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Date: 2015/1130 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ドミナス2009の記事を書いたのがまだ今月なのですが(参照:前ヴィンテージほどではないですが、まだまだお得なドミナス)、早くも2010が登場しています。

前の記事では次のように書いています。
前ヴィンテージの2008年はWine Advocate誌で99点という高い評価であったのに、国内の価格は最安で1万6000円台と、とても割安なワインでした。2009年も引き続き97点という高い評価ですが、価格は税込みで2万2000円~と上がっています。

ただ、次の2010年は同誌で初の100点を取っており、値段はさらに上がるか、あるいは国内ではスキップされるでしょう。

実際にはスキップはされませんでしたが、価格はやはり倍に上がっています。こうなると2008年の99点で1万6000円台というのが、ますます安く見えますが、もう売っていないものを今更惜しんでもどうしようもありません。

とはいえ税抜きで4万5000円というのはWine Advocate誌で100点を撮ったワインとしては安い方です。特にナパのカベルネ系では6万円台、7万円台が当たり前でしょう。

ちなみに、この後のヴィンテージは2011年が89点、2012年が98+点、2013年が100点と続きます。価格も乱高下するのでしょうか。



2009年のドミナス購入はこちらをご参考に
前ヴィンテージほどではないですが、まだまだお得なドミナス
Date: 2015/1129 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインボトル用の着物「着物ボトルドレス」というものがあります。サイトはこちら(着物 bottle dress | 日本の伝統・心を贈る 着物ボトルドレス)。かなりこだわりが詰まっており、外国人のプレゼントとしても喜ばれそうです。

着物ボトルドレスのサイト

最初はただのボトル用カバーかと思ったのですが、そうではなく本物の着物として作られています。

こだわりのポイントは
・ボトルにかぶせるのではなく、着付けが必要
・着物の生地には本物の西陣金襴(きんらん)を使用(材質はポリエステル)
・帯留めには伊賀くみひもを使用(芸者・舞妓は江戸打紐)
・着物をしまう際の包み紙に土佐和紙「雲竜紙」を使用
・箱は印籠式の桐箱

と、まさに本物の着物と同じです。私も先日娘の成人式用の着物として妻が使ったものなど、着物をいくつか見たので本物の素晴らしさを間近に体感したのですが(例えば桐箱に入っていたものはそうでないものより明らかに保存状態がいい)、これだけこだわれば、おみやげとしてもかなりの価値があると思います。

ちなみに、着物はなで肩の人の方が似合いますが、これは怒り肩のボルドータイプの方が着せやすいそうですよ。

上記サイトのほかWassy'sでも販売しています。
Date: 2015/1126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シェーファーがシャルドネとメルローで合成コルク「ディアム(Diam)」を採用しました(Shafer Vineyards Uncorks a Surprise | Wine News & Features)。
Diam合成コルクを採用したシェーファー
合成コルクを採用した理由はブショネをなくすため。シェーファーはコルクの改善に30年間取り組んでおり、ブショネの原因となるTCAの除去に98~99%成功しています。しかし、それでも十分ではないと考えて、より完璧な方法として合成コルクを使うことにしました。

ディアムの合成コルクはコーヒー豆からカフェインを除くのと同様のクリーンで安全な方法を使っており、さらにナチュラル・コルクと同等の酸素透過性を持っているとのこと。さまざまな代替品の中でディアムを使ったのはそのためです。



シェーファーは採用にあたって7年間テストを行いました。また、消費者のワインの飲み方を調べたところメルローとシャルドネの大部分はリリースから2、3年で飲まれていることがわかりました。それがこの2つで合成コルクを最初に採用した理由です。

このように、満を持して投入した合成コルクですが、消費者からの反応は皆無だったとのこと。行き届いた説明に満足したのでしょうか。それともそもそも合成コルクかどうか気にしていないのでしょうか。

多分後者ではないかと思うのですが、これが合成コルクではなくスクリューキャップだったらどうだったでしょうね。

近年はナチュラル・コルクの品質も上がっており、一時ほどブショネの問題は騒がれなくなりましたが、このように少しずつ合成コルクなどの代替品利用が進んでいくのでしょうか。
Date: 2015/1125 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Enthusiast誌の2015年年間トップ100が発表されました(10 - 1: Top 100 Wines of 2015 - Wine Enthusiast Buying Guide - Wine Enthusiast Buying Guide)。Wine Spectatorほどの影響力はありませんが、なかなか個性的なリストになっています。

例えばトップ5のワインを見ると1位がキャンティで2位がプチ・シラー、3位がリースリング、4位がテンプラニーリョ、5位がマルベックとメジャーな品種を見事にはずしています。7位に入ったレイミーのシャルドネ・リッチー2012がむしろ異彩を放つほど。

中でも目立つのが2位のプチ・シラー。18ドルのワインです。ワイナリーはマイケル・デイヴィッド(Michael David)。7デッドリージンというジンファンデルで有名なロウダイ(ロダイ)にあるワイナリーです。プティ・プティ(Petite Petit)というこのプチ・シラーは同誌のレイティングで94点。深みある味わいでありながら、決して濃すぎることがなく絶妙なバランスを保っているそうです。サーカスの象をあしらったポップなラベルに騙されることなかれ、とのこと。

マイケル・デイヴィッド プティ・プティ

このワイナリー、ロバート・パーカーのお気に入りでもあり、米国で最もコスト・パフォーマンスが高いワイナリーの有力候補だと述べています。賢い消費者は覚えておくべきだと。今回のワインも91点とかなり高い評価です。日本での価格も3000円程度ですから、気になります。



トップ10のカリフォルニアワインはこのワインと前述のレイミーの2つ。レイミーは65ドルと大分値段が上がりますが、評価も97点と相当なものです。こちらも日本で入手可能。レイミーのリッチーはまだ飲んだことないですが、リッチーはすごく好きな畑の1つです。



Date: 2015/1125 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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デカンターしにナパの知識を問う問題が出ていました。全部で10題です。

Napa Valley Quiz: Test your knowledge - Decanter

私は一応90%(9問正解)。全問正解できなかったのは残念ですが、記憶におぼろげなところがあったのでしょうがないでしょう。

このブログを丹念に読んでいれば全問正解できる!と言いたいところですが、2番のネタについては取り上げていませんでした。それ以外は、そのもの、あるいは近いことが書いてあると思います。

なので、ヒントとネタバレを合わせて関連情報を挙げておきます。

Q1の解答
Q2
Q3のヒント
Q4の解答
Q5の解答
Q6:これは直接の答えは書いていないかも。拙書「無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ篇》」に取り上げているワイナリーの数からある程度推測できるかと思います。
Q7のヒント
Q8:これは何回も取り上げていますが、最近の記事はこれ。
Q9:どこかで書いていると思うのですが、自分でも発見できませんでした^^;
Q10の解答
Date: 2015/1121 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wassy'sのブログに「朝ドラとナガサワ」という記事が出ていました。『長沢鼎 ブドウ王になったラスト・サムライ』の著者の多胡吉郎さんがお店にいらして、カリフォルニアの「ブドウ王」と呼ばれた長沢鼎と、大人気朝ドラ「あさが来た」に出てくる五代友厚(才助)との縁を教えてくれたとのことでした。

さっそく本を確認してみました。

もう、びっくりぽんです。

長沢鼎の本に登場する五代友厚

最初に登場する21ページから28ページまではほとんど五代友厚の話です。読んだはずなのにその名前はすっかり頭から抜け落ちていました。

長沢鼎は幕末に薩摩藩から英国に留学した一行に加わっていたわけですが、この留学を藩に建白したのが五代友厚なのです。それだけでなく、建白に先立って長崎のグラバー邸で知られるグラバーと直接かけあって留学を実行に移し、さらには留学生とともにロンドンに渡っているのです。

薩摩藩は五代友厚の建白を受けて開成所を開設して、若者にオランダ語や英語などの学問を教えました。長沢(当時の名前は磯長彦輔)はそこで英語を学んだことで最年少の留学生として選ばれたのでした。

本当に五代さんがいなかったら薩摩藩から英国への留学生もいなかったでしょうし、後のブドウ王も誕生しなかったでしょう。産みの親といっても過言ではないほどの貢献です。

実を言うと「あさが来た」の原案である『土佐堀川』にはそれほど五代さんは出てきません。五代さんが気になる人は『長沢鼎 ブドウ王になったラスト・サムライ』を読んだ方がいいと思いますよ。これはまじです。

参考:カリフォルニアの「ブドウ王」長沢鼎のセミナーに参加しました

ところで、余談ですが、朝ドラとカリフォルニアワインとの関係ということでは、「マッサン」も見逃せません。「カリフォルニアワインを勉強していた『マッサン』」に書いているのでご覧いただけたら幸いです。

残念ながらマッサンこと竹鶴政孝さんは長沢には会っていないようですが、もし会っていたら竹鶴政孝(マッサン)→長沢鼎→五代友厚→広岡浅子(あさが来た)→村岡花子(花子とアン)と、リンクが広がったのにと、さらに妄想が広がりました。



Date: 2015/1120 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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1976年に起こった「パリスの審判」(Judgment Movie Finally Ready to Shoot | Wine News & Features)。40年を迎えようというところで、これを題材にした映画の撮影が近々始まりそうです。

パリスの審判の映画としては2008年の「Bottle Shock」がありますが、「Bottle Shock」については試飲会の主宰だったスティーブン・スパリアなどから非難の声があがっています。

今回の映画は、ジョージ・テイバーの「パリスの審判 カリフォルニア・ワインVSフランス・ワイン」にもとづいており、オフィシャルな作品という位置づけになりそうです。



脚本は、カラテキッドや「雲の上で散歩」などで有名なロバート・ケイメン。彼は自らケイメン・ファミリー・ワイナリーのワインメーカーとしても働いています。
ロバート・ケイメン

ただし、俳優などはまだほとんど決まっていないもよう。2016年の収穫時期を予定している畑でのロケについてもまだどこで行うか決まっていません。「1970年代のナパに見えるところを探している」とのこと。
Date: 2015/1119 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国の調査会社IRIによると、米国におけるワインの小売で「レッド・ブレンド」がメルローを抜いて2位に上がったそうです(Surging Sales for Red Blend Wines - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

10月4日までの52週間の販売実績で見ると、「レッド・ブレンド」がメルローを600万ドル上回り、カベルネ・ソーヴィニヨンについで2位になりました。「レッド・ブレンド」はこの期間中14%販売を伸ばしているのに対し、メルローは3%ダウンしているとのこと。

販売量で見ると、トップは今もメルローで990万ケース。レッド・ブレンドは650万ケース。メルローは1本平均5.62ドルだったのに対し、レッド・ブレンドは8.64ドルだったので金額ベースで逆転しました。

レッド・ブレンドの代表的なブランドはApothic、Ménage a Trois、Cupcake、14 Handsといったもの。日本ではあまり馴染みがありません。

ApothicのDark

【アポティックは売っていました】


評論家のスティーブ・アシモフはレッド・ブレンドの流行について、初心者のワイン・ドリンカーが買っているのではないかと分析しています。ちょっと甘めの親しみやすい味付けに、覚えやすい名前、キュートなラベルといったものでコンシューマーが買いやすいワインになっているのではないかとしています。
Date: 2015/1118 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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多くのワインメーカーは収穫時期をブドウの種の色で判断すると言われています。緑だとタンニンがきつく、茶色になるとまろやかになると信じられてきました。その伝説を否定する結果をワシントン州立大学の研究者が発表しています(Grape seed color not helpful in assessing wine tannins - WSU News Washington State University)。

未熟なブドウと過熟なブドウでワインを醸造して比べたところ、タンニンの量には違いがありませんでした。

様々に条件を変えて試したところ、唯一タンニンに影響があったのはイクステンディッド・マセレーション(果皮や種と果汁との接触期間を長くすること)だけでした。

研究者はワインメーカーに、この結果を受け入れて収穫時期について再考してほしいと語っています。

ちょっと驚きの結果ですね。タンニンについては量だけでなく「丸いタンニン」といった表現もあるので、その実態が何であるのかも合わせて明らかにしてくれると、さらに説得力が上がるのではないかと思います。
Date: 2015/1117 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌の2015年年間トップ10については既に記事を書いていますが、11位~100位が発表されています(Top 100 Wines—All Lists | Top 100 of 2015 | Wine Spectator)。

米国のワインについてピックアップしておきます。
11位:Big Table Farm Pinot Noir Willamette Valley(95点、40ドル)
12位:Limerick Lane Zinfandel Russian River Valley (94点、32ドル)
14位:Bergström Pinot Noir Ribbon Ridge Le Pré Du Col Vineyard (95点、60ドル)
17位:Turley Petite Syrah Howell Mountain Rattlesnake Ridge (95点、44ドル)
19位:Dehlinger Pinot Noir Russian River Valley Altamont(95点、60ドル)
20位:Meiomi Pinot Noir Monterey-Sonoma-Santa Barbara Counties (92点、22ドル)
28位:Baer Ursa Columbia Valley (94点、39ドル)
29位:Tenshen White Santa Barbara County (92点、20ドル)
31位:K The Creator Walla Walla Valley(94点、55ドル)
34位:Tenet Syrah Columbia Valley The Pundit (92点、25ドル)
35位:Rombauer Chardonnay Carneros(93点、36ドル)
38位:Soléna Pinot Noir Willamette Valley Grande Cuvée (92点、25ドル)
40位:Pomelo Sauvignon Blanc California (90点、12ドル)
42位:Keplinger SUMŌ Amador County(95点、70ドル)
45位:Colene Clemens Pinot Noir Chehalem Mountains Margo(93点、36ドル)
48位:Calera Chardonnay Central Coast (90点、20ドル)
57位:Altamura Cabernet Sauvignon Napa Valley(95点、90ドル)
59位:Rodney Strong Cabernet Sauvignon Alexander Valley Rockaway Single (94点、75ドル)Vineyard
60位:Roederer Estate Brut Anderson Valley L'Ermitage(93点、48ドル)
65位:Chappellet Cabernet Sauvignon Napa Valley Signature (93点、56ドル)
68位:Booker Syrah Paso Robles Fracture(94点、85ドル)
78位:Chateau St. Jean Cabernet Sauvignon Alexander Valley (91点、30ドル)
86位:Ravines Riesling Finger Lakes Dry Argetsinger Vineyard (92点、30ドル)
97位:Orin Swift Machete California (93点、48ドル)

オレゴンのピノが11位と14位に入り、イヴニングランドと合わせると20位以内に3本入りました。2012年や2013年の良ヴィンテージのワインが出てきたためでしょう(一覧にヴィンテージを入れるのを忘れました^^;)。

25ドル以内のワインが6本入りました。注目は今年ケイマスのワグナー家がブランドを売却して話題になったMeiomi(メイオミ)が20位と上位に入ったこと(参考:ケイマスのワグナー家が大ヒットピノ「メイオミ」を売却、その意味するところは?)。ちょっと甘さを残したのが特徴だというここのワイン、しかもピノ・ノワールが92点を取っています。生産量は31万7592ケースと相当の量です。日本にも入っています。



12ドルのポメロのソーヴィニヨン・ブランが40位に入ったのも注目です。日本へはいぜんはilovecalwineが輸入していましたが、現在は打ち切りになっています。

日本で人気のカレラのシャルドネ、セントラル・コーストは48位です。ヴィンテージは2013。近年のセントラル・コーストは侮れません。価格的にも米国で20ドルのものが2000円台前半なのですから現地価格並みです。


ロデレールのエルミタージュはカリフォルニアのスパークリングでは最高峰の1つでしょう。ヴィンテージは2007。プレミアムなスパークリングの中では安い方だと思います。今年のホリデーシーズン用にいいと思います。
Date: 2015/1115 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日、「ナパのワイン価格上昇に警鐘を鳴らしたロバート・パーカー」という記事を書きましたが、パーカーに呼応して「California heading for a fall?」という記事が出ていました。

ワインの市場として有名なLiv-exという会社があります。ここで出している指標(株式市場の日経平均とかダウ平均に相当するようなもの)にLiv-exのFine Wine50や同100、同1000などがあります。Fine Wine50であれば代表的なワイン50種のLiv-ex上で取引された平均価格を指標とするものです。

4年ほど前と比べるとこれらの指標は概ね60%、すなわち4割ほど値下がりしているのですが、カリフォルニアワイン(Liv-ex上ではオーパス・ワンやドミナスが代表的な取引される銘柄となっています)は逆に4割くらい値上がりしています。

ワイン価格の推移

上の図は2011年6月の価格を100としたときのLiv-ex50、ドミナス、オーパス・ワンを並べたものです。

これ以外に、スクリーミング・イーグルやスケアクロウといったセカンダリー・マーケットで人気が高い銘柄もやはり値上がりが激しくなっています。

値上がりの結果、これまで高値の象徴的存在だったボルドーと比べて、カリフォルニアの方が高くなる現象が起こっています。例えばWine Advocate誌で100点を取ったドミナス2010は、同じく100点を取ったポンテ・カネ2010と比べて1本あたり1万5000円ほども高くなっています。またオーパス・ワン2004はオー・ブリオン2004と比べて5%ほど安くなっています。

これらのことからLiv-exのレポートでは「ゴールデン・ステートは、どこかでその輝きを失うかもしれない」と締めています。

ちなみに、日本での小売価格を見ると、オーパス・ワンは世界の市場にほぼ追随した動きを見せていますが、ドミナスはそうでもないようです。先日「前ヴィンテージほどではないですが、まだまだお得なドミナス」という記事を書きましたが、Wine Advocate誌で100点を取って世界的に品薄な2010を次に控えており、そこでは大幅に値上がりする、あるいはそもそも輸入されない可能性が高いと思っています。ドミナスに関しては今が入手しどきかもしれません。
Date: 2015/1114 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌の2015年年間1位「ワイン・オブ・ザ・イヤー」のワインが発表されました。正直に言って、カリフォルニアから選ばれるとはあまり思っていなかったのですが、開けてびっくり。ピーター・マイケルがナパのオークヴィルで作るカベルネ・ソーヴィニヨン「オー・パラディ」2012でした。

ワイン・オブ・ザ・イヤー

数字だけを見れば、96点で195ドル、1785ケースということで、2位のクィルシーダ・クリークの96点、140ドル、4125ケースや3位のイヴニングランドの98点、70ドル、1176ケースと比べて上に来そうにはないのですが、数字に現れない「Xファクター」があったということなのでしょう。

注:Wine Spectatorのトップ100は、ワイン自体の味の評価(レイティング)に加え、価格(安いほうがいい)、生産量(多い方がいい)、およびそれ以外の「Xファクター」で判断することになっています。

何はともあれ、カリフォルニアワインのファンとしては1位は嬉しいことです。なおワイン・オブ・ザ・イヤーがカリフォルニアワインに与えられるのは2012年のシェーファー・リレントレス2008以来。3年ぶりとなります。

さて、このワインですが、ソノマをベースにするピーター・マイケルが初めてナパで購入した畑のブドウで作ったワイン。2011年が最初のヴィンテージで、これが2年めです。畑は以前ショーケットが持っていたもので、Wine Advocate誌で近年100点を含む高得点を連発しているBevan(ビーヴァン)もこの畑のブドウを使っていました(Bevanのショーケットは2011年が最後となった模様)。

日本にも少量ながら1位のワインそのものが入っています。



そういえばジェームス・サックリングのトップ100でも、カリフォルニアワインの中ではこのワインがトップでしたね。
Date: 2015/1113 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌の年間トップ100はトップ10の10位から2位までが発表されています。2位はワシントン州の雄クィルシーダ・クリーク、3位はオレゴンの超注目株イヴニングランドが選ばれています。

3位のイヴニングランド・ピノ・ノワール "セブン・スプリングス・ラ・スルス(ゴールド・ラベル)" イオラアミティヒルズ2012(Evening Land Pinot Noir Eola-Amity Hills Seven Springs Vineyard La Source 2012)は、個人的には今年の1位を取るのではないかと睨んでいたワイン。98点という点数はWSでは滅多に出ません。2012年のイヴニングランド セヴン・スプリングスは高得点のオンパレードで、無印のピノ・ノワール セヴン・スプリングスは96点、シャルドネのラ・スルスとサマム(Summum)も96点を取っています。

イヴニングランドは2007年にマーク・ターロフ(Mark Tarlov)という映画監督が設立したワイナリー。オレゴンのほかソノマ・コーストやブルゴーニュでもワインを作っていましたが、現在はその後購入したセヴン・スプリングス・ヴィンヤードのワインに注力しているようです。マーク・ターロフは既にワイナリーを去り、現在のオーナーはサンディやドメーヌ・ド・ラ・コート、またIPOBでの活動でも知られるラジャ・パー。ラジャ・パーとこれらのワイナリーで一緒にワインメーカーを務めるサシ・ムーアマンも携わっています。また、コンサルタントとしてコント・ラフォンのドミニク・ラフォンが加わっていますが、現在の役割ははっきりしていません。いろいろな意味で、今オレゴンで一番注目されているワイナリーと言っていいでしょう。

ピノ・ノワールのラ・スルスは日本にも入荷はあるものの、現行ヴィンテージは2011。ただし、難しいヴィンテージであり、評価はもう一つです。

【追記】さすがWassy'sさん、早くも現物2012を入手されています。こちらからどうぞ

楽天ショップも。


2011年はこちらから。


2位のクィルシーダ・クリーク・カベルネ・ソーヴィニヨン2012(Quilceda Creek Cabernet Sauvignon Columbia Valley 2012)はワシントン州を代表するカベルネ・ソーヴィニヨン。Wine Advocate誌では過去3回(2003、2005、2007)満点を取ったワインであり、2012年も98点という高い評価。2010年ころまでは争奪戦が激しすぎて日本への入荷があっても「瞬殺」でしたが、現在はそこまでの入手難ではありません。

2位を取った2012年も国内入荷しています。なかなか現行ヴィンテージがあるワインはないので貴重です。


こちらは「100点」もの

Date: 2015/1112 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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マウント・エデン(イーデン)のエステート・シャルドネ2012がWine Spectator誌の2015年年間5位に選ばれました(Wine No. 5 | Top 100 of 2015 | Wine Spectator)。

年間5位

過去のWine Spectator年間トップ100でのマウント・エデンを見ると、
1998年白およびスパークリング部門の22位(Mount Eden Chardonnay Edna Valley MacGregor Vineyard 1996、91点)
1999年年間43位(MOUNT EDEN Chardonnay Edna Valley MacGregor Vineyard 1997 、91点)
2007年年間29位(MOUNT EDEN Chardonnay Edna Valley Wolff Vineyard 2004、92点)
2008年年間13位(MOUNT EDEN Chardonnay Santa Cruz Mountains 2004、94点)
2010年年間11位(MOUNT EDEN VINEYARDS Chardonnay Santa Cruz Mountains 2006、96点)
2011年年間13位(MOUNT EDEN VINEYARDS Chardonnay Santa Cruz Mountains 2008、95点)
2012年年間26位(MOUNT EDEN VINEYARDS Chardonnay Santa Cruz Mountains 2009、94点)
2014年年間11位(MOUNT EDEN VINEYARDS Chardonnay Santa Cruz Mountains 2011、95点)

1990年代はエドナ・ヴァレーのものがコスト・パフォーマンスの高さで選ばれていましたが、2008年以降はエステートのシャルドネが品質の高さで上位に入るようになってきました。それにしても13位2回、11位2回ということで今回は悲願のトップ10入りとなりました。

個人的にもここのシャルドネは大好きです。サンタ・クルーズ・マウンテンズのシャルドネではリッジ、マウント・エデン、ヴァーナー/ニーリーがトップ3だと思いますが、どれもとてもクリーンで、酸がきれいに伸びてくる印象のあるワイン。その手のシャルドネが好きな方にはお薦めです。

日本ではまだ現行ヴィンテージは2011ですが、Wine Spectatorのレイティングは今回と同じ95点。どちらかというと難しい年である2011年に95点を取る方が賞賛できるような気もしないでもないですが。

ということでここのワインが気になる方は2012年を待つことなく2011年のものをお楽しみいただけたらと思います。
Date: 2015/1111 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン評論家で元Wine Spectator誌の編集者であるジェームス・サックリングが、2015年のトップ100を発表しました(My Top 100 Wines In 2015 | Wine ratings, Wine reviews, Wine tasting notes & Wine videos)。

カリフォルニアでは24位に入ったピーター・マイケルのオークヴィルが最高。カリフォルニアで選ばれたのは、ほとんどがナパのカベルネ・ソーヴィニヨンです。

トップ10は以下の通り。

1. Marchesi de' Frescobaldi Brunello di Montalcino Castelgiocondo 2010
2. Muga Rioja Prado Enea Gran Reserva 2006
3. Bodegas Caro Mendoza Caro 2012
4. Montes Syrah Apalta Valley Montes Folly 2011
5. Ata Rangi Pinot Noir Martinborough 2013
6. F. E. Trimbach Riesling Alsace Grand Cru Geisberg 2009
7. Ciacci Piccolomini d'Aragona Brunello di Montalcino Pianrosso 2010
8. Hugel & Fils Riesling Alsace Grossi Laüe 2010
9. Flametree Chardonnay Margaret River SRS 2014
10. Fattoria Le Pupille Toscana Saffredi 2012

4位と5位のワインは楽天で売っていました。24位のピーター・マイケルもあります。

Date: 2015/1108 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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そろそろ日本でもいくつかのショップでオーパス・ワンの新ヴィンテージ2012年が入ってきています。横並びではないので並行輸入的なものかもしれません。

オーパス・ワン2012年の評価もほぼ出揃ったようです。とはいえ、最も注目されるロバート・パーカーのWine Advocate誌には評価が出ていません。同誌では2010年の評価が最後となっています(2009、2008も評価なし)。
訂正:2015年末に2012年の評価が出ました。96点と2010年に続いて過去最高タイの評価です。詳しくは「WA222号でオーパス・ワンやモンダヴィ・ファミリーのワインに高評価」を御覧ください。

米国最大手雑誌のWine Spectator誌の評価は93点。あまり高くないようですが、同誌はオーパス・ワンについては全般に辛めの点数です。2000年以降の評価でみると最高は2007年の94点で、これはそれに次ぐ高評価です。2011年の89点と比べるとかなりこちらが上です。

元Wine Advocateのアントニオ・ガッローニが主宰するVinous(ヴィナス)では96点という高評価。これは2010年の97点に次ぐ、歴代2位の評価です。2007年も96点の評価です。

このほか、元Wine Spectatorのジェームス・サックリングは97点を付けています。ジェームス・サックリングの2004年から2011年までのオーパス・ワンの評価は92、92、95、93、94、93、96、92となっています。2012年は2010年の96を超えた歴代最高評価となります。

評論家や雑誌によって、点数の上下はさまざまですが、おしなべて言えることは2011年はあまり評価が良くなく、2012年は明らかにそれよりも上。近年では2010年と2007年が概ね高評価ですが、それと並ぶか、それを上回るほどのレベルということです。

ですから、2012年が出てきたら2011年に手を出すよりは2012年を買った方がいいでしょう。

【追記】2013年はさらに高い評価がでています。「年間トップなど、高評価続くオーパス・ワン2013」をご覧ください

Date: 2015/1106 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパやソノマにおける移動手段が大きく変わりつつあります(Transit Options on the Rise in Wine Country)。従来は、自家用車で行く以外はサンフランシスコなどから貸し切りのリムジンで行く、あるいはフェリーとバスを使ってナパまで行き、ワイントレインに乗るといったくらいしかオプションがありませんでしたが、Uberに代表される新世代タクシーの台頭によってその図式が崩れかけています。

Uberのロゴ

以前、「ワイナリーツアーにも価格破壊を起こすUber」という記事を書きましたが、そこで紹介しているUberWineというサービスは、従来のリムジンをそのまま置き換えるようなものでした。それに対して、既にナパやソノマではUberを使って現地まで行き、次に移動するときにはまたUberを別途呼ぶといった、貸し切りでない使い方が増えています。サンフランシスコのUberではナパが一番多い目的地となっているほどです。

Uber以外にはLyftGroundLinkといったサービスも使われています。また、タクシーライセンスを持っていない車が乗客を乗せるUberXも低価格の選択肢として人気です。テンプル大学の調査によると、UberXのサービスがある市ではそれがない市より、飲酒運転による交通事故死が3.6~5.6%低くなっているとのことで、飲酒運転を避けるためにこのサービスが使われている可能性があります。

ただ、いいことばかりではありません。例えばソノマの奥の方など、Uberを呼んでもなかなか来ないという場合が頻繁にあるようです。Jordanワイナリーによると、Uberを使う客は予約した時間に大幅に遅れることが多く、逆に試飲後も1時間近く待たされることが多いといいます。ソノマの場合、運転手の多くはサンタ・ローザ周辺におり、そこから遠いところでの近距離の移動には消極的だとのことです。

ソノマではこのほか2016年にサンタ・ローザまで開通予定のSMARTという電車が注目されています(ソノマについに電車が走る!将来はSFから接続も)。Uberなどの低価格タクシーとSMARTの併用で、よりスマートな移動ができるようになるかもしれません。
Date: 2015/1105 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインライフ株式会社の杉本隆英さんがグレッグ・ブリュワーをワインメーカーとして作るのがシャトー・イガイタカハの「漢字シリーズ」です。その中でもシャルドネのフラグシップである「侍」2013年がWine Enthusiast誌で高い評価を受けました(Ch.igai Takaha 2013 Samurai Chardonnay (Sta. Rita Hills) - Wine Enthusiast Buying Guide)。

レイティング94というのもすごいですが、それ以上にすごいのが2015年の「セラー・セレクション」に選ばれていること。セラー・セレクションとは、今すぐ飲むには適していないが、セラーに置いて熟成させて飲みたいワインということです。これの年間トップ100の96番に選ばれています。

セラー・セレクション

これはすごい名誉なことです。杉本さん、おめでとうございます。

なお、侍はこのほかWine Advocate誌では92点、Vinousでは93点と、代表的な評論家からいずれも高い評価を得ています。

Date: 2015/1103 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日発表されたWine Advocate誌221号で、ナパ・ソノマでは22本もの満点ワインが出ました。良ヴィンテージと言われた2012年よりも、さらに明らかに品質が上だという2013年のワインがレビューされたことがこの量産の理由であることは明らかですが、一方でロバート・パーカーはナパのワイン価格について警鐘を鳴らしています。

Robert Parker, the Deity of the Wine World

ナパのワインがボルドーのトップ・ワインのトップ・ヴィンテージに負けない世界で最良の品質を達していること、またそのために栽培から収穫、醸造まで果てしない手間をかけ、施設にも投資をしていることを認めた上で、パーカーの知り合いの多くのワイン愛好者が、価格の上昇にナパ離れを始めたことを指摘。「ナパ・ヴァレーのプロデューサーは、価格の問題を真剣にとらえるべきである」と締めています。

Date: 2015/1101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の221号が公開されました。以前は12月の発表だったナパや2月に回っていたソノマ、8月のセントラル・コーストに入っていたサンタ・ルシア・ハイランズやサンタ・クルーズ・マウンテンズがこの号に入ったため、カリフォルニアに関してはかつてないほど充実した号になっています。

中でもロバート・パーカーが担当したナパやソノマは良ヴィンテージの2013年のワインが中心となったこともあり、100点ワインが30本近く出るという高得点ラッシュでした。

ジェブ・ダナックが担当するサンタ・ルシア・ハイランズやサンタ・クルーズ・マウンテンズはそこまでのレイティングインフレ状態ではないですが、やはりいいヴィンテージのワインが中心となったことから高得点ワインが相次いでいます。

特にサンタ・ルシア・ハイランズではピゾーニ(Pisoni)、ルシア(Lucia)、ロアー(Roar)といった地域を代表するワイナリーがそろって高得点。ロアーのピゾーニ・ピノとピゾーニのピゾーニ・ピノが96+点を得たほか、ルシアのゲイリーズ・ピノとスーザン・ヒル・シラーが96など…。書くのが面倒になったので、95点以上のワインの一覧だけ載せておきます。
95点以上のワイン