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Date: 2020/0930 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパを中心とした山火事グラス・ファイヤーの被害がさらに広がっています(参考「ナパの新山火事、シルバラード・トレイルの歴史あるワイナリーなどを飲み込む」)。ワイナリー自体の被害という面では2017年9月の山火事を超えてしまいそうです。
ハイジ・バレット撮影
写真撮影はハイジ・バレット

現地時間の9月29日午後7時29分時点の最新情報によると延焼面積は4万6600エーカー。これは昨日までの約4倍にあたります。包囲率はわずか2%で、ほとんど手が付けられていない状態が続いています。

昨日の記事にも豪華リゾート「メドウッド」が一部燃えたらしいと追記しましたが、ミシュラン3つ星のレストランを含むメインの建物が焼失したと伝えられています。客が泊まるロッジは点々としているためおおむね延焼をまぬがれているようです。

スプリング・マウンテンにある歴史ある人気ワイナリー「ニュートン(Newton)」ではテイスティング・ルームやセラー、オフィスなどがあるメインの建物や中庭などが焼失してしまったもようです。
Newton

同じくスプリング・マウンテンにあるベーレンス・ファミリー(Behrens Family、旧ベーレンス・ヒッチコック)もワイナリーが焼失しました。テイスティング・ルームやセラーは無事と伝えられています。

セント・ヘレナでは人気ワイナリーのV Sattuiが作ったお城で有名なカスティーヨ・ディ・アマローサ(Castillo di Amarosa)が被害を受けました。城自体は無事ですが12万本のワインを保存していたセラーが全焼しました。

Glass Fire turns 120 thousand bottles of wine to ash at a Napa winery - YouTube

このほかカリストガのスターリング(Sterling)は一部燃えたと伝えられていますが大部分は無事のようです。スプリング・マウンテンのパロマ(Paloma)やヴィンヤード7&8は火が迫っていて消防士が消火活動に追われていたことまでは確認されていますが、強制避難によって現状はわからないとのこと。祈るしかありません。

強制避難によってカリストガの街も無人状態になっています。被害を心配しているワイナリーなども現在のところ戻って確認できていないため、今後新たな被害が明らかになる可能性もかなりあります。

また、現状は大きな被害になっていないソノマ側でも避難命令が出ている地域はあり、安心できる状況ではありません。今後そちら側に広がる可能性も多分にあるでしょう。高温も続く予定であり、今後の拡大が非常に心配です。
Date: 2020/0929 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのセント・ヘレナで大きな山火事グラス・ファイアー(Glass Fire)が発生し、1979年に設立されたシャトー・ボズウェル(Chateau Boswell)が焼失しました。シルバラード・トレイル沿いのワイナリーで、シルバラード・トレイルを挟んで反対側にはロンバウアー(Rombauer)があり、ちょっと北にはフェイラ(Failla)、1kmほど南にはダックホーンがあります。セント・ヘレナのダウンタウンからも直線距離で4kmほどしか離れていないところで、いよいよナパの中心部にも被害が及んできた感があります。また、シャトー・ボズウェルの近くにあるブラック・ロック・インというホテルも焼失したという情報があります。フェイラやその近くのメラス(Merus)はプロパティから避難したとのこと。アワーグラス(Hourglass)やタック・ベクストファー(Tuck Beckstoffer)も大きな被害を受けたようです。トーマス・リヴァース・ブラウンがワインメーカーを務めるメンディング・ウォール(Mending Wall)もワイナリーのすぐそばまで火が迫り、未収穫の10トンのカベルネ・ソーヴィニヨンは諦めたとワインメーカーは言っています。

このほか、ヴィアデル(Viader)やカリストガのデーヴィス・エステート(Davis Estate、下の写真)も間近まで火が迫っています。

現在、避難命令が出ている範囲には64のワイナリーがあります。火災の広がるスピードは手がつけられないレベルで、包囲率はまだ0%です。非常に危険な状態です。
Glass Fire
グラス・ファイアーはスプリング・マウンテンから出火し、東に燃え広がっており、ナパだけでなくソノマにも避難地域が出ています。規模としてはそれほど大きくないのですが、広がる速さとワイナリーからの近さが問題となっています。

【追記】
オークション・ナパ・ヴァレーの会場にもなる豪華リゾート「メドウッド」も一部焼失したようです。関係者避難中で被害の全貌は明らかになっていません。
Date: 2020/0928 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマ・カウンティ・ワイン・オークションが2020年9月17~20日に開催され、落札総額は117万ドルでした。これまでの記録は2014年が400万ドル、2015年が450万ドル、2016年が470万ドル、2017年が520万ドル、2018年が570万ドル、2019年が610万ドルとなっており、初めて前年の実績を下回ることになりました。今回はライブ・オークションもネットや電話で参加するバーチャルな形であり、やや盛り上がりを欠いた感はあったのかもしれません。
Live Virtual Auction
最高額の落札ロットを見ても、前年は52万ドルでしたが、今回は3万2000ドルにとどまりました。これはウィリアムズ・セリエムのワインのコレクションと2022年のスーパーボウルのチケットがついたものでした。

見返りのないFund-A-Needへの寄付も前回は161万ドルに達しましたが、今回は72万6000ドルでした。

ライブで落札するのではないオンラインのオークションも開催され、「Buy it Now」という機能を使って話題のマイケル・ブラウンのCIRQとCHEVのワイン9本およびこれらのメーリング・リストのトップに乗るというロットが1万2000ドルで落札されました。

前回はトータルで40ロットでしたが、今回はライブ・オークションは12ロット、オンラインは34ロット。トータルのロット数こそ今回が上回りますが、落札で盛り上がるのは難しかったようです。

とはいえ、コロナでこれだけ多くのイベントがなくなっている中で、バーチャルな形であっても開催できたことだけでもよかったと思います。
Date: 2020/0926 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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猛威を振るう2020年の山火事で、煙汚染の影響が懸念されています(Winemakers Face Up to Smoke Taint Reality)。

これまでにナパのランボーン(Lamborn)やサマストン(Somerston)などが収穫を完全に諦めたと表明しており、サンタ・クルーズ・マウンテンズのビッグ・ベイズン(Big Basin)もオーナー宅と畑に大きな被害が出ています。また、ナパのサン・スペリー(St. Supery)は自社のダラーハイド(Dollarhide)の畑のブドウのワインを今年は作らないことを決めました。

また、ナパのフープス(Hoopes)は2017年の火事で収穫に煙のダメージを受け、保険の支払いも受けられず、収穫したブドウを廃棄することもままならないという八方塞がりな状況に陥りました。そのとき、たまたまケンタッキー州に行ったのをきっかけとして、ワインではなく蒸留してブランデーにするという方策に出ました。

まだ、そのブランデーは販売されていませんが、今回の火事を受けて、他のワイナリーでもブランデーを作りたければ協力するむねを表明しています。

さまざまな意味で記憶に残るヴィンテージとなる2020年、今後が大過なく進むことを祈りたいと思います。
Date: 2020/0925 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ・ジャパンが9月30日まで、インスタグラムでキャンペーンを行っています。応募方法はnapavintnersjapanのアカウントをフォローして、下の投稿に「いいね」するだけです。先日までやっていたカリフォルニアワイン協会と同じですね。



賞品のワインは3種類1本ずつ。いずれもカベルネ・ソーヴィニヨンです。
写真のフープス(Hoopes)はオーパス・ワンやハーラン・エステート、スクリーミング・イーグルなどがあるオークヴィルのワイン。2010年のワインなので、熟成した味わいも楽しめると思います。
昨日、デカンター誌の品評会で1万6000本の中からわずか50本に与えられる最高レベルの賞を得たばかりのトレフェッセンからもヴィンテージ違いの2015年ではありますが、エステートのカベルネ・ソーヴィニヨン。ここはナパの中では比較的冷涼なオーク・ノールに畑を持ち、エレガントなワインを作ります。
もう一つは、スタッグス・リープにワイナリーを構えるパイン・リッジ。スタッグス・リープは日当たりよく、いくつかの丘によって生み出される風のトンネルでブドウが冷やされ、これも最高のカベルネ・ソーヴィニヨンのできるところ。ヴィンテージは2015年です。

奮って応募ください。
Date: 2020/0924 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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英デカンター誌が主催する世界最大級の品評会デカンター・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)。毎年5月末に結果が発表されますが、今年はコロナの影響で9月の発表にずれこみました。賞の中で最高レベルとなるベスト・イン・ショーには50本が選ばれ、そのうちの1本がトレフェッセン(Trefethen)のカベルネ・ソーヴィニョン2017でした。

116人のエキスパートが1万6518本のワインをブラインドで審査、その中には37人のマスター・オブ・ワインと9人のマスター・ソムリエが含まれるという、審査の厳格さや透明性でもトップクラスの賞です。この中の50本ですからわずか0.3%のワインしか選ばれないのがベスト・イン・ショーです。米国ではこのほかナパのアルファ・オメガのERA 2017、オレゴンのドメーヌ・セリーヌのマーク・ブラッドフォード・ピノ・ノワール2016もベスト・イン・ショーに選ばれました。ERAはアルファ・オメガのフラッグシップで国内では3万円超、ドメーヌ・セリーヌのマーク・ブラッドフォードもフラッグシップではありませんが2万円を超える価格。その点、トレフェッセンは1万円以下で入手できるという点で貴重です。

トレフェッセンはさらにシャルドネの2017もベスト・イン・ショーに次ぐプラティナムを受賞という快挙でした。プラティナムも178本と全体のわずか1%しか受賞できない賞です。日本での価格は4000円台とかなりお得なワインです。

受賞ワインそのものです。




Date: 2020/0922 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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UCデーヴィスが先週オンラインで開催したセミナーによると、濃くてちょっと甘みがあるワインほど、煙汚染の影響は少ないそうです(Smoke and Mirrors: Fixing a Fiery Vintage | Wine-Searcher News & Features)。

赤ワインについては煙の影響を最小限にするために2つの方策があります。一つはロゼ、あるいは黒ブドウから白ワインを作ること。煙の粒子は果皮に付きますから、果皮との接触を減らすことで、影響も減らせます。

もう一つは、アルコール度数が高く、PHも高く、残糖があるようなワインにすること。こうすることで、ほとんどの人には煙汚染が知覚されないようになります。

未熟な果実は煙の影響を強く感じさせるため、カベルネ・ソーヴィニヨンなどでは収穫時期を遅らせた方が影響が減ります。一方、ピノ・ノワールのように果皮が薄いブドウは影響を受けやすいとのこと。

白ワインの場合は収穫時に果皮を傷つけず、柔らかく圧搾することで、影響を減らせます。そのためには機械収穫より手摘みが、望ましいとのこと。

このほか、灰も揮発性のフェノールを生み出すことが分かっています。こちらは1週間くらい影響が続きますが、水で洗うのが最善の対策とのこと。
Date: 2020/0921 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ちょっとずつ試飲会も行われるようになってきて、日常が戻ってきつつあるのかもしれません。とはいえ緩めればまた感染が増えるのは確実であり、緩めたり締め付けたりを続けながら爆発を防ぐといった状態を続けていかなければいけないのだろうと思います。

それはさておき、アイコニックワイン・ジャパンの試飲会に参加しました。スピット用のバケツなし、アイテムもいつもより少ない試飲会でしたが、それでも50種類ほどのワインを試飲して、いいものもかなりありました。

特によかったのがフィールド・レコーディングス(Field Recordings)のワイン。前回の試飲会のときも「これは!」と思いましたが(アイコニック ワイン・ジャパンの試飲会で美味しかったワイン(2020年冬))、今回特に集中して試飲し、改めてこれはいいと思いました。味わい的には果実味やアルコール度を控えめにし、旨味や複雑さがあるタイプですが、それが3000円台といった価格で実現しているのが驚きです。普通はこういったタイプでいいワインを作ろうとすると手間もかかりワインも高くなりますが、ここは本当に安いです。これまであまり話題になっていないのが不思議なワイン。

シュナン・ブラン 2018 3300円 樹齢40年のシュナン・ブランを使ったワイン。うまみがすごい!


ワンダーウォール シャルドネ 2018 3300円 冷涼なエドナ・ヴァレーの中でも一際冷涼な海岸沿いの畑のブドウを使ったシャルドネ。アカシアの樽を60%使っているのがユニーク。ワンダーウォールのシリーズはラベルがジャズのミュージシャンで、これはデューク・エリントン。酸がとてもきれいなワイン。柳屋では2020年上期の「MVP」ワインとしています。


ワンダーウォール ピノ・ノワール 2018 3300円。ラベルにサッチモを採用。ピュアな味わいで本当においしいピノ・ノワールです。前回の試飲でもイチオシワインでした。


ネヴァーランド カベルネ・ソーヴィニヨン 2017 3300円。これもきれいでうまみがあるカベルネ・ソーヴィニヨン。


カベルネ・フラン 2018 3300円。爽やかさを感じるフラン

見つけたらぜひトライしてください。

もうひとつワイナリーとして紹介したいのがグラウンドワーク(Groundwork)。パソ・ロブレスからサンタ・バーバラのブドウを使ってローヌ系のワインを作るワイナリーです。

グルナッシュ・ブラン 2019 2980円。爽やかでエレガント、美味しい。


ムールヴェードル 2016 3600円。複雑でとてもレベルの高いムールヴェードル。

フィールド・レコーディングスもグラウンドワークも果実味の濃さだけがワインの魅力ではないことを伝えてくれます。さらにどちらもコスパ抜群。パソ・ロブレスからサンタ・バーバラの有名でない畑を使っているのも特徴です。

もう一つ新入荷のブランドでバレル・バーナー(Barrel Burner)。ワイナリーの名称からわかるように、樽の「焦がし」加減にこだわったワイナリーです。上記2つのワイナリーとは好対照なクラシックな作りですが、非常におkスパ高いです。

バレル・バーナー シャルドネ 2017 2800円。樽もしっかり効いたクラシックなタイプのシャルドネです。


バレル・バーナー カベルネ・ソーヴィニヨン 2017 2800円。これもコスパ高い

その他のワインを見ていきましょう。

バラード・レーンのシャルドネ 2018 2200円。値段にびっくり。この価格とは思えないほど深みのある味わいです。



ビエン・ナシード ピノ・ノワール 2018 1万1000円。サンタ・バーバラのサンタ・マリア・ヴァレーを代表する畑「ビエン・ナシード」が自ら作るワイン。うまみたっぷり。


デナー ダート・ウォーシッパー シラー 1万500円。これはメチャウマです。シラーのポテンシャルを感じさせてくれるワイン。

このほかに定番モノでもいいものはいろいろありましたが、今回は新入荷を中心にお伝えしました。どれもマジでお薦めなので、ぜひ試してください。




Date: 2020/0916 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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毎日のようにエコバッグとして使っているチャールズ・スミスのノベルティのバッグですが、エコバッグは終了して新しいノベルティが登場しています。

この写真だけではわからないかもしれませんが、これは「ポップソケッツ」というスマホのアクセサリー。スマホの裏側に貼り付け、スマホを手で持つときの補助や、立て掛けて使うのに役立ちます。


図にあるように、二つ貼ってもいいし、1個でも大丈夫です。


さっそく貼ってみました。スマホケースの上から付けても大丈夫です。ただ、ケース自体にデコレーションなどで凹凸がある場合は貼り付けられないので注意のほどを。


こんな感じで持てます。手を離しても大丈夫。


横から見るとこんな感じです。


引っ張り出すとここまで出てきます。


このようにスマホスタンドとして使うことも。

エコバッグより使う人を選びますが、なかなかいい感じで使えていますよ。

信濃屋ではさっそくポップソケッツ付きのセットを売っています。



一方、エコバッグはもう終了していますが、柳屋では限定でエコバッグ付きのセットを売っています。

Date: 2020/0915 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアでの大規模な山火事に続き、オレゴンやワシントンでも大きな山火事が起こっています。

オレゴンでは非常事態宣言が発せられ、焼失したワイナリーもあります。

ナパやサンフランシスコでは、日中でも空がオレンジに染まる怪現象も出現。これは上空に溜まった煙の成分が霧によって地表近くまで降りてくることで起こったようです。特にどの火事が原因ということではなく、カリフォルニアからワシントンまでの広い領域での火事によるものだとか。


相次ぐ山火事によって一番懸念されるのは煙によるブドウの汚染。ブドウが煙にさらされてから1週間ほどすぎれば影響はほとんどなくなるとも言われていますが、収穫まっただなかの現状では、かなりの懸念材料になっています。ナパ・ソノマだけでなく、大規模火災のあったサンタ・クルーズ・マウンテンズや、近隣でいくつかの火事が起こったサンタ・ルシア・ハイランズなどでも煙汚染は喫緊の課題です。

実際にどれだけ汚染されているかは収穫してブドウを絞り、それを検査しないとわからないのですが、今年の収穫に影響ゼロということは全くありえないでしょう。
Date: 2020/0910 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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インポーターilovecalwineの新入荷のワインの試飲会に参加してきました。前回は7月にピゾーニ(Pisoni)や珍しいアルバリーニョのスパークリングなどが出ていました(ゴージャスなピゾーニ・ピゾーニ、華麗なゲイリーズなどを試飲)。今回は、コブ(Cobb)、ロアー(Roar、「サンタ・ルシア・ハイランズのピノ・ノワールのパイオニア、ロアーのレアなセミナー」もごらんください)、ロスト・アンド・ファウンド(Lost and Found)、ジョージ(George)と、一層ピノ・ノワールが充実したラインアップでした。

今回のハイライトはなんといっても5種類のワインの揃ったコブでしょう。
cobb
カリフォルニアでは珍しいリースリングもよかったですが、シャルドネとピノ・ノワールはカリフォルニアの中でもエレガント派の一級品です。オーナーのロス・コブはフラワーズやハーシュでもワインを作ってきましたが、これらのワイナリーと比べても繊細な味わいときれいな酸を重視した味わいになっています。リース(Rhys)のワインのファンならば、コブも好きになるでしょう。

Hau Kloppのシャルドネはミネラル感が強く、複雑な味わい。Doc's Ranchのシャルドネは一本筋をきれいに通したような酸が印象的。静謐でエレガント。Rice-Spivakのピノ・ノワールは赤果実のきれいな味わいに複雑味が重なっており、Emmaline Annのピノ・ノワールの方がよりエレガントで酸が印象的でした。

Roar
ロアーは先日、オンラインでセミナーを受講したところであり、改めてその魅力を思い出しました。今回はAVA版のSLHと単一畑のロゼラズ、ゲイリーズというピノ・ノワール3種のラインアップ。SLHはSLHらしいパワーとフィネスを兼ね備えたワイン。ロアーの入門としても最適でしょう。ロゼラズは豊かな果実味とエレガントさが魅力。ゲイリーズはややダークな果実味があってパワフル。ピゾーニ・クローンらしい味わい。

ジョージ
ここまでで、もう十分すぎるくらいですが、実はこの日個人的に一番気に入ったのはジョージでした。ジョージは元々生産量が少ない上に、ほとんどがレストランに売られており、小売にも出ず評論家の評価にもめったに出てこない、まさに知る人ぞ知るワイン。語彙が少なくて恐縮ですが、これとにかくめちゃうまです(それしかコメント書いていない)。コブのような高級感ある味わいというよりも、もっと庶民的で美味しい感じ。

どのワインも非常に輸入量は少ないので、ピノ・ノワールのファンであれば見つけたらまず「買い」ですよ。



Date: 2020/0909 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの業界団体ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが9月8日から10日の限定で「プリムール」のワインを売ります。

サイト
Open the Cellar


本家ボルドーのプリムールは春に前の年に作ったばかりのワインを売り始めますが、こちらは2016から2018年とほぼ完成したワインを売るものです。新型コロナでレストラン需要が激減し、高級ワインの売り先がなくなったことへの対応の面が強そうです。

ともあれ、リストを見てみると、クリフ・レイディの「ポエトリー」なんて、超レアワインも出ています(ちなみにお値段は6本で1700ドルくらい)。結構そそられます(買えないですが)。

カベルネ好きにはお宝いっぱいですので、ご覧になってみてください。
Date: 2020/0908 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ハーラン・ファミリーの第3のプロジェクト「プロモントリー(Promontory)」に第2のワインが登場しました。名前はPenultimate。「ピナルティマット」(最初のピにアクセント)と発音するようです。意味はラテン語で「ほぼ最終」。
ラベル
Penultimateのラベル。従来のハーランのワインとは違った雰囲気

どういう意味なんでしょうね。ハーラン・ファミリーにとって最終のワイン? あるいはようやく最終形態に近づいてきたということ?

このワイン、単純にセカンド・ワインと呼べない何かがあるような気がします。それはプロモントリーが非常に個性的なプロジェクトで、これまでのハーランともボンドとも、またナパのほとんどのワイナリーとも大きく違っていることによって生まれるものです。

例えばハーランであれば、まだぶどう畑の少なかった1980年代に、最高の場所として見つけて開拓したところであり、「ト・カロン」などの畑に通じるオークヴィルの扇状地に作られています。また、ボンドであれば、ハーランの畑を探すときに見つけたナパの最高の畑のいくつかを単一畑のワインとして作るものでした。

それに対して、プロモントリーはこれまでぶどう畑があったけれどもほとんど手入れされていなかったところ、しかも場所はヨントヴィルからマヤカマスの山に入っていったところにある谷地であり、他のナパの畑から離れた(距離的にはハーランの畑からも600mほどしか離れていないそうですが)、これだけで一つの世界を築くようなところです。ハーランは2008年にこの土地を手に入れてから、一気に開発を進めるのでなく、一部植え替えを行いながら、土地そのものを分析し、理解していこうとしています。

すでに「100点」のワインも造られているプロモントリーですが、現状は完成形というよりも発展途上、しかもその初期といってもいいのです。

ハーランは、この土地を調べれば調べるほど「ナパヴァレーの他の地域とはまったく別の世界を構成している」と考えるようになったそうです。そして、さらに精密に調べることを進めていますが、それはもうブドウ畑の管理というよりは、ブドウの樹を1本1本、園芸家が樹を育てるように手入れするレベルに達しています。

ただ、ワインというのはこのように1本1本細部に渡って手を入れても、最終的には作られたワインという総合体でしか見られなくなってしまいます。ハーランはこれを画家のスケッチのようなものと言っています(スケッチのタッチ一つひとつが重要だが、最終的には作られた作品でしか評価されない)。

ピナルティマットは、このような現在進行系の研究を形にしたようなものだといいます。単にプロモントリーに使わなかったワインをセカンド・ワインとして作っているのとは何か違う、そんな気がします。

ちなみに、今回は2013年から2015年の3ヴィンテージ分を1つのボックスに入れて出荷します。価格は3本で975ドル。
ボックス
ちょっと買ってみたい気もするのですが、やっぱり結構な値段ですから躊躇しています。
Date: 2020/0907 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの老舗ワイナリー「ボーリュー・ヴィンヤード(Beaulieu Vineyard=BV)」がフラッグシップのカベルネ・ソーヴィニヨン「ジョルジュ・ド・ラトゥール(Georges de Latour)」プライベート・リザーブを、「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー(La Place de Bordeaux)」経由での輸出に切り替えると発表しました。

近年高級ブランドを中心に「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」経由の輸出が相次いでいます。先駆けとなったのはオーパス・ワンで、ここ1、2年ほどでジョセフ・フェルプス(Joseph Phelps)のインシグニア(Insignia)とナパ・カベルネ、ハーラン・ファミリーのプロモントリー(Promontory)、イングルヌック(Inglenook)のルビコン(Rubicon)、ジャクソン・ファミリー傘下のヴェリテ(Vérité)とカーディナル(Cardinal)、先日記事で紹介したクインテッサ(Quintessa)などが続いています。

通常、カリフォルニアのワインが日本に輸入されるときには1社のインポーターが扱います。例えば上述の中ではハーラン・ファミリーの他のワインは中川ワインが輸入しています。ジョセフ・フェルプスはジェロボーム、イングルヌックはワイン・イン・スタイルがインポーターとなっています。オー・ボン・クリマなど複数のインポーターがあるワイナリーも少数ありますが、通常はそのインポーターが日本市場での販売や宣伝などを受け持つことになります。

しかし、「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」経由になると、どのインポーターでも輸入できることになります。間口は広がりますが、インポーターにとって国内での宣伝をするメリットはなくなりますから、ワイナリー自ら宣伝をする必要が出てきます。また、ワインは米国から1回ボルドーに輸出し、そこから全世界に輸出することになりますから、手間も時間もコストもかかります。

これだけだとあまりいいことがないようにも見えますが、ワイナリーにとってはどういうメリットがあるのでしょう。

先日、カリフォルニアワイン協会主催の「ホーク・ワカワカ」ことエレイン・チューカン・ブラウンのインタビューシリーズでボルドー在住のワイン・ライターであるジェーン・アンソンがこの疑問に答えていました。

「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」は一つの大きな組織ではなく、20~40の「ネゴシアン」と呼ばれる仲介業者の集まりです。ネゴシアンはそれぞれ、得意なマーケットを持っており、それはアジアなどの地域性であったり、レストランに強いところであったり、小売に強いところであったりと、様々なマーケットに深く入り込んでいます。ワイナリー単独ではリーチできないレベルの幅広さを持っています。その専門性を利用できるというのが、ワイナリーが「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」経由で輸出する理由になるのだそうです。

カリフォルニアの従来のアプローチは、比較的顧客に近く密接な関係を築きやすいという意味もありますが、ボルドーにはボルドーのシステムの意味があるわけです。

ただ、日本国内への輸出ということでは、そのメリットはあまり生かされないような気もします。結局インポーター経由で日本に入ってくるとなると、インポーターにとっては前述のように宣伝をするモチベーションも起こらず、価格だけの話になってしまう恐れがありそうです。また、オーパス・ワンなどごく一部を除けば、宣伝や説明なしで売るのはハードルもかなり高そうです。

また、アメリカワインに強いインポーターはボルドーとのコネクションが弱いという難点もあります。そのために、輸入したとしても割高になってしまうといった問題も起こります。

輸送コンディションについても懸念は生じます。カリフォルニアから日本に船便で送る場合、太平洋の北部を通りますから、比較的気温が低いところを通ってきます。夏場などは低温輸送のコンテナが必要になりますが、リスクはそれほど高くありません。しかし、欧州から日本に送る場合はスエズ運河を通るにしろ、南アフリカを超えるにしろ、インド洋やマラッカ海峡を通りますから暑いし距離も長くなります。もしコスト優先で低温輸送を使っていないインポーターが輸入したとしたら、劣化したワインが日本に入らないとも限りません(最近はさすがにそういうところは少ないと思いますが)。ネットで買う場合など、輸入業者が確認できないので、手抜いてコストを下げたもの勝ち、といったことにならなければいいですが…

数年後にまた揺り戻しが来るのでは、という気もしないでもないですが、これからも「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」経由のワインは増えそうな状況です。
Date: 2020/0904 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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8月半ばから大きく広がったカリフォルニア各地の山火事、ナパではワイナリー自身が火事に立ち向かって火を防いだところもありました(Cowboys Fighting Fires in Napa County | Wine-Searcher News & Features)。これをハウエル・マウンテンのパイオニアであるランディ・ダンは「カウボーイ・ファイアーファイティング」と呼んでいます。

ワイナリーには畑の開墾などのためにブルドーザーなどの重機を持っているところがあり、それを使って防火帯を作るというのがその働き。例えば、ナパの北東部のポープ・ヴァレーでピーナ・ヴィンヤード・マネジメントの共同オーナーであるジョニー・ホワイトは自宅の危機にあたってまずプールの水で火を消し止め、その後ブルドーザーで防火帯を作って近隣の家も守りました。

同じようなことは今回の火事の火元に近かったプリチャード・ヒルでもハイ・デマンド・アース・ワークという畑の管理の会社が防火帯を作り、畑やワイナリーを守りました。

ハウエル・マウンテンではランディ・ダンの娘がFacebookを使ってブルドーザーを徴収。それで防火帯を作ったそうです。
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カリフォルニアの消防局ではこういった動きを、逆効果になることもあると推奨はしていませんが、今回の火事でワイナリーなどの被害が意外と少なかった背景にはこういったこともあったのでした。

ちなみに、日本の消防車を購入して一般市民に売っているサクラメントのアントレプレナーもいるそうです。日本の消防車(多分小型のもの)が米国よりも小回りが利くからだとのこと。こういったものは特に大麻の栽培者に興味を持たれているとのこと。現状、大麻栽培には保険が付けられないからだそうです。

落ち着きを取り戻しつつあるワイン・カントリーですが、この週末には次の熱波が予想されています。ソノマのサンタ・ローザあたりでも華氏100度(摂氏約38度)を超える予報になっています。これによって火がぶり返したり新たな火事が起こる恐れがあります。電力もまた切迫することが予想されます。
Date: 2020/0903 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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8月17日に始まった山火事がやっと収束しつつあります。ナパのラザフォードの東側にあるレイク・ヘネシー近辺で始まったヘネシー・ファイアー(より広域のLNUライトニング・コンプレックスの一部)は9月2日までに31万7909エーカーを焼き、5人の方がなくなりました。

Hennessey Fire 8.18.20.jpg
By <a href="//commons.wikimedia.org/wiki/User:Missvain" title="User:Missvain">Missvain</a> - <span class="int-own-work" lang="en">Own work</span>, CC BY 4.0, Link

焼失面積のうちナパ郡に含まれるのは16万4948エーカーで、これはナパ郡の総面積の1/3に当たります。

焼失面積は大きいですが、ワイナリーの被害は2017年の火事に比べると小さくて済みました。西風で火が東方向に広がり、煙も東方向に流れたため、ナパでは煙が充満するということもなかったようです。

ソノマのワルブリッジ・ファイアーでは5万4940エーカーが焼失。貯水池近くまで焼けたため、水道の水質悪化などが懸念されています。

サンタ・クルーズ・マウンテンズのCZUライトニング・コンプレックスでは8万5000エーカー以上が焼失。建物の被害も1500近くに達しています。ワイナリー関係ではビッグ・ベイズン(Big Basin)のオーナー自宅が焼失していますがワイナリーは無事でした。

煙の被害については、今後の調査待ちというところではありますが、人や建物の被害はひとまず落ち着いてきたようです。
Date: 2020/0901 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアのセントラル・コーストでサンタ・ルシア・ハイランズなどのあるモントレーと、サンタ・リタ・ヒルズなどのあるサンタ・バーバラに挟まれているのがサン・ルイス・オビスポ郡です。サン・ルイス・オビスポの中でも北部のパソ・ロブレスは高品質なシラーやカベルネ・ソーヴィニヨンなどで比較的知られていますが、アロヨ・グランデ・ヴァレー、エドナ・ヴァレーといった南部の沿岸地域はちょっとマイナーなイメージ。この地で一人気を吐くといっても過言ではないのがタリー・ヴィンヤーズ(Talley Vineyards)のブライアン・タリーです。1986年から30年以上にわたってワールドクラスのシャルドネとピノ・ノワールを作り続けています。

品質的にはワイン・アドヴォケイトで最高98点、ヴィナスでも最高95点など、サンタ・リタ・ヒルズのトップクラスと比べても引けを取らない評価を得ており、それでいて価格も比較的リーズナブル。安いものは3000円そこそこから入手できます。

そのちょっとマイナーさのせいか、これまであまり人前に出たのを見たことがなかったのですが、今回はオンライン・セミナーの形で直接話を聞けました。

タリーの家族は1948年からサン・ルイス・オビスポで野菜を作っていました。3代目にあたるブライアンがワインを作り始めたのは前述のように1986年。1988年にはワイン・アドヴォケイトで非常に好意的なレビューが載ったとのこと(現在のワイン・アドヴォケイトのサイトではそのレビューは見つかりませんでした)。1991年にはニューヨーク・タイムズにも好意的なレビューが載り、タリーの名声を築きました。

タリーはワイナリーのあるアロヨ・グランデ・ヴァレーと隣のエドナ・ヴァレーに多くの畑を持っています。この二つの谷はサンタ・バーバラとよく似ており、太平洋から東西方向の山脈に沿って冷気が入ってきます。海からの距離も近く、カリフォルニアの中でも非常に冷涼な地域です。


これはブライアン・タリーの自宅のバルコニーから撮った写真ですが、夏の間はほぼ毎日このような霧が入ってくるそうです。


こちらはワイナリーの写真。建物は「リンコン・アドビ」というランドマークで、ラベルにもこの建物の絵が記されています。

タリーのワインは自社畑のワインと、買いブドウも含む「ビショップス・ピーク(Bishop's Peak)」の2つのラインからなります。といってもビショップス・ピークも買いブドウの比率は2割くらい(ヴィンテージによって変わります)、大半は自社ブドウで作っている非常にコスパの高いブランドです。

試飲は2017年のビショップス・ピークのシャルドネ サン・ルイス・オビスポから。ちなみにビショップス・ピークの名前は地域のランドマークになっている山の名前からだそうです。エドナ・ヴァレーの自社畑のブドウが中心で買いブドウを15%使っています。

廉価版のブランドですが、夜の暗い間に収穫をし、ホール・クラスターでプレス、ジュースをそのまま天然酵母で発酵という基本はエステートのワインと動揺です。ただ、エステートのワインがすべて樽を使っているのに対し、こちらは樽は2/3ほどで新樽はなし。後はステンレススティールとなっています。マロラクティック発酵はしていません。

きりりとした酸味が特徴のワイン。レモンやライムの皮、白い花、濡れた石…寿司や牡蠣に合うとブライアン・タリー。



このレベルで2000円台というのはかなりの驚きです。レベル高い。

次はエステートのシャルドネ。タリーはサン・ルイス・オビスポの沿岸地域で初めてシャルドネを作ったワイナリーだそうです。20%新樽で発酵。マロラクティック発酵も100%行います。

ヴァニラ、オレンジピール、ネクタリン、クリームブリュレの風味。酸がかなり高く、マロラクティック発酵でまろやかさを出したことでバランスが取れた味わいになっています。高級感ある味わい。



これも5000円以下とは思わなかったです。高級感もありとてもいいシャルドネ。

赤はビショップス・ピーク・ピノ・ノワール 2017 サン・ルイス・オビスポから。

カリフォルニアのピノ・ノワールでは珍しいくらい淡い色合い。透明感ありクリーンなピノ・ノワールです。ストロベリー、レッド・チェリー、ローズ・ペタルなどを感じます。冷涼系のピノ・ノワールでおいしいです。



繰り返しになりますが、この冷涼感ある味わいで3000円台はちょっと驚き。ワイン・アドヴォケイトで91点です。

次はエステートのピノ・ノワール。タリーをワールドクラスのワイナリーにした、ブライアン・タリーにとっても思い入れのあるワインです。ヴィンテージは2016年。タリーが誇る2つの自社畑、リンコンとローズマリーのブドウだけを使っています。これもサン・ルイス・オビスポで初めてのピノ・ノワール。

房と実のレベルで2回選果し、オープントップの発酵槽で天然酵母を使って発酵。手で優しくパンチダウンしています。2週間くらいで発酵が終わるとバスケットプレス(下の写真)でプレスし、樽熟成します。新樽率は1/3。



2016年はブライアン・タリーがこれまでで最高のヴィンテージとするいい年です。赤系果実の味わいに、ブラックベリーなどの酸が豊かな黒系果実の風味。ミネラル感。ボディもありパワフルかつしなやかなワイン。



そして、最後はタリーのフラッグシップといえるローズマリー・ヴィンヤードのピノ・ノワール2016。ローズマリーは母親の名前で、母親の自宅の周りにある畑がここ。ローズマリーのブドウは完全除梗で使います。ちなみにリンコンはワイナリーの周りの畑です。エステートのピノではリンコンは1/3くらい除梗しないで使っているとのこと。

エステートよりも複雑味があり、マッシュルームなどの風味も感じます。素晴らしい。ワイン・アドヴォケイトでは94点。



冒頭に書いたように、ややマイナーなイメージのあるサン・ルイス・オビスポですが、その理由としては以前は大資本のワイナリーが中心だったことがあるようです。最近では小さなワイナリーが増えてきており、ブライアン・タリーによるとこれから20年で有名なワイナリーも増えてくるだろうとのことです。

改めてタリーの実力を確認するとともに、今後のアロヨ・グランデ・ヴァレーやエドナ・ヴァレーにも期待したくなるセミナーでした。