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Date: 2016/0129 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズは2016年1月19日、ナパの3生産者が、ワインの名称から「ポート」を抜くことにしたと発表しました。

米国とEUは2006年の合意により、ワインのラベルから「シャンパーニュ」や「ポート」、「シャブリ」などの「セミジェネリック・ネーム」をやめることになりました。ただし、温情的措置として、既存の生産者はラベルの付加的名称として書かれている場合に限って使い続けてもいいことになりました。

今回の3生産者(ボイド・ファミリー・ヴィンヤーズ、フリーマーク・アビー、ジェサップ・セラーズ)は、この「既存の生産者」に相当するので、ルール上はポートの名を使い続けてもよかったのですが、今回自主的に返上することになったわけです。

その昔、とあるスパークリングワインの生産者を訪問したときに、「ラベルにシャンパーニュと書くのはやめた方がいいのではないか」と言ったらすごく小馬鹿にした態度で接されたことを思い出しました。

当時は、まだ他国のブランドに頼る気持ちが多かったのだと思いますが、今となってはむしろ、ナパの名前を守ることの方が重要になったのでしょうね。
Date: 2016/0128 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパで最高の畑と言えば、まず間違いなく誰もが思うのがトカロン(ToKalon)でしょう。シュレーダーなど様々なワイナリーが、この畑から「パーカー100点」のワインを作っています。トカロンは正確にはロバート・モンダヴィが持つトカロンと、ナパ最大の地主であるアンディ・ベクストファーが持つベクストファー・トカロンがあり、モンダヴィ以外のワイナリーで作られているものは後者の畑のものです。

その、ナパでも伝説の人物となっているアンディ・ベクストファーが現在売り出し中なのがレイク(Lake)郡にあるアンバー・ノールズ(Amber Knolls)という畑です。それについての詳しい記事がSFクロニクルに掲載されていました(Legendary grape grower betting Lake County will be the next Wine Country - San Francisco Chronicle)。
Andy Beckstoffer
アンディ・ベクストファーの畑はナパではブドウの価格が高いことでも知られています。彼の値付け方は普通とは違っており、1トン当たりの価格を最終的なワインのボトル価格から決めます。一番高い畑ではボトル価格の175倍としています。例えばワインが200ドルであれば1トンが3万5000ドル。また、最低価格は1万7500ドルとなり、ナパの平均の5800ドルを大きく上回ります。

その彼が、今回のレイク郡の畑では、無料でブドウを帝京大するというのです。

具体的には次のようなプログラムとなっています。

まず、このブドウでワインを作りたいワイナリーは、その旨申し込みます。その中から10のワイナリーを選び、1エーカー分のブドウを3年間提供します。

アンディ・ベクストファーはこのプログラムを通して、高評価されるワインが出てくることを期待しています。もし複数のワイナリーが高得点を得れば、畑自体の名声も高まるでしょう。

ワシントン州のGramercy Cellarsなど、既にこのプログラムに名乗りを挙げているワイナリーもあります。

数年後、ここのワインがどうなるのか注目です。
Date: 2016/0127 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ボルドーで5級に格付けされているシャトー・ポンテ・カネのオーナーであるテスロン夫妻が、2014年に亡くなった俳優のロビン・ウィリアムズさんがナパに持っていた邸宅を購入しました(Pontet-Canet owner buys Robin Williams)。

この邸宅、当初は3500万ドルで売りにでていましたが、その後2950万ドルに値下がりし、最終的には1810万ドルで購入したとのことです。

12 Robin Williams vineyard

このお屋敷、敷地は259ヘクタールと猛烈に広いのですが、そのうちぶどう畑になっているのはわずか7.3ヘクタールです。できたブドウもこれまでは近隣のワイナリーに売却していましたが、今後はテスロン夫妻がワインを作っていくそうです。

ポンテ・カネのテクニカル・ディレクターであるジャン・ミシェル・コム氏は、30年前にパイン・リッジで働いていた経験もあり、ナパへの進出は1つの夢だったよう。今後どういうワインが作られるのか気になるところです。
Date: 2016/0126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wines & Vinesの調査によると、2015年のカリフォルニアのワイナリー数は4054。前年を141上回り初めて4000を超えました(Wines & Vines - The Voice of the Wine Industry)。

北米全体のワイナリー数は9436で、カリフォルニアはその42.96%を占めることになります。2番めはワシントン州の718(7.61%)、僅差でオレゴン州の689(7.30%)。以下、ニューヨーク州の367、ブリティッシュコロンビア州の298、ヴァージニア州の262、オンタリオ州の233、テキサス州の228、ペンシルバニア州の220、オハイオ州の181と続きます。カリフォルニアは2位の5倍以上と圧倒的に多いことがわかります。個人的にはテキサス州の228というのが意外に多くてびっくりしました。

ワイナリーとしての設備を持たない「仮想ワイナリー」も増えています。米国だけで2015年に165の仮想ワイナリーが作られ、全体では1640に達したと言います。

ワイナリーの規模は中小が圧倒的に多く、5000ケース未満が6850ワイナリーもあります。逆に50万ケースを超えるのは64ワイナリーしかありません。
Date: 2016/0125 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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朝ドラ「あさが来た」で、ついにディーン・フジオカさん演じる五代友厚さんが亡くなってしまいましたね。「五代ロス」を感じている方々もたくさんいらっしゃると思いますが、五代友厚さんが、カリフォルニアワインにも大きな貢献をしたことはご存知でしょうか。

カリフォルニアの「ブドウ王」を産んだのは「あさが来た」の五代さんだったというびっくりぽんな話、という記事で以前に書いたものですが、もう少し詳しく書いておきます。

ドラマで描かれるより前の、五代さんがまだ薩摩藩の地元、今の鹿児島にいたときの話です。

五代さんが向かったのは長崎。現在、グラバー園となっているところで、その邸宅の主であるトマス・グラバーに談判しにいったのです。その内容は薩摩藩の若者を英国に留学させたいというもの。そのための金策と、受け入れ先の依頼のためでした。

そして、グラバーの了承を受けて薩摩藩に上申書を提出し、15人の留学生(と4人の視察員)を送り出すことになったのでした。

その一人である磯長彦輔(彼の父は五代さんと長崎で共に航海術を学んだ仲でした)が、偽名(洋行は幕府の命に背くものだったので、万が一のときに藩に迷惑がかからないよう、それぞれ偽名を名乗っていました)として得た名前が長沢鼎(ながさわ・かなえ)。

そして、彼は英国を経て米国に渡り、さらには西海岸のソノマで「ブドウ王」と呼ばれるようにまでなったのでした。

以上の話は『長沢鼎 ブドウ王になったラスト・サムライ』という本に詳しく書かれています。五代さんのことをもっと知りたい方にはお薦めです。また、鹿児島には「薩摩藩英国留学生記念館」という建物があります。

長沢鼎の本に登場する五代友厚


また、長沢鼎が作ったワイナリー「ファウンテングローブ」は、今はもうありませんが、そのゆかりのワイナリーである「パラダイス・リッジ」は、長沢鼎の名前を付けたワインを作っています。ラベルには長沢の写真、裏には日本語で長沢について書かれています。

これを飲んで、約150年前に五代さんの力で英国に渡った若者たちに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。



Date: 2016/0124 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンタ・バーバラのロス・オリボス・ディストリクト(Los Olivos District)が1月21日、AVAとして認められました(Welcome to the World, Los Olivos District AVA! – Wine, Wit, and Wisdom)。2016年2月22日から有効になります。

ロス・オリボスの地図

ロス・オリボス・ディストリクトはサンタ・イネズ・ヴァレーAVA(Santa Ynes Valley)のサブAVAになります。西にはバラード・キャニオン(Ballard Canyon)、東にはハッピー・キャニオン(Happy Canyon)があります。サンタ・イネズの中では比較的温暖なところで、ローヌ系品種を中心とするワイナリーが多いようです。地域のワイナリーは12個あります。

ただ、AVA化を主導したフレッド・ブランダーのブランダー・ヴィンヤード(Brander Vineyard)はソーヴィニヨン・ブランのスペシャリストとして知られており、一部のワインは日本にも輸入されています。

地域の情報についてはThe Los Olivos Winegrowers Allianceで得られます。


Date: 2016/0120 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ガロとIBMがブドウ畑の灌漑のシステムを共同開発しています(IBM and Gallo Winery Built a Big Data Irrigation System for Wine - Fortune)。IBMの深層学習エンジン「ドクター・ワトソン」を使い、最適な灌漑の量を学習していくようです。

学習には衛星からくるデータを使用します。従来は10エーカー近くの単位でしかコントロールできなかったのが、このシステムでは15m四方の単位で制御できます。2014年のヴィンテージでは水の使用を25%減らすことができ、収穫は26%増えたとのことです。

現在のシステムはプロトタイプで、いろいろな面で改善の余地があるとのこと。

いろいろ興味深い流れです。
Date: 2016/0119 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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世界各地のハイアット・グループでクレジットカード情報の漏えいが起きたことが発表されました(ニュース - 「アンダーズ東京」などハイアット国内4施設でカード決済情報漏洩の疑い:ITpro)。

国内だけでなく、海外でも漏えいは起きており、オンラインWassy'sのハダノリさんこと波田紀子さんはなんとナパのハイアットで使ったカード情報が漏えいしていたとのこと。また、ホテル宿泊だけでなく、レストランも対象になっています。

該当する施設や利用日はこちらから調べられます。

また、カードの不正利用を調べるサイトCSIDはハイアットの利用者を対象に、1年間無料で登録できます。登録はこちら
Date: 2016/0114 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2006年にスクリーミング・イーグルを買収して一躍有名になったのがチャールズ・バンクス(Charles Banks)です。サンタ・バーバラのホナタ(Jonata)のオーナーでもありましたが2009年には両ワイナリーから手を引き(スクリーミング・イーグルの共同オーナーであったスタンリー・クロンクは残りました)、新たにテロワール・キャピタルというワイナリーに出資する会社を設立しました。

その後はマヤカマス(Mayacamas)やキュペ(Qupe)といった老舗ワイナリーを買収したり、サンディ(Sandhi)やウィンド・ギャップ(Wind Gap)といった新進気鋭のワイナリー設立に協力したりするなど、幅広いワイナリーに出資しています。南アフリカ、ニュージーランド、フランスと、海外のワイナリーにも出資しています。

そのチャールズ・バンクスのインタビュー記事がありました(Charles Banks Venture Capital and Wine - Grapecollective.com)。

下の写真右がチャールズ・バンクス



非常に面白いインタビューなので、ぜひ元記事を読んでいただきたいところですが、ここではいくつかのポイントだけ紹介します。

まず、スクリーミング・イーグルから手を引いた理由ですが、端的に言えばブランドの構築においてやれることがあまりなかった、ということに尽きます。たかだか2000ケースのワイナリーで、既に名声も確立しているところでは、ビジネスを育てる面白みがなかったようです。

キュペについては、ワイン自体には全く問題がなく、プロモーションの仕方がよくないために埋没したブランドになってしまっていました。そこで、作るワインの種類を減らして焦点を明らかにするなどのテコ入れを行っているとのこと。チャールズ・バンクスが一番好きなワインはローヌ系だとのことで、キュペには結構思い入れがありそうです。

マヤカマスには、スクリーミング・イーグルでワインメーカーを務めたアンディ・エリクソンを抜擢。ところが、ブドウの選果をするための最新機器を送ったら、全部突き返してきたとのこと。ここも、従来からのワインの作り方を変える必要は一切ないと、アンディ・エリクソンが判断したそうてす。マヤカマスのワインは熟成能力に定評があり、それを活かすことにしたのです。

その代わりに変えたのはビジネスモデル。作ったワインのうち4割は倉庫に保管しておき、10年、あるいは30年や40年経ってから市場に出そうというのです。

このほか、南アフリカの話もかなり興味深いものでした。

スクリーミング・イーグルを買収したときには、ただの金持ちの道楽なのかと思っていましたが、このインタビューを読んで、完全に見方が変わりました。非常によく考えているし、ワインが好きなことも分かります。やみくもに買収しているのではなく、それなりに勝算があって取り組んでいることも分かりました。彼のこれからに、もっと注目していこうと思います。
Date: 2016/0113 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日、「シャトー・イガイタカハの「侍」、JALのファーストクラス用ワインに選ばれる」という記事を書きましたが、同じくシャトー・イガイタカハの「園」もJALのファーストクラス用ワインに選ばれました。

JAL「園」

ここの内容は月替わりなのでしょうかね。先月「侍」が紹介されていたところに「園」が入る形になっています。

「園」はシャトー・イガイタカハの漢字シリーズのワインの中でピノ・ノワールのフラグシップ。サンタ・リタ・ヒルズのブドウを使い、グレッグ・ブリュワーによって作られるワインの1つです。「園」はピノ・ノワールのフラグシップ。Wine Advocate誌では92点が付いています。

Date: 2016/0113 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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今やソノマを代表するワイナリーの1つであり、ジンファンデルの古木の第一人者とも言えるベッドロック(Bedrock)。そのオーナーのモーガン・ピーターソンが来日します。それに伴い、輸入元の中川ワインは一般ユーザーが参加できる記念ディナーを開催します(中川ワイン - NAKAGAWA WINE : ベッドロック来日記念ディナーのご案内/Invitation to Bedrock wine dinner on February 2nd, 2016 by NAKAGAWA WINE)。

ベッドロックのワイン

日時:2016年2月2日(火)19時から
場所: トゥーランドット臥龍居(がりゅうきょ)/東京都港区赤坂6-16-10 Y’s Cross Road 1,2F
会費:8,000円(税・サ込)
お支払方法:現金のみ
スタイル:立食・ブッフェ・スタイル(限定50名・先着順受付)
予約受付:お申込みは川ワインまで。連絡先03-3631-7979(受付時間:平日10:00-17:30 土日祝除く)

ベッドロックについては以下の記事をご覧ください
ついに来た!「天才」Morganが作るBedrockが国内正式輸入開始
Bedrock Wine: 5歳からワインを作る天才の夢を載せるワイナリ

僕も初めてモーガンに会えること、大変楽しみにしています。


Date: 2016/0112 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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最大規模のエル・ニーニョと言われる今年、カリフォルニアにもようやく雨がやってきました。100年に1度と言われた旱魃もついに終わるのでしょうか(California drought: How will we know when it)。

結論から言うと、まだまだ解決にはほど遠いようです。「4年間の歴史的旱魃の解消には1週間の雨では足らない」と専門家は述べています。

そもそも、何を持って旱魃の解消といえるのかも明確ではありません。貯水池に水が貯まればいいのか、4年間に降らなかった分を取り返すだけの雨が降ればいいのか、それとも地下水の回復も必要なのか。

1つの意見としては、過去の旱魃の解消時を見ると、シエラネバダ山脈の冠雪が通常の150%に達し、雨量が通常の150%になっているといいます。これが目安になるかもしれません。

ともあれ、雨で貯水池の水が増えているとは言ってもまだ満水の3割近くにとどまっているところが多いようです。まだしばらくはかかるのでしょう。
Date: 2016/0111 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアのロウダイ(Lodi)地区といえば、温暖な気候で知られており、古くからジンファンデルの産地となっていました。この地域(AVA)を盛り立てようと始まったのが「ロウダイ・ネイティブ」のプロジェクトです。その仕掛け人への取材を含む記事が公開されていました(Lodi Group Finds Success With Native Wines - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

このプロジェクトを始めたのはランディ・カパローソという人。2010年にLodi Winegrape Commisionsによって招かれ、ロウダイのAVAの認知を高めることがミッションとされました。

カパローソは、世界の偉大なワイン栽培地域はすべて素晴らしい畑で知られていると考え、畑を前面に押し出すために、「野生酵母のみを使う」「新樽は使わない」などとワイン作りの成約を決めた「ネイティブ」のプロジェクトを始めました。これまでのワイン作りとは大きな隔たりがあるワイン作りです。

その結果、ワイン評論家などはこのプロジェクトを高く評価しました。

また、ユーザーに、従来のスタイルのものとロウダイ・ネイティブのワインを飲み比べてもらうと、約半数はロウダイ・ネイティブを好むこともわかりました。従来のスタイルを好む人がほとんどだと考えられていたため、これは生産者にとっても大きな発見でした。

生産者の数は現在11。これを12に増やして1ケースに1本ずつ入れるのが当面の目標です。
Date: 2016/0110 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国政府が「ダイエタリー・ガイドライン」を発表しました(New U.S. Dietary Guidelines Reaffirm Moderate Drinking As Part of a Healthy Adult Diet - General News - News | DISCUS)。

それによると、「Moderate and responsible beverage alcohol consumption by adults can be part of a healthy lifestyle and diet choice. As with all things, moderation is the key, and the 2015 Dietary Guidelines also make this clear.」とのこと。

すなわち、適切な量のアルコールは健康なライフスタイルやダイエットにつながるとのこと。

適切な量とはどれだけかと言うと「女性で1単位、男性は2単位」とのこと。1単位とはワインだと140mlくらい(アルコール度12%の場合)。カリフォルニアワインだとアルコール度数は14%前後のものが多いから120mlくらいですね。男性で2杯だと240ml。概ね3日でワインボトル1本開くくらいの量になります。

アルコールを飲むことを推奨するかのような今回の発表。政治的な配慮がきになりますが、まずはよかったです。
Date: 2016/0108 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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コミックモーニングで島耕作を見ていたらコルギンのワインが出ていました。

島耕作より

かつてはスクリーミング・イーグルも登場したこの漫画、弘兼憲史さんはカリフォルニアワイン好きなのでしょうか。

それにしても、もう1本選んだワインがケンゾーエステイトの「藍」。これもカベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインです。どこまでカベルネ好きなのでしょうか。

ところで、この続きで島耕作はこのワイン、ホームレスのおじさんと茶碗で飲んでしまいます。さすが太っ腹ですね。

なおコルギンの2005年IX(ナンバー・ナイン)エステート、プロプライエタリ・レッドは7万5000円と書いてありますが、5万円台でも買えるようです。WAでは98+という高い評価が付いています(以前は97点でしたが最近の再試飲で98+に変わりました)。パワーとエレガンスを極めて高いレベルで融合したワインです。最近のヴィンテージは7万円以上が当たり前なので、5万円台は結構お得かも(2000年代前半は3万円程度でしたが)。

Date: 2016/0106 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアのバークレーにある有名なワインショップ「Premier Cru」(プルミエ・クリュ)が破綻の危機に瀕しています。日本のインポーター「フィラデス」などが、購入したワインが送られてこないとして提訴。ショップ側は実店舗を閉鎖してオンラインでの販売に特化すると主張していますが、状況はかなり危ない様子です。

プルミエ・クリュは高級ワインを他のショップよりも安く販売することで有名なショップ。その代わり、多くのワインは「プレ・アライバル」の状態で販売され、顧客に届くのは2年後や3年後となっています。

これまでも、ワインが予定通りに届かないということは頻繁にありましたが、店舗側は最終的にはワインを調達して送ってきたり、顧客の求めに応じてリファンドすることで、大きなトラブルにはなっていませんでした。古くからの顧客が多く、少々のことは辛抱して待っていたようです。

ここ数年は中国人などの新しい顧客が増えたこともあり、予定通りにワインを配達できないことが、よりトラブルにつながってきたようです。そのため、古くからの顧客の中には、新しい顧客の辛抱が足りないのではないかと苦言を呈する人もいます。

ただ、税金の滞納が13万ドルに上るなど、運用がより厳しい状態になっていたのも事実のようです。

今後はどう展開していくのでしょうか。
Date: 2016/0105 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ブドウに貴腐菌がつくと、ブドウの色は黄色からピンクや紫になっていきます。通常、白ワイン用のブドウでは起こらないこのような色の変化をUC Davisの研究者が調べました(Noble Calling: Scientists Studying Botrytis Rot Discover Link to Winegrape Ripeness | News | News & Features | Wine Spectator)。

ブドウの色変化はアントシアニンによって起こります。白ワイン用のブドウでは変異によってその生成が抑えられています。

ブドウに貴腐菌が付いてそれが成長していくと、ブドウの代謝に大きなストレスがかかります。ブドウはそこで熟成を早め、色やフレーバー、アロマの要素を加速的に増やしていきます。その過程が今回の研究で明らかになりました。

さらには、貴腐菌がなくても代謝をコントロールできるようになれば、ブドウの熟成をコントロールすることも可能になると考えられています。

Date: 2016/0101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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あけましておめでとうございます。年明け早々ですが、Wine Advocate誌の222号が発表されました。前号に引き続いて北カリフォルニアのパート2が掲載されています。パーカーが自身が経験した37年間でベストと評する2013年のワインが中心となったこともあり、今回も満点のワインがかなり多く出ています。

中でも注目は、マーカッサン(Marcassin、マーカッシン)とピーター・マイケル(Peter Michael)に続く白ワインの100点が3つのワイナリーで出たこと。特にうち1つはシャルドネでもありません。シャルドネでもデザートワインでもない白ワインの100点はカリフォルニアでは初めてです。

赤ワインでも初めての品種で満点が登場しました。

また、初めて100点を取ったワイナリーは8個。今回13ワイナリーの18のワインに満点が付いていますから過半数のワイナリーが初めての満点だったわけです。

WA222号で満点のワイン

白の100点はオーベール(Aubert)、コングスガード(Kongsgaard)、モレ・ファミリー(Morlet Family)の3つ。

コングスガードはもちろん「The Judge」。誰もが満点を取るのは時間の問題と思っていたワインです。オーベールはシャルドネのイーストサイド。オーベールの満点も衆目の一致するところですが、イーストサイドというワインは知らなかったのですが、UVヴィンヤードの1区画だそうです。

もう1つの満点白はモレ・ファミリーの「La Proportion Doree」。65%セミヨンで24%ソーヴィニヨン・ブランという構成。

赤では今回カベルネ・フランに初めての満点が出ました。これもモレ・ファミリー。「Cabernet Franc Force de la Nature」というワインです。

また、初100点ワイナリーはKongsgaard、Myriad、Aubert、Morlet Family、Beau Vigne、Del Dotto、Cliff Ledeとなっています。