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Date: 2019/0228 Category: 業界ニュース
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パソ・ロブレスを有名ワイン産地にした立役者の一つがジャスティン。最近でこそシラーなどローヌ系品種で評価が高まっている同地域ですが、まずはジャスティンが芳醇でコストパフォーマンスの高いカベルネ系ワインを作ったのが人気の引き金でした。

そのジャスティンのトップ2ワインが、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたアイササリーズと、カベルネ・フランを主体としたジャスティフィケーション。今回、ジャスティフィケーションが終売になるとのことで、約4割引のセールになっています。税抜き6000円台は現地価格と比べてもさほど変わらない値段。

しかも2014 年はワイン・スペクテーターの2017年で年間トップ24 に選ばれるという、掛け値なしの素晴らしいワインです。お薦めです。

Date: 2019/0227 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマ市がダウンタウンにおけるテイスティング・ルームの数を制限することになりそうです(City of Sonoma Moves Closer to Limiting the Number of Tasting Rooms)。

ソノマの中心は「プラザ」と呼ばれる正方形の広場ですが、そこに沿ったところにあるテイスティング・ルームの数を25(1ブロックは2つまで)に制限することへのプランニング・コミッションでの投票は6対0で可決されました。

実際に有効になるにはまだ2回の投票が必要ですが、早ければ4月末にも有効になる見込みです。

現状はテイスティング・ルームが34あるとのことで、しばらくは猶予期間ということになりそうです。

ただ、小さいワイナリーにとっては人が集まるところにテイスティング・ルームを持つというのは重要なので、制限はすべきではないという意見もあり、今後揉める可能性もあるかもしれません。
Date: 2019/0226 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2019年のプルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションが現地時間の2月23日に開催され、落札総額は約370万ドルに達しました(The 2017 Napa Valley Vintage Makes a Graceful Debut at Premiere Napa Valley)。

6月に開催されるオークション・ナパ・ヴァレーがお祭り的であり、オークションへの出品もワインだけでなく、食事などイベント的な要素を含んでいるのに対し、プロ向けに開催するプルミエ・ナパ・ヴァレーでは、各ワイナリーがこのオークション用に専用に作ったワインだけを出品します。ラベルも毎年専用のものが用意されます。1ロットは60本から240本。それだけの希少なワインです。
プルミエ・ナパ・ヴァレー用ワイン

今回出品されたワインの多く(72%)は2017年のもの。非常にすばらしい年とされている2016年と比べ、2017年は9月に40℃近くの暑い日が続くなど、やや厳しいコンディションでした。さらには10月の大火事で、未収穫のブドウについては煙の影響が懸念されていました。

今回のワインでは、2017年はフィネスとエレガンスがあると評されたそうです。
オークション
Date: 2019/0225 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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娘の誕生祝いで、生まれ年のワインを開けました。1997年のゲイリー・ファレル ピノ・ノワール・ロキオリ・ヴィンヤードです。

ゲイリー・ファレルはソノマで最も尊敬されているワインメーカーと言われていた人。ゲイリー・ファレルを売却してからはアリシアンというワイナリーを作りましたが、現在はそちらも引退しています。

また、ロキオリはロシアン・リバー・ヴァレーを代表する銘醸畑ですが、ブドウの売り先はかなり限定しています。自社のロキオリ以外だと、ウィリアムズ・セリエム、ゲイリー・ファレル、アリシアンなどで、ゲイリー・ファレルがかかわったワイナリーが2つはいっているのもすごいことです。

さて、コルクこそだいぶ劣化していたもののワイン自体は健全でした。

20年以上たって、さすがに果実味はだいぶなくなっていますが、その代わりに獣っぽさがだいぶ出てきています。シルキーな舌触りでとてもなめらかなワイン。するする飲めてもったいないほど。久しぶりに「いいもん呑んだなあ:」と思いました。
Date: 2019/0223 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーにあるメリー・エドワーズがシャンパーニュハウスのルイ・ロデレールに売却されました。
メリー・エドワーズさん
メリー・エドワーズは1997年の設立。ロシアン・リバー・ヴァレーの6つの畑からの単一畑のピノ・ノワールやカリフォルニアトップクラスのソーヴィニヨン・ブランなどで人気を得ています。

創設者のメリー・エドワーズさんはUCバークレーで栄養学を学んだ後、ワインに興味を持ち、UCデービスで修士を得ました。女性のワインメーカー自体、ほとんどいなかった時代です。

卒業後はマウント・エデンに職を得て、その後、マタンザスクリークの立ち上げから携わり、メルローで人気を得ました。

メリー・エドワーズでは設立以来家族経営を続けていましたが、昨年新たにワインメーカーを雇い、自身は一線から退いた形になっていました。

今回はフィロソフィーが共通するとのことで、売却に至ったようです。

ルイ・ロデレールは1982年にメンドシーノにロデレール・エステートを設立してカリフォルニアに進出。その後、シャーフェンバーガー・セラーズ、ドメーヌ・アンダーソンの2つのワイナリーをカリフォルニアで買収しています。

メリー・エドワーズ夫妻は今年についてはワイナリーに残りますが、その後は離れることになりそうです。

Date: 2019/0221 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワイン協会が4回シリーズのカリフォルニアワイン・セミナーを開きます。5、6種類の試飲ワインがあって1回6480円と格安です。すでに1回目はキャンセル待ち、2回目も満席が近づいています。

カリフォルニアワインの今を知る[全4回] | ワイン | キャプラン株式会社

会場は南青山のキャプランワインアカデミー。講師はJSA認定シニアソムリエの松木リエ氏。
松木リエ氏
第1回 2019年2月28日(木)白ワイン・代表品種の魅力を知る
第2回 2019年3月25日(月)赤ワイン・大人気の国際品種たち
第3回 2019年4月15日(月)マイナーだけど今大注目の品種
第4回 2019年5月20日(月)スパークリング・ワイン&ニュー・カリフォルニア

Date: 2019/0220 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨日セミナーの記事で紹介した、モーガン・トゥワイン・ピーターソンのアンダー・ザ・ワイヤー、ベッドロック、ジョエル・ピーターソンのワンス・アンド・フューチャーからのお薦めワインです。

カリフォルニア版グロワーズ・スパークリングワインのアンダー・ザ・ワイヤーです。ぎりぎりまで収穫を遅らせて果実の風味を入れています。


ベッドロックのオールド・ヴァインズ、ジンファンデルは「名刺代わり」というお買い得品。ワンランク上のジンファンデルの世界を知りたい方に。


そしてこちらは単一畑のヘリテージシリーズの代表作。自社畑で、モーガンのマスター・オブ・ワインの論文は、この畑の「フィールド・ブレンド」の分析でした。大学では歴史を勉強していたモーガンの本領が発揮されました。


ワンス・アンド・フューチャーのベッドロック。同じ畑でありながらここまで表現が違うのも面白いです。ぜひ上のワインと飲み比べてください。


そして、レイヴェンズウッドで「ノー・ウィンピー・ワイン」を標榜していたジョエル・ピーターソンらしさが爆発したワインがこちらのプチシラー。ガツンとくるワインが飲みたい方に。

Date: 2019/0219 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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レイヴェンズウッドの創設者でジンファンデルのゴッドファーザーと呼ばれるジョエル・ピーターソンと、その息子でベッドロックのワインメーカーであり、マスター・オブ・ワインでもあるモーガン・トゥワイン・ピーターソン、そしてモーガンの相棒であるクリス・コトレルが来日、セミナーを開催しました。モーガンとジョエルが親子で来日してセミナーを開催するのは初めてです。

ジョエル・ピーターソン

まずはクリス・コトレルが、モーガンとともに作るスパークリングワインのプロジェクト「アンダー・ザ・ワイヤー」を説明しました。カリフォルニアには大量生産型の優秀なスパークリングワインのプロデューサーはたくさんありますが、シャンパーニュにおけるグロワー・シャンパーニュに相当するものを作ろうとして始めたのがアンダー・ザ・ワイヤーです。スパークリングワインは一般にノン・ヴィンテージで作られるのに対し、アンダー・ザ・ワイヤーではシングル・ヴィンテージ、シングル・ヴィンヤード、シングル・ヴァラエタルでテロワールを表現しようとしています。

試飲のワインはスパークリング・シャルドネ・ブロッソー・ヴィンヤード2014。ブロッソー・ヴィンヤードはシャローンの畑。標高540mくらいのところにある畑で1980年に植樹。石灰岩と花崗岩の地層に接ぎ木なしで植えられており、灌漑もしないというユニークなところです。スパークリング・ワインのブドウは収穫時期が少しでも遅れるとアルコール度数が高くなり、うまくスパークリング・ワインになりません。ナパなどでは7月に収穫を始めたこともあるほどです。しかし、アンダー・ザ・ワイヤーではブドウのフレーバーを引き出すために収穫をぎりぎりまで遅くしています。アンダー・ザ・ワイヤーという名前はギリギリを狙うという意味で付けています。

醸造はステンレスタンクで天然酵母を使い、その後中古の樽で半年熟成、ボトル詰めします。ティラージュやデゴルジュマンといったスパークリング・ワイン特有の工程はすべて手作業で作っています。

石灰岩が酸やフレッシュさを与え、花崗岩が旨味を与えるとのこと。鮮烈な酸に軽いイースト香、スパイス感もあっておいしいスパークリング・ワイン。

なお、ウルトラマリンで大人気のマイケル・クルーズとは同じ場所で醸造しているとのこと。スパークリング・ワインとしての方向性は異なるものの仲良くやっているそうです。

クリス・コトレル

その次はベッドロック。モーガンはカリフォルニアのワインメーカーとしては初めてマスター・オブ・ワインを得た人。樹齢50年を超える畑のブドウにこだわり、畑の保全にも積極的に携わっています。

モーガン・ピーターソン

まず最初はリースリング。1963年に植えられたカリフォルニアでは非常に珍しいリースリングの古木です。ウィルツ・ヴィンヤードという畑はカレラのあるマウント・ハーランのすぐ南で、前述のシャローンとも山の反対側という位置関係。ここも石灰岩のある土地です。ドライなリースリングで白い花の香り。スパイシーさもあります。カリフォルニアでは貴重な味わいのワイン。

積田さんより

次はオールド・ヴァイン・ジンファンデル2017。ベッドロックの「名刺代わり」のワインで、モーガン自ら「いちばん大事なワイン」と呼ぶワインです。さまざまな畑のブドウをブレンドしています。ベッドロックの単一畑のワインは、生産量が少なく、入手困難なものも少なくありませんが、これだけは価格が安い上に生産量も多く、買おうと思えば買えるワインになっています。かといって品質が低いわけではなく、むしろ価格から見たら信じられないほどのレベルです。

カリフォルニアの古木の畑は実はかなり危機的な状況にあり、毎年数が減っていっています。手間がかかる上に生産量がすくなく売るのも難しいため、植え替えの対象になりやすいのです。ベッドロックのオールド・ヴァイン・ジンファンデルが売れることで、そういった畑のブドウをより多く購入して、畑の保全にもつながるとのこと。また、多くの地域のブドウをブレンドすることで、ヴィンテージの違いも吸収できるそうです。平均樹齢は約80年。

個人的にもことあるごとにおすすめしているこのワイン。特にこれまでジンファンデルを敬遠している人に飲んでほしいと思います。この価格でこれだけの複雑さを持つワインはそうそうありません。

醸造はオープンタンクで、アルコール度数を適度にするためにポンプオーバーで混ぜているとのこと。大樽で10カ月熟成。新樽率は10%。

今回は2017年を試飲。先日中川ワインの試飲会でも味わっていますが、香りは甘く、キャンディのようなアロマがありますが、味わいは甘さよりも複雑さが目立ち、ストラクチャーもしっかりとしていて、酸もきれいです。ミディアム・ボディでバランスもよくおいしいワイン。

ベッドロックの3つ目はベッドロック・ヴィンヤード・ヘリテージ・レッド・ワイン2017。ソノマにある自社畑のベッドロック・ヴィンヤードの単一畑もので、ジンファンデルは55%と比較的低く、カリニャンが15%、マタロが10%。その他24品種が20%を占めています。2016年のものはワイン・スペクテーターで95点という高評価。年間10位に選ばれています。この発表の後は、電話がなりやまずあっという間に売り切れてしまったとのこと。

カシスの風味。フルボディで酸とパワーとのバランスが素晴らしいワイン。ブラックペッパーなどのスパイスもここちよく、フィニッシュも長い。さすがのレベルです。

最後はジョエル・ピーターソンが68歳から始めた新しいプロジェクト「ワンス・アンド・フューチャー」です。

レイヴェンズウッドでは最高年間100万ケースものワインを作っていたというジョエル・ピーターソン。カリフォルニアで作られるジンファンデルの1/4くらいを作っていたこともあったようです。ただ、ワインメーカーといっても自身の手が果汁で紫に染まることもなくなり、「幸せ」について考えたときにまた、一からワインを作りたいと思って始めたのがワンス・アンド・フューチャーです。今は孫(モーガンの姉の子供)がワインづくりを手伝っているとのこと。

ここの作りは新樽率は30%程度。

最初は、ワンス&フューチャーのジンファンデル・ベッドロック。ヴィンヤード2016。モーガンが所有する畑のブドウを使ったもの。非常にパワフル。ブルーベリーやブラックベリーなどの果実味が豊かで味の広がりが素晴らしい。一つ前のワインと同じ畑でありながら方向性が違うワインです。

最後はワンス&フューチャーのプティ・シラー・パリセーズ。ヴィンヤード。
非常にパワフルでタニック。酸がしっかりとしており、全体としてのバランスが見事。とても魅力的なワイン。

父ジョエルの作るワインの方が全体的に陽性の味わい。一方、モーガンの作るワインは複雑で、じっくりと味わいたい感じです。

また、今回3人がとても仲が良いのがうかがえて、とても楽しいセミナーでもありました。例えば、父ジョエルは10歳からワインを味わっていたといいますが、モーガンがワインを作り始めたのはなんと5歳のとき。その5歳の差が、モーガンがマスター・オブ・ワインを取れて、自分は取れなかった理由ではないか、などと言っていました。ジョエルは自らを「FMW=father of master of wine」などと名乗っているそうです。

大学では歴史を勉強していたモーガンがワインメーカーになるのは、心配もあったようですが、その姿がジョエルにまた新しい挑戦を始めさせたきっかけにもなったわけです。自ら手を汚しながらワインを作ることが本当に楽しそうなジョエルに、一つの理想的な親子関係を感じました。
Date: 2019/0218 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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しあわせワイン倶楽部が決算セールを開催しています。レアムやヴェリテなどレアなワインもありますが、僕が注目したのはクロ・デュ・ヴァルの蔵出し古酒。20年前後の熟成で、ちょうど飲み頃になっているのではないかと思います。

クロ・デュ・ヴァルは1976年の「パリスの審判」にも出場したナパでは歴史あるワイナリー。クラシックな作りに定評があります。果実味を前面に押し出さないスタイルは、熟成向きでもあります。





その他の決算セールはこちら
Date: 2019/0217 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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キュペ(Qupe)の創設者でサンタ・バーバラにおけるローヌ系品種のパイオニアであるボブ・リンドキストがワイナリーを離れて新しいワイナリーを立ち上げることが判明しました(All change for Qupé and the Lindquists | Articles | JancisRobinson.com)。

ボブ・リンドキスト

ボブ・リンドキストはザカ・メサで働いた後、1982年にキュペを立ち上げ。ビエン・ナシード・ヴィンヤードの横に旧友のジム・クレンデネン(オー・ボン・クリマ)と共同でワイナリーを立ち上げました。

ボブ・リンドキストは2013年にスクリーミング・イーグルのオーナーだったチャールズ・バンクスのテロワール・ライフにワイナリーを売却、その後もワインメーカーとしてキュペに残りましたが、チャールズ・バンクスが詐欺で収監され、テロワール・ライフは機能不全状態に陥りました。その結果、キュペは2018年暮れにヴィンテージ・ワイン・エステートに売却され、同じくヴィンテージ・ワイン傘下に入ったレティシア(Laetitia)とともにサン・ルイ・オビスポに移転することになりました。

ボブ・リンドキストはワイナリーを離れ、2017年に始めたリンドキスト・ファミリー・ヴィンヤードに専念します。ローヌ品種の少量生産で、これまで通りビエン・ナシードの裏のワイナリーで作り続けるとのことです。
Date: 2019/0215 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ハーラン・エステートの中で、比較的安価で流通しているのが、ボンドのメイトリアークと、今回紹介する「ザ・マスコット」。メイトリアークがボンドの単一畑に入らなかったブドウのブレンドであるのに対し、こちらはハーラン・エステート、ボンド、そしてハーラン系最新のプロジェクトであるプロモントリーすべてから若木のブドウを使ったものとなっています。

また、こちらは創設者ビル・ハーラン氏の息子ウィル・ハーラン氏が最初に手がけたワインでもあり、まさにハーランに加わった新しい子供というような位置づけのワインです。

新ヴィンテージの2013はワイン・アドヴォケイトでハーランとボンドのヴェシーナ、プルリバスが100点、プロモントリーが99点と極めて高く評価されているヴィンテージ。2010年台でもベスト・ヴィンテージの一つです。

なお、日本に輸入される量はかなり少ないようです。


ハーラン系で一番安いのはまだメイトリアークのようです。2014年も出ていますが、2013年はワイン・アドヴォケイトで95点とメイトリアークとしては過去最高の評価です。

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Date: 2019/0214 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパヴァレー・ヴィントナーズは2019年2月4日から3月17日に、東京・六本木の六本木ミッドタウン内に位置するアメリカンスタイルレストラン「ユニオンスクエア東京」にて、期間限定でアメリカ・ベイエリアで人気のシェアスタイル料理と、ナパヴァレーワインを気軽に楽しめるWine Bites(ワインバイツ)を開催しています。

料理
写真はイメージです。

シェアスタイルというのは大皿を分け合うようなスタイルの料理を出す店という意味らしく、最近人気なのだそうです。今回のイベントでは料理4種とワイン2つを楽しめるそうです。

内容は:
前菜メニュー詳細:
・本マグロのカルパッチョ 柚子ホイップ
・温かい牡蠣、麹バター
・インカ芋のトストーン、海苔風味 
・ソーセージ&マスタード

ワイン:
(白)ロング・メドウ・ランチ ソーヴィニヨンブラン
(赤)シレノス・ワイナリー メルロ

価格:3500円(税金・サービス料別)

だそうです。

ワインはどちらも中堅どころといっていいでしょうか。ロング・メドウ・ランチはその名の通り、牧場を兼ねた畑で有機栽培をしています。

シレノスは日本ひいきとしても知られているワイナリーで、日本人の中村さんが作るノリアも、シレノスで醸造しています。ここのメルローはかなりエレガントで美味しいです。

時間があったら行ってみたいです。
Date: 2019/0212 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カレラの創設者ジョシュ・ジェンセンと現在のワインメーカーであるマイク・ウォーラーが来日し、雑誌「ワイン王国」とコラボしたセミナーが開かれました。ワイン王国の「ただいま!から20分でおうちワイン」で料理を担当する沢樹舞さんが、カレラのワインに合わせた料理を作り、それとのマリアージュを楽しむというイベントです。

ジョシュ・ジェンセン氏。現在はワイナリーをダックホーンに売却してしまったため、創設者という立場です。

2009年からワインメーカーをつとめるマイク・ウォーラー氏。ワイン造りの基本メソッドはジョシュ・ジェンセン氏時代と変わっていません。

ワインはセントラル・コーストのシャルドネとピノ・ノワール2015年とジョシュ・ジェンセン・セミナーのシャルドネとピノ・ノワール2016年。また最後にライアンの2012年を試飲しました。



料理は、シャルドネに合わせたのがグラタンフィーノワ、野菜肉巻きフライ(菜の花と新生姜)、蟹とネギとオレンジのピンチョスの3品。ピノ・ノワールに合わせたのが鴨スモークとイチゴのピンチョス、四川風麻婆豆腐、トマトのすき焼きの3品。

手前の3品がシャルドネに合わせた料理です。




シャルドネはグラタンのまったりとした風味にもよく合いますし、フライともいいマッチングでした。ピノ・ノワールは四川風麻婆豆腐や、トマトのすき焼きに入っていた山椒の風味とよく合います。そういえば「神の雫~マリアージュ」で麻婆豆腐に合わせていたのもカリフォルニアのピノ・ノワールでした。特にすき焼きは、ワインメーカーのマイク・ウォーラー氏絶賛でした。

トマトすき焼きを調理する沢樹舞さん


さて、今回のワインのセントラル・コーストは、自社の畑でなく購入したブドウで作っているワインですが、品質は非常によくなってきています。例えばピノ・ノワールで見ると2007年以降、ワイン・アドヴォケイトで90点を切ったことがありません。それもそのはずで、実は使っている畑は一流のところが多いのです。サンタ・バーバラのビエン・ナシードやシエラ・マードレ(シャルドネ、ピノ・ノワールとも)、ピノ・ノワールのソロモン・ヒルズ、シャルドネのタリー、etc。単一畑のワインになってもおかしくないような畑ばかりです。ジョシュ・ジェンセン氏によると、畑のブドウの木が成熟して根を深く張ったことにより品質が上がったのだろうとのことでした。また、セントラル・コーストのワインも自社畑のワインと同様、天然酵母で醸造しているとのことでした。ただ、新樽率は10%程度と自社畑の15%程度より低くなっています。

そして、今回明らかになったのが、日本オリジナルのキュベであるジョシュ・ジェンセン・セレクションの作り方。セントラル・コーストのワインに自社畑のワインを少しブレンドして作っているのかと思っていましたが、だいぶ違いました。

カレラにとって日本は最大の輸出国であり、多いときは4割ものワインが日本向けになると聞いていますが、ジョシュ・ジェンセン・セレクションもその日本に向けたワインなので、セントラル・コーストのワインと並行してブレンドを決めていっているのだそうです。

特にシャルドネの場合は、和食に合わせることを意識して、セントラル・コーストと比べて酸がしっかりとしたブレンドに仕上げているとのこと。シャルドネは自社畑のワインはピノ・ノワールと比べて少ないので、ブレンドは3%程度にとどまっています(入らないときもあります)。

一方、ピノ・ノワールの場合は自社畑の生産量もそこそこありますから、そちらが豊作かどうかによって、ジョシュ・ジェンセン・セレクションに回せる量が変わります。そこが味のベースになっているとのこと。例えば今回試飲した2016年でいうと17%も自社畑のブドウが使われています。

実売価格でいうとジョシュ・ジェンセン・セレクションの方が数百円高くなっていると思いますが、実際にはセントラル・コースト自体のクオリティも高いので、品質的な差はそれほどなく、個性の違いと感じられました。

シャルドネのセントラル・コーストは柑橘系の味わいに軽くバニラの風味。非常にバランスよく美味しく飲めるワインです。一方、ジョシュ・ジェンセン・セレクションは確かに酸がきれいでミネラルを感じる作りでした。

ピノ・ノワールのセントラル・コーストはダークなフルーツとスパイスが効いたワインで、酸はおだやかですが深みもあります。一方、ジョシュ・ジェンセン・セレクションはもう少し赤系のフルーツが多く、また複雑さもかなりあります。カレラの自社畑はわりとダークなフルーツのイメージがありますから、ブラインドで飲んだら、セントラル・コーストの方をジョシュ・ジェンセン・セレクションだと思ったのではないかと思います。セントラル・コーストのクオリティの高さにはちょっと驚きました。とはいえ、最後に試飲した自社畑のライアン2012はやはりだいぶ格上の味わいでしたが。

先月、アカデミー・デュ・ヴァンのセミナーでカレラを取り上げましたが、試飲ワインは自社畑のものだけだったので、今回のようにセントラル・コースト系をじっくり味わうのは、これはこれで貴重な経験でしたし、あらためてこの普及ラインの品質の高さを感じました。


ボトル写真、ジョシュ・ジェンセン・セレクションのシャルドネが抜けてしまっています。まあご愛嬌ということで。

Date: 2019/0211 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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中川ワインさんの試飲会に行ってきました。この日はあまり時間がなかったので、全数試飲はできず、定番品はパスしてしまったものが多くなってしまいましたが、新しいワインなど発見もいろいろありました。そのなかでも特に、美味しかったワインを報告します。


オー・ボン・クリマのシャルドネ「ニュイ・ブランシェ」の2015年です。毎年何らかのニックネームが入るワインですが、今回は「無二」と漢字で入っています。日本大好きな娘さん(イザベルさん)が付けたものだそうで、唯一無二のワインという意味合いが込められています。とてもきれいな味わいのシャルドネ。かすかに樽のニュアンスがあります。昔の「新樽200%」と言っていたイメージのワインとはだいぶ異なりますが、今は今の魅力があります。


マックマニスのシャルドネ2017。コスパで定評あるワイナリーですが、このシャルドネもうまみがしっかりあり、バランスもよく1000円台とは思えない出来です。


マックマニスの赤の中でも個人的に特に魅力を感じたのが、このピノ・ノワールと今回新入荷となったプティ・シラー。特にピノ・ノワールは安くて満足いくものがなかなかない品種ですが、これはいいです。


リヴァース・マリーのソノマ・コースト・ピノ・ノワール2017。5800円というのは破格の値段で、トーマス・リヴァース・ブラウンが作っているワインの中でもおそらく最安なのではないかと思います。彼が作るボアズ・ビューなどとは対称的なエレガントなピノ・ノワール。


オー・ボン・クリマのノックス・アレキサンダーとイザベルの2つのフラッグシップ・ピノ・ノワール。これだけワインが高騰する中、今でもフラッグシップが6000円台というのはありがたいです。ボールドな味わいのノックスと繊細なイザベル、と個性がはっきりわかれるところも面白いワインです。


トーマス・リヴァース・ブラウンがシュレーダーのフレッド・シュレーダーと手がけるワイナリーの一つがアストン。トゥルー・ソノマ・コーストと呼ばれる、ソノマ・コーストでも太平洋に近いところの畑で作るピノ・ノワールで、非常にゴージャスで強い味わいの一方で、酸がキリッとしており、個人的にはとても魅力を感じるピノ・ノワールの一つです。


ベッドロックのオールド・ヴァインの新ヴィンテージ2017です。味わいはこれまでと変わることなく、とても複雑さのあるジンファンデル主体のワイン。ジンファンデルというと甘くてビッグなワインというイメージがありますが、これは甘さとは無縁で古木の畑の良さを引き出したワイン。ベッドロックの中では入門的なワインですが、その味わいの複雑さのレベルは単一畑ものに負けていません。


中川ワインの中でも一昨年からの大ヒットが「ナパ・ハイランズ」のカベルネ・ソーヴィニヨン。ただ、人気すぎて品薄状態が常に続いているのが難点で、それに続くような同価格帯のカベルネ・ソーヴィニヨンがいくつかラインアップされています。その中でも一番魅力を感じたのがエクスペリエンス。とても美味しいです。ナパ・ハイランズに負けていません。


1万円以下のカベルネ・ソーヴィニヨンの中で1ランク上の味わいを見せていたのがホーニッグのカベルネ・ソーヴィニヨン。高級感あります。


ワイナリー廃業のため、125ドルのカベルネ・ソーヴィニヨンが8500円という破格の値段で売られているのがアリル。前回2012年のものを試飲していましたが、今回は2014年。これもとても美味しく1万円以下で買えるのはびっくりという価値のあるワインです。このレベルのものがこの価格で出てくるのはめったにないことなので、セラーがあれば買いためてもいいと思います。


またもやトーマス・リヴァース・ブラウンのワインでごめんなさいという感じなのですが、それだけ彼のワインは魅力があるということなのです。これもフレッド・シュレーダーとソノマで作るボアーズ・ビュー。4万7000円というのはアストンと比べても4倍くらいしますが、本当にゴージャスな味わいでマーカッシンのライバルになってくるワインだと思います。


ほんとすみません。これもまたトーマス・リヴァース・ブラウンです。ピノ・ノワールとシャルドネがメインのリヴァース・マリーですが、ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンも作っています。ワイン・アドヴォケイトで95-97という高評価。これも1万円台というのは安く感じます。

このほか写真を取り忘れたものではジャン・シャルル・ボワセのペットナットも面白かったです。ガメイを使っており、実はフランス産。

ダックホーン傘下のマイグレーションは5000円から4400円に値下げされました。シャルドネはとてもきれいで高級感あり。ピノ・ノワールもベリーの風味が楽しい、いいワインです。

Date: 2019/0210 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインのオフフレーバー(好ましくない味わいの要素)の中にブレタノマイセス、通称ブレットがあります。特定の酵母に由来するもので、本来の香りがなくなり、ボディが弱くなり馬小屋臭などと言われる風味を付けます。ブレットの酵母の力は強く、樽などに棲み着くとなかなか取り除けないので、ワインメーカーにとっては忌み嫌うものの一つです。

このブレットをわざと使ってワインを作るという大胆なワインメーカーが登場しました。マンディ・ヘルト・ドノバンという人です(Did Mandy Heldt Donovan just ruin か? - SFChronicle.com)。

ブレットは少量であれば、ワインの複雑性を増すという意見もあり必ずしもマイナスの評価だけではありません。

また、クラフトビールの世界ではブレット入りのビールというのが一つのジャンルになっており、ブレット酵母で醸造したビールというのもあるほどです。

マンディ・ドノバンもクラフトビールが好きでブレット入りのものに親しんでいたことから、ワインでも試してみたいと思ったそうです。

ただ、ワイナリーにブレット酵母を持ち込むのはあまりにも危険。そこで、ワイナリーからピノグリのワインを一部自宅に持って行き、自宅で実験しました。

ブレット酵母はクラフトビールの醸造所からわけてもらいました。フルーティな特徴のあるもので、ブレットに時折ある絆創膏のような風味にはならないものを選んだとのこと。

また、ワインはすこし残糖がある形にして、ブレットで生じる酸味とのバランスを取りました。

作ったワインは2017年が30ケース、18年が50ケース。

できたワインはフルーティでショウガや醤油、緑のハーブ、ちょっとスモーキーな感じがあり、馬小屋臭はフィニッシュに少し感じるだけだそうです。

ピノグリであると思わなければ楽しめるワインだろうと著者のエスター・モブリーは書いています。

また、ナチュラルワインが好きな人であれば、この風味にも慣れているかもしれないものこと(SO2をほとんど使わないナチュラルワインはしばしばブレットに汚染されていて、それはビオ臭と呼ばれています)。

Merisi Manic Whiteというこのワイン、果たして受け入れられるのでしょうか。
Date: 2019/0209 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアの最初期の女性ワインメーカーと、ソノマのマリエッタ・セラーズの創始者が相次いで亡くなりました(Californias First Woman Winemaker of the Modern Era, Mary Ann Graf, ...Chris Bilbro, Founder of Sonoma's Marietta Cellars and Father to Three Winemakers, Dies at 72 | News | News & Features | Wine Spectator)。

メアリー・アン・グラフは1942年生まれ。UCデーヴィスで醸造の学位を取った初めての女性。1970年代にソノマのシミでワインメーカーとして働いた後、ラボとコンサルティングの会社を立ち上げました。2019年1月30日に膵臓がんで亡くなりました。

クリス・ビルブロはソノマでマリエッタ・セラーズを立ち上げた人。古い木を持つ畑から様々な品種のブドウを購入してブレンドする「オールド・ヴァイン・レッド」で人気を得ました。10ドル台という価格で、複雑な味わいを持ち、ロバート・パーカーも激賞していました。このワインはヴィンテージ表記がなく、作ったときごとに「ロット」の番号が割り振られます。

ワイナリーを立ち上げた1978年頃は古い木の畑でワインを作るワイナリーは2つしかなかったといいます。マリエッタの成功で徐々に古い木の畑やそのブレンドが見直されベッドロックなど一つの分野になりました。

ご冥福をお祈りします。
Date: 2019/0208 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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おとといは北カリフォルニアの広い範囲で雪が降りました。ナパヴァレーはさすがにほとんど降らなかったようですが、周囲の山は白くなっていますし、ソノマなどでも積雪がありました。

800mほどの標高があるリッジのモンテベロはかなりしっかり雪が降ったようです。以下ではFacebookやインスタグラムなどからの写真を紹介します。

リッジモンテベロ
モンテベロ

ナパの最北部カリストガにあるシャトーモンテリーナの畑です。



ソノマコースト、ラジオコトーです。


これはアマドール・カウンティの雪。

Date: 2019/0207 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ブショネのワインに出合うことはそうそうありませんが、珍しく1日に2回もブショネのワインを飲みました。

一つは中川ワインさんの試飲会。特別試飲で出ていたシュレーダーのベクストファー・ジョージIII・カベルネ・ソーヴィニヨン。7万9800円もするワインです。

もちろんブショネのワインは試飲で供されていたわけではなく、後ろに下げられていましたが、経験と思ってそれも試飲させてもらいました。

さすがに7万9800円出してブショネだったらショックだろうと思います。

もうひとつは「看板に偽りあり? 『ブショネなしのコルク』でブショネで提訴」の記事で取り上げたワイン。アミューズ・ブーシュのブランドで、ハイジ・バレットの父親が作るピノ・ノワールです。このワインを実際に買っていた人がブショネを検証したいと持ってきました。



実際に飲んでみたら見事にブショネでした。「ブショネを引き起こさないコルク」で実際にブショネが起こったことがわかったのも一つの収穫でした。
Date: 2019/0204 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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アカデミー・デュ・ヴァンの2019年春夏講座募集が始まりました。

前にも紹介しましたが、今回3つの講座の募集を出しています。
カリフォルニアの名門ワイナリー
続・カリフォルニアの名門ワイナリー
日本人が造る!カリフォルニアのワイナリー

既に「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」は満席でキャンセル待ちになっています。
18年秋冬と同じ「カリフォルニアの名門ワイナリー」ももうじき満席です。
「日本人が造る!カリフォルニアのワイナリー」はまだ余裕があります。

ぜひぜひお申込みください。