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Date: 2013/0731 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨日に引き続き、アントニオ・ガッローニのVinousmediaによるサンタ・バーバラ特集の紹介です。

高得点を独占しているのはSine Qua NonとOjai(オーハイ)。Sine Qua Nonは、なぜサンタ・バーバラに分類されているのかよく分かりませんが、これまでの実績や価格などから見て高得点はさもありなんといったところ。

Ojaiは大半のワインが50ドル以下ということを考えるとすごいことになっています。レビューされている28本のワインの中で25本までが91点以上、95点以上のものだけでも9本あります。

一番高得点なのはPinot Noir Solomon Hills 2010の98点(44ドル)。Pinot Noir Bien Nacido 2010も97点(44ドル)。

オーハイというとピノ・ノワールよりもシラーのイメージの方が強いと思いますが、Syrah Bien Nacido 2009が96点、Syrah Solomon Hills Special 2010が96+点、Syrah White Hawk 2009、Syrah Presidio 2008、Syrah Sebastiano 2011が95点とさすがに健闘。

白ワインでもシャルドネのBien Nacido 2011が95点を取っています。

国内ではSolomon Hillsは入荷されていないようですが、Bien Nacidoは入っているようです。
Date: 2013/0729 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインは開けたら飲み切るもの。もちろん数日から数週間といった程度であれば、さまざまなデバイスを使って保存は可能ですが、それがこれまでの常識でした。これを、何年にもわたって保存できるようにする、すなわちあたかも開けてないワインかのようにセラーなどに置いておける画期的な製品が登場します(Wine access device transforms how wine is served, sold, and enjoyed)。

「Coravin」というこの製品、ワインボトルのコルク(キャップのシールは付けたままでOKとのこと)に細い針を挿し、アルゴンガスを注入しながらワインを注げるようにします。ワインを注いだ後は針を抜くだけ。あたかも未開封のワインのように保存できます。下のデモビデオをご覧ください。



実際に数年前に開けたワインを試したロバート・パーカーは「過去35年でワイン業界における最も画期的な発明だ」としています(パーカーは同社への出資などはおこなっていないとのこと)。

価格(予価)は299ドルでアルゴンガスのキャニスターは別売になるそうです。この夏に出荷を始める予定で、現在はオンライン上で予約ができます。

ワインを酸化させないワインセーバーとしては業務用でWhynotという製品があります。アルゴンでなく窒素ガスを注入する方式ですが、既に多くのレストランで実績があります。ただ、これはボトルを機器に設置して逆さまにして立てておく必要があるので、導入した機器の数だけのボトルしか同時に保存できません。また場所もかなり使います。

それに対してCoravinであれば、一回開けたボトルをそのまままたセラーなどに保存できるわけですから、理論上は何本でも同時に開けられることになります。場所も塞ぎませんから個人で使うのも容易です。

現時点での弱点といえば、天然コルクのボトルでないと利用できないということくらいでしょうか。

これは気になりますね。続報をウォッチしようと思います。
Date: 2013/0728 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国のワインメーカーで影響力の大きい100人というリストがありました(Top 100 Most Influential U.S. Winemakers | Into Wine)。

トップ10を見ると
10-Mia Klein
9-Robert Foley
8-Heley Turley
7-Gina Gallo
6-Heidi Barrett
5-Paul Hobbs
4-Robert Trinchero
3-Paul Draper
2-Merry Edwards
1-Phillipe Melka

と、順序はどうであれ、上位に入ってふさわしい人たちが並んでいます。

ただ、100人見ると、全く知らない名前も多い一方で、Brewer-Cliftonの2人もKosta Browneの2人も、Ed KurtzmanもBrian LoringもSteve Kistlerも入っていないなど、当然入りそうな人が結構抜けています。

基準も何もわからないのでなんとも言えないところですが、まあこういうのは、酒の肴にでもして、ああでもない、こうでもないといろいろ言い合うのが楽しいのかもしれないですね。
Date: 2013/0727 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ボルドーのシャトー・ラトゥールなどを保有するArtémis Group(アルテミス・グループ)がナパの名門ワイナリAraujo(アラウホ)を買収しました。金額は明らかになっていません(Wine Spectatorの記事SFクロニクルの記事W. Blake Gray氏による記事)。

Araujo

アラウホは前の週に、ワイナリが迎えられる客の数を週当たり25人から1日18人へ大幅に増やす認可を得たところであり、この認可自体が買収と大きく関係していると思われます。

アルテミス・グループのオーナーであるFrancois Pinault(フランソワ・ピノー)氏は大金持ち。ラトゥールのほかにもフランスにいくつかのワイナリを持ち、クリスティのオークションハウスや、シューズで有名なコンバース、スーツケースのサムソナイトなどのオーナーです。妻は女優のサルマ・ハエック。息子はかつてスーパーモデルのリンダ・エヴァンジェリスタと付き合っていたとのこと(数年前に子供の養育権で係争、和解)。

アラウホのオーナーだったBartとDaphne Araujo夫妻は1990年にEisele Vineyard(アイズリー・ヴィンヤード)を買い取り、Araujoを設立。2000年代にはビオディナミにもいち早く取り組んでいました。

Eisele Vineyardはカリフォルニアを代表するカベルネ・ソヴィニョンの畑の1つ。シラーやソヴィニョン・ブランもワールドクラスです。

アラウホ夫妻は今後、ナパの別の畑を買い取り、細々とワインを作って余生を楽しく過ごしたいとのこと。
Date: 2013/0724 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Kongsgaardといえば、「Judge」に代表されるカリフォルニアのシャルドネの第一人者。そのワインの秘密を解き明かそうという記事が出ていました(How John Kongsgaard rewrote the rules of white wine - San Francisco Chronicle)。

Judge
といってもびっくりするような最新のテクニックがあるわけではなく、むしろその逆。発酵や熟成に考えられないほど時間をかけて作っています。

例えば、発酵においては、ごくごく少量のSO2を追加するだけで、天然酵母で発行し、なんと1年以上もかけるとのこと。途中、果汁は茶色く変色し、これで大丈夫かと心配になりますが、それを押し通すのがKongsgaard流。樽熟成の間にまたきれいになっていくのだそうです。

こういったワイン作りの秘訣、彼は隠すのでなく、積極的に人に教えていこうとしているとのこと。

いや、いろんな意味ですごい人ですね。
Date: 2013/0718 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Fieldbrook Wineryというワイナリのオーナーであり、統計学の教授でもあったRobert Hodgson氏がCalifornia State Fairなどのコンテストの審査に疑問を呈しています(Controversial Wine Judging Study: The Real Story | Wine News & Features)。

この人は同じワインをブラインドと、名前を明かした形の2通りで審査してもらい、両者のち外があるかどうかを調べました(この実験はState Fairの委員会の了承を得て行なっています)。

2005年の最初の実験では約10%の審判が一貫性が強く、約10%が一貫性が低いという結果でした。ここでは、メダルの色が変わらないほどの違いであれば、一貫性が強いとしています。

また、興味深いことに、ある年一貫性が強かった審判が別の年には低かったり、その逆といったことが頻繁に起こっていたといいます。

記事にはほかにもさまざまな側面からワインの評価について語られています。

審判をするということ、なかなか難しいです。
Date: 2013/0716 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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元Wine Advocate誌のアントニオ・ガッローニが運営するVinousが、Opus Oneの全ヴィンテージ垂直試飲の結果を公開しています(Opus One – Past, Present and Future: 1979-2012)。

Wine Advocate誌の評価と合わせてグラフにしてみました(Vinousでは2004と2005が93+となっていますがこれらは93、2011の89-92は89、2012の92-94は92としています)。

オーパス・ワン・レイティング

Wine Advocate誌のレビューはほとんどが、リリース時期に書かれたものであり、現在の試飲結果と比較する意味があるかどうかは難しいところですが、全般にWine Advocate誌の方が辛口の評価が多く感じます(特に1997年から2001年)。

なお、ガッローニ自身のWA在籍時にはオーパス・ワンのレビューは書いていません。

ワインメーカー別に見ると、1979年~1984年はTim MondaviとムートンからのLucien Sionneauがワインメーカー。1985年~2000年はTim MondaviとPatrick Léon。1991年~1997年はGenevieve Janssensも携わっています。

2001年からはMichael Silacciが携わるようになり、Tim Mondaviの影響力は次第に減っています。ムートンからはPhilippe Dhalluinが加わっています。

近年も当たり外れは多少ありますが、ようやく品質が安定してきた感じもあります。特に、この秋リリースの2010年は97点と、過去最高の評価ですから、期待したいところですね。

Date: 2013/0713 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパやソノマなどカリフォルニア北部のワイン産地のことしの収穫が早まりそうです。(U.S. Heat Wave Makes Early Harvest Likely | Wine News & Features)。

7月上旬にはナパやソノマで華氏100°、摂氏に換算すると37.7℃の日が何日か続くという暑さ。日本におけるブドウ産地の甲州あたりでは、連日39℃を超えたりしていますが、それに迫るものがありますね。

毎年収穫の一番手となるMummでは、早ければ7月22日にも収穫を始めるとのことで、通常の8月下旬より1ヶ月も早くなる可能性があります。

ちなみに、ブドウが高温にさらされる縮果症という果粒が枯れる症状が出やすくなるそうです。もっと遅い段階だとレーズンになったりしますが、「登熟期」に入っていないとこうなるとか。気になりますね。
Date: 2013/0710 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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アイアン・ホースののCEOであるジョイ・スターリングさんが、カリフォルニア州知事から食べ物と農業の委員会に任命されました。報酬はなしとのことです(Office of Governor Edmund G. Brown Jr. - Newsroom)。

ジョイ・スターリングはアイアン・ホース創設者の娘でテレビ業界で働いた後、ワイナリを引き継ぎました。「カリフォルニア・ワイナリーの四季」という本を書いたことでも知られています。


Date: 2013/0703 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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前の記事で、ShaferのHillside SelectがWine Advocateの評価で3ヴィンテージ連続の100点になったと紹介しました。

ほかにカリフォルニアワインで3連続ヴィンテージ100点の「スリーピート」がないかどうか調べてみたところ、ありました。2ワイナリで3つのワインです。

1つはなんと、これも昨日紹介したLokoyaのMount Veeder Cabernet Sauvignon。2001から2003まで、10年回顧のテイスティングで100点を取っています。LokoyaはKendall-JacksonのJackson Family傘下のワイナリ。同傘下ではVeriteも計7回の100点を取っており、活躍が目立ちます。

ほかの2ワインはいずれもSchrader。Old SparkyとCCSが2006年から2008年まで3ヴィンテージ連続です。

で、スリーピートが最高かと思ったら違いました。4ヴィンテージ連続というのがあります。Sine Qua Nonのシラーです。
2003 The Inaugural、2004 Poker Face、2005 Atlantis Fe 203、2005 The 17th Nail In My Cranium、2006 A Shot in the Dark
ここのワインは毎年名前が変わるので分かりにくいのですが、これらは基本的にEleven Confessions Vineyardという畑のブドウを中心としたシラーです。ただ、ちょっと微妙なのは、2004はいくつかの畑のブレンドになっている点です。また、2002年のJust For The Love of Itも100点なのですが、これはAlban、Bien Nacido、Stolpmanの畑ということでEleven Confessionsが含まれないので外しました。

ちなみに、ワイナリ別に見ると、最多がSine Qua Nonの13回。上記シラーの6種のほかグルナッシュが4回(うち1回はグルナッシュとシラーのブレンド)、デザートワインが3回です。

それに続くのがHarlan/Bondの9回(うちHarlanは5回)。Schraderの8回。Veriteの7回、Abreu、Colginの6回、Marcassinの5回(いずれもシャルドネ)となっています。
Date: 2013/0702 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の最新号である207号が発行されています。カリフォルニアでは、ロバート・パーカーによるナパのボルドー系ワインの10年回顧テイスティングが掲載されました。

2001、2002というビッグ・ヴィンテージの後で、2003年はこれまで割と隠れていた感じがありましたが、今回のテイスティングでは、以前より評価が上がったワインが続出。嬉しい期待はずれとなりました。

ちなみに、100点が付いたのは2003 Lokoya Cabernet Sauvignon Keyes Vineyardと2003 Shafer Vineyards Cabernet Sauvignon Hillside Selectの2本。Lokoyaは今回が初レビューで、シェイファーのヒルサイドセレクトは5回め。直近は2007年12月のレビューで95点でしたから、大きく評価が上がりました。

また、ShaferのHillside Selectはこれで2001、2002、2003と3ヴィンテージ連続で100点という快挙なのですが、いずれも10年回顧のテイスティングで100点を取っているのが特筆もの。ここのワインの熟成能力の高さが現れたのでしょう。

99点は4本。Verite Le Desir(正確にはこれはソノマですが)、Pride Mountain、SchradeのT6とTo Kalonです。これらも以前は92点や93点といった評価でしたから、ずいぶんと評価が上がっています。

Shaferは3万円前後で買えますね。


ヒルサイドセレクトの安く売っているヴィンテージも将来評価が上がるかも…