Archives

You are currently viewing archive for January 2022
Date: 2022/0127 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ソノマのヒールズバーグにあるレイミー・ワイン・セラーズ(Ramey Wine Cellars)の創設者・オーナーであるデイヴィッド・レイミーがソノマ・カウンティ・ヴィントナーズによる生涯功労賞を受賞することが決まりました(Winemaker David Ramey to get Sonoma County Vintners’s 1st lifetime achievement award)。

Ramey

ソノマのマタンザス・クリーク、チョークヒルを立ち上げ、ナパではドミナスのワイナリー構築のプロジェクト・マネージャーやジラードの再興などに尽力した後、1996年にRamey Wine Cellarsを設立しました。

ソノマでのワイン造りは1972年からと歴史は長く、ワイン造りの技術に関しても、白ワインでのスキン・コンタクトをしないことや、白ワインの醸造初期にわざと酸化をさせること、熟成時のシュール・リー、シャルドネのマロラクティック発酵、天然酵母による発酵、フィルターなしでのボトリングなど、多くの高級ワインで使われている技術を早くから実践してきました。

最近ではワイン・エンスージアストで2本のシャルドネ(2018年のハイドとロキオリ)が100点を得るなど、今も変わらずシャルドネの第一人者の1人として活躍しています。


Date: 2022/0125 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイン・アドヴォケイト前編集長のリサ、新しいメディアを立ち上げへ」という記事で、リサ・ペロッティ・ブラウンが新しいワインメディアを立ち上げる話を書きましたが、この件についてW.ブレイク・グレイ氏が2016年に起こった「日本酒リスト漏洩疑惑」を解く鍵になるのではないかと述べています(The Gray Report: Lisa Perrotti-Brown makes some interesting accusations, and maybe solves the Wine Advocate sake mystery)。

この件をご存知な方はあまり多くないと思いますが、詳しくは「Wine Advocate、日本酒リスト漏洩疑惑まとめ」をご覧ください。当サイトとしてはこのころかなり熱心に取り組んだテーマの一つですが、残念ながら日本のワイン界ではほとんど話題になることなく終わってしまいました(そういえばこの件で某国のテレビ局のインタビューを受けたことがありましたが、あれはどうなったんだろう?)。

リサ・ペロッティ・ブラウンは新メディア設立のコメントの中で既存メディアが中立とは言えないということで2つの例を挙げています。一つは特別なフィーを払った会社に対しては、一般に記事を公開するよりも先に情報を出すことがあること。もう一つはメディアが主催するイベントでスポンサーになる会社に対していいスコアを出すこと。リサ・ペロッティ・ブラウンがこれまで働いたワインメディアはワイン・アドヴォケイトだけなので、グレイ氏は、これはいずれもワイン・アドヴォケイトが実際にやっていることではないかと推測しています。

その上で、日本酒のリストが事前に漏れていたと考えられる点についても、このような「特別なフィー」を払った会社だったからではないかと推測しています。

やっと出たWine Advocateの日本酒レビュー漏洩疑公式声明」によると、ワイン・アドヴォケイトの正式なコメントとしては事前にリストが漏洩した事実はなく、レビュアーがその会社に、一部の日本酒についての技術的情報の入手を依頼したからだとしています。

いろいろなことが曖昧なまま、うやむやにされたこの問題、気がついたら、当時のレビュアーもいつのまにか消されていますし、残念ながら日本酒のレビューも継続されていません。

疑惑の渦中にあった会社でもかつて働いていたことがあるリサ・ペロッティ・ブラウン、新メディアのクリーンなイメージを追求するのであれば、過去の問題についてもきちんと説明してほしいとは思います。
Date: 2022/0121 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
米国のワイン業界に大きな影響力を持つシリコンバレーバンクの年間レポートが公表されました。

Silicon Valley Bank State of the Industry Report

米国のワイン業界のアンケートから様々な面を分析していますが、その中から干ばつの影響について紹介します。

水不足の懸念
水不足を非常に心配していて深刻な影響がありえるという回答が43%、懸念しているがなんとかなるだろうという回答が51%と懸念している人が9割を超えています。

2022年の対応
2022年に干ばつに対応して何をするかという質問に対しては新しい技術を使うという回答が32.2%と約3分の1を占めて一番多い回答でした。一方で2番めに多い回答は、特に新しいことをしないというもので、対応は分かれています。3番めに多い回答は新しい井戸を掘るでした。

水不足のインパクト
実際に干ばつの影響を受けているかどうかについてはパソ・ロブレスでは9割近くが受けていると回答。ナパやソノマ、サンタ・クルーズ・マウンテンズとモントレーでも8割近くが受けていると答えています。ワシントン州では30%とかなり低く、ヴァージニア州ではゼロでした。

今のところ、今年の雨季は比較的雨もしっかり降っているようですが、まだまだ心配は大きいようです。また、干ばつとともに山火事も懸念されるわけですが、これまでより保険に入りにくいといった状況も生まれています。これもまた難しい問題です。
Date: 2022/0119 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments

95年前に1927年に米国に寄贈された甲州を、ナパやオレゴン、そして日本でもワインに育てようというプロジェクトが進行しています。

これはインポーター「Sun Bridge」の鬼崎徳朗さんが米国に留学中だった2006年に始めたプロジェクトで、ようやく今年ワインとして醸造される見込みになっています。

このブドウは現・宮崎大学のある教授が1927年に個人的に米国に寄贈したもので、UCデーヴィスで保管されていました。それを鬼崎さんが見つけたものの、苗木がウイルスに侵されており、ウイルスを除去して培養し、少しずつ増やしていっています。ウイルスを除去するには、春にブドウが芽吹いたら、ウイルスに侵されるまえにそれを取り、培養液で培養するといった、かなり地道な作業で、今年はやっと7000本の穂木を収穫できました。

米国ではナパに「Napa Koshu LLC.」を設立して、Mount Veeder、Rutherford、Hope Valleyに植樹しました。2022年にはようやく植樹もできる本数になってきました。

鬼崎さんは、さらにこの甲州を日本に持ち帰り、日本でもこのクローンを使って甲州を育て、ワインにしていく計画(上の写真)。また、米国ではナパ以外にオレゴン州でも栽培する予定です。

甲州は、現在は山梨県以外ではほとんど栽培されていません。これを打ち破ることも鬼崎さんの目的の一つです。ナパやオレゴンといった、山梨と大きく異なる栽培環境で甲州種がどういうワインになるのか、非常に楽しみです。

Date: 2022/0118 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
wine independent
2021年12月にワイン・アドヴォケイトを辞任したリサ・ペロッティ・ブラウンMWがスウェーデンの写真家ヨハン・ベルグルンドとともに新しいメディア「ワイン・インデペンデント」を5月に立ち上げると発表しました。

The Wine Independent - Completely independent expert wine reviews

「ワイン・インデペンデントは、世界中の高級ワイン愛好家のために、完全に独立し、視覚的に画期的な出版物を発行します。専門家によるレビューに、魅力的な写真や映像を織り交ぜ、素晴らしいワインを求める世界中の旅に導きます。プロのバイヤー、本格的なコレクター、個人的な愛好家など、どのような方にも、必要なときに必要なワインについての信頼できるレビューをお届けしていきます」

と抱負を述べています。
null

広告を入れず、独立したレビューを掲載するというのはワイン・アドヴォケイトもヴィナスも同じですが、リサ・ペロッティ・ブラウンは「近年では、ワイナリーにイベントのテーブルを売ったり、高額な購読料で小売店にスコアを先出ししたりするなど、数多くの利益相反が明るみに出ています。独立系を謳う著名な出版物の中にも、そのような行為に手を染めているものがある。その結果、ワインレビューへの信頼は、もはや誰が信頼できるのか分からないほど損なわれています」といいます。

これがワイン・アドヴォケイトのことを指しているのかは不明ですが、同誌を飛び出して新しいメディアを造るということは、そういうことなのでしょう。

また、レビューはリサ一人が行うのではなく、ワイン・アドヴォケイトと同様に地域ごとの専門のレビュアーを雇う計画であるとしています。
Date: 2022/0117 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
edge hill
ジョエル・ゴット・ワインズ(Joel Gott Wines)がナパのエッジ・ヒル(Edge Hill)・ワイナリーをラッド・エステート(Rudd Estate)から買収しました(Joel Gott Wines Buys Napa's Historic Edge Hill Winery)。買収にはワイナリーの名称やセント・ヘレナにある1867年に作られた3階建てのワイナリー、25エーカーの畑、現在の在庫が含まれています。

ジョエル・ゴットはエッジ・ヒルの畑から赤ワインブレンドを造る予定。2009年からジョエル・ゴットのセールスとマーケティングを担当しているトリンチェロ・ファミリーとのパートナーで取り組む予定です。

エッジ・ヒルは1867年に創設。3階建ての重力を利用したワイナリーは、ファーニエンテやイングルヌックよりも古いもので、ナパで最も古いと考えられています。

ラッドは1999年にエッジ・ヒルを買収し、再生を図ってきましたが、ラッド・ブランドに集中するために今回の売却となりました。金額は明らかにされていません。
Date: 2022/0116 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
freeman sparkling
エレガントの極み、フリーマンの新作スパークリング」という記事でフリーマンのスパークリングワイン「ブラン・ド・ブラン」を試飲しました。これに合わせてフリーマンのアキコさんにインタビューした内容を紹介します。インタビューは2021年12月に都内で行ったものです。涼風シャルドネを飲みながらだったので、自然とシャルドネの話から始まりました。

――米国のフリーマンのサイトを見ると「Hawk Hill」という単一畑のシャルドネもあるんですね。どういう縁で始めたんでしょうか。

2017年に畑のオーナーの方から突然電話をいただいたんです。それまで、この畑のブドウはウイリアムズ・セリエムに卸していたのですが、フリーマンのシャルドネが好きなのでうちにワインを造ってほしいと畑の側からスカウトされたんです。珍しいことです。

Hawk Hillのブドウはシュラムスバーグにも卸していて、フラッグシップのJ.Schramに使われています。非常に酸が立っていてきれいで。うちは一切フィルター類を使わないので、瓶内での発酵を防ぐために100%マロラクティック発酵をしていますが、ここのワインの場合はそうでないとレモネードを飲んでいるかのような酸っぱさになってしまうのです。

――自社畑ではシャルドネを作らないんですか。
Yu-Kiという畑に1エーカーだけシャルドネがあります。それをどうしようかと考えて、ちょうどワイナリー創設20周年なのでワインクラブの人に飲んでもらおうとスパークリングを造りました。Brut Natureといって、ドザージュで糖分を添加しない作り方になっています。

シュラムスバーグのワインメーカーを15年勤めたCraig Roemerという人にスパークリングのコンサルタントに入ってもらっています。この方は、シュラムスバーグをやめた後、2年ほどハワイでサーフィン三昧だったそうですが、それにも飽きてこちらに戻ってコンサルタントをされています。聞いた話ではコスタ・ブラウンでもコンサルタントをしているとか。誰でも面倒を見るというわけではないのです。うちの場合は最初に「畑を見せてください」と言われて、それでYu-Kiの畑を見にきてもらったらCraigさんから「これはぜひやらせてください」と言って、コンサルタントをお願いできました。

最初はカスタム・クラッシュで造ることを考えたのですが、独自性を出したいと考えて酔狂ですが自分のところで造っています。

――Brut NatureにしたのはCraigさんの意向ですか?
いえ、どういうワインを造りたいかということで、ドザージュをいろいろ変えて試飲をしたんです。(アキコさんの師匠の)エド・カーツマンにも入ってもらって。3人で試飲をした結果、Natureで行きましょうということで意見が一致しました。今でもエドさんには、何かあると「お願い、ちょっと来て」といってセカンドオピニオンみたいな感じで意見を伺っているんですよ。

――Craigさんが畑を見て気に入った理由は何だったんですか?
シャルドネはクローン5というクローンを植えています。このクローンは量産型で多くの収量があるんですが、Yu-Kiの畑くらい涼しいと、これでやっと普通の収量くらいになるんです。急斜面で水はけがよくて、ブドウを食べてもらったら「酸がすごくいい」ということで気に入ってもらったようです。

――確かピノ・ノワールも比較的収量が多いディジョン系でしたよね。
ディジョン系とあとスイス系のクローンも使っています。マリアフェルド、23と2Aというクローンを使っています。

――スパークリングはどれくらい造ったのでしょうか。
300ケースくらい造っていますが、そのうち半分を今回ディスゴージして、残りは「レイト・ディスゴージ」にしようと思っています。
最初は1ヴィンテージだけで終わりにするつもりだったのです。ですが、2020年は山火事による煙の影響を避けるために早摘みしてしまったため、また造ることにしました。ピノ・ノワールとシャルドネそれぞれ300ケースくらいをスパークリングにしています。ピノ・ノワールはロゼにしています。このロゼを飲んでみたら、とてもおいしかったので結局2021年もスパークリングを作ることになりました。

――スパークリングワインを実際に造ってみていかがでしたか。
手間がかかりますしステップも多いので、学ぶのに時間がかかっています。一方で、ボトルに詰めたら次の作業までの間は倉庫に預けておいても構わないということもわかりました。カーヴがボトルで一杯になることはないので、とりあえず大丈夫だとほっとしました。

――生産量は全部でどれくらいになりますか。
スパークリングが300ケースずつ。アキコズ・キュベが300ケース、Yu-Kiが450ケース、KRランチが450ケースくらい、ソノマ・コーストやロシアン・リバー・ヴァレーは800~1000ケースくらい。Ryofuが600、Hawk Hillが300ケースくらいです。以前はスティルのロゼも造っていましたが、今はやめてしまいました。
ロゼは当初セニエで造っていましたが、その後Yu-Kiのブドウからもっと軽いプロヴァンス風のロゼを作るようになりました。828のクローンを使っているのですが、そのブロックが現在スパークリングに割り当てています。

――自社畑もやられて、スパークリングも造ってとなると大変ですね。
そうですね。働けば働くほど忙しくなるような感じです(笑)。

――畑は管理会社を使っているんですか?
アート・ログレトさんというソノマ・カトラーで働いていた人の会社にお願いしています。

――West Sonoma CoastのAVAの方はまだ動きがありませんか?
そろそろ決まりそうな感じになってきました。それで2023年にはアジアツアーをしたいと考えています。

――ワイナリーは全部でいくつくらいになりますか。
25くらいになります。そちらの活動は主人が中心にやっています。

――最近はアンフォラとかコンクリートエッグとかで発酵・熟成させるワイナリーもありますが、そのあたりはどうですか。
うちはまだ使ってないです。

――シャルドネは樽発酵、ピノ・ノワールはオープントップの発酵槽でしたっけ。
はい、そうです。シャルドネもステンレスタンクで発酵を始めて、糖度が17~18Brixになったら樽に移すという形にしています。以前は最初から樽で発酵させていたのですが、発酵が途中で止まってしまうことがよくあったのです。樽はカーヴに置くのでどうしても温度が低くなってしまうので。ステンレスタンクで始めて樽に移す方法は、リトライのテッド・レモンさんに勧められたんです。ご近所でよくランチも一緒にするので、そのときに相談したら、うちもそうしているからやってみたらいいよって。それで発酵が止まることがなくなりました。

コンクリートを使う方は最近増えましたね。コンクリートは中が洗えないので衛生的に大丈夫かちょっと心配しています。意外とひびが入ることもあるようなので。うちは失敗するほど量がないので、あまりリスクは取れないのです。

このほかステンレスの樽もありますが、なにか味がメタリックになるような気がしてしまうんですよね。木の樽の柔らかい感じが好きです。

――ピノ・ノワールやシャルドネ以外をやることは考えていますか。
私自身はリースリングが好きなんです。実はうちの向かいにロス・コブさんの畑があって、そこでリースリング造っているんです。いいなあと思って見ているのですが、まだ自分で作るのはやっていないです。ウエスト・ソノマ・コーストのワイナリーの方も家ではリースリング飲んでいる方意外と多いんですよ。

エド・カーツマンはシラーが大好きで、レストランに行ってワインを選んでもらうと必ずシラーを頼むんです。彼のシラーはすばらしくて、すごくきれいに熟成するんですよ。うちにいらしていただけたら彼のシラーがいかに花開くか飲んでいただきたいです。主人はシラー好きで、うちでも考えたことはあるのですが、ディストリビューターに反対されてやめてしまいました(笑)。
Date: 2022/0114 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2021年にシエラ・ネバダ方面で起きたディクシー・ファイアー(Dixie Fire)。100万エーカー(約40万ヘクタール)近くを焼き尽くし、鎮火するまで3カ月以上もかかった大規模な山火事で、単独の火事としては史上最大、複合的な火事(同時多発的な火事をまとめて一つとする)を含めても史上2番めの大きさでした。
Dixie Fire

先日、この火事の原因がPG&E(パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック)の送電線にあると発表されました。強風で倒れた木が送電線に当たり、その火花から火事になったということです。2017年にソノマなどで大きな被害を出したTubbs Fireも送電線由来であり、2019年には「過去6年の山火事のうち1500件が送電線による」というデータも出ています。PG&Eは1万マイルの送電線を地中化することによって、山火事を防ぐ考えを示していますが、まだ実行には至っていません。

2017年と2018年の火事の補償によってPG&Eは連邦破産法11条の申請を発表したこともあります。2020年にこの危機からは脱したものの、山火事問題は解決には程遠い状態です。
Date: 2022/0113 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパの業界団体ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズは1月10日、2019年で終了したオークション・ナパ・ヴァレーの後継となる「コレクティブ・ナパ・ヴァレー」のプログラムを発表しました。

オークション・ナパ・ヴァレーは年に2回開かれていたナパのオークションのうち6月に開催されていた一般向けのオークション、1981年に始まったナパ最大のイベントで、オーパス・ワンがここで発表されるなど、ナパの歴史を彩ってきました。

新型コロナの影響で2020年からは未開催となっており、昨年にはプログラムを変更する旨が発表されていました。
ロゴ

コレクティブ・ナパ・ヴァレーはオンラインおよびオフラインで行われ、春・夏・秋と季節ごとにイベントを開催します。春は「ヴァーチャル・ナパ・ヴァレー」として試飲などを行います。夏は「フューチャーズ・バレル・オークション・ウイークエンド」です。オークション・ナパ・ヴァレーで開催されていたバレル・オークションを引き継いだもので、今年は6月2~4日に開催します。レイモンド・ヴィンヤーズで樽からの試飲を含めたイベントを行います。

秋は「ヴィンテージ・セレブレーション」として、オークション・ナパ・ヴァレーに似たライブ・オークションを開催します。今年は11月3日から4日に開きます。

コレクティブ・ナパ・ヴァレーに参加するには事前にプログラムに登録する必要があります。無料と、1000ドル、5000ドルのメンバーシップがあります。

コレクティブ・ナパ・ヴァレーが実際にどういう感じで開催されるのか、まだよくわからない感じもありますが、とりあえず無料ででも会員登録しておくことをお薦めします。

Collective Napa Valley
Date: 2022/0112 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments

というツイートを見て、1月6日に放映された「あてなよる」をNHKプラスで見逃し試聴しました(元々は1年前に放映されていたようです、今回の見逃し配信は1/13(木) 午後2:49まで)。

この番組『酒の肴(さかな)のことを日本人は愛情を込め「あて」と呼ぶ。酒にあてがうもの、酒の味を引き立ててくれる伴奏者。極上の「あて」と酒でたのしむ大人のエンターテインメント。』とのことで料理研究家の大原千鶴さんと、銀座エスキスの支配人兼ソムリエの若林英司さんが料理とお酒を出していきます。この回はタレントの辺見えみりさんがゲストでリモート飲み会の形式。若林さんと大原さんがそれぞれ3種類のお酒とそれに合わせた料理を辺見さんに送っており、それを一つずつ開封しながら飲み食べるという趣向です。

その2番目に登場したのがザ・ペアリング(The Paring)のソーヴィニヨン・ブラン。
ザ・ペアリング
といってもNHKですから、名前がちゃんと紹介されたわけではなく、カリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランとだけ紹介されています。映像にもラベルの一部が映っているだけですが、これで特定する人が結構いるのはすごいですね。

なお、ザ・ペアリングはスクリーミングイーグルのオーナーがサンタ・バーバラで作るワイン。ボルドー系やシラーなどの「ホナタ(Jonata)」とピノ・ノワールとシャルドネの「ザ・ヒルト(The Hilt)」のセカンドという位置付けです。ホナタ、ザ・ヒルトともにサンタ・バーバラのトップクラスであり、ザ・ペアリングもコストパフォーマンスが非常に高いワインです。

辺見えみりさんは樽が利いてバターの風味があるシャルドネが好きだということでしたが、こちらのソーヴィニヨン・ブランも樽香があり、果実味も豊かで「ソーヴィニヨン・ブランというと酸っぱいイメージがあったけど全然違う」とご満悦でした。若林さんによると「樽の利いたシャルドネとの違いはアフターにちょっと苦みを感じるところです」とのこと。

ちなみにこれに合わせた料理はタイ風のエビ揚げパン。とても美味しそうでした。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ザ・ペアリング・ソーヴィニョン・ブランカリフォルニア 2018
価格:4400円(税込、送料別) (2022/1/12時点)



Date: 2022/0110 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ヴィナスのアントニオ・ガッローニが2019年のワインを中心とする最新のナパ・ヴァレーのレポートを公開しました。

山火事の影響が大きかった2017年に対して2018年はトラブルのない良好なヴィンテージ、2019年は2018年よりもフルボディで濃厚なスタイルで同じく良好なヴィンテージと考えられています。ただ、ガッローニは1年前の時点では2019年の方が少し上回ると考えていたのに対して、今回2018年の方が良さそうだと述べています。

理由としては2018年のワインが非常に良好で、この1年でさらに良くなってきていること、2019年は酸が低くタニックで、ワイナリーによる出来不出来が2018年よりも大きいことなどが挙げられています。また、2020年が2017年以上に山火事の影響が大きく収穫量が大幅に減っており、その分2019年のワインは量を増やそうとしているワイナリーも多くなっているようです。

今回、100点のワインが13本出ていますが、そのうち過半数の7本は2018年のワインです。昨年のレポートでは100点9本のうち8本は2018年で2017年は1本だけでした。ここからも2018年の方が優れている感じは伺えます。

通常、この時期のレポートには今年の秋にボトル詰めされる2シーズン前のワインの初期レポートも含まれますが、今回は2020年のレビューは省略されました。前述のように山火事の影響が大きく、ワイナリーによって完全にワイン造りをやめたり、赤だけやめたりなど状況が様々なことが一つ。また、ガッローニのようなベテランでもまだ2020年のヴィンテージの全体像をつかみかねていることが一つ。ともかく非常に難しく、消費者としても良い選択眼を持つ必要があるヴィンテージとなりそうです。

また、ガッローニは今回の特筆事項として、カベルネ・フラン単独のワインが増えてきたことを挙げています。フラン好きのわたしとしては嬉しいですが、ガッローニは割と辛口で、今のところあまりできが良くないものが多いとしています。その中で「2019 Sinegal Estate Cabernet Franc Old Vine」、「2019 Kapcsándy Family Winery Rapszodia」の2本が100点を取っているのは注目に値します。今回がデビューとなった「2019 Morlet Family Vineyards Force Tranquille」もカベルネ・フラン・ベースで98点。ガッローニも注目のニューカマーに挙げています。「2019 The Vineyardist Notre Mystere」も今回初リリースのワインでカベルネ・フランが65%。97点の高評価を得ています。「2019 Gandona Meia」も今回初リリースで96点。



Date: 2022/0107 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイン・スペクテーターが初めての「Value wine of the Year」を発表しました。これからトップ10も順次公開されていく予定です。
2021 Wine Value of the Year

映えある初の1位に選ばれたのはニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン「アラン・スコット ソーヴィニヨン・ブラン マルボロ 2021」でした。93点、米国での価格は17ドルです。

今でこそニュージーランドはソーヴィニヨン・ブランの産地として世界に名だたる地位を築いていますが、その歴史は50年足らず。このアラン・スコット氏が1973年に「モンタナ・ワインズ」のために植えたのが最初でした。その後も他のワイナリーのためにブドウを栽培していましたが1990年に自身のワイナリーを立ち上げました。

日本にも輸入されていて、Wassy'sの価格は税込み2090円ですから、今の為替水準だと日本のほうが安いくらいですね。

Wassy'sのテイスティング・ノートには「新鮮さと快い刺激を持ち、ジューシーで豊かな味わいが楽しめるニュー・ワールド・スタイルのワインです。刺激のあるパッション・フルーツやトロピカル・フルーツ、新鮮なハーブなどが感じられ、辛口で後味のバランスがとれています。キリっと爽やかなワインです。アルコール度数12.5%」と書かれています。



ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン、一時期は割と飲んでいたのですが最近はご無沙汰してしまっていました。ニュージーランドのイメージも今はピノ・ノワールのほうが強くなっている感じがありますが、久しぶりに飲んでみたくなったワインです。