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Date: 2011/1229 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocateでの100点ワインというと、ナパのカベルネ系が中心で、近年それにセントラルコーストのシラーなどが入ってきたという感じですが、意外と最近までソノマで100点はありませんでした。

その壁を最初に打ち破ったのがJackson Family傘下のVerite(ヴェリテ)です。特に、今年6月の195号ではVeriteだけのテイスティング結果をパーカーが発表、それまでの1本から一気に7本へと満点ワインが増えました。中でも注目は2007年で、Le Desir、La Muse、La Joieというラインナップ全部が満点でした。

今回はこの2007年がカリフォルニアワインあらかるとに全部入荷しています。値段の39,800は安くないですが、米国でも400ドルを超えますから、ほぼ同等といえるでしょう。

個人的にはカベルネ・フランを多く含むLe Desirが気になります。
Date: 2011/1225 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の198号が発表されました。Antonio Galloniにレビュアが代わって初のNapa Valley特集ということで注目が集まっていました。

最大のポイントは100点のワインが一つもなかったこと。過去3年のNapa Valley特集を見ると2008年が3本、2009年が6本、2010年が9本とややインフレ傾向にあったわけですが、今回は最高が98+でした。ナパの生産者にとっては100点というのは大きなセールスポイントになりますから、これについては残念に思う生産者が多そうな気がします。一方で、消費者にとっては100点が付いたことで価格が高騰してしまうのを避けられるので、悪い話ではないでしょう。トロフィーワインを追い求める人にとっては残念かもしれませんが…

では、どういうワインに高得点が付いているかというと、一つはAbreu。8本が97点以上という高得点をマークしています。98点を取ったのは2008 Abreu Cabernet Sauvignon Thorevilos。パーカーは1年前に96-99点を付けていますから、得点としては大きな違いはありません。ほかにはKongsgaardのシャルドネJudge 2008が98+、Screaming Eagle 2009が98+、DunnのHowell Mountain 2008が98+でした。


Abreu以外にパーカーが過去にレビューしたワインの点を見ると、Araujo 2008がパーカーの96-98から97+、Harlan 2008が95-98から96+と、同じワインの得点を見ると、さほど変わっていない感じがします。そうすると、100点が減ったのは2007年の優良ヴィンテージものの波が終わったから、という見方もできるのかもしれません。このあたりはもうちょっと分析しないといけなさそうです。

さて、今回のサプライズ・ワインは、といえばなんといってもDunnでしょう。2004年を最後にパーカーのレビューがなかったDunnですが、今回ガローニが2005から2008までをレビュー。Howell Mountainのカベルネが2005年から94、95、97、98+、Napaのカベルネが同じく92、94、95、96点という高得点でした。ガローニは、アルコール度を14%以下に無理やり抑えようとする(おそらく加水などによるものでしょう)ことには疑義を呈しながらも、出来上がったワインの品質については賞賛しています。ただし、98+のHowell Mountain 2008の飲み頃は2028~2043年。ちょっと自分の年令を計算してしまうほど遠い先です。

その他、気になるワインの点数を見ると、Tim MondaviのContinuumは2008が96、2009が94。Opus Oneは…まさかのレビューなし。う~ん、ガローニを避けたのでしょうか。
Date: 2011/1219 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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落ち穂拾いでニュースから2点ほど。

故Robert Mondaviの最期の邸宅が売りに出ているという話を書きましたが、購入したのはGina GalloとJean-Charles Boissetの夫婦であることが判明しました(Wine Spectator Exclusive: Uncovering the Secret Buyers for Robert Mondavi)。

二人には今年双子の赤ちゃんが生まれたところです。

業界の誰でも知っている人が買ったというのは悪くない話だと思いますが、Galloの本拠地である、ソノマやModestoからナパはかなり距離があります。本当にここに住むのかどうだか気になります。

もう一つは、Wine Advocate誌のJay Miller問題の続報。Robert Parkerは法律家を雇って調査をしていることを表明しており、さらにInstitute of Masters of Wineも、Jay Millerのワイナリ訪問で金銭を要求したとされているMWのPancho Campo(スペインで最初のMWです)を重大な違反があったかもしれないとして調査しています。

これまでの雲行きからすると、Pancho Campoは黒で、Jay Millerはグレーだけど一応白、といった感じがします(あくまで想像です)。

ただでは済まなそうですね。
Date: 2011/1218 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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三日間ブログを離れてしまいました。ノートパソコンが壊れたり、ネットにつながらなくなったりとアクシデントが続き…。ノートは画面の問題なのは分かったので、とりあえず修理を頼むことにし、ネットはルーターの再設定でなんとか無事に使えるようになりましたが、この年末に困ったことです。

といった与太はさておき、ナパで16番目の新しいAVAが決まりました(Introducing the Coombsville AVA in Napa Valley)。名前はCoombsville(クームズヴィル)。場所はナパ市の南東。既存のAVAで言うとOak KnollとWild Horse Valleyの間と言えばいいでしょうか。Carnerosの東の方という感じでもあります。

海に近いので、比較的気温が低いのが特徴ですが、植えられている品種はCabernet Sauvignonなどボルドー系のものが多いようです。

既にCoombsvilleの名前を付けたワインを作っているのはBighorn Cellars、Laird Family Estate、Farella-Park Vineyards、Monticello Cellarsの4つのワイナリで、これらはどれもAVA名としてそのまま移行する見込みです。
Date: 2011/1211 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマで「Pine Mountain-Cloverdale Peak」という新しいAVAが承認されました(Two Changes in Sonoma's Wine Landscape)。ソノマでは14番目のAVAになります。

新しいAVAはAlexander Valleyの北でソノマの北東に位置し、一部はMendocinoにかかっています。4600エーカーのうち、ブドウが植えられているのは現在わずか230エーカー。このほか150エーカーが開発中とのこと。名前が示すように山地であり、低いところでも標高1600フィート(約487m)あるといいます。

現在、ブドウを植えているのはCapture、Seghesio、Benziger、Coppola。Zinfandelの古い畑以外はカベルネ系のブドウが中心になっています。

この土地は標高が高いため、霧がかからず、日照時間が長くなっています。また、Akexander Valleyよりも気温が低く、雨が多いそうです。

ソノマでは比較的少ない山系のカベルネを産む土地になるようです。今後のワインが期待されます。
Date: 2011/1207 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Enthusiastはこれまで、Cellar Selectionのトップ100やBest Buyのトップ100などは出していましたが、今年は全体のトップ100を発表しました(Wine Enthusiast Enthusiast 100 2011 (10-1) - Wine Enthusiast Buying Guide)。

とはいえ、なんだかよく分からない順位ではあります。トップ10ではJoseph Swanのピノが2位、Shaferのシャルドネが8位、それからPatiannaというMendocinoにあるワイナリのSauvignon Blancが5位。このワイナリは全く知りませんでした。ちょっと面白そうです。
Date: 2011/1206 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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毎年恒例のSFクロニクル紙による2011年の西海岸ワイントップ100が発表されています(Top 100 wines 2011: Cheers to thinking small)。カリフォルニア、オレゴン、ワシントンという米西海岸のワインだけから選んでいるので、他のランキングよりも、当サイトとしては参考になる一覧です。なお、順位は付いていません。

昨年同様、数が多かったのはPinot Noir。中でもオレゴンやカリフォルニアのAnderson Vallyといった涼しい地域のピノや、エレガントなスタイルのピノが多く選ばれているように感じました。

日本で販売されているものを中心にいくつか紹介します。

NV Roederer Estate Anderson Valley Brut Rosé
先日「泡」で紹介したワイン。普通のBrutも番外の「コスト・パフォーマンスの高いワイン」コーナーで選ばれています。


2009 Kongsgaard Napa Valley Chardonnay

コングスガードの「Judge」じゃない方ですが「これまでのベストではないか」というからただごとではないかもしれません。


2009 Foxglove Central Coast Chardonnay
赤丸急上昇Neelyの廉価版。Wine Advocateでも注目されているブランドです。日本でも2000円台。これは飲まなくては。


2010 Grgich Hills Estate Napa Valley Fumé Blanc
懐かしい名前

2010 Spottswoode Napa-Sonoma Counties Sauvignon Blanc
これは定番、鉄板のワインです。国内の値段も良心的。Napa-Sonomaとなったのは知りませんでした。


2008 Calera Reed Vineyard Mt. Harlan Pinot Noir
「Josh Jensenが作ったワインの中でベストの一つ」と言い切っています。ただし10年はセラーに入れろと。カレラからはコスト・パフォーマンスの高いワインのコーナーでもセントラルコーストのピノが選ばれています。ここ数年のカレラは勢いがありますね。


2009 Freeman Sonoma Coast Pinot Noir
August WestのEd Kurtzmanが作るワインです。オーナー夫妻のうち夫人のAkikoさんは日本人。カリフォルニアのよさと日本の繊細さがいい意味で組み合わさったワインだと思います。


2008 Kapcsandy Family State Lane Vineyard Estate Cuvee Yountville Red
Wine Advocateでいきなり2年連続100点を取ったシンデレラワイン「キャプサンディ」のレギュラーものです。とはいえ日本では2万円台。高嶺の花ですが。


2009 Brown Estate Napa Valley Zinfandel
まだこのヴィンテージは日本に入ってきていないかな?ここのジンファンデル、おいしいと思います。

NV Marietta Cellars Old Vine Red
パーカーも大好きなマリエッタのオールド・ヴァイン。最近日本では見なくなってしまいました。良いワインなんだけどなあ。

2009 Ridge Lytton Springs Dry Creek Valley Red
米国では35ドルです。安くしてください。
Date: 2011/1206 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日お伝えした、Wine Advocate誌のレビュワーJay Millerに関して、2011年末でWine Advocateを離れることをロバート・パーカーが発表しました。

パーカーは、Jay Millerが離れる理由を明確には書いていませんが、過酷なスケジュールと孤独な執筆作業、すばらしい発見がある一方で、何千もの凡庸なワインのテイスティングがあること、などでレビュワーは疲弊するのだと示しています。また、これまでの貢献についてもJayをねぎらっています。

また、Jay Millerのコメントとして、今回の騒動とは無縁であり、ワイナリ訪問で金銭を受け取ったことは一度もないことが付記されています。

Jayのカバー範囲のうち、スペインと南米はNeal Martinが、オレゴンとワシントンはDavid Schidnechtが新たに担当することになります。

まあ、おそらく今回の件はこれで“手打ち”ということになるのでしょう。Jayの名誉は守った形で実質解雇なのだろう、という線ではないかと思ってしまうのですが、どうなのでしょうね。
Date: 2011/1205 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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以前、Robert Mondaviが最後に住んでいた家が売りに出ているという記事を書きましたが、このほど無事に売れたそうです(Robert Mondavi's Napa Valley estate sold)。

もう一つ落ち穂拾いで昨日、スパークリング・ワインのことを書きましたが、Ch. Igai Takahaにも最近スパークリング・ワインが追加されているのを忘れていました。ブラン・ド・ブランとブラン・ド・ノワールがあり、ブラン・ド・ブランはシャルドネ、ブラン・ド・ノワールはピノ・ノワール100%。どちらもスティル・ワインで十分においしいものを泡にしたものです。これも興味深いですね。

Date: 2011/1204 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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1本を3日くらいかけて飲むことが多い私の場合、普段はなかなか泡は開けられないのですが、クリスマスなどにはやはりスパークリング・ワインがほしくなります(結婚記念日も今月だし)。

ところがセラーにはスパークリング・ワインが1本、それももうなかなか開けられないものしかないので、そろそろ買っておこうかと物色中です。

現在の候補をとりあえず安い方から。


シャンドンのロゼ、日本で安いです。安すぎるくらい。悪くはないと思います。ただ、ちょっと安すぎるのが難点かもしれません(なんとなく有難味がない。ww)


ロデレールのブリュットはすごくお買い得なスパークリングだと思います。味も好きです。


ロデレールのロゼは飲んだことないのですが、この値段なら買ってもいいかなあというところ。現在の第1候補。


ブラン・ド・ノワールを飲むことが多いですが、最近シャルドネ好きなのでブラン・ド・ブランもいいかなあと思うことも。シュラムスバーグもおいしいと思います。
Date: 2011/1203 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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スペインのワイン・ブロガーが書いた記事が大きな話題になっています。Wine Advocate誌のレビュワーでスペインを担当しているのはJay Miller。この人のワイナリ訪問をPancho CampoというMaster of Wineの人がアレンジしていて、D.O. Vinos de Madridというワイナリに行くのに2万ユーロを要求したというのです。

ロバート・パーカーは自身の掲示板でこれに反応して、以前も同様の指摘があったが、調べたところ証拠は何もなかったこと、法的手段も辞さないことなどを表明しています。

ブロガーの方は、Wine AdvocateやJay Millerを非難しようとしているわけではないと、やや逃げ腰?

ただ、Jay Millerには以前にも、アゴアシつきでのワイナリ訪問をしていたといったことがあり、Wine Advocateのレビュワーの中ではちょっと危なっかしい感じがあり、今回のも「さもありなん」と思った人も多いでしょう。

今後の動向に注意します。
Date: 2011/1202 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Harlanの新プロジェクト「Promontory」が明らかにという記事で紹介したBill Harlanの新プロジェクトのWebサイトができていました。まだ、ほとんど「ガワ」だけですが、ML用に住所などの登録フォームはできています。

パーカーの掲示板では、業界関係者による試飲レポートも上がっており、「Bondの大部分より上」ではないかと評価しています。100%カベルネなので、Harlanと比べると男性的で力強いワインになりそうです。掲載されていた畑の航空写真を見ると、ほとんど段々畑かと思うような急勾配の斜面で、これはかなりすごいところだと思います。