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Date: 2015/0630 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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空前の旱魃が続くカリフォルニアですが、ナパに関しては今年も悪影響はほとんどなさそうです(Vintners: Vines are in good shape, even during drought)。

今年のナパの雨量は500mm程度。雨が降ったタイミングもよかったことから、ブドウへの悪影響はほとんど出ていないとのことです。

その理由の一つにはTuleという新しいシステムもあります。UC Davisで開発されたこのシステムはブドウの葉が蒸散する水蒸気の量を測定し、適切な灌漑の量を決めるというもの。1つのセンサーに年間1500ドルほどかかりますが、それで10エーカーをカバーできるとのことです。

このほか、海水温が上がったことにより、湿度がわずかながら上昇していることもブドウにとってはよいそうです。

セントラル・ヴァレーなどはもっと大変な状況があるだろうと思いますが、ナパは比較的恵まれた状態と思われます。
Date: 2015/0629 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワイン バイ・ザ・グラスキャンペーン 2015の優秀店が発表されています。

首都圏
Grahm's Cafe (グラムズカフェ)カリフォルニア
BEER&WINE GRILL銀座ライオン洋食
熟成肉専門 但馬屋 虎ノ門ヒルズステーキ
レストラン インディゴカリフォルニア
ディズニーアンバサダーホテル エンパイア・グリルカリフォルニア


関西圏
ワインバー&レストラン ブルディガラフレンチ
東心斎橋 イルピアットイタリアン
トップ オブ キョウト (リーガロイヤルホテル京都内)フレンチ
ビストロ・カフェ・ド・パリフレンチ
ガミーライタリアン


グループ賞
アイマニア / マルガリータ、ビストロvinvin
日比谷Barバー
イタリアン


ということで昨年(カリフォルニアワイン バイ・ザ・グラスキャンペーン優秀店が発表される)と受賞店が全く変わっているのが面白いところです。

多くの店でアンコール・プロモーションとしてバイ・ザ・グラス・キャンペーンと同じ内容のものを7月上旬まで提供しています。

時期などはこちら(冒頭のリンクと同じです)をご参照のこと。
Date: 2015/0626 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サントリーのサイトに、ワイングラスによって、ワインの味わいがどれだけ変わるか実験した記事が載っていました(グラスの形でワインの味わいは変わる?~赤ワイン編~ 本当にそうなの?ワインの常識・非常識 サントリー)。今回は赤ワイン編で来月白ワイン編が載るそうです。

この記事では(1)ビール向けのタンブラー、(2)小さめのワイングラス、(3)ボルドー向けのワイングラス、(4)ブルゴーニュ向けのワイングラス、の4種類のワイングラスで「スーパーでワンコインくらいのカジュアルな国産ワイン」、「華やかな香りが特長の軽めの輸入ワイン」、「力強い味わいの輸入ワイン」を試しています。

カジュアルな国産ワインとして選ばれたのは「酸化防止剤無添加のおいしいワイン 赤」。これがいわゆる日本産のブドウを使った「日本ワイン」なのかはわかりません(多分違うでしょう)。軽めの輸入ワインは「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー 2013」。力強い輸入ワインは「ロス ヴァスコス グランド レセルブ 2013」、チリのボルドー系ワインです。

結論から言うと、無難なのは(3)のボルドー向けグラス。写真からすると、おそらくリーデルのVinumシリーズのボルドーでしょう。(4)のブルゴーニュ向けグラスは、香りのボリュームは一番強く出るが、一方で、バランスが取れない味わいに感じられがちだとのこと。

これはわかりますね。ブルゴーニュ向けのグラスはやっぱりある程度いいピノ・ノワールでないと力を引き出せないような気がします。

また、この記事では触れていませんが、グラスの大きさだけでなくガラスの厚みなどによっても味わいは大きく変わることが知られています。ガラスが薄いものの方が美味しく感じられます。

そういったもろもろを勘案して、やっぱりリーデルのVinumのボルドーは何か一つグラスというときには一番役に立つグラスでしょうね。ステムのない「オー」シリーズも味わいはほとんど変わらないのでカジュアルなシチュエーションでは便利です。

あと、最近評価急上昇中のZaltoも気になります。ちょっと値段高いですけどね。





Date: 2015/0624 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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と誰かが言ったかどうかは知りませんが、夏のナパの早朝は雲海が見られる確率はかなり高いのではないでしょうか。ただし、上から見ないときれいではないですから、ハウエル・マウンテンやマウント・ヴィーダ―などの方に行っておく必要があると思います。

写真はマウント・ヴィーダ―にあるラジエ・メレディス(Lagier Meredith)の早朝の風景。ちょうど朝日が登ってくるところです。きれいですね。

ちなみに英語ではsea of cloudsと言うようです。

The summer solstice countdown begins

Posted by Lagier Meredith Vineyard on 2015年6月17日

Date: 2015/0618 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シャトー・イガイタカハで知られるワインライフ株式会社の杉本さんが、ポール・ラトーC(Paul Lato)とコラボして作ったワインが「心」シリーズです。ポール・ラトーの他のワインと異なるのは、基本的に畑のブレンドであること。初年度となった2012年のものは、Wine Advocate誌でシャルドネが96点、ピノ・ノワールが93点と非常に高い評価を得ました。

参考:Paul Latoの新作は「心」、シャルドネとピノ・ノワールを試飲
20140521-paullato-kokoro.jpg

このほど販売が始まった新ヴィンテージでは、ピノ・ノワールは秋のリリースに移り、その代わりといってはなんですが、ソーヴィニヨン・ブラン2014とロゼ2014が加わっています。ソーヴィニヨンとロゼはそれぞれ600本(ケースじゃないですよ)の生産量すべてが日本でだけ販売されます。シャルドネ2013は1200本生産のうち360本が日本向け。米国内の840本は既にメーリング・リストで全部売れてしまっています。

シャルドネについては、2012年のブレンド比率がSierra Madre(50%)、Hilliard Bruce(30%)、Pisoni(20%)だったのに対して、Sierra MadreとPisoni
の2つのブレンドに変わっています。実は単一畑も含めて2013年からはHilliard Bruceはなくなったしまったそうです。

ポール・ラトーとしては初(多分)のソーヴィニヨン・ブランはGrimm's Bluffというサンタ・バーバラのハッピー・キャニオンにある畑が中心。いわゆるソーヴィニヨン・ムスクがメインになっているそうです。

ロゼはDrumCanyon、John Sebastiano、Zotovichを中心にPisoniを少量加えたもの。品種はピノ・ノワールです。

販売はCh.igai Takaha | シャトー・イガイタカハのサイトから。
Date: 2015/0616 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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安倍首相が先日米国を訪問した際に、オバマ大統領との晩餐会で振る舞われたワインの一つがフリーマンのシャルドネでした(オバマ米大統領、安倍首相との晩餐会でフリーマンのワインや獺祭を提供)。このフリーマンの共同オーナーであり、ワインメーカーであるのがアキコ・フリーマンさん。

そのアキコさんが来月一時帰国。表参道のワインハウス南青山で一般参加可能なパーティが開催されます(「フリーマン」メーカーズパーティ)。

日時 2015年7月8日(水) 19:00-
場所 ワインハウス南青山
東京都港区南青山3-15-13 B1
参加費 8500円
電話 03-6804-6166

予約は電話のみ。先着順となります。

ワインはフリーマンの
・ソノマ・コースト・ピノ・ノワール・ロゼ
・涼風・シャルドネ
・ソノマ・コースト・ピノ・ノワール
・ロシアン・リバーバレー・ピノ・ノワール
がそれぞれ1杯ずつ(おかわりは800円)。涼風・シャルドネはヴィンテージも含めて晩餐会で使われたのと同じワインです。なお、チケット制なので、飲む順番などは自分で決められます。

このほか
・アキコズ・キュヴェ・ピノ・ノワール
・グロリア・ピノ・ノワール
は1杯1000円で飲めます。

料理はビュッフェで提供されます。内容は
・前菜として生ハムとメロン、チーズ、カクテルシュリンプ
・パテドカンパーニュとシーフードテリーヌ
・名物八兵衛の寿司カウンターでのおこのみ握り寿司
・小イカとカラスミのパスタ
・ミラノ風サフランリゾット
・サーモンのグリル グリーンピースのソース
(料理の内容は仕入れ状況などによって変更される場合があります)。

このほか特別価格(通常7390円の涼風・シャルドネが5100円など)でのワインの即売会などが開かれるとのことです。
Date: 2015/0616 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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今日(6月16日)の夜10時から、NHKのEテレで長澤鼎をフィーチャーした番組が放映されます(先人たちの底力 知恵泉 逆境から飛躍するには「長澤鼎」(前編) - NHK)。今回は前編。

長澤鼎については、このブログでも何回も取り上げていますが、明治維新のころに薩摩藩から英国に留学した若者の一人でした。一緒に留学した仲間の一人には、後に文部大臣になった森有礼もいました。

長澤鼎は英国から米国にわたり、あるキリスト教の派閥の創始者に心酔します。当初は東海岸で、後にソノマでワインを作り、ブドウ王とまで呼ばれるほどになりました。

今日の前編では恐らく、ソノマに移る前あたりまでの話が出てくるのではないかと思います。

本は何冊かでていますが、映像ものは珍しいです。永久保存版ですね。

昨年は鹿児島に英国留学生の記念館ができ、今年は長澤鼎のワイナリーと同じ名前を持つ、Fountaingrove(ファウンテングローブ)がAVAになりました。これを機会にもっと知られるようになって欲しいですね。




Date: 2015/0615 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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哺乳瓶で飲み物をサーブするお店がパリにあるそうです(PARISIAN WINE BAR SERVES BOOZE IN BABY BOTTLES)。

2カ月ほど前にInstagramに投稿された画像が以下のもの。




投稿した人は、最初はドッキリカメラか何かではないかと疑ったようですが、実際にその形でサーブされていたとのこと。

実は、National Geographic誌には2008年に既に哺乳瓶でワインを出す店の記事が載っていました。

All (Baby) Bottled Up in Montmartre – Intelligent Travel

税金を低くするためではないか、とかいう理由も載っていましたが、それにしてもちょっとなんだかねえ、という感じです。で、普通にグラスから飲むよりも酔いやすいそうですよ。経済的?
Date: 2015/0615 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先週発表されたベンジガー(Benziger Family Winery)のワイン・グループ(The Wine Group)への売却について、ベンジガーのCEOだったマイク・ベンジガーがインタビューに答えています(Benziger says sale is ‘good for the Valley’ | Sonoma Index-Tribune | Sonoma News, Entertainment, Sports, Real Estate, Events, Photos, Sonoma, CA)。

それによると、ワイン・グループがベンジガーに興味を持った最大の理由は観光客だったとのこと。ベンジガーはソノマ・ヴァレーでも人気のワイナリーであり、特にトラムを使った畑のツアーはとてもポピュラーです。それが理由でワイナリーを買ったとのことです。

ワイン・グループはこれまでよりも高級な路線に踏みだそうとしており、ベンジガーはその最初のワイナリーとなります。

インタビューでは彼らがベンジガーとビジョンを共有していることが強調されていますが、実際そのまま続くでしょうか。資本の論理で変わらないことを期待します。
Date: 2015/0614 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ウォール・ストリート・ジャーナルに、ワイン飲みをうんざりさせる癖を7つ紹介した記事が載っていました(The 7 Habits of Highly Annoying Wine People - WSJ)。

順に挙げましょう。

1.ワインを勝手に注ぐウェイター
レストランでワインをボトルで飲んでいるときに、頼んでいないのに勝手に注ぐウェイターがいますよね。特にボトルにあと少しだけ残っているときに、勝手に注がれるといらっとするのはわかります。次のワインを頼むように急かされているようでもあるし、2人以上で飲んでいたら、最後はだれが飲むって決めていることもあるかもしれません。酒量も人によって違いますしね。

2.「キュレーション」されたワイン・リスト
この記事では、単にワインの選択をこだわったということよりも、ワイン・リストをゴテゴテと飾り立てたものを指しているようです。ワインの説明が、事実を並べることよりも美辞麗句で着飾ったようになっているのが著者をいらっとさせていると思われます。まあ、もしかしたらそういうリストをみて「素敵」って思う人もいるのかもしれませんがね。

3.「えせ」コレクター
高名なワインや家が高得点を付けたワインをただ集めたようなワイン・コレクターのことです。まあ、誰しも高得点のワインには興味があるわけですし、ボルドーの1級やロマネ・コンティ、カリフォルニアであればハーランやオーパス・ワンといったワインは飲んでみたいと思うのは自然なことだと思います。ただ、「コレクター」というレベルにまでなるのであれば、やはりもっと自分の好みというのがでてきてしかるべきでしょうね。

4.適温で提供されないワイン
これはすごくわかります。冷えすぎの白ワイン。温かすぎる赤ワイン。冷えすぎはまだいいんです。置いておけば温まってきますから。でも温度が高過ぎるのはどうにもなりません。理想的には適温よりちょっと低いくらいの温度で提供されて、飲んでいるうちに適温になるのがいいと思います。温度による味わいの変化も楽しめますしね。

余談ですが、現在コルギンの社長を勤めるポール・ロバーツさんはコルギンやその前のハーランで来日していますが、セミナーで供する温度にはとても厳しかったそうです。セミナーの途中に、「部屋の温度が2度高い」とメールを送ってくるほどだったとか。すごいですね。

5.ワインの「得点」に頼るワインショップ
これもわかりますね。日本では逆に得点も書いていないことが多いようですが、情報の一部としては必要だと思います。

6.ワインの味わいを説明しすぎる試飲スタッフ
テイスティング・ルームのスタッフがワインの説明をするときに、試飲コメントのように細かく話してしまうことです。例えば「このワインは桃、梨、プラム、シナモントーストの味わいがあり…」といった感じで。味わいの感じ方は人によって違いますから、ここまで言われると、それを感じなかったときに、すごく罪悪感を持ってしまいます。

7.ワインの教師
ワインを教える人はたくさんいますね。資格を持っている人もいればそうでない人もいるでしょう。著者は、ワインは言葉で教わるより飲んで学べということを言いたいようですが、ちょっと微妙なところですね。やっぱり知識は何かしら教える人がいた方がいい場合もありますし。

最後に、私が考えるこういうのはちょっと、というのは、楽しくない話をする人ですね。ワインはやっぱり楽しく飲みたいですから。
Date: 2015/0612 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ヴィナス(Vinous)のアントニオ・ガッローニが2014年のナパ・ヴァレーの出来について記事を書いています(2014 Napa Valley – Vintage Report (Jun 2015) | Vinous - Explore All Things Wine)。ワインのレビューは有料会員でないと見られませんが、この記事はログインなしに閲覧可能です。

量的には2012年から3年続いた豊作です。その中でも2014年は旱魃が続いたことの影響や、かつてないほどの早い収穫時期を迎えたことの影響が懸念されていました。

ガッローニによると、2012~2014年の3ヴィンテージで見ると、一番良くないのが2012年だとのこと。以前の記事によると、2011年の不作の後の豊作で、量の確保に走ってしまったワイナリーが多く、そのために質が下がったり、量が多すぎて醸造が追いつかなくなったりしたところがあったようです。

2013年は質・量ともに申し分のない良ヴィンテージ。おそらく21世紀に入ってからで見てもベストの一つでしょう。

それでは2014年はどうだったでしょうか。

ガッローニによると2014年は2013年に似ているものの、もう少し軽い仕上がりでタンニンも弱めになりそうだとのこと。トップクラスのワイナリーでは2013年に匹敵するできだそうです。2013年が長熟型でタンニンが強いのに対し、2014年の方が若いうちから飲みやすいワインになっているようなので、飲み方によっては2014年の方が美味しく感じられるかもしれません。

ほかの地域のできはどうなのでしょうね。気になります。
Date: 2015/0611 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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インシグニアなどの高級ワインで知られるジョセフ・フェルプスが、3年を費やしてワイナリーを大幅に改装しました(Phelps Unveils Winery Upgrade | Wine News & Features )。

今回の目的は観光客の増加。セールス・アンド・マーケティング・ディレクターのマイク・マッケヴォイは「ナパはワイン・ツーリズムの中心地となっているが、うちはそれに乗り遅れていた」と語っています。

そのため、今回の改築では醸造用のタンクが置いてあったところを5つのテイスティング・ルームにしました。様々な人数のグループに対応できるようにするとのことです。

私がジョセフ・フェルプスを訪問したのは、もう20年も前のことですが、予約のみで割と狭いところに詰めて座らされ、敷居が高く感じたものでした。

今後は、もっと訪問しやすいワイナリーになりそうです。

なお、この場所でワインを醸造したのは2006年まで。それ以降は近隣の施設に移っています。
Date: 2015/0610 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのグレン・エレンにある家族経営の人気ワイナリー「ベンジガー・ファミリー」(Benziger Family)が、ワイン・グループ(The Wine Group)社に売却されました(Benziger Family Winery sold to Wine Group | The Press Democrat)。近隣にある同じ経営によるイマジリー(Imagery)も一緒に売却されています。売却価格は明らかになっていませんが、9000万~1億ドル程度であろうと言われています。

トラムによるツアー

ベンジガーは1980年に創設されたワイナリー。1990年代からビオディナミ(バイオダイナミック)に取り組んでおり、デメター社による認証も受けています。ワインの価格帯で言うと20~80ドル程度と比較的高価格帯のものが中心となっています。また、トラムに乗った畑のツアーが人気の観光客にも評判がいいワイナリーです。生産量は14万ケース弱。

それに対して、ワイン・グループはフランジアなど、低価格のワインを中心と
する巨大資本。年間6000万ケースを製造しています。

一見ミスマッチに見える両社ですが、ワイン・グループは近年収益性の高いプレミアム・ワインに力を入れるようになっており、2008年に立ち上げたカップケーキというブランドは年間300万ケースにまで成長しています。

今回の買収にあたっては、ビオディナミによるブドウ栽培を続けることと、従業員を解雇しないことを条件としています。ベンジガー家では、創設者のマイク・ベンジガーはこれを機に引退しますが、ワイナリーに残るメンバーもいます。

ソノマでは今年になってから、シドゥーリをケンダル・ジャクソンが、「J」をガロが買収と、いずれも家族経営のワイナリーが売却されています。シドゥーリの場合はマーケティングにかける手間を減らしたいというのが動機だったようですが、Jとベンジガーの場合は、世代交代期になってきたことが理由の一つではないかという気がしています。今後もこのような売却は増えるのかもしれません。
Date: 2015/0609 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オークション・ナパ・ヴァレーが6月4日~7日に開催され、オークションの落札総額は1580万ドルとなりました。2013年の1690万ドル、2014年の1840万ドルは下回ったものの、2005年の1050万ドルを大幅に上回って過去3番めの落札額になりました。

The fanfare of the winners.Photo by Bob McClenahan

昨年の記事は「Auction Napa Valley、落札総額が2年連続の最高値更新

メイン・イベントとなるライブ・オークションでの最高額ロットはオーパス・ワンの35ヴィンテージのマグナムボトルセットに2週間のワイナリーツアー(欧州、米国)を加えたもので、オークション中に3セットまで拡張されました。トップ3の合計額は240万ドルで一つのロットの落札額として過去最高となりました。

落札額は地域の健康や教育のために寄付されます。
Date: 2015/0608 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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えーと、久しぶりの「今週のワイン動画」です。

今回はコルクにレーザーで刻印をするところ。ワイナリーに行っても既に刻印済みのコルクしか置いてないですから、普通は見ないところですよね。

短いビデオですが、ちょっと珍しいのでシェアしておきます。ソースはFacebookのGrgich Hillsのページ

Of course we use only high grade cork and we thought you’d enjoy seeing how we brand each of those corks.

Posted by Grgich Hills Estate on 2015年6月4日
Date: 2015/0605 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマにあるブエナビスタ(Buena Vista)はカリフォルニア最古のワイナリーとして知られています。歴史的価値は大きいのですが、近年までは必ずしもそれに見合った注目を受けていませんでした。しかし、数年前にジャン・シャルル・ボワセ(下の写真)が買収してからは、熱心に改革や改築に取り組み、今ではソノマでも有数の観光地となったようです。

20150604-bv_wineryimage.jpg

そのブエナビスタがワイン作りの道具を集めた博物館を開きます(Buena Vista Winery officially unsheaths its Tool Museum | Sonoma Index-Tribune | Sonoma News, Entertainment, Sports, Real Estate, Events, Photos, Sonoma, CA)。以前にも報じていましたが、いよいよグランドオープンとなったようです。非常にエンタテイメント色の強いもので、これによって「テイスティング、歴史、バーチャルリアリティ、ブロードウェイのショー」がこのワイナリーだけで経験できるようです。

どのようにエンタテイメント的かというと、創始者の「伯爵」に扮した俳優がツアーガイドをしたり、博物館では道具類が音楽に合わせて動いたり、といったことのようです。ディズニーランドの「カントリーベアジャンボリー」のようとも書かれていましたが、こればっかりは実際に見てみないと分からないですね。

ちなみに道具類はボワセ家(ブルゴーニュの有力なネゴシアン)から運んできたものが多いとのことです。

ジャン・シャルル・ボワセは、ブエナビスタだけでなく、経営破綻したデ・ローシュ(デ・ローチ、DeLoach)を復活させ、自身のJCBブランドではブルゴーニュとカリフォルニアのブレンドワインなどユニークなものを作っています。奥さんはガロのワインメーカーであるジーナ・ガロ。これだけ手を広げていると、よほど浮ついた人なのかと思いきや、ワイン作りにも真摯に取り組んでいるようです。非常に興味深い人です。
Date: 2015/0604 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマ在住のワインジャーナリスト、カフマン恵美子さんに教えてもらったNYタイムズの記事を読みました(The Wrath of Grapes - NYTimes.com)。

かなり長い記事で、IPOBのラジャ・パーの話に始まり、IPOBに批判的なロバート・パーカーの話、ニューヨークのソムリエの話、またナパでIPOBのメンバーになっているマサイアサン(Matthiasson)や、反対にパーカーから高い評価を得ているシェーファー(Shafer)の話などが書かれています。

これを読むとIPOBのワインについて、米国でどのように受け取られているか、なんとなく雰囲気が分かるような気がしました。

興味深く感じたのは、ニューヨークで以前はほとんどいなかったソムリエが、今は1つのレストランに複数のソムリエがいるほど増えているということ。彼らの中にIPOBのワインを支持する人が多いことが、それまでの「パーカー・ポイント」一択的なワインの選び方から変わってきた一因になっているようです。

カリフォルニアワインは自由な半面、何かがブームになると、皆一緒くたにそちらに流れる傾向があると思っています。例えば1990年代のメルローのブームだったり、2000年前後のカルトワインのブーム(凝縮度をエルために、収穫を極端に遅らせることが問題になった時期もありました)だったり、映画『サイドウェイ』以降のピノ・ノワールのブームだったり、…。

IPOBはまだそこまで極端な動きになっていないのが逆に健全な気がします。

作り手としては、IPOBのような酸が強くアルコール度が低いスタイルを目指すのか、従来のカリフォルニアワインのような酸が少なく果実味の強いスタイルを目指すのか、どこかに自らのスタイルを決めることは必要でしょう。

しかし、我々コンシューマーは別に「~~派」になる必要はないのです。IPOBのワインを楽しむ一方で、パーカーが高得点を付けたナパのカベルネを楽しんでも、何の問題もありません。ワインの飲み方も、食事に合わせるだけでなく、ワインを単独で飲んだっていいわけです。

そういったことを含めて、自由なカリフォルニアワインをこれからも楽しみたいと思ったのでした。

以下は余談ですが、この記事を読んで米国がうらやましくなった点もあります。

まずはNYタイムズのような一流紙に、これほどしっかりとした、読み応えのあるワインの記事が載っていること。日本の新聞だったら、長くてもこの4分の1くらいの記事でしょうし、内容ももっと誰でもわかるようにと、マニアにとってはつまらないレベルに抑えられてしまうと思います。

もう1つは、この記事に200を超えるコメントが付いていること。ざっと見たのですが、日本のコメント可能なメディア(例えばハフィントンポストなど)に付くコメントがやたら感情的だったり、揶揄するようなものだったりするのが多いのに対し、ほとんどがまっとうな意見でした。

日本のワインシーンでは、こういった記事もなかなかなければ、それについて議論する土壌もないというのが寂しく感じます。
Date: 2015/0601 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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6月3日から7日までナパのリゾート「メドウッド」で開かれるオークション・ナパ・ヴァレー。ナパの初夏を彩る風物詩であり、これが終わるといよいよ夏だなあという気分になってきます。昨年は落札総額1840万ドルと2年連続の最高を記録(Auction Napa Valley、落札総額が2年連続の最高値更新)。今年はどうなるか注目されています。

Auction Napa Valley 2014

メイン・イベントは6日に開かれるライブ・オークションですが、それ以外に前日に行われるバレル・オークションやインターネットで参加できるEオークションもあります。

Eオークションについては日本など海外からも入札可能です。約200ロットとかなりのロットが出展されていますから、落札のチャンスもあるかもしれません。

一覧はこちらからご覧ください。→2015 Auction Napa Valley E-Auction Lots

日本からでもオークション・ナパ・ヴァレーの雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。