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Date: 2013/0831 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の208号で一躍高評価を得たTorrin。パソ・ロブレスにあるローヌ系の赤ワイン専門のワイナリです。

ここが2010年ヴィンテージから作り始めたワインの名前が「Tsundere」。そう、「ツンデレ」です。

ツンデレが日本語としてどれだけ浸透しているのかわからないので、念のためににWkipediaによる説明を引用しておくと、
ツンデレは、特定の人間関係において敵対的な態度(ツンツン)と過度に好意的な態度(デレデレ)の両面を持つ様子、又はそうした人物を指す。
となっています。

TorrinのTsundereはカベルネ・ソヴィニョン40%に、シラーが26%、グルナッシュが24%、タナが10%というブレンド。最初はとっつきにくいけど、だんだん美味しくなるということで、この名前を付けたようです。

なお、ワイナリの説明には
The word Tsundere is taken from Japanese theatre. It represents a character that starts off a bit unapproachable and gruff only to become warm and loving as time progresses.

とあります。もしかすると、オーナーはアニメファンだったりするのかもしれません。

あー、肝心なことを書くのを忘れていましたが、Wine Advocateではこのワイン96点という高評価です。ぜひ、萌えキャララベルを付けて日本に出荷してほしいものです。
Date: 2013/0831 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の208号が公開されました。毎年恒例のセントラル・コーストの特集。今年からはJeb Dunnuck(ジェブ・ダナック)という人がレビュアです。The Rhone Reportというローヌ系品種専門のニューズレターを出していた人なので、ローヌ系が手厚いレビューになりました。

高得点のものを見てみると、旧ヴィンテージの100点2本を含め、Sine Qua Nonが上位にズラッと並ぶのは毎年恒例。加えて、SaxumやL'Aventure、Alban、Tablas Creekといったパソ・ロブレス組のシラーなどローヌ系ワインが食い込んでいるのも同様です。

目新しいところでいうと、2006年が最初のヴィンテージだというTorrinというワイナリ。有名なJames Berry VineyardのシラーによるAkasha 2010というワインで98点を取りました。まだ価格も60ドル程度。人気急上昇が予想されます。

得点上位に赤ワインが並ぶ中、Paul Latoのシャルドネle Souvenir Sierra Madre Vineyard 2011が97点と高得点。今のところ日本には入っていないようですが、どうなるでしょうか。Paul Latoはピノ・ノワールでも最高96+と今回も高評価でした。

人気のカレラは単一畑のピノ・ノワールだけレビューされていました。Jensen(ジェンセン)とMills(ミルズ)が96、Selleck(セレック)が95、Ryan(ライアン)とde Villiers(ドゥヴィリエ)が94、Reed(リード)が93(いずれも2010年)という安定さ。いや、近年のカレラはすごいですね。

Screaming Eagleの元オーナーが出資しているJonata(ホナタ)と、その兄弟ワイナリThe Hiltも総じて高得点。

Au Bon Climatのイザベル2010も93点と高評価でした。

今回、1400本近いワインがレビューされていて充実しているのですが、1つ気になったのがSanta Cruz Mountainsのワインが含まれなかったこと。ローヌ系からは遠いところにあるからでしょうか。SCMは誰がレビューするんでしょう?

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Date: 2013/0828 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインブロガーからワインメーカーへ、ワイン好きなら誰でも夢見そうな経歴をたどっているのがWilliam Allenさんです(From Blogger to Winemaker: The Wines of Two Shepherds - Vinography: A Wine Blog)。

バミューダで生まれ、オーバーン大学で学んだアレンはAT&Tに就職し、出張でナパにも行くようになりました。しばらくは、ナパのビッグなカベルネにはまったものの、今度はソノマでピノ・ノワールに出会い、ソノマのワインの信者になりました。そして2008年にSimple Hedonismというブログを始めました。

並行して、自宅ガレージでビールを作り始め、当然それはワインに移っていきました。最初は濃縮果汁を買って作っていったのが、自身でブドウを買い付けるようになるまで長くはかかりませんでした。

そして2010年にTwo Shepherdというワインブランドを立ち上げたのです。ソノマのRussian River Valleyのブドウからシラーやグルナッシュなどを作っています。ブログのおかげでワインの販売は順調に進んでいるとのこと。

アレンは、今もサラリーマンでありながら、ブログを書き、ワインを作っています。収入面から、ワイン専門で進むことは考えていないとのこと。それにしtも、こういう人生、いいですね。
Date: 2013/0824 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロスアンゼルス・ラムズが1999年、スーパーボウルで優勝したときにヘッドコーチを務めていたディック・バーミールがナパに新しいテイスティング・ルームをオープンしました(Football legend and Calistoga native Dick Vermeil opens a tasting room in Napa)。

20130823-dickvermeilwine.jpg
写真提供:Peter Stetson

元々ナパのカリストガの生まれで2009年からバーミール・ワインというブランドでワインを作り、カリストガにテイスティング・ルームを持っていました。新しいテイスティング・ルームは「1018 First Street」と、ナパの中心地になります。


大きな地図で見る

なお、写真のワインに入っているXXXIVの文字は、スーパーボウルで優勝したのが第34回だったことにちなんだもの。規約に厳しいNFLに目をつけられないギリギリの線だそうです。
Date: 2013/0823 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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日本でも人気があるワイナリであるナパのClos Pegase(クロ・ペガス)がVintage Wine Estatesに売却されました(Napa's Clos Pegase Winery bought by Vintage Wine Estates)。買収金額は明らかになっていません。

clospegase.jpg

Clos Pegaseはカリストガにあるワイナリ。ワイナリの敷地内には様々な芸術作品があしらわれています。日本とのゆかりが深く、創設者でこれまでオーナーだったJan Shremは日本で翻訳書の出版で財をなした人。俳優の石田純一と東尾理子さんの結婚式は、ここのオーナー宅で開かれました。2011年に亡くなった奥さんは日本人のミツコさんで、Mitsuko's Vineyardによるシャルドネやメルローがここの一番人気ワインです。

ワイナリを売却した理由も明らかではありませんが、おそらく奥さんを亡くし、引退したくなったのではないかと想像しています。

購入したVintage Wine EstatesはナパのGirardやCosentinoなどを所有するワイングループ。グループのポートフォリオを埋めるのに最適な選択だとしています。
Date: 2013/0817 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのレストランにはナパ・ヴァレーのワインは意外と少ないという記事が出ていました(Local Restaurants a Letdown For Napa Valley Wines | Wine News & Features)。

この記事によるとFrench Laundry(ミシュラン三ツ星の有名レストラン)などのナパ・ヴァレーのレストランで、地元のワインはあまり取り上げられていないとのこと。French Laundryの場合はフランス産赤ワインのリストが30ページあるのに対し、「国産」赤ワインは15ページ。グラスワインが25種提供されているうちナパのものは3種だけだったそうです。

同じように、筆者が試したいくつかのレストランでナパ・ヴァレーのワインは、中心的には扱われていなかったとのこと。

ナパのワインは値段が高すぎるとか、アルコール度が高すぎて食事に合わせにくいといった理由も考えられなくはないですが、数百あるワイナリの中には当然コスト・パフォーマンスが高いワインを作っているところもあれば、アルコール度を抑えたワインを作っているとこともあります。それらはあくまでも言い訳であり、実際には「地域の多様性」を重視した結果としか言いようがないと思われます。

旅行者の立場からすると、ナパに行ったらやっぱりナパのワインを飲みたいです。まあ、多くのレストランがワインの持ち込みを許していますから、実際には持ち込みで飲むのでしょうね。

ソノマのHealdsburgにあるDry Creek Kitchenはソノマ産のワインの持ち込みを無料にしているはずですが、そういうレストランがナパにも増えるといいと思います。

なお、Napa Valley VintnersのWebサイトにはローカルのワインを重視しているレストランのリストが載っていますから、実際に行かれる際は参考にされるといいでしょう。
Date: 2013/0815 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンタ・バーバラを代表するブドウ畑の1つであるBien Nacido(ビエン・ナシード)が今年40周年を迎えました(Bien Nacido Vineyards Press | Wine Scores)。

Bien Nacido Vineyardsを作ったのは、Miller家というカリフォルニアの農家。1969年に土地を買い、1973年にブドウを植えました。ほとんどがシャルドネとピノ・ノワールです。当時としては先見の明があったということでしょう。近年では、この2つに加え、シラーも重要なブドウになっています。

Bien Nacidoのブドウを使うワイナリは数多くありますが、プレス・リリースではSine Qua Non、Au Bon Climat、Ojai Vineyard、Paul Lato、Twomeyを挙げています。

この中でSine Qua Nonは1994年に作った最初のワインがBien Nacidoのブドウによるシラーでした。ワインの名前は「Queen of Spades」。今では3000ドル近くにもなるワインです。現在はシラーの契約はなくなりましたが、白ワインにBien Nacidoのシャルドネを使っており、またグルナッシュ、ムールヴェードル、ルーサンヌ、マルサンヌを少量購入しています。

Bien NacidoのオーナーMiller家は、同じ年にPaso RoblesにもFrench Camp Vineyardsという畑を作っています。Bien Nacidoほど有名ではありませんが、Fetzer、Peachy Canyon、Edna Valley、Fess Parker、Kunin、Hitching Post、Tobin Jamesなどがブドウを購入しています。
Date: 2013/0814 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Carnerosのソノマ側にあるピノ・ノワールなどで高い評価のワイナリDonum Estateが畑の大幅な植え替えや拡張に動いています(Donum Estate Replants and Expands - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

社長のAnne Moller-Racke(アン・モラー・ラッケ)は、2011年にワイナリをデンマークの投資家に売却しましたが、2012年にはRussian River Valleyに16エーカーの畑を購入するなど積極的に動いています。

今年7月にはワイナリに隣接した40エーカーの畑を閉じ、植え替えを始めます。クローンの最適化が主な目的で、「Donum Selection」と呼ばれているRoedererのクローンを大幅に増やします。このクローンは平らな土地や西向きの土地で特にいいブドウを算出するとAnne Moller-Rackeは言っています。

このほかにはPommardクローンが当初の予想よりも土地に合っている一方で、Dijonクローンの115はあまり合っていないことが判明したそうです。また、Donumクローンの次に使われるのはCaleraクローンだとのこと。

一般消費者としてはクローンの違いによる味の違いまでは、なかなかわかるものではありませんが、畑によって最適なクローンも変わってくるというのは勉強になりました。
Date: 2013/0812 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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15ドル未満で売られるピノ・ノワールの市場が伸びているそうです(The revolution in cheap pinot noir - The Wine Curmudgeon)。売り上げベースで見るとすでにピノ・ノワールの4分の3は15ドル未満が占めています。

詳しく見ると、15ドル未満の市場にも2つのカテゴリーがあるようです。1つは10ドル未満の市場で、消費者はブランドで選ぶことが中心です。例えばBarefootのカベルネやメルローを飲んだ後、何か別なものをということでBarefootのピノ・ノワールを飲む、といった消費行動が推測されます。もう1つは10ドル以上の市場で、消費者はブドウの種類で選びます。例えばMark Westのピノ・ノワールなどが支持されています。

女性や若い世代が15ドル未満のワイン市場に貢献していると見られます。

ここで登場したMark Westは10ドルのピノ・ノワールを作るワイナリとして始まり、2012年に大手のConstellation Brandsに買収されました。今年は売上倍増を睨んでいるとのことです。
Date: 2013/0808 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのRussian River Valley(RRV)がAVAになって30年だそうです(Happy Birthday Russian River Valley! | STEVE HEIMOFF| WINE BLOG)。米国のAVAとしては26番目のものです。

ソノマのワイナリを調べる中で、Russian River Valleyはなかなか手ごわいものがあります。一般的には涼しい地域ということになっていますが、素晴らしいジンファンデルもあるし、簡単には語れません。

サブAVAの話も記事に書かれていますが、現実には難しいでしょうね。というかRRVのネームヴァリューがありすぎて、サブAVAを作る意味があまりなさそうです。実際、今でもGreen ValleyとかChalk HillはサブAVAになっていますが、それを名乗っているワイナリはごくわずかです(ソノマではRockpileもあまりAVA名としては使われていないし、Galloのゴリ押しでできたNorthern Sonomaにいたっては完全に有名無実化しています)。

ソノマのAVAで、次に手を入れるとしたら、Sonoma CoastをWest Sonoma CoastとEast Sonoma Coastに分けるとかですかねえ。これは、期待している人も多いのではないかと思います。

蛇足ですが、カタカナで書くのが悩ましいAVAでもあります。Russianって日本語だと「ロシアン」にするのが一般的なのでしょうけど、発音をカタカナにするなら「ラッシャン」だから、どうも気持ち的にロシアンとは書きづらいのです。気にしすぎなのかもしれませんが。
Date: 2013/0806 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパを代表するワイナリの1つであるCaymus(ケイマス)がナパ郡に、規制違反で100万ドルの罰金を払うことになりました(Caymus Vineyards Pays $1 Million for Alleged Violations of Napa County Winery Rules | News | News & Features | Wine Spectator)。

ケイマスは昨年Rutherfordにあるワイナリで83万ケースのワインをボトル詰めしました。それに対して、ナパ郡から得ている許可では年間4万2000ドルが限界。

あまりにも差があるわけで、ケイマス側としては、覚悟の上での違反でした。オーナーのチャック・ワグナーは「郡による許可については基本的に疑問を持っている。だらだらとそれについて論じるよりも、一気に片を付けたかった」としています。

なお、ケイマスはSolano郡に新しい設備を作っており、今後はナパでのボトリングは減ると考えられています。
Date: 2013/0804 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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民間調査会社のギャラップが、米国におけるアルコール飲料の好みを調査しました(U.S. Drinkers Divide Between Beer and Wine as Favorite)。それによると、アルコール飲料を飲む人の打ちビールを好む人は36%、ワインは35%とほぼ競っています。過去20年を見るとワインが次第に近づき、1回だけ抜かしたものの、また差を開かれ、今はまた追いつこうとしている感じです。



そろそろ、ワインが1位になってきてもいいような気もします。

データを年齢層や性別で見ると、またいろいろなことが分かります。

年齢層別

18歳から29歳の若年層(米国って飲酒年齢21歳からかと思っていたのですが、18歳の州もあるのでしょうか?)は、ビールが圧倒的だったのが、ワインとリカーにだいぶ流れています。ただ、優勢なのはリカー。

50歳超がワインの支持層で、ほぼ半数がワイン飲み。この年代ではリカーが減っています。

性別

男女を比べるとワインの支持層は圧倒的に女性に偏っています。

なお、アルコール飲料を飲むことがあると答えたのは60%で、これはあまり変わっていません。

日本での調査も知りたいところです。
Date: 2013/0802 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパで今年のブドウの収穫が始まります(Napa Valley 2013 Harvest Begins August 1)。

8月1日にMummがスパークリングワイン用の収穫を始める見込みであり、昨年よりも1週間~10日ほども早まります。

Mummはスパークリングワインのプロデューサーの中でも収穫が早く、Domaine ChandonやSchramsbergはもう1週か2週ほど遅く収穫を開始する見込み。

今年の生育状態はこれまでのところ良好。特に大きな問題のないヴィンテージとなっています。