob Lindquistからもワイン作りを教わっているとのこと。有名なBien Nacidoからブドウの提供を受けていますが、アルコール度が高いワインを嫌うため、他の顧客より5週間も早く収穫したりするそうです。また、新樽のフレーバーを避けるために古い樽を使い、シャルドネの瓶詰めまで14カ月かけるなど、こだわったワイン作りをしています。

これらのワイナリやワインメーカーが、これからどう成長していくのか楽しみです。
Date: 2012/0114 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパ最新のAVAに認定されたCoombsville。Highway29沿いのワイナリに代表されるような、大規模で洗練された雰囲気とは大きく異なっており、ワイナリに落ち着きを求めたい人にとっては「アットホーム」な体験ができる、いいエリアなようです(Coombsville: Slow down in Napa’s newest AVA)。

まず、この地域のワイナリの大部分は予約のみの受付になっています。慣れない人にとってはしきいが高いかもしれませんが、その分ゆっくりと話を聞きながらテイスティングできます。

さらに、ここからナパのダウンタウンまでは車で5分くらいと非常に近く、レストランやホテルには事欠きません。また、サンフランシスコやシリコンバレーからはナパの一番手前に当たるので、移動も楽です。

最後に、ここには「Napa Valley Country Club」というゴルフ場もあります。これまでのナパとは一味違った体験ができるかもしれませんね。
Date: 2012/0114 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
VinexpoとInternational Wine and Spirit Research (IWSR)の調査によると、2011年にワインの消費が一番多い国は米国でした。中国が英国に代わってトップ5に初めて入りました(AFP: US is biggest wine consumer, China joins top five)。

2位~4位はイタリア、フランス、ドイツの欧州勢。欧州は合計で全体の62%を占めましたが、量は減少傾向。一方で米国は2011年の37億ボトルから2015年には10%増加する見込みであり、中国は2011年の19億ボトルから2015年までに54.3%もの伸びを見込んでいます。

また、興味深いのは飲まれたワインの価格が上がる傾向にあること。2006年から2010年にかけて5ドル未満のワインの消費は0.95%減ったのに対し、5ドル以上10ドル未満では10.7%の上昇、さらに10ドル以上では14.7%の上昇になっています。
Date: 2012/0110 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Copia(The American Center for Wine, Food and the Arts)がナパにオープンして10年が過ぎました。クローズしてからも既に3年の月日が流れています。この建物を再利用しようという計画が動き始めました(Planning under way for Copia)。

現在の所有者であるACA Financial Guarantyが再利用計画の提出を求めていることが明るみに出たわけですが、具体的なことは何一つ決まっていないようです。フロアごとにテナントを分けるようなこともあり得るとか。

CopiaはRobert Mondavi凋落の一因でもあり、バブル時代の重い遺産でもあります。そろそろ暗い思い出を吹き飛ばしてほしいものです。
Date: 2012/0103 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
SFクロニクル紙が選ぶ2011年のWinemaker of the YearにナパのCorison Wineryのキャシー・コリソンが選ばれました(Cathy Corison - Chronicle's Winemaker of the Year 2011)。

キャシー・コリソンは1980年代にはChappelletのワインメーカーとして活躍。Pritchard Hillの名を高めるのに貢献した後、1987年に自身の名のついたワイナリをSt. Helenaに設立しました。

彼女は、以前からナパでは濃いワインを作ることよりもバランスの取れたワインを作る方が重要だと考え、エレガントなカベルネを作って来ました。

今回、Winemaker of the Yearに選ばれたのも、彼女自身が変わったというより、時代が彼女に近づいてきたといった方がいいような気がします。

国内では近年のヴィンテージは入ってきていませんが、古いものが比較的格安で入手できます。


Date: 2012/0101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今さらですが、お勝手口的に10大ニュースをまとめてみました。

10位:ワイナリも地震寄付
東日本大震災では米国でも赤十字への寄付活動が盛んに行われました。JALの訓練学校があったナパは仙台の空港がある岩沼市と姉妹都市であり、チャリティ・イベントが開かれました。ワイナリでも寄付の動きがありました。

参考:ナパ市が姉妹都市の岩沼のためにチャリティ・イベント5万5000ドルを集める

9位:Gary Vaynerchuk、ワインビデオから引退
今後については今年発表される予定ですが、ワインだけでなくソーシャルメディアをからませたコンサルタント的なことをやっていきそうな感じです。

参考:衝撃!Gary Vaynerchukがワインビデオから引退

8位:Bill Harlan氏来日
セミナーに参加させていただき、HarlanやBondのワインを並行して味わうという貴重な機会が得られました。完璧を求める努力を見ると、高評価も当たり前だなあと思いました。

参考:Harlan EstateオーナーBill Harlan氏来日記念セミナー

7位:Jess Jackson亡くなる
Robert Mondaviほどの影響力はありませんが、ソノマのKendall-Jacksonの創設者であるJess Jacksonが亡くなりました。パーカーがソノマ初の100点を付けたVeriteなどもJackson Familyの傘下であり、優良なワイナリを数多く育てた功績は大きいと思います。

参考:Kendall-Jacksonの創設者Jess Jacksonが亡くなる,81歳

6位:CoppolaがInglenookブランドを取得
Coppolaが創設以来の悲願だったInglenookの名称を取得しました。年末にはワイナリ名も正式にInglenookに戻したそうです。

参考:Coppola悲願のInglenook名称を取得,マルゴーのワインメーカーを採用

5位:2011年は難しいヴィンテージ
天候不順が続いて、2011年はなかなか難しいヴィンテージになったようです。ただ、1990年代に難しいヴィンテージだった1998年のワインが近年むしろ好ヴィンテージとされていた1997年よりも魅力を発揮している場合があるなど、ヴィンテージの評価もあまりあてにならないのかも、と思うところもあり…

参考:ソノマの収穫に雨の被害

4位:神の雫
ワイン漫画「神の雫」でDiatomの漢字ラベルのワイン「波紋」などが複数号にわたって取り上げられました。「使徒」ではありませんが、ある意味「使徒」より大きな扱いといっても過言ではないでしょう。
このほか、神の雫の後ろに掲載されている葉山考太郎さんのコラムでAugust Westが激賞されるというのもありました。

参考:今週の「神の雫」にDiatomの「波紋」が登場

3位:シャルドネおいしいよ
今年は、年初のKongsgaard Judge、その後のMarcassin、Neely、Diatomの波紋、「サムライ・ビューティ」、そして年末のMoon Selectなどおいしいシャルドネをいろいろいただきました。カリフォルニアのシャルドネは近年品質が上がっており、一方で価格はほとんど変わっていないので、随分お買い得感が増しています。濃くて甘いだけのシャルドネの時代はもう遠くなりました。シャルドネ敬遠している人にも飲んでほしいものです。

2位:Wine Advocateで大変革
ワイン評論家の代名詞といってもいいほど有名なロバート・パーカーがカリフォルニアワインのレビューから手を引くことになりました。12月には新担当のAngonio Galloniによるナパのレビューが初めて登場しています。急激な変化はなさそうですが、徐々にGalloni色が出てきそうな感じもあります。
とはいえパーカーはMarcassinのシャルドネに白ワインとしては歴代2本目となる100点をつけたり、企画ものでVeriteやTallyに高得点を付けるなど、まだまだ存在感があります。
一方で、暮れにはワイナリ訪問で金銭を要求した疑いを提示されたJay MillerがWine Advocate誌を離れることになりました。こちらの解決はまだかかりそうです。

参考:Wine Advocate誌に大変革,カリフォルニアとコート・ドールはAntonio Galloniの担当に

1位:電子書籍でワイン本書き始めました
電子書籍のブームが来るのはまだまだですが、自分で作る分には簡単にできる時代がやってきています。そこで、カリフォルニアワインの本を書くことにしました。掲載ワイナリ200以上を目標に作業していますが、なかなか進まないのが悩ましいところです。春に出せたらいいなあと。