Archives

You are currently viewing archive for September 2012
Date: 2012/0928 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアのワインメーカーというとヘレン・ターリーやハイジ・バレット、先ごろ名誉の殿堂入りが決まったメリー・エドワーズなど、女性が活躍しているイメージが多分にあります。Lucia Gilbertという心理学者が女性のワインメーカーというキャリア・パスに興味を持ち、カリフォルニアで3200人以上のワインメーカーを調べたところ、女性の比率は9.8%。15~20%程度いるのではないかという予想を大きく下回っていました(Women winemakers hit stride in California | The Detroit News | detroitnews.com)。

そこで、次に「Opus Vino」という本に取り上げられている約4000のワイナリについて調べてみたところ、女性のワインメーカーがいるカリフォルニアのワイナリのうち23%が同書に掲載されていたのに対し、男性ワインメーカーのワイナリでは14%にとどまっていました。すなわち、女性が作るワインの方が男性が作るワインより高い評価を受ける傾向があるようです。

この理由は定かではありませんが、女性のほうが感覚が鋭いこと、ワイン造りに必要な、隅々まで神経を張り巡らせることが、女性向きなのではないかとしています。

Date: 2012/0925 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイナリが消費者に直接ワインを販売する「Direct to Consumer(DtC)」市場が広がっています。Wines & VinesとShipCompliantが発表したレポートによると2011年8月から2012年7月の米国におけるDtCマーケットは13億5500万ドル。前年比10.3%増でした(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Wineries' Direct Shipments Reach $1.4 Billion)。これは米国内のワイン市場の8.6%に相当します。

ワイナリの大きさで見ると、5000ケース未満の小さなワイナリがワイナリ数の77.7%を占めています。従来このようなワイナリがDtCでも中心になっていましたが、この1年で見ると、小さなワイナリが縮小し、逆に50万ケース以上のワイナリが20%を超える大きな成長を示しています。

ワインの価格帯で見ると15ドル以上20ドル未満の領域だけが縮小し、他の価格帯はいずれも伸びています。50万ケース以上のワイナリの平均価格は25ドルなので、「大きなワイナリによる15ドル未満のワイン」の伸びがDtCマーケットの成長要因になっていると思われます。

ブドウの種類で見ると、カベルネ・ソヴィニョンが数で25.6%、売上で40.8%と圧倒。2位のピノ・ノワールはそれぞれ18.6%、19.6%、3位のシャルドネはそれぞれ14.6%、11.4%でした。

このレポートは無料で公開されているので、DtC市場に興味が有る方は見てみるといいと思います。
Date: 2012/0923 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Wine InstituteがFacebookで日本語ページを始めています(California Wines Japan)。実は、先日紹介したアカデミー・デュ・ヴァンのコースもこのページで紹介されていたのでした。ぜひ「いいね」してください。

私が管理している「カリフォルニアワイン」のFacebookページもよろしくおねがいします。

「いいね」したらその右のプルダウンメニューから「趣味・関心リストに追加…」や「ページのお気に入りに追加」もしておくと、更新情報が確実にタイムラインに表示されると思います。こちらもお願いします。



Date: 2012/0922 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
来年2月にカリフォルニアワインの名誉の殿堂に入るメンバーが決まりました。ワインメーカーのMerry Edwards、ワインライターのFrank Schoonmaker(故人)、労働組合のリーダーCesar Chavez(故人)、そしてRobert Parkerの4人です(The Culinary Institute of America Announces 2013 Vintners hall of fame inductees)。

Merry Edwardsは説明不要だと思いますが、ソノマのワイナリMerry Edwardsのオーナー/ワインメーカー。ピノ・ノワールやソヴィニョン・ブランなどマニアに強く支持されています。女性ワインメーカーとしても先駆けの1人。

Frank Schoonmakerは禁酒法が明けたころからのワインライターであり、Wenteなどいくつかのワイナリでコンサルタントも務めた人。例えばヴァラエタル・ワインと呼ばれるワインの品種を名前に付けることを提唱したそうです。

Cesar Chavezはメキシコなどからブドウ摘みなどの出稼ぎに来る労働者の権利を守るのに奔走した人。1968年からは「グレープ・ボイコット」と呼ばれる運動を指揮しました。これは畑の働き手がちゃんと契約をし、給料を当時の水準から上げるまで、カリフォルニアのブドウの非買を訴えるというもの。1978年に概ね目的を達したとして終了しました。

Robert Parkerは今さら説明不要ですね。そういえば、殿堂入りメンバーの審査委員長であるW. Blake Gray氏がこの夏Parkerについて語っていたなあ、などというのを思い出しました。彼のブログを見ていると次年のメンバーが分かるかもしれません。
Date: 2012/0921 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワイン・インスティテュートの寄付で行われる「カリフォルニアワインへのいざない」という講座がアカデミー・デュ・ヴァンの東京校と大阪校で行われます。1回2時間。カリフォルニアワイン6種類の試飲と、おみやげにワインが1本ついて2100円という信じられないくらいの安さ。

これまでも行われていて、このブログでも紹介していますが、今年は私も受講してみようと思います(11月10日の回に申し込みました)。

なお、試飲のワインは以下の6種。いや、これだけでもなかなかのラインナップです。
●Gloria Ferrer Sonoma Brut NV
●Robert Mondavi Fumé Blanc 2009 Napa Valley
●Grgich Hills Chardonnay 2008 Napa Valley
●Dierberg Pinot Noir 2008 Santa Maria Valley
●Napa Cellars Cabernet Sauvignon 2009 Napa Valley
●Ridge Vineyards Geyserville 2008 Sonoma County

日程は、東京が10/21(日)、11/10(土)、11/24(土)、12/9(日)、2013/1/12(土)、2/1(金)、2/16(土)、3/17(日)。大阪が11/3(土)、2013/1/21(月)、2/21(木)、3/10(日)。

講師は東京が紫貴あきさん、あるいは吉田さおりさん。大阪はWassys'のワシノリさんこと鷲谷紀子さん。ワシノリさんのを受けてみたかったのですが、残念ながら大阪までは行けないので吉田さおりさんにしてみました。

詳しい情報と、お申し込みは
東京校
大阪校
のページでどうぞ。
Date: 2012/0916 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Wine to Water”というプロジェクトがあります。これはアフリカを中心としたきれいな水が得られない人たちを救おうというもの。寄付金によって井戸を掘ったり、水を浄化するフィルターを配ったりしているようです。

なぜ、ワインかというのは、よくわからないところもあるのですが、要はワインを買うごとにそのプロジェクトに寄付が行くという仕組みを作ったということなのでしょう。

これをさらに推し進めようというニュースがありました(A New Miracle to Save Africa: Michel Rolland and Montesquieu Winery Join Forces to Turn Wine to Water - Yahoo! Finance)。有名なワインコンサルタントのミシェル・ローランがカリフォルニアのMontesquieuと組んで南アフリカでワインを作り、1本の売上につき20ドルをこのプロジェクトに寄付するとのこと。

ちなみに500ドルあるとカンボジアに井戸を1つ掘ることができ、200人に水が提供できるそうです。

そういえば昔、俳優の向井理が「世界ウルルン滞在記」でカンボジアに行って、井戸を掘っていたなあなんていうのを思い出しました。

なお、このプロジェクト、ワイン飲まなくても寄付はできます。
Date: 2012/0915 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
The Drink Business誌の栓の記事、全部で5本公開されています。最初の2本については既に紹介したので、ここでは残り3本の内容をかいつまんで紹介します。

まず、3つ目はスクリューキャップを一度採用したもののコルクに戻したという話(Closures: Part 3 – moving back to cork)。このワイナリはシラーズとグルナッシュのブレンドのワインでスクリューキャップを4年間続けたのですが、還元臭が強いことに不満を持ち、コルクに戻しました。

最初の記事でもシラーはあまりスクリューキャップに向いていない感じを受けました。

4番めは合成コルクを使うブルg-ニュのプロデューサの話(Closures: Part 4 – Synthetic solution for grand cru Burgundy)。

最後は、これまで上げてこなかった栓の話としてPenfoldsが使っているガラス栓が取り上げられています(Closures: Part 5 ­– the perfect solution?)。

ガラス栓は一時Caleraでも使っていましたが、今はまたコルクに戻っているようです。問題があるのでしょうかね。
Date: 2012/0914 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
先日紹介したKalin Cellarsのワインが柳屋にも入荷しています。10年以上熟成したものをニューリリースとして出荷するという驚異のワイナリです。日本には初入荷。3000円台と値段もお手頃なので、まずは試してみたいですね。

Date: 2012/0912 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
昨日紹介した記事の続きとして、2001年にグラン・クリュを含むすべてのワインにスクリューキャップを採用したシャブリのプロデューサーの話が掲載されています(Closures: Part 2 – in praise of screwcaps)。

このプロデューサーDomaine Larocheは2000年のヴィンテージで10%ものワインにコルクに由来する問題が起こったことを受け、2001年にすべてのワインをスクリューキャップに切り替えました。

現在でも、その選択は良かったと思うとテクニカル・ディレクターのGrégory Viennoisは述べています。ワインの信頼性が上がったことに加え、副産物もありました。

スクリューキャップはコルクと比べて酸素を透過させる量が少ないため、添加するSO2の量をそれまでより少なくできたということです。

ちなみに、ここで使っているスクリューキャップはSaranex(昨日の記事を参照)のもの。Saratinよりも酸素を透過させると言われていますが、Viennoisによるとその量は非常に少なく、かつワインが呼吸するのを助けているとのことです。

また、所有するラングドックのMas La Chevalièreでもスクリューキャップに切り替えたとのことですが、シラーではタンニンがきつくちょっとむずかしいとしています。
Date: 2012/0911 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
The Drinks Business誌の2012年9月号で「栓」の特集を掲載しており、その一部がネットに公開されています(Closures: Part 1 – the world’s most high profile experiment?)。

記事で取り上げているのはシャトー・マルゴーが今年2月に公開した実験結果。シャトー・マルゴーは10年前からコルク以外の栓を研究室レベルで試しており、そのブラインド・テイスティングを行ったのでした。

試飲で供されたのは2003年の赤(Pavillon Rougeに相当するもの)と2004年の白。それぞれコルク、Saratinスクリューキャップ、Saranexスクリューキャップの3種類をブラインドで試飲しました。なお、マルゴーでは合成コルクもテストしていたそうですが、その結果は悲惨なものだったそうです。なお、SaratinとSaranexの違いは、Saranetはコルクよりも空気を通すようになっているそうです。

試飲会で一番好評だったのは赤はSaratinスクリューキャップ、白は自然のコルクだったそうです。赤ではマルゴーのワインメーカーもSaratinを一押しだったとのこと。

ただし、これですぐにスクリューキャップを導入するということではないようです。採用まではもう10年あるいは20年後くらいではないかと見ています。
Date: 2012/0909 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Randy Dunnといえばナパでも、よく言えば信念の人、悪く言えば偏屈で知られています。近年は特に低アルコール度にこだわりを持ち、賛否両論ある「逆浸透膜」をアルコール度を下げるために使うと公言しています。

彼はまた、アルコール度数の高いワインをテイスティングした後に、アルコール度数の低いワインをテイスティングすると、薄くて味気なく感じ、評価が低くなると主張しています。そのため、ワインに点数を付けるときは高いアルコール度のワインと低いアルコール度のワインは別グループにすべきだとのこと。

この主張については、なんとなくそのような気はするものの、これまで「証拠」はなかったのですが、彼がUC Davisの2人の研究者と行った実験によると、それが裏付けられたそうです(Randy Dunn's Cabernet crusade)。

詳細の公表はまだ準備中だとのことですが、もし説得力があるものだとすると、評論家も考えないといけないのかもしれません。
Date: 2012/0907 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
サンフランシスコとソノマの間にあるNovatoという町にあるKalin Cellars。カリフォルニアの中でも極めてユニークなワイナリです。

ワインの「旨み」を重視しており、それを引き出すために、ワインの瓶熟期間を10年以上と信じられないほど長くもたせています。1995年のシャルドネを今年ニュー・リリースとして発売するほど。しかも米国で30ドル台、日本でも3000円台からという極めてリーズナブルな価格帯。こんなことでワイナリの経営は大丈夫なのか心配になるのですが、もう30年以上続いているのですから、なんとかなっているのでしょう。

日本では現在、ソノマのDry Creek ValleyにあるLong Vineyardのブドウを使ったシャルドネ キュヴェLV 1995、Livermore Valleyのブドウを使ったセミヨン1999、Alexander ValleyのDemostene Ranchのブドウを使ったピノ・ノワール キュヴェDD 1999が売られています。ピノ・ノワールは4000円台、後は3000円台。これは飲んでみたいですね。

Date: 2012/0905 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Napa Valley Vintnersが今年の収穫を伝える専門のサイトを作りました(Napa Valley Harvest 2012: The Right Place & Time)。



いやあ、動画見るだけで盛り上がりますね。やっぱり収穫っていいものです。

いろいろなワイナリでやっている収穫パーティの情報や、ワイナリの仕事で自分に何が向いているかを調べるテストなどもあっていろいろ楽しめます。ちなみに僕は「ワインメーカー」向きとのことでした。
Date: 2012/0902 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Wine Advocate誌の202号が出ています。年に一度のセントラルコースト特集です。南はサンタ・バーバラから北はサンタ・クルーズ・マウンテンズまで幅広い地域を扱っています。

今回は98点以上のワインが1本(Ridge Monta Bello 2009)だけと、高得点を期待する向きには若干低めの点数だったようです。

私の印象としては、(1)ピノ・ノワール、シャルドネ、カベルネ、シラーと様々なワインで高得点ワインを出したのはSanta Cruz Mountains(SCM)、(2)SyrahはPaso Roblesを中心にして強い、(3)Calera強い、(4)Sta. Rita Hillsは全体に点数伸び悩み、でした。

SCMについてはRidgeのほかMount Edenのピノ・ノワール2010が96点、Varner(およびNeely)がピノ・ノワール、シャルドネで95点以上の高評価続出、Rhysのピノ・ノワールがこぞって高評価、Big Basinのシラーも高評価といった具合です。Antonio Galloniは「there is no doubt in my mind the Santa Cruz Mountains is the single most exciting place to visit in California.」と書いています。

シラーに関しては、相変わらずSaxum、Alban、Sine Qua Non、TensleyなどPaso Roblesやその近郊のブドウを使ったワイナリが軒並み高評価でした。ただ、これも相変わらず米国ではシラーが売れない状況が続いているようで、一部のワインを除いては価格も落ち着いており、お買い得なワインが数多くあるようです。

カレラは昨日ド・ヴィリエ(de Villiers)の96+というのを紹介しましたが、2009年の単一畑ではJensenが97点、SelleckとMillsが95点、Reedが93点と軒並み高得点です。Wine Spectatorで93点が付いた2010年のセントラルコースト・ピノも91点と、価格を考えれば十分以上の点数でした。このワインは今年の我が家の常備ワインになっています。

Santa Rita Hillsでは多くの有名ワインが90点台前半の評価と、Robert Parker時代に比べると、やや低めの評価。特にDiatomについては辛口のレビューが付きました。唯一気を吐いたのはPaul Lato。シラーIl Padrino Bien Nacido Vineyard2010の96点を筆頭に、94~95点の評価を多くのワインが得ています。

2010、2011年は気候的にやや難しい年であったことも冷涼なSanta Rita Hillsには響いているのかもしれません。
Date: 2012/0901 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
残暑厳しい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

やっと9月になりましたが相変わらず暑いです。熱帯夜です。でも9月は毎年恒例の「カリフォルニアワインの月」です。張り切って行きましょう。

wine month

米国ではカリフォルニア各地のワイナリでイベントが開かれます。詳しくはCalifornia Wine Month 2012 | California Winesをご覧になってください。

日本では…どうなんでしょう。シュワ知事のときにはプロモーションで来日、なんていうのもありましたけどね。

カリフォルニアワイン・ファンの人もそうでない人も、今月はカリフォルニアワインを飲んでくれたらなあと思います。

では今月もゆたしく!