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Date: 2009/0630 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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【追記】一つ追加しました。
【追記2】三つ追加しました。

先日,サンフランシスコで恒例のPinot Daysが開かれました。セミナーや試飲会などさまざまなイベントがありますが,中でも中心になるのが大試飲会。カリフォルニア中のピノ・ノワールが集まるといっても過言ではないほどの大イベントに成長しました。ここからまとめ記事を七つ紹介します。

一つ目はSFクロニクル紙のワイン記者だったBlake氏の奥様「ゴマ」さんのブログ。
サンフランシスコ・ワイン日記 : ピノ・デイズ@サンフランシスコ Pinot Days

二つ目は毎回恒例のVinography。いつもながらテイスティングしている本数に感心します。
The Best Pinot Noir in California?: Tasting Pinot Days 2009

三つ目はNorCal Wineというワインサイト。
Pinot Daze!

四つ目は最初に紹介したゴマさんのご主人Blake氏の記事。テイスティング・ノートも記されているので参考になります。
Pinot Days is better than ZAP

五つ目はご存知「かんちゃん・ねっと」。Faillaが気に入ったとのことで,早速メーリング・リストに入って共同購入の募集をしています
Pinot Days

六つ目はtakuyaさんの「I love Calwine!」。毎年Pinot Daysに参加されています。
Pinot Days 2009

七つ目はまとめ記事ではありませんがパーカーの掲示板からPinot Daysのスレッド。
Let's hear about Pinot Days!

気になったところはVinographyで9.5点を取って,ゴマさんのところでも言及されていたWoodenhead。ピノとZinfandelを作っており,生産量は多いものでも300ケース未満という少量です。フラグシップのTroikaというワインは三つのワインのブレンドで74ケースの生産。120ドルというちょっとびっくりするような価格が付いています。MendocinoのHumboldt Countyという聞いたこともないところにあるFruitland Ridgeという畑のピノもVinographyで9点が付いています。
Date: 2009/0629 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Vinographyが偽ワインについて記事を書いています。ここで取り上げているのはNew York Timesの記事と,その元ネタとなった論文(要約,PDF)。

元論文は,eBayで取引される高級ワインの空ボトル(ドイツでは月に40~50あるらしいです)と,その中身が入ったものとの関係を調べ,オークションの落札価格が市場価格に影響している,すなわちeBayで落札した空ボトルに別のワインを詰めたものが市場に流通している可能性が高いことを示しています。例えば,1982年のラフィットの空ボトルに100ユーロもの価格が付く理由はそれしかないだろう,ということです。

日本では偽ワインの話題はほとんど表に出てきませんが,英国では昨年2月,18000ポンド(300万円弱)の1962年ペトリュス・マグナムをレストランで頼んだ客が「偽ワインだ」と主張し,「Petrus police」が調べた(結果は「偽ワインではないと100%言い切ることはできない」という微妙なもの)など,全く知られていない話ではありません。米大統領ジェファーソンが持っていたという「ジェファーソン・ボトル」の真偽については今も係争中ですし,本も出ています(紹介済み)。この本は2010年に映画になる計画もあるようです。

では,日本は偽ワインに無縁なのでしょうか。NY Timesの記事では中国やロシアなどワインの伝統がない国が食い物にされている可能性があると指摘しています。確かに「1970年のオー・ブリオンをコカコーラと混ぜて飲む」ような香港のビジネスマンは,ボトルに何が入っていても気がつかない可能性が高いでしょう。日本はそれほどひどくない,といいたい気持ちもありますが,銀座や六本木などのクラブなどで開けられるボトルを考えると日本も狙われている国の一つであっても全く不思議はありません。


Date: 2009/0629 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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LAタイムズの記事によると,ソノマのブドウ栽培者Robert Young氏が90歳で亡くなったそうです。

Robert Youngはソノマの単一畑ワインのパイオニア。1960年代から品質を重視したブドウ作りに取り組み,1975年に当時Chateau St. JeanのワインメーカーだったRichard Arrowoodと契約して,当時はほとんどなかった単一畑のシャルドネを生み出しました。

Robert Youngの畑のブドウはSt. JeanのほかSimi,Geyser Peak,Clos du Bois,Blackstone,Coppolaなどに売られています。また1997年からは自身のブランドであるRobert Young Estate Wineryでも醸造しています。
Date: 2009/0625 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国では日本酒の人気が少しずつ高まっているようですが,メディア・パブで紹介されたからというわけでもなく,たまたま今週「Sake」(日本酒)のエピソードが2回にわたって公開されました。Sake SocialというサイトのDirector of MarketingであるBeau Timken氏がゲストというか,教師役ですが,この人もなかなか面白いです。2回あわせると1時間近くの長尺ですが,見る価値はあります。めんどくさかったら2回目だけでもどうぞ。

We are changing the "Sake" world.


Date: 2009/0625 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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なんだか分かったような分からないようなタイトルを付けてしまいましたが,ナパのワイナリSnowdenのワインメーカーである創設者長女のダイアナ・スノーデンさんは,同時にブルゴーニュの名門ドメーヌ・デュジャックのセラー管理兼研究室担当になっています。時系列的に言うと,デュジャックの長男がカリフォルニアに来たときに彼女を見初めて,ブルゴーニュに連れて帰り,その後スノーデンの父親がワインメーカーとして働いてくれるように頼んだということのようです。

そのダイアナさんがこのほどロンドンに行ったときに,Jancis Robinsonがインタビューした内容がビデオで公開されています

ちょっと面白かったのは,彼女がカリフォルニアのピノで何が好きかと問われてCaleraとRoarを挙げたあたり。Caleraはブルゴーニュの人に飲ませるとブルゴーニュのワインと勘違いされるそうです。JancisはRoarのことは知らず,ちょっとやり取りがちぐはぐになっています。
Date: 2009/0624 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先週の「神の雫」に登場して一躍?日本でも有名になったのではないかと思われるナパのワイン・トレインですが,St. Helena市とは20年近くにわたって係争を続けているなど,決してナパヴァレーの住民から支持されている存在ではありません。しかし,その状況がこのところ変わってきたという記事がNapa Valley Registerに出ていました

St. Helena市との係争の話はかなり分かりにくいのですが,ワイン・トレイン側は折り返し点である同市で一回客を下ろして買い物などをさせたいという希望があったのに対し,St. Helena側が環境保全などを理由にそれを嫌がったということのようです。

係争の過程において,最初はワイン・トレインは公共交通手段であるとみなされていましたが,途中からはそうでなくなるなど,このあたりも法廷戦術からみなのでしょうが,よく分からないです。

今回の雪解けは月に1回St. HelenaのCheers!というイベントに行くための往復サービスを提供したり,バス・ターミナルとの接続やVallejoまで延長してのフェリーとの接続を検討するなど,かなり公共サービスよりのものをワイン・トレイン側が指向していることによるようです。

ヴァレーの住民にとっては負の歴史のイメージがまだ強いようですが,ワイン・トレインも時代とともに変わっていきそうです。
Date: 2009/0624 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨年12月に経営破たんしたナパのCopiaですが,このほど調停が成立し,7800万ドルの負債を返せば再開できることになりました(元記事)

そのためには基金を設立して寄付金を集めないといけないので,半年とか1年で実現できるかどうか難しいところですが,あのままなくなってしまうのもさびしいところだったので,今後に少し期待が持てるのかもしれません。
Date: 2009/0623 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オンライン・メディアのニュース・ブログ「メディア・パブ」でWine Library TVのGary Vaynerchukが紹介されていました(メディア・パブ: Twitterの成功事例(その2),ワイン売上が大幅アップ)

彼の成功のきっかけがビデオ・ブログWine Library TVであることは間違いないですが,Wine Library TVに顧客を呼び込む手段として,現在はTwitterを最重要なメディアとして使っているようです。今月(6月1日)に子供が生まれたときも,3時間後にはTwitterで名前を報告したりフォロワーからのリプライを常時求めるなどコミュニケーションを重視している様子がうかがえます。

なお,下の動画はメディア・パブに貼ってあったものですが,珍しくWine Library店内を映したものです。でかい店でちょっとびっくりしました。
Gary Vaynerchuk uses social media to help grow his business
Date: 2009/0622 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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SFクロニクル紙に,カリフォルニアの「best lesser-known vineyards」の記事が出ていました。まずは取り上げられた畑を列記しておきます。

Shake Ridge
Alder Springs
Cimarossa
Rodgers Creek
Charles Heintz

以上8個の畑が記事の主要部分。このほか8個のvineyads to watchとして

Brosseau
Clajeux
Dr. Crane
Duarte
Griffin's Lair
Manchester Ridge
Parmelee-Hill
Presidio

が挙げられています。

冒頭の五つの畑で知っていたのはAlder SpringsとCharles Heintz。Cimarossaも聞いたことがあるような気がします。後の八つではBrosseau,Duarte,Griffin's Lairくらいかな。Presidioというのは聞いたことがある名前ですが,多分ワインと関係ないところでの話のような。

さて,記事冒頭には次のような文も。
Oh, the names that might fly: Bien Nacido to Hirsch. Stagecoach to Garys' to Hyde. I might trade you my Durell for a rare mint-condition Stolpman, but I'll never give up my To Kalon.

この畑を全部知っていて,地域やブドウ種など分かったら,それだけでもかなりマニアだと思います。
Date: 2009/0616 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau によると,有機栽培でないブドウを含むワインにも「Made with Organic Ingredients」と表記できるようになりました(TTBGov Information Sheet on New Organic Labeling Policies)。以下のような表記が可能だといいます。

  • “Made with Organic and Non-Organic Grapes”
  • “Made with Organic [variety] Grapes and Non-Organic [variety] Grapes”
  • “Made with _% Organic Grapes and _% Grapes”
  • “Made with _% Organic [variety] Grapes and _% Non-Organic [variety] Grapes”


“55% Organic Ingredients”といった表記は裏ラベルと表ラベル両方に付けないといけないとのこと。また100%の場合は混同を防ぐためにパーセント表記は入れられないそうです。
Date: 2009/0613 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの物流業者New Vine LogisticsがInertia Beverage Groupの出資を受け,業務を再開したそうです(New Vine Starts Shipping Wine - Wine Business News)。

多くのワイナリがこれでほっとしているのではないでしょうか。
Date: 2009/0612 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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日本でも人気のソノマのワイナリFreemanが24エーカーの林をBodega Land Trustに寄付すると発表しました。この林はFreemanが2007年に購入したOccidentalの地所の一部で,Sebastopolにある現在のワイナリから5マイルほど海よりのところにあります。

50エーカーの地所のうち14エーカーの果樹園と牧草地には5種類のクローンのピノと,一部はシャルドネを植えますが,今回林の部分を寄付することにしたわけです。オーナーのKen Freemanは次のように語っています。
"This is something we are very proud of, " says Ken Freeman. "Even though we are a small, family-owned winery, we wanted to show that you don't have to be big to help save our environment, or to give back to the community. This is a remarkable piece of land, and as excited as we are to be growing Pinot Noir here, we are just as excited to be preserving the diversity of this special place."

Freeman Vineyard & Winery :: Freeman Vineyard & Winery Donates 24 Acres of Redwoods to Bodega Land Trust

新しい畑はFreeman Ranchと名付けられ,2012年にはブドウの半分が自社畑になる予定だといいます。Akikoさんは「Freeman Ranch will allow us even more control over our fruit sources. With its high elevation and close proximity to the coast, this area is perfect for cool-climate viticulture」と言っています。Akikoさん,いつのまにかアシスタント・ワインメーカーという肩書きも付いています。

最近,不況でワイナリに関してもあまりいい話を聞かないのですが,これは久々のうれしいニュースでした。

ちなみに,フリーマンのワイン,下の店かなり安いです。6月19日までは7000円以上買うと送料無料です。


一応,エノテカも一つだけ。
Date: 2009/0611 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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California Wine Quiz - Wine Trivia - delish.com」というのがあります。問題は8問。そんなに難しくはありませんが,2問間違えてしまいました。恥ずかしい。
Date: 2009/0611 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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秋に公開するという日本版の「サイドウェイズ」,既に試写会が始まっているようです。こちらのブログでは結構厳しく評価されていました。

 シナリオがどうしたものかテレビドラマサイズでつまらない。さらに言えば、登場人物が何を考えているのかがわからない。小日向や生瀬(の演じている人物)がどこまで本気なのか、伝わってこない。
 小日向と生瀬、京香と凛子が友達同士、というのもよくわからない。(これはオリジナルの映画でも同じことをかんじたかも)。
 かといって、ナパバレーの観光気分を味わえるわけで、ましてやカリフォルニア・ワインの実用的な知識を得られるわけでもない。


もう一つ,簡単に書いてあるブログもありました。実際どうなんでしょうね。自分で見ていないのでなんとも言えませんが,紹介まで。

【追記】こちらでも紹介。好意的レビューです。
【追記2】こちらも好意的レビューです。書かれた方はカリフォルニアワインにもかなり詳しそうです。


Date: 2009/0608 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの夏の開幕を彩るAuction Napa Valleyが6月7日に開催されました。不況を反映して売上(全額チャリティに回ります)は570万ドル。前年比で44%減という大幅な減少になりました。

ニュースリリースはこちら
Date: 2009/0607 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの物流業者,New Vine Logisticsが業務を停止した問題で,Inertia Beverage Groupが同社を買収(あるいは合併)する方向で解決に向けて動き出しました。
"Inertia Beverage Group has emerged the winner in the financial rugby scrum to snag the remains of New Vine Logistics."

Inertia Beverage Group Acquires/Merges With New Vine | Wine Industry Insight

これはよい知らせですが,一方でNew Vineには不明朗な負債があるという話も浮かんできてなにやらちょっと怪しげな雰囲気もあります。
Date: 2009/0604 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨日報じたNew Vine Logisticsの業務停止で,ここでワインを預かってもらっているワイナリはパニック状態に陥っているようです。Press Democratの記事によると,この会社の在庫は13万ケースに及ぶとのこと。
"A skeleton crew was deluged with requests from wineries attempting to retrieve their inventory from the company’s American Canyon warehouse, where more than 130,000 cases of wine were locked up Tuesday while New Vine winds down its business."

Vintners scramble to retrieve wine from New Vine Logistics | PressDemocrat.com | The Press Democrat | Santa Rosa, CA

記事で紹介されているAlpha Omegaワイナリはテイスティング・ルームで顧客に提供するワインがなくなってしまうとのこと。それだけでなく今後倉庫にあるワインは,同社の資産が差し押さえられると回収すらできなくなる恐れがあります。当初想像した以上に大変な事態になりつつあるようです。
Date: 2009/0603 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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New Vine Logisticsというワイン専門の物流業者が業務を停止しました。各紙で報じていますが,ここでは一番詳しく掲載していたWine Industry Insightというブログの記事をリンクしておきます。

New VineはAmazon.comのワイン配送を担当する予定であり,繰り返し報じられたAmazon.comのワイン参入が遅れたことや不況で個人宛の出荷が減ったため,資金調達が間に合わなくなったようです。Wine Industry InsightではAmazonのワイン参入について,マージンが小さいことと,物流をサード・パーティにゆだねることへの不安,ワインの損失や劣化など,本と大きく異なる点が参入への決断を鈍らせているとのことです。

New Vineの顧客にはBeringerやClineといった比較的大きなワイナリもありますが,それ以上に顧客への直接配送比率が高い小さなワイナリが多く,彼らの痛手は大きいようです。例えばAraujoやPaul Hobbsなどがその例だといいいます。顧客は200ワイナリにおよび,Vinographyによると一時はカリフォルニアのワイン流通の20%近くを占めていたというからかなりの規模です。

ここ数年のワイン業界は顧客への直接配送を重視する方向に動いており,その中でNew Vineは比較的注目される存在だったわけですが,今回の破綻で,直接配送そのものへの逆風が始まるのかもしれません。
Date: 2009/0602 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wall Street JournalがWine Advocate誌のレビュアの倫理問題について記事を掲載した件について,Robert Parkerが自身の掲示板にコメントを発表しました

記事の内容自体は,1カ月前からの論争の後追い以上のものがなかったため,実質的には前回引用した「Writer Standards」におけるParker以外の契約評論家のところで対応は済んでいるわけですが,逆にWSJでParkerの対応についてほとんど述べていなかったことへの弁解などをしています。また,Writer Standardsは会員でないと読めないため,誰でも読めるところにコメントを掲載するという意味もあるのだろうと思います。WSJにパーカーのコメントが不十分な形でしか載らなかったのは,彼がカリフォルニアにテイスティング旅行に出ている間に取材依頼が入り,そのまま締め切りを迎えてしまったからだということです。

WSJの記事,内容的には1カ月前でも書けるもので,どうしてもっと時間をかけてきちんと取材をした形で載せなかったのか個人的には疑問を感じます。締め切りが迫ってネタがなくて,無理やり記事化したような感じです。