Archives

You are currently viewing archive for June 2008
Date: 2008/0627 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
初ヴィンテージにしてブラインド・テイスティングでオーパス・ワンに勝ったという触れ込みでなんだか売れているらしい「スター・レーン」を以前取り上げていますが(記事1記事2),ワイン・ブログの老舗サイト
Vinographyで,このワイナリが取り上げられていました。

もちろん,「Opus Oneに勝った」なんていうマーケティング・タームは載っていませんが,オーナーのJim Dierbergがピノやシャルドネの聖地であるSanta Ynez Valleyでカベルネを作ることに燃え,それを実現した話は,それ以上にずっと読み応えがあります。

レビューしているワインは,日本で売られているカベルネの上級に当たる100ドルの「Astral」の方ですが,スコアは9~9.5となかなかの高得点。また,50ドルのカベルネについては「which is also fantastic」と,短いながらも褒めています。これを読んだら,飲んでみたいと,結構思いました(しばらく金欠なので買えませんが)。

追記:zoukさんが「いや、これは美味い!」と書いていました。

Date: 2008/0626 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ホワイト・ジンファンデルを最初に作ったのがSutter Homeであることはよく知られていると思います。ナパでもSt. Helenaの近くの一等地にあるこのワイナリが姿を変えようとしています。

仕掛け人はJoel Gott。Joel Gott Wineというワイナリを自ら経営している人であり,最近は人気ハンバーガー・ショップTaylor's Refresherのオーバーホールなども手がけています。
"With help from several investors, Gott, who previously overhauled Taylor's Automatic Refresher, the familiar St. Helena burger joint, bought it in January 2007. For more than a year, he has been refitting this behemoth of a winery to carry out his plan. "

Home of White Zin now a haven for boutique wine

引用文にあるように2007年にSutter Homeの16エーカーの工場を買い取り,新しい計画を練っているところです。

ナパでは新しいワイナリの認可を得るのは大変なこと。資金も大変です。そこで,ナパでワインを作りたいワインメーカーはカスタム・クラッシュと呼ばれる醸造設備を使わせてもらうわけですが,自ら手を下すことができないなど,制限もあります。そういったことに悩む若いワインメーカーたちに,そこでワインを作ってもらおうというのがJoel Gottのプランです。こうして若い人を呼び込んでいかないと,今にナパ全体が停滞してしまうということに,危機感を感じているようです。既にRobert Mondavi WineryのマネージャーだったMichael RaymorがValanceというブランドを始めているほか,コンサルタントのJeff Amesがいくつかのクライアントや自身のRudiusワインをここで作っているそうです。うまくいくといいですね。

なお,Sutter Homeはといえば,現在主にブドウを購入しているセントラル・ヴァレーに近いところの方がオペレーションが便利であるとして,ロウダイに移ったそうです。
Date: 2008/0625 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
大人気のVlog,Wine Library TV。Gary Vaynerchukの人気も止まるところを知りませんが,難点は1回20分以上という長さ。なかなか20分まとまって見るのは大変です。

そんな貴方に朗報が。米国の動画サイトRevision3がWine Library Reserveとして5分バージョンの放映を始めました。面白さも半減といったところは否めませんが,これなら忙しくてもなんとか見られそうです。

Date: 2008/0620 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Robert Mondavi Wineryで6月19日,存命であればこの日に95歳を迎えていたはずのRobert Mondavi翁を偲ぶ集いが友人や関係者1100人を集めて開かれました(記事1記事2記事3記事4記事5

35℃という灼熱のした,Fume BlancとCabernet Sauvignonがふるまわれ,ナパの13のレストランが食事を提供したそうです。

様々な人がRobertを偲んでスピーチをしましたが,中でもYountvilleのReddレストランのオーナーであるRichard Reddingtonによるものが感動的だったそうです。Wine Spectatorの記事によると,レストランをオープンしたときに,Robertが見に来て,皿洗いを含めたすべての従業員に一人ひとり握手をして「Hi, I'm Bob Mondavi. You're doing a great job. Thank you for being here.」と言って回ったとか。やっぱりすごい人です。

Robertの3人の子供のうち,TimとMarciaは出席しましたが,長男のMichaelは欠席だったとか。まだわだかまりが残っているのでしょうか。

なお,一般向けのオープンハウスは7月5日の11時~午後2時,7月6日の10時~午後4時まで開かれるそうです。近くにいたら行きたいのですけどねえ。
Date: 2008/0618 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
英Decanter誌がコルクやスクリューキャップなどの各種の栓を使ったワインをワイン評論家にテストしてもらうという記事を企画し,同誌の8月号に掲載されるそうです。その結果がこれ。
"It's official: screwcap is the best closure for the vast majority of wines, both red and white."

Screwcaps are best: Decanter verdict - decanter.com - the route to all good wine

赤白かかわらず,ほとんどのワインにおいてスクリューキャップがベストであったとのこと。Charles Metcalfeは「in short, they deliver your wine from the bottle in the state that the producer intended.」とまとめています。

一部,長期熟成に関してはコルクがいいという評論家もいましたが,それは実験による結果というよりも情緒的な理由によるもののように思えました。

記事のタイトルは「50 Reasons to Love Screwcaps」。Decanter誌,日本で買うと高いのですがちょっと読みたくなりました。
Date: 2008/0613 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Wine Spectator誌のサイトにナパの名門ワイナリの一つであるChateau Montelenaが売却されるといううわさが掲載されていました。入札は1億ドルを超えているとか。ワインメーカーであり創設者Jim Barrettの息子であるBo Barrettは「何も言えない」とのこと。事実だということでしょう。

Chateau Montelanaは1976年のパリ試飲会で白ワイン部門のトップを取ったことで知られています。Estate Cabernet Sauvignonはカリフォルニアのカベルネの中でも高品質を安定して続けているワインの一つ。また,前述のBo Barrettは著名ワインメーカーのHeidi Barrettのご主人でもあります。
Date: 2008/0612 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
"Is it true that wine blogging is changing the wine writing genre?"

Fermentation: The Daily Wine Blog: The Wine Bloggers Conference is Here!
著名ワインブログFermentationのTom Wark氏は自ら投げかけたこの質問に「もちろん事実だ」と答えています。それを裏付けるように,ワイン・ブロガーの会議が10月にソノマで開催されます(オフィシャル・ページ)。

米国では既にAmerican Wine Blog Awardsが2回開催されていますし,FermentationVinographyといった著名ブログは既にオピニオン・リーダー的な存在になりつつあります。Gary VaynerchukもAmerican Wine Blog AwardsでBest Podcastを獲得し,一気に有名人になりました。

こういった状況と日本を比べると,かなり寂しいものがあります。元々ワイン・ジャーナリズムが貧困だということもあるのでしょうけれど,ジャーナリスティックな視点を持ったワイン・ブログはほとんどありません。まあ,ことはワイン分野に限らないわけで,テクノロジーの分野で見ても,米国ではTechCrunchやEngadgetなど,既に旧来のメディア並みの力をつけたところがありますが,日本だと個人の趣味の範囲を超えていないようです。

このブログも英語圏のコンテンツを紹介するくらいでジャーナリスティックとは言い難いですが,世の中のワイン・ライターの人とかにもどんどんブログを書いて情報発信してほしいものだと想います。
Date: 2008/0611 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Constellation Brandsは2008年6月10日,八つのワインブランドをEight Estates Fine Wines, LLC (Ascentia Wine Estates)に売却したと発表しました。売却額は2億900万ドル。

売却したのはカリフォルニアのGeyser Peak, Buena Vista, Gary Farrell, Atlas Peak,XYZinのほかワシントンのColumbia Winery,Covey Run,アイダホのSte. Chapelle。理由はブランドのダブりや過剰生産の解消と,借り入れの減少。

ただ,カリフォルニアの5ブランドを獲得したのは2007年12月のこと。まだ半年ちょっとしか経っていません。一体何をやっているのでしょうか。場合によってはRobert Mondaviをさらに売却ということもあるのかも… Inglenookを見るようでちょっと怖いです。
Date: 2008/0611 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
パーカーがBusinessweekに書いた記事について,パーカーの掲示板で議論騒然になっています。記事のメイン部分は優れたカリフォルニアのピノを15本紹介するというものですが,物議を醸しているのは前置きの部分。短いので全文引用しておきます。
"Red Burgundy is the ultimate minefield of the wine world—notoriously unreliable, often disappointing, and rarely living up to its illustrious reputation. No region in the world has made greater progress with the fickle pinot noir grape than California, and here are some of the best pinot noirs money can buy from that state. None of them is inexpensive, but most of them will eclipse almost any red Burgundy made today."

Wines to Make You Forget Burgundy

訳すとこんな感じでしょうか。
ワインの世界においてブルゴーニュの赤ワインは究極の“地雷原”だ。悪名が高まるほど信頼できず,ときにはがっかりするような出来であり,その華々しい名声に見合うワインに出会うことはめったにない。世界中でカリフォルニアほど,ピノノワールという気まぐれなブドウで目覚しい進歩を遂げた地域はなく,ここに挙げたワインは,カリフォルニアのピノでお金を出せば買える最上のものから選んだ。どれも安くはないが,これらのほとんどは今日のブルゴーニュの赤のほとんどを覆い隠してしまうだろう。

僕はブルゴーニュの知識も経験もほぼ0に近いので,これに対して言うことは何もありませんが,ワインマニア一般にはブルゴーニュとカリフォルニアのピノは別物と受け入れられているでしょう。パーカーの掲示板の議論(時間ないので流し読みしただけですが)も,「カリフォルニアが進歩したのは確かだけど…」っていうことのようです。
ちなみにパーカー自身,このスレッドにコメントしています。ナパのCulinary Institute of America(CIA)でのワインマニアによるテイスティングで,RoarとBrewer-Cliftonのピノをブルゴーニュの最上のもの(DRC,ルーミエ,デュジャック,クロドタールなど)を含んだ中でトップ2になったという逸話。なんとなくパリ・テイスティングを思い出すような話でもあります。

» 続きを読む

Date: 2008/0610 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Napa Valley Vintnersによると,今年のAuction Napa Valleyの売上は昨年より5%上がり,1035万ドルだったそうです。

オークションで一番高い価格を付けたのはなんと「ヘルスケア基金に寄付をする」だけというもの。これが173万6000ドルでした。

また,オークションの最後のロットはRobert Mondaviに捧げたもの。元々はRobertの95歳の誕生日を祝うパーティに参加する権利だったのですが,Robertの生涯障害を祝福するパーティに変わったそうです。これが2番目の落札価格で84万ドル。3番目がScreaming Eagleのロットで50万ドルでした。
Date: 2008/0610 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
携帯版「ワインの達人 ロバート・パーカー」紹介の後編です。前編はこちら

まずはトップ画面を再掲しておきます。
メニュー1メニュー2メニュー3

» 続きを読む

Date: 2008/0609 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
4月にNTTドコモ版が,5月にauとソフトバンク版が始まった携帯版のサイト「ワインの達人 ロバート・パーカー」。Wine Advocate誌のレイティング,いわゆるパーカー・ポイントを携帯から簡単に調べられるのが魅力です。加えて,PC版が年間1万2000円,英語版が年間99ドルかかるのに対し,携帯版は月315円と,3分の1程度の金額。かなりお得です。

そこで,今回はこの携帯サイトの紹介を2回に分けてします(後編はこちら)。なお,掲載には日本語版を運営するイー・ロバート・パーカー・ジャパンの承諾を得ています。また,ここで紹介する内容は2008年6月6日時点のもの。サイト改良なので変わる可能性があります。

まずは,トップページの紹介から。かなり長いので三つの画像に分けてあります。リンクをクリックすると画像を表示します(もう一回画面上をクリックすると戻ります)。携帯画面を写真で撮ってから貼り合わせて作っているのでお見苦しい点は,ご了承ください。
トップページ1 トップページ2 トップページ3

一番上に「パーカーとは」というリンクがあります。ここはパーカーの簡単な紹介。
パーカーについて

» 続きを読む

Date: 2008/0606 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
先日,ワインを水深60mに沈めて保存する実験を紹介しましたが,今度はフランスのシャンパーニュ・ハウスLouis Roedererが,モン・サン・ミシェルの10mの水中で保存する実験をするそうです。
"A cellarman came up with the idea after realising that the water temperature in the bay, a constant 10 degrees Celsius (50.00F), was ideal for ageing wine."

Oddly Enough | Africa - Reuters.com

温度のほかに,波の影響を見るとか。1年間セラー保存のものと比較してみるそうです。

ちゃんと比較する分,先日の実験よりはまともな感じがしますが,どうなんでしょうね。逆に1年という短期間では差が出ないようにも思えます。

もし,これで良い結果が出たらそれはそれでこれまでのワイン保存の常識(迷信?)を覆すことになりますね。セラー温度より随分低いし,空気はない方がいいということになるし,揺らした方がいいということにもなります。

ということで,ちゃんと結果が発表されるのかどうか知りませんが,どういう結果になるのかちょっと興味があります。
Date: 2008/0605 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワインインスティテュートの日本語のページに「カリフォルニアワインブランドリスト」としてワイナリ(ブランド)の名前とインポーター,インポーターの電話番号一覧が出ています。

このワイン,どこで買えるの? とかっていう疑問はこれを見て問い合わせると分かる場合もあるでしょう。ブックマークしておくとよさそうです。
Date: 2008/0604 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
"Yes, we are in tiny NZ.......but that doesn't stop us reach out to millions of wine lovers like yourself in every corner of the globe!"
Good wine search engines (Buying)

ふーん,そうなんだあ。NZでできるってことは日本でもやろうと思えばできたってことだよねえ。人間やっぱり頭と体を動かさないとね。見ているだけじゃだめだ。
Date: 2008/0602 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
英国のThe Sun紙によると,LA Galaxyのスター・プレーヤー デビッド・ベッカムが奥さんのヴィクトリア(aka POSH)にブドウ畑をプレゼントしたそうです。
"Soccer star Becks paid a seven-figure sum for the birthday gift, so the pair can indulge their joint passion for fine wines."

David Beckham buys Victoria Beckham | The Sun |HomePage|Showbiz|Bizarre
場所はナパ・ヴァレーのどこかのようです。

ベッカム夫妻は5月初頭にナパのブドウ畑にトム・クルーズ夫妻等と訪れているのをパパラッチされています。今回買った畑が,この写真のところと同じかどうかは分かりませんが,下見の一つだった可能性はありそうですね。
Date: 2008/0601 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
先ほど来日されていたFreeman WineryとAugust WestがPinotFileの最新号に載っています(リンク先はPDF)。FreemanのAkiko's Cuveeについては
This wine is a little better than the other wines in the lineup in every way. Creamier on the palate, especially on entry, more elegance, and a longer finish. Perfect integration of oak. You can drink it now, but it will reward further cellaring. Akiko knows Pinot.

と。最後のところは最大級の賛辞ですね。なお,Freemanのワインは日本に毎年300ケース来ているそうです。August Westについては試飲のときにRosella'sが閉じていたようで,レビューはやや大人しめ。まあ,いいんですけど。