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Date: 2015/1030 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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スクリーミング・イーグルの姉妹ワイナリーで、サンタ・バーバラでピノ・ノワールとシャルドネを作るヒルト(Hilt)が、ラインアップを強化します(Shanken News Daily: Exclusive news and research on the wine, spirits and beer business)。

新たに追加するのはサンタ・リタ・ヒルズのピノ・ノワールとシャルドネ。おそらくヒルトが近年購入したRadienとBentrockという畑のブドウを使ったものと思われます。2014年が最初のヴィンテージで、2016年あるいは2017年に発売します。価格は45ドル程度とのことで、ヒルトのワインとしては入門的な位置付けになりそうです。

ピノ・ノワールについては既にWine Advocate誌でレビューされており、91-94点と評価されています。これまでのものよりは早飲み型だとのこと。また、名前はCool Handとされています。

ヒルトはこれまでオールド・ガード、ヴァンガードという2種類のピノ・ノワールおよびシャルドネを作っています。ブドウはサンフォード&ベネディクトなどから購入しており、樹齢の高いものから作るのがオールド・ガード、若い樹のブドウから作るのがヴァンガードとなっています。

Wine Advocate誌ではシャルドネが最高95点、ピノ・ノワールが最高94+点と高い評価を得ています。サンタ・バーバラで将来を嘱望されるワイナリーの1つとなっています。
Date: 2015/1029 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンタ・リタ・ヒルズの人気ワイナリー メルヴィル(Melville)のワインメーカーであるグレッグ・ブリュワーが、2015年暮れにメルヴィルを辞めることが明らかになりました(Last Vintage: Winemaker Greg Brewer to Leave Melville)。

Greg Brewer

グレッグは、ブリュワー・クリフトンを立ち上げた1997年の後、ロン・メルヴィルと出会い、メルヴィル・ワイナリーの立ち上げ時から協力してきました。1999年が最初のヴィンテージです。

2002年のピノ・ノワール「テラス」(Terraces)がWine Advocate誌で95点と評価されるなど、2000年台半ばまでにサンタ・リタ・ヒルズを代表するワイナリーになりました。サンタ・リタ・ヒルズのAVAができたのが2001年ですから、ブリュワー・クリフトンやシー・スモークなどと並んでこのAVAのブランドに大きく貢献したのは間違いありません。

グレッグは、メルヴィルを辞めた後もブリュワー・クリフトンは続けます。またワインライフ株式会社の杉本さんと手掛けるシャトー・イガイタカハ(Ch.igai Takaha)のワインメーカーも引き続き担当します。2016年2月にはシャトー・イガイタカハのワインメーカーとしての来日も予定されています。

また、メルヴィルのワインメーカーは創設者ロン・メルヴィルの息子であるチャド・メルヴィルが担当する予定です。チャド・メルヴィルは自身のブランド「サムサラ」(Samsara)も手がけています。
Date: 2015/1027 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのジョーダンは、ワイナリーの中でも動画に力を入れているところです。以前には、流行っているカンナムスタイルのパロディ動画を公開したこともありました。

今回は12月に公開されるスター・ウォーズの最新作「The Force Awakens」のパロディです。いやいや、よくここまで作りこんだなあという感服さ。ぜひご覧になってください。









Date: 2015/1026 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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日本でJCBといえばクレジットカード会社のことですが、ワイン業界ではなんのことだか分かりますか? 5秒以内にお答えください。

1.2.3.4.5.

はい、できましたか。答えはJean-Charles Boisset(ジャン・シャルル・ボワセ)です。

いかにもフランス人という名前のジャン・シャルルですが、実際フランス生まれのフランス人であり、ボワせ家といえばブルゴーニュ最大のネゴシアンという名門なのです。で、彼はそこの米国法人であるボワセ・ファミリー・エステートの社長なのです。しかも、驚くべきことに奥さんはガロのワインメーカーであるジーナ・ガロ。二人の間には双子の子供がいます。

カリフォルニアでは、その名もJCBワインというワイナリーをやっているほか、傘下にデローチ(DeLoach)、ブエナビスタ(Buena Vista)、レイモンド(Raymond)などのワイナリーを持っています。

これらのワイナリーを傘下に入れた後、JCBは大鉈を振るって改装に励みました。例えばブエナビスタはカリフォルニア最古のワイナリーという特徴を生かして、博物館仕立てにしています。

というわけで、いろいろ気になっていたのですが、最近相次いでこれらのワイナリーの訪問記が出ていたので紹介します。

1つはソノマ在住のカフマン恵美子さんがFacebookに投稿したブエナビスタの訪問記。
Buena Vista... - Wine Talk by Emiko Kaufman
もう1つはSFクロニクルのサイトに出ていたレイモンドの訪問記です。
This could be Napa’s weirdest wine experience - SFGate

ブエナビスタの訪問記では、カーヴや博物館を見学していますが、そのほかに自分でワインをブレンドするようなコースもあると紹介しています。「ソノマに、ここでしか体験できないツアーをするワイナリーが登場しました」と恵美子さんは書いておられます。

そして、レイモンドの方ではまさにそういったブレンディングのコースの体験記となっています。

また、ちょっと前ですがWassy'sのハダノリさんがレイモンドを訪問したレポートも面白いです。
[ハダノリ現地レポ]レイモンド(前半)知ってたーー! | オンラインWassy's ワシ等の日々。
[ハダノリ現地レポ]レイモンド(後半)~衝撃~ | オンラインWassy's ワシ等の日々。

JCB自身についてはこれらの記事には出ていませんが、山本昭彦さんのブログ(まんま和食のミーナとジャン・シャルル・ボワセの勢い - ワインレポート)には「ジャン・シャルルは、きらびやかなハリウッドスターのような服を着て、やり手ビジネスマンのようによくしゃべる。とてもフランス人とは思えない」と書かれています。

では、ワインを作る人というよりビジネスマンなのかというと実はそうでもないのです。幻ワインの私市さんのブログ(Jean-Charles Boisset : 幻ワイン醸造日記)には
ところで彼が訪れた理由は、畑をどうしても見たい、と言うことだった。
彼はその眺望と畑のコーディネーションが気に入ったらしく、畑の頂上から ワンダフル!ワンダフル!を連発していた。
「あと羊の姿があれば完璧だ。」と付け加えた。
というのも、彼はバイオダイナミック信奉者だからだ。フランスに所有する葡萄畑の90%はバイオダイナミックで栽培されている。

とあり、ほかにも彼が熱烈にワインを語る様子が描かれています。

いろいろな意味で興味をひかれる人です。

なお、本ブログで紹介した記事のいくつかを並べておきます。
政略結婚? ジーナ・ガロとジャン・シャルル・ボワセが結婚
Galloの4代目は双子
生まれ変わったRaymond
ソノマとブルゴーニュのブレンド・ピノをジャン・シャルル・ボワセが発売
Buena Vistaが歴史的建物保全で受賞
ブエナビスタが、楽しさ満載のワイン作り道具博物館をオープン
DeLoach Vineyards: 経営破綻から再生し、名声高めたワイナリ

ところで、先日のカリフォルニア・ワイン試飲会で、JCBの広報(一部で滝川クリステル似の美女と言われています)の方と再会して、ワイン一通り試飲しました。どれもレベル高かったのですが、特に印象に残った2本を最後に紹介します。

1つはデローチが作る幻ヴィンヤードのピノ・ノワール。先ほどの私市さんの畑のピノ・ノワールです。JCBが畑を見に行ったのもこのワインがあるからです。非常にきれいでおいしいピノ・ノワール。

もう1つはJCBのシャルドネ。No.81と付いていますが、この番号はJCBが初めてカリフォルニアに来た1981年にちなんだもの。ブルゴーニュに負けないシャルドネが作れると確信した年なのだそうです。
Date: 2015/1023 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2015年10月21日は、バック・トゥ・ザ・フューチャーPart2で、未来に飛んで来た日ということで、話題になりました。

では30年前のカリフォルニアワインて、どういう時代だったのでしょうね。

有名なパリ・テイスティングが1976年。揺籃期から成長期に向かうのが1980年代です。

中でもエポックメイキングだったのがオーパス・ワン。最初のヴィンテージが発売されたのが1984年です。

50ドルという当時としては考えられないくらいの高価格もさることながら、そもそも、カリフォルニアのワイナリーとボルドーのエスタブリッシュメント中のエスタブリッシュメントであるムートンが、対等に組んだことが、カリフォルニアにとっては名誉なことでした。

オーパス・ワンのライバルとしてはドミナスが1985年ころの発売(最初のヴィンテージは1983年)。インシグニアやハイツのマーサズは1970年代。最初のカルト・ワインと言われるグレース・ファミリーは1980年ころに発売されたようです。

このほか、シャルドネで一世を風靡したケンダル・ジャクソンの発売が1983年でした。甘みを少し残したアメリカ人好みの味付けど、当時としてはちょっとだけ高級感がある5ドルという価格で大人気となりました。

一方、ピノ・ノワールはまだ雌伏の時代です。カレラの設立は1970年代ですが、まだまだ無名です。オー・ボン・クリマが1982年。ウィリアムズ・セリエムのピノ・ノワールがカリフォルニア・ステート・フェアで金賞を取ってブームになるのが1987年。

大体こんなところでしょうか。

なお、この辺の話は全部『無敵のカリフォルニアワイン講座』に載っております。この記事もそれを検索しながら書きました。

Date: 2015/1022 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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スペインの研究者による2年がかりの研究で、ワインにおける「ミネラル」は土壌には起因しないことが明らかになりました(New study strengthens case against soil-based minerality)。

この研究ではまず「ミネラルが豊富」だとされるワインを分析して「ミネラル」を感じさせる要因と思われる物質を調べます。そして、その物質を故意に添加したワインをプロにテイスティングしてもらうことで、実際にそれらの物質が「ミネラル」になっているのかどうかを調べます。

その結果、土壌の「ミネラル」とワインに含まれる「ミネラル」を感じさせる成分にはなんの関係もないことがわかりました。また、土壌であればミネラルは少ない数の科学物質で決まるところ、ワインではさまざまな物質の組み合わせがミネラルにつながっているようです。
Date: 2015/1021 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのワイナリー「サン・スペリー」(St. Supéry)が香水で有名なシャネルに買収されることが発表されました(発表PDF)。

サン・スペリーはロバート・スカッリが1989年に設立したワイナリー。フランス出身のスカッリ家はアルジェリアなどでワイナリーを営んでおり、1982年にナパに土地を買って米国でのワイン作りに参入しました。1600エーカーの地所を所有しており、自社畑のブドウでシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、シラー、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなどを作っています。サステイナブルなワイン作りにも早くから取り組んでいます。個人的には、ここのソーヴィニヨン・ブランは結構好きでした。

売却は10月中に完了する予定ですが、オペレーションや管理には大きな変更はないとのこと。

売却の理由は不明ですがロバートは「サン・スペリーをこのような有名でラグジュアリーブランドを理解しており、このプロパティを強化していくであろう会社に譲ることができて嬉しい。彼等が私のビジョンであるナパのシャトーのありかた、ワールドクラスのエステート・ワインを作ること、品質を向上させ続けていくこと、を引き継いでいくと信じている」とコメントしています。

シャネルはボルドーのローザン・セグラ(メドック第2級)など3つのワイナリーを持っていますが、フランス以外でのワイナリー所有は初と思われます。
Date: 2015/1021 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ヴェリテの2012年ヴィンテージ投入にあたり、ヴェリテを保有するジャクソン・ファミリーがイベントを開催しました(Sonoma beats Napa in cult Cab comparative)。

そこで、ハーラン・エステート、スクリーミング・イーグルといったカルトワインとヴェリテがどちらが好みか投票するというアトラクションをしたそうです。

こんな対決に参加した人が羨ましいですが、結果はヴェリテがトップ、2位がスクリーミング・イーグルでした。

Verite

これをもってソノマがナパに勝ったというのも短絡的ですが、ソノマのカベルネ・ソーヴィニヨンもナパに負けない力を持っていることは改めて証明できたと言えるでしょう。

今回のイベントを主催したジャクソン・ファミリーのジュリア・ジャクソン(創設者ジェス・ジャクソンの娘)は、ソノマはいつも歴史の背後におり、実際にはナパよりも長い歴史を持っているにもかかわらず、まだ揺籃期にあると語っています。

ナパにおける「パリスの審判」に匹敵するような何かが必要なのかもしれません。


Date: 2015/1020 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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NASAの観測によると、2016年は1998年並みのエルニーニョになる気配が濃厚です。

エルニーニョは赤道近くの東太平洋の水温が上昇する現象。これが起こると米国西海岸では雨が多くなり、荒れた天気になりやすくなります。

ここ十数年では1997年から1998年にかけての冬が典型的。カリフォルニア各地で洪水が起こり、春から秋にかけても不順な天気が続きました。カリフォルニアワインでは珍しいオフヴィンテージといわれました。

海面位の差分
写真提供:NASA

この図は1997年と2015年の10月における海面の変位を表したもの。水温が上がると水が膨張するため、海面が上がります。これを見ると、かなり広範囲に上がっている様子が伺えます。

エルニーニョの記録
写真提供:NASA

こちらは海面温度の記録(平年との差分)。1950年以降のエルニーニョの年のデータをプロットしています。7月から9月までの平均は、今年の場合平年よりプラス1.5度。これを上回っているのは1982年(プラス1.6度)、1997年(プラス1.7度)しかありません。

というわけで、状況としては強いエルニーニョになる気配が濃厚であると言えます。ただ、NASAはエルニーニョについての知見が十分でないため、断言はできないとしています。
Date: 2015/1017 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ブレタノマイセスは、酵母以外のワインの味わいに影響を与える微生物として有名です。馬小屋臭などと言われる獣っぽい香りをワインに付加してしまいます。一般にはワインの欠陥の1つと考えられていますが、ビールの中には積極的にブレタノマイセスを使うものもあり、必ずしもマイナスばかりではないと考えている人もいます。

そこで、2014 Digital Wine Communications Conferenceという会議において、出席者にブレタノマイセスに汚染されたワインとそうでないものを飲んで評価するという実験が行われました(The great Brettanomyces taste test | meininger.de)。

出席者はジャーナリストやブロガーなど、ワインについてはかなり詳しい人々。ワインはボルドー産のもので、3種類が供されました。1つはブレタノマイセスが含まれていないもの、1つは少し加えたもの、もう1つはさらに強く加えたもの。出席者にはブレタノマイセスについては告げず、3種類の別々のワインを試飲すると説明しています。

その結果、ブレタノマイセスがないものを一番好みとした人はわずか1/4未満。大多数は多く加えたものを一番好みだと評価しました。

また、ワインの味わいについてはブレタノマイセスが入っているものの方が「複雑」で「リッチ」だと評価する人が多く、一方で入っていないものは「テロワール」を感じないと評価されました。

いわゆる自然派ワインにはブレタノマイセスに汚染されたものが、かなりの頻度で含まれていますが、その人気はもしかしたらブレタノマイセスに誘導されたものなのかもしれません。

また、ナパのフリーマーク・アビーで長年ワインメーカーを務めるジェリー・ルーパーは、かつてナパのカベルネにわざとブレタノマイセスを加えることもあったといいます。味わいをよりボルドーに近づけるためだったそうです。

あなたはブレタノマイセス入りのワイン、賛成ですか、反対ですか?
Date: 2015/1016 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wines & Vinesに2015年のカリフォルニアワインの収穫について総括した記事が出ていました(West Coast Harvest Total a Mystery - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

先日、パソ・ロブレスで収穫量が平年の半分という記事を書きましたが、これは極端な例にしろ、量的には少なめだった地域が多いようです。パソ以外ではソノマが平年より2〜3割減と少なく、一方でナパは平年並みと地域による差が大きかったようです。

どこも収穫時期は極めて早く、それでいて、品質は素晴らしいとのこと。まあ、生産者による品質の評価はどこまで信用していいか分からないところもありますが。近年、軽い味わいへの志向が強くなってきているのにマッチしそうな気はします。

また、過去3年が豊作でバルクワインはややダブつき気味だったので、多少量が減ったことは、問題ではなさそうです。
Date: 2015/1013 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの台頭期を支えたパイオニア2人が相次いで亡くなりました。シルバー・オーク(Silver Oak)のレイモンド・ダンカン、シュグ(Schug)のウォルター・シュグです(Raymond Duncan, Cofounder of Napa Wine Producers Silver Oak and Twomey Cellars, Dies at 84 | News | News & Features | Wine SpectatorSonoma winemaker Walter Schug, pioneer of pinot noir, | The Press Democrat)。

レイモンド・ダンカンは10月9日、コロラド州デンバーの自宅で亡くなりました。84歳でした。

彼はスポッツウッドを創設したノヴァック夫妻と大学時代の友人で、その招きによって1972年にナパを訪れました。すぐにいくつかの土地を買い、ワインメーカーのジャスティン・メイヤーと出会ってシルバー・オークを設立。ナパのオークヴィルとソノマのアレキサンダー・ヴァレーでカベルネ・ソーヴィニヨンを作り始めました。熟成にアメリカン・オークの樽を使った独特のスタイルは米国内で非常に人気が高く、毎年のようにレストランにおける一番人気のワインとなりました。「Life is a Cabernet!」という標語でも知られています。
シルバー・オーク
1999年にはトゥーミー・セラーズ(Twomey Cellars)を設立。メルローやピノ・ノワールなどに手を広げました。

ウォルター・シュグは10月10日、ソノマの自宅で亡くなりました。80歳でした。
ウォルター・シュグ

ドイツからの1950年台にカリフォルニアに移り住んだウォルターは当初ガロで、その後はジョセフ・フェルプスでワインメーカーとして働きました。ジョセフ・フェルプスのフラグシップであるインシグニアを最初に作ったのも彼でした。後にメリテージと呼ばれるようになったカベルネ系ブレンドの最初のものでした。

その後独立してソノマのカーネロスにシュグを設立。ピノ・ノワールのパイオニアとして活躍しました。

お二人のご冥福をお祈りします。
Date: 2015/1012 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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フランスのワイン業界団体が、中国の偽ワイン市場についてのレポートを密かに公表しました(How Big Is China's Counterfeit-Wine Problem? French Report Calls It An Industry)。

レポートを作成したのはThe Comité National des Conseillers du Commerce Extérieur de la France (CNCCEF)。それによると中国の偽ワインは、「本物のワインが1本あったら、偽ワインも1本以上はある」というほど大きな市場になっているとのこと。また、偽ワインが横行することが、中国のユーザーのワイン離れを招いている面もある、とのことで対策が急務としています。

ただ、偽ワインにはなかなか有効な対策がなく、国家間の微妙な問題もはらむため、このレポートは作成後、一度葬られてしまったとのこと。今回は「密かに」公開されたもようですが、今後どのように波紋が広がるのか気になります。
Date: 2015/1010 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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パソロブレスの2015年の収穫は、平年の半分以下というまさかの大凶作に見舞われました(Growers Suffer Low Yields in Paso Robles - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。平年から30%減で済んだところは、まだマシだというような、ちょっと驚きの結果です。

今年の収穫は例年より早いことはわかっていましたが、ここまで収穫が減るとは多くのワイナリーも思っていなかったようです。特にシラーは悲惨な状況だそうです。

原因もはっきりしていません。

例えば旱魃が続いたことで塩分が集積したことや、7月の嵐、6月のヒョウなどが影響しているのではないかという意見もあります。ただ、今のところ5月に非常に気温が低く、雌しべがきちんと生育しなかったことが最大の原因ではないかと見られています。比較的収穫が多かったところは、地形的な要因で、5月に開花しなかったところだとのことです。
Date: 2015/1009 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カーネロスの銘醸畑ハドソンが、新しいワイナリーの建築を申請しています(Hudsons to build Carneros area winery)。

このワイナリーではワインの試飲だけでなく近隣の農産物の販売も行う予定。カーネロス・ハイウェイ沿いです。

週に480のビジターを見込んでいますが、この地域では大人数になるため、交通渋滞などが懸念されています。

ただ、このプランはホスピタリティであるという考えから認めようとしている人も少なからずいそうで、今後認可が下りるかどうかが気になります。
Date: 2015/1008 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン作りは掃除につぐ掃除だという話は、以前「収穫時期のワイナリー・インターンはどんな仕事をしている?」という記事で紹介しました。この手間や醸造で必要な「パンチダウン」をほとんど不要にする新技術をバイオ科学の技術者が開発、現在米国やスペインの15のワイナリーでテスト中です(Taking the Water Out of Winemaking)。

この装置「GOfermentor」は、水槽の中に使い捨てのプラスチック製バッグを入れ、そこにブドウを入れて醸造します。水槽にはもう1つ空気で膨らんだりしぼんだりする袋が付いており、それを使って自動的に醸造用のバッグをコントロールしてパンチダウンなどの代わりにします。

GOfermentorのサイトに載っていた図を掲載します。
GOfermentorの仕組み

この技術、特に人手が足りない中小のワイナリーにとって朗報になりそうです。
Date: 2015/1007 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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TPP(環太平洋パートナーシップ)がほぼ合意に至りました。ワインもその1つに入っていますが、合意後はどうなるのでしょうか。

Wine

ワインについては以下のように書かれています。
ボトルワインについては 8 年目、清酒、焼酎については 11 年目までの関税撤廃期間を設定

つまり、8年かけて関税をなくす予定だということです。

ではワインの関税はどれくらいかかっているのでしょうか。

一般税率としては
15%又は125円/Lのうちいずれか低い税率。ただしその税率が67円/Lを下回る場合は67円/L

また、課税価格の合計額が20万円以下の貨物に課せられる簡易税率では「70円/L」となっています。

つまり750mlのボトルの場合、最大で93.75円、簡易税率では56.25円の関税がかかっています。これが8年後にはなくなるということです。

ボトルあたりが1000円以下というような安ワインでは、93.75円は馬鹿にならないですね。売値で100円近く安くなるかもしれません。

一方で、ボトル3000円を超えるような高級ワインではほとんど影響はないでしょう。関税よりも重要なのは為替です。例えば30ドルのワインだったら1ドル3円安くなれば、90円値段が上がるわけです。これだけで関税分は吹っ飛びます。

ここ数年で1ドル40円くらい円安になったことを考えたら、関税がなくなるのは小さな変化でしょう。
Date: 2015/1005 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズによるバイ・ザ・グラス・プロモーションが始まっています。これは10月と11月の2カ月間、参加する店舗がナパのワインをグラスで提供するものです。

参加店のリストはこちらからどうぞ。
By the Glass Promotion

同じようなバイ・ザ・グラスのキャンペーンは春にもありますが、そちらはカリフォルニア全体を統括するワイン・インスティテュートによるもの。秋に開催されるのはナパ・ヴァレーに特化しています。

この機会にさまざまなナパのワインをグラスで飲んでみてはいかがでしょうか。
Date: 2015/1004 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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開けたワインを何年間もフレッシュに保存できる革命的な製品コラヴァン(Coravin)。2013年に製品の出荷が始まって以降、未知数だったその実力の評判は、上がりさえすれども、全く下がるところを知らない(一時的に安全性の問題は生じたものの)まま現在に至ります。

既に米国では定番製品の1つといってもいいような状況で、販売数も最初の数年で2万~3万ユニットを目論んでいたものが、10万ユニットを超えています(A Coravin Wine Device in Every Kitchen? | News | News & Features | Wine Spectator)。

そのコラヴァンに新製品「Model Two」が登場しました。

Coravin Model Two

コラヴァンはコルクに小さな穴を開けてそこからワインを注ぐのですが、その針を刺す部分のハンドルが大きくなってより使いやすくなったのが特徴的。これまでの製品は業務用が6割で家庭用が4割程度の販売だったのですが、今回は家庭用が8割を狙っています。

価格は330ドルで従来の300ドルよりわずかに上がっています。

なお、気になる日本への輸入については、以前以下のような記事を書いています。
Coravinの輸出対象国に日本が入っていない理由が判明しました

それから状況が変わったのかどうか定かではないのですが、実際には並行輸入品として日本に持ち込まれています。