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Date: 2012/1130 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Santa Barbaraでワイナリを始めたBill Foleyが次第に北のワイナリを買収していく様子を見ていると、戦国時代の武将が地方から京都に上がっていこうとしていたのを見るような気がするのはぼくだけでしょうか。

そんな与太はさておき、このところ続けざまに買収を発表しているBill Foleyです。現在はソノマのChalk Hillに本拠を置いていますが、11月14日にはAlexander ValleyのLancasterを買収。翌週21日にはCarneros(ソノマ)でRamal East Vineyardを買収しました。

そして27日にはさらに北のLake CountryでLangtry Estateを買収しました(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Bill Foley Adds Langtry Estate & Vineyards)。

これからBill Foleyはどこへ向かうのでしょうか?
Date: 2012/1128 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨年「神の雫」で大きく取り上げられて話題になったDiatomの漢字ラベル・ワイン。このワインの誕生に大きく関わっているのが杉本夫妻です。このブログの読者ならカリフォルニアワインのファンクラブ(CWFC)会長、あるいはCalifornia Wine Gardenの元オーナーであるナパさん夫妻といった方がすぐに分かるかもしれないですね。

この杉本さんのワイナリがCh. igai Takaha。ワイナリといっても自身の畑や醸造設備があるわけではなく、カリフォルニアのワイナリと協力して作るワインです。当初は破綻してしまったCrushpadでワインを作っていましたが、その後、様々なワイナリと直接協力体制を築き上げ、上記のDiatomで作るシャルドネSamurai Beautyなどの傑作を世に出しています。

近年では2012年5月に行われた「日本で飲もう最高のワイン」 でDragon Beauty カベルネ・ソヴィニョン2008が専門家と愛好家両方で最高評価のプラチナを得た唯一のワインとして注目されました。

現在は、Ch. igai Takahaに専念している杉本さん。そのワインをまとめて飲めるパーティが12月20日に神田のG’s Dropで開かれます(詳しくは「【募集】G.G.Wine x Ch. igai Takaha スペシャルクリスマスパーティ!|Girlie Girls Wine_KanaのハッピーワインDiary♪」)。

Samurai Beautyもありますし、Dragon Beatyの新ヴィンテージもあります。パーティをプロデュースするのはG.G. Wineのカナさん。楽しいのは間違いないので、ワインを味わいに来るもよし、クリスマスパーティとして楽しむもよし。ぜひ参加してください。

不肖私Andyも末席に加えさせていただく所存です。
Date: 2012/1125 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・インスティテュートの寄付講座としてアカデミー・デュ・ヴァンで開催している「カリフォルニアワインへの誘い」 に参加してきました。講義+試飲にワインのおみやげが1本ついて2100円という超お得なセミナーです。

講師は紫貴あきさん。予想以上に若くてチャーミングです。

最初の1時間が講義で1時間が試飲という構成。1時間でカリフォルニア・ワインをひと通り説明するというのは、なかなか大変ではありますが、最初はクイズから始まり、分かりやすくポイントを押さえて楽しく聴かせる講義はさすがプロと思いました。

試飲のワインは以下のラインナップ。
●Gloria Ferrer Sonoma Brut NV
●Robert Mondavi Fumé Blanc 2009 Napa Valley
●Grgich Hills Chardonnay 2008 Napa Valley
●Dierberg Pinot Noir 2008 Santa Maria Valley
●Napa Cellars Cabernet Sauvignon 2009 Napa Valley
●Ridge Vineyards Geyserville 2008 Sonoma County
小売価格で7000円を超えるGrgich HillsのシャルドネやRidgeのGeyservilleが入るという、かなり贅沢な布陣。先生の話によると、昨年よりもずいぶん良くなっているそうです。

泡と白では個人的な好みはGloria Ferrer。Mondavi Fume BlancとGrgich Hills Chardonnayは今の自分の好みからすると、ちょっと樽が勝った感じでした。

赤はなかなか好勝負。チャーミングなピノのDierbergもよかったし、Napa Cellarsのカベルネも、複雑さはあまりありませんが、カベルネの良さを素直に引き出したワイン。RidgeのGeyservilleはZinfandel(72%含まれている)の良さに他の品種による複雑さも混じったさすがの実力派。

この中では、時間が経つほどにいろいろな魅力が出てくるRidgeに最終的には軍配を上げました。

wines

なお、おみやげのワインのEstanciaのPinot Grigioでした。

この講座、本当にお得ですので、時間がある方はぜひ受けてください。来年の分はまだ空きがあります。
東京校
大阪校

なお、終了後に、こういうブログをやっていますと自己紹介したところ、よく見ていたとのこと。「本物に会えてうれしい」と言われて逆に照れてしまいました。
Date: 2012/1123 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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10月22日の記事で「この冬にはまずはハーフマラソン、来年にはフルマラソンに挑戦したいと思っています」と書いて1カ月。3月にフルマラソンを走ることにしてしまいました。

走るからにはきちんと走りたい(最後まで歩くことなく走れるようにしたい)と思うので、とりあえず本を2冊読みました。

1つはQちゃんなどを育てた小出義雄監督の「マラソンは毎日走っても完走できない―「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42.195キロ」。もう1つは100キロなどの長距離の「ウルトラマラソン」のランナーである岩本能史さんの「非常識マラソンメソッド ヘビースモーカーの元キャバ嬢がたった9ヵ月で3時間13分!」です。どちらも新書で30分~1時間もあれば読めてしまうものです。

小出監督の本では「『全力走』で脚に負荷をかけた練習が必要だ」というところに共感しました。

私の場合、長距離のランニングは初心者ですが、学生時代はトレーニングおたくであり、ある程度は理論的なことも理解しているつもりです。

筋肉を成長させるためには、筋肉をいじめないといけないというのが基本であり、マラソンであっても、力を出しきって筋肉をいじめないと成長は望めないということです。分かりやすく、納得もいくものでした。

もう1冊も、タイトルは「非常識マラソンメソッド」となっていますが、トレーニングの内容はビルドアップ走(例えば皇居の周回コースなら1周め28分、2周め27分、3周め25分30秒といった形で尻上がりに速度を上げて走るトレーニング)と峠走(前半は山道をひたすら上り、後半は同じコースを下る)。長距離のジョグよりも、こういった筋肉に負荷をかけたトレーニングを中心にするというもの。

私にとっては非常識というより常識内に入っていたようです。なので、このあたりの“きつい”練習を入れながら走りたいと思います。






Date: 2012/1121 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Sonoma Valleyの東端、ナパとの境の山間にMoon MountainというAVAが近々誕生する見込みです(Moon Mountain on course for AVA status | Daily wine news - the latest breaking wine news from around the world | News | decanter.com)。

有名なところだと現在はGalloが所有しているMonte Rosso Vineyardがこの地域にあります。1890年台にZinfandelが植えられ、1938年にはLouis MartiniによってCabernet Sauvignonが植えられています。
Date: 2012/1119 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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RichardとSaraleeのKunde夫妻が、畑をKendall-Jacksonのオーナー企業であるJackson Family Winesに売却しました(Kundes selling Saralee's Vineyard and Richard's Grove to Jackson Family Wines)。

畑の名前はRichard's GroveとSaralee's Vineyard。1988年に夫妻が植えた畑で、200エーカーの広さ。45ものワイナリにブドウを売っています。

売却後も各ワイナリとの契約は基本的に継続するとのこと。Kunde夫妻自身も80エーカーのブドウを使い続けるとのことです。また、Kunde夫妻は地元の名士であり、畑で様々なイベントをやっていますが、それも継続するそうです。

なお、ソノマのKunde EstteはRichardの甥と姪によるもので、今回の契約とは直接関係ないそうです。
Date: 2012/1118 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先週、「Terroir 2012」というテロワールについての会議がUC Davisで開かれました。その中の「科学がテロワールについて語るもの、語らないもの」というセッションがあり、ワインの「ミネラル」について土壌とは関係がないという分析結果が示されました(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Conference Explores Science of Wine Terroir)。

ワイン作りにおいては、水はけがよく、乾燥した土壌にブドウを植えることによって根が深く伸び、それが地中のミネラル分を吸収して、ワインに「ミネラル」な風味を与えるといったことがよく言われています。

Alex Maltmanという英国の教授によると、ぶどうの樹からワインに入る「ミネラル」はほとんどないに等しく、またこれは「無味」であるということを示しました。ワインにおける「ミネラル」というのは化学成分としてのミネラルではなく、一種のマーケティング用語であるとしています。

会議ではこのほか、「テロワール」においては土地よりも気候の要素が圧倒的に強い」ことや「人の要素も大きい」ことなどが示されました。

なお、これらについてFaviaのオーナーであり著名なワインメーカーのAndy Ericksonは「テロワールは文化的な用語であって科学用語ではなく、証明したりするようなものではないのでは」と言っています。


Date: 2012/1117 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌のWine of the Year、1位が発表されました。

なんとなく、今年はカリフォルニアはないだろうと(昨年カリフォルニアだったし)と思っていたのですが、意外にも割とメジャーなカリフォルニアのワイナリのワインでした。

Shafer Relentless 2008(シェイファーあるいはシェーファー リレントレス)です。品種はシラー。Wine Spectator誌では96点の評価。60ドル。

実はカリフォルニアのシラーで96点以上の評価というのは、結構たくさんあります。例えばCarlisle(カーライル)のソノマ・カウンティなんてわずか25ドルで97点の評価。ただ、Wine of the Yearは入手しやすさも評価の1つに入るため、400ケース弱のこのワインはなかなか上位には入りづらいところがあります。ちなみにリレントレスは3600ケース。

もう1つ付け加えておくと、おととしもカリフォルニアのシラーが1位。そのときはSaxumのJames Berry Vineyardでした。これは67ドルで98点、950ケース。

ShaferのRelentlessもSaxumも本当においしいワインです。私の書いたワイナリ紹介でも「個人的にもナパのシラーとしてはAraujoと並んでベストだと思います」としています。高品質なのにあまり売れないというカリフォルニアのシラーのイメージがこれで払拭されると嬉しいのですが(もしかしたら、シラーが選ばれたことにはそういうちょっと政治的な意図があるのかも?)。

ShaferのRelentlessはもちろん国内に入っていますが、早速売れているのか、楽天では残り2店舗となっています。

Date: 2012/1112 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米Amazon.comでのワイン販売がついに始まりました。現在のところ、12州とワシントンDCが宅配の対象となっています。

Amazon

ワインは9万種ほどが準備されているようです。今のサイトではあまり魅力を感じませんが、今後どうなっていくのか要注目です。
Date: 2012/1110 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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故Robert Mondaviの弟であるPeter Mondaviが11月8日、98歳の誕生日を迎えました(Wine legend celebrates birthday)。

見た限りではまだかくしゃくとしています。Robertが亡くなったとき95歳だったことを考えると、Peterの方がかなり元気そうです。来年にはCharles Krugを買い取ってから70年になります。

RobertとPeterの人生を比べると、言うまでもなくRobertの方が派手です。カリフォルニアワイン全体への貢献という面でもRobertが圧倒しています。が、晩年に自身のワイナリを手放さないといけなかったこと、息子たちが不仲であること、などを考えると、どっちが幸せかという点では意見が分かれそうです。
Date: 2012/1106 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シャンパーニュの製法の中で、二次発酵後に瓶内のオリを取り除く作業をデゴルジュマンといいます。これが製法の最終段階です。この後の熟成については諸説あるのですが、5段階に分けた興味深い記事がありました(Discovering the Effects of Post-Disgorgement Maturation | Enobytes)。

この記事の著者はブルーノ・パイヤール、ピエール・ジモネといったシャンパーニュのプロデューサーを訪れたことから熟成についてより考えるようになったとのことです。

5段階の最初の6カ月ではフレッシュな柑橘系の味わいが中心となり、それから3年半はバラなどの花の香りが中心的になります。

4年から7年の第3段階では、色がだんだん濃くなっていき、スパイスやはちみつ、アーモンド、ヘーゼルナッツといった味わいが出てきます。

8年から10年ではトーストやオレンジ・マーマレードの味わいが中心になってきます。

最後の10年以上の段階ではジンジャーブレッドやロースト、はちみつなどのニュアンスが出てくるそうです。

家にある一番古いスパークリングワインは1991年のもの。同じように熟成しているとしたら最後の段階に入っていると見られます。遠からず飲もうと思っているので楽しみです。
Date: 2012/1105 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン2つ、まとめて紹介します。

1つは毎年、ごくわずかだけ出回るクリスマス用のエッチングワイン。クロ・デュ・ヴァルが作るものです。本当に少数しかないので、買うならお早めに。なお、3種類あるデザインのうち、スノーマンは既に売り切れ。リースも残り2本。12月お届けのサンタが5本というのが現状です。



もう1つはSeghesioのZinfandel 2010 Home Ranch。先日飲んだワインの2010年版です。2009年のものはWine Spectator誌で95点。これは同誌のWine of the Yearでトップ10に入ることまちがいなし、あわよくば1位かも、と思ったのですが、結果は12位。ちょっと肩透かしだったものです。

2010年のものは同誌で92点。Wine of the Yearは難しそうですが、いいワインであることは間違いありません。これも残り少ないのでお早めに。

Date: 2012/1103 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の203号が発表されました。カリフォルニアは「バリュー・ワイン」(コスト・パフォーマンスの高いワインのこと)の特集でロバート・パーカーがレビューしています。

パーカーは冒頭で「そこそこの価格帯で素晴らしい品質のワインということで言うとカリフォルニアは西欧の大部分や、南アフリカ、オーストラリアなどに比べて大きく見劣りする」といっています。

実際、今回レビューした62のワインのうち、90点以上はわずか6本。同じ号のスペインワインでは81本中90点以上は38本。明らかにスペインワインの方が低価格帯では評価が高いようです。

コスト・パフォーマンスのいいワイン、カリフォルニアももっと頑張ってほしいものです。
Date: 2012/1102 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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みなさんのナパのイメージって何でしょう? Opus One? Robert Mondavi? Harlan Estate?

ナパはカベルネ・ソヴィニョンを中心にすばらしいワインをたくさん生み出していますが、一方で、カリフォルニアのワイン地域の中では際立ってスノッブなイメージがあります。一時期の収穫を極端に遅くするブームなど、流行に流される面があったり、濃すぎたり樽が強すぎたりといった、カリフォルニアワインのネガティブな印象に一番近いのもナパかもしれません。

そういった印象を打ち破るような新世代が芽生え始めているという記事がありました(A New Wave in Napa Valley | Outside the Bottle with Talia Baiocchi | Blogs | Wine Spectator)。

ここに出てくる若者たちは、それぞれがそれぞれの夢を持ち、流行に流されることなく自分のワインを作ろうとしています。

例えばKetan Modyは31歳。ダイアモンド・マウンテンの頂上にワンルームのキャビンを建てて住んでいます。樹齢50年の株仕立てのカベルネ・ソヴィニョンの畑からワインを作ろうとしています。

「農業のマンハッタン」と自嘲するほど土地が高いのが難点ではありますが、新世代がナパをどう変えていくのか面白いですね。
Date: 2012/1101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectatorから「Insider」レポートが遅れる旨メールが来ました。
WS-sandy

ペンシルバニア州では州が、酒類の販売を禁じているという報道があります。

なお、ニューヨーク州のロング・アイランドにはワイナリが多数ありますが、収穫後であり、大きな被害はなかったようです。
Date: 2012/1101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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マスター・ソムリエ試験といえば、世界で200人弱しか受かっていない、ワイン業界の最難関の資格です。その試験に挑戦する4人の若いソムリエを映しだしたノンフィクション映画「Somm」が11月7日、Napa Valley Film Festivalで上映されます。その後9日、11日にも再映があります('Somm' to debut at Napa film festival)。

この映画、これまで秘中とされてきたマスター・ソムリエ試験のプロセスを映し出しています。ソノマのワイナリも出てくるということで、気になります。

SOMM Documentary Trailer 1 from Forgotten Man Films on Vimeo.