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Date: 2020/0630 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・エンスージアスト誌が、世界の黒人所有ワイナリーのリストを作っています(A Global Guide to Black-Owned Wine Labels | Wine Enthusiast)。米国が60余りで南アフリカが40程度、後はごく少数となっています。

こう見ると、米国は「まだまし」な方なのかもしれませんが、ワイナリー全体に占める割合で考えると極めて低いです。ワイン業界が白人中心に回っているのは否めないところであり、今後変わっていくべきことはたくさんありそうです。

また、ワイナリーのリストを見ると、他業界、特にスポーツとエンターテインメントで活躍した人が所有するワイナリーがかなり多いことが分かります。米国のプロスポーツは黒人が相当比率いますから、うなずけるところではありますが、逆に言うとそれ以外の業界ではまだまだ黒人の活躍は少ないとも言えそうです。

なお、リストの中で日本に輸入されている米国のワイナリーは、ヴィジョン・セラーズ、ブラウン、ボドキンの三つかと思います。ヴィジョン・セラーズはサンタ・ルシア・ハイランズのピノ・ノワール、ブラウンはナパのジンファンデル、ボドキンはソーヴィニョン・ブランのスペシャリストとして、いずれも素晴らしいワインを作っています。ぜひお試しを。

Date: 2020/0626 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ピーター・マイケルに6代目のワインメーカーが誕生しました(Peter Michael Winery Appoints Robert Fiore as Winemaker)。昨日セミナーでピーター・マイケルのワインメーカーの話をしたばかりなので、びっくりです。

なんと言ってもピーター・マイケルは、今はマーカッシン(Marcassin)で知られているヘレン・ターリーを「発見」したワイナリーであり、2代目が現在はオーベールでワインを作るマーク・オーベール、3代目が現ペイ(Peay)のヴァネッサ・ウォン、4代目が現モルレ・ファミリーのリュック・モルレ、5代目がその弟のニコラス・モルレとなっています。

これがどれくらいすごいかというと、例えばカリフォルニアで「パーカー100点」を取ったシャルドネは20本強ありますが、その中でコングスガードの3本を除いたすべてが、現もしくは元ピーター・マイケルのワインメーカーによって作られたものです。ピノ・ノワールに至っては「パーカー100点」全6本のすべてが現または元ピーター・マイケルのワインメーカーによるものなのです。

この華麗なる系譜を引き継ぐのがロバート・フィオーレという人。
ロバート・フィオーレ
左がロバート・フィオーレ

この人は地質学の学位を持っているという変わり種。そこからワインに興味を持つようになってUCデーヴィスで醸造学を学びました。

その後はスプリング・マウンテンやアリエッタなどで働き、サンタリタヒルズでは「フィオーレ・ワン・プロジェクト」として、レイモンド・ワンという人とワイナリーをやっています。このほか、近年はコンティニュアムでアソシエイト・ワインメーカーを務めていました。

ピーター・マイケルでの経験がない人をいきなりワインメーカーに据えるというのもなかなか大胆なことです。

歴代ワインメーカーの華麗なる系譜に華を添えるか、要注目です。

なお、モルレ兄弟はコンサルタントとして残るとのことです。
Date: 2020/0625 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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3カ月ぶりにセミナー講師をしました。アカデミー・デュ・ヴァンで本当は3月に終わる予定だったクラスですが、コロナによる学校閉鎖でここまでずれ込んでしまいました。
ピーターマイケル
今回のテーマはピーターマイケル。振り替えで受講された方も多く、楽しい時間になったと思います。

ワインの中では2005年のシャルドネ「ベルコート」が絶品。15年も経っているとは思えないほどのみずみずしさがあり、ハチミツのようなとろける味わいや、熟成によるアロマもきれいに出ていました。16年のも相当美味しかったのですが、全員一致で05年が好きとのこと。

ピノ・ノワールの「マ・ダンスーズ」はフォートロス・シービューらしい、しっかりとした酸と、濃い果実味。ナパのオークヴィルの果実を使ったカベルネの「オー・パラディ」は実は私も初めて飲みました。「レ・パヴォ」だと思い込んでいて、「ナパとは違う」などと説明してしまい、恥ずかしい限り。「オー・パラディ」、もっとガッツリ系かと思いきや、かなりエレガントさのあるカベルネ・ソーヴィニヨンでした。

本来、4月から始まる予定だった次期の講座、このゴタゴタで残念ながら2つは不成立。7月10日に始まる超贅沢な「超一流」も後1人必要な状況です。

この機会に、美味しいワインを飲みませんか?

カリフォルニアの超一流ワイナリー | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
Date: 2020/0623 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン業界における人種差別問題に、声が上がり始めました(What Racism Looks Like Inside a Napa Valley Tasting Room | VinePairCourt of Master Sommeliers, facing racism charges, to eliminate ‘master’ address - SFChronicle.com)。

テイスティングルームにおける問題はJ'NAI GAITHERというライターが告発しています。この人は、ナパのテイスティングルームで働いていたとき、客との会話でたびたび傷つきました。

例えば、こんなやり取りがあったそうです。
「どうしてワイン好きになったの?」
「2004年ころ、ブルゴーニュにのめり込んで…」
「え!?ほんとに!?」
「そんな変ですか?」
「だってブルゴーニュは価格も高いし、洗練されているじゃない。信じられない…」

こういったやり取りは日常茶飯事で、さらに悪いことには、上司は彼女のこういった悩みをまったく理解しなかったのでした。彼女は結局15カ月でその仕事をやめました。

もう一つ、マスターソムリエについてはTariirah Habibiというアトランタ州に住むワインのプロが経験を報告しています。彼女が、コート・オブ・マスターソムリエの入門試験を受けにいったとき、試験監督が受験者に対して「マスター・~~」と呼ぶように言ったことにショックを受けました。マスターという称号が、奴隷制度を思い出させるものだったからです。

彼女はその試験を通りましたが、それ以上のコースに進むのはやめました。現在は、黒人のワイン・プロフェッショナルをサポートする組織を立ち上げています。

コート・オブ・マスターソムリエは近日彼女と話をして、今後は「マスター+名字」の呼び方を廃して、「マスター・ソムリエ」とフルで呼ぶことに変えるとのことです。

マスターソムリエに関しては先週、著名なマスターソムリエであるリチャード・ベッツがマスターソムリエをやめると表明しています。ベッツはコート・オブ・マスターソムリエが人種問題などへの対応が遅いことに加え、2018年に起こった試験問題の漏洩事件に対する対処に不満があることをその理由に上げています。

日本に住む日本人にとっては人種問題は遠い話のように感じられるかもしれませんが、日本人も有色人種であり、実際には差別される対象にも十分なりえます。もちろん、差別されるから知っておくべきだということではなく、知らず識らずのうちに差別する側に回ることも十分ありえることであり、対岸の火事で済ませていてはいけないと思います。
Date: 2020/0622 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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モントレーに多くの畑を持つ人気ワイナリー「シャイド・ファミリー(Scheid Family)」が低カロリー、低アルコールの新しいブランドを発表しました(Scheid Family Wines Launches Sunny With a Chance of Flowers, An Innovative Zero Sugar, Low Calorie, Low Alcohol Wine)。シャイド・ファミリーという名前はあまり目にしないかもしれませんが、コスパ高い「ランチ32」や漫画のラベルで人気を呼んだ「オツド・ロット」などを作っているワイナリーです。
sunny wine
新しいブランドの名前は「Sunny with a Chance of Flowers」。価格は16.99ドル。2019年のソーヴィニヨン・ブラン、2018年のシャルドネとピノ・ノワールがあります。すべてモントレーのサステナブルな自社畑のブドウを使っています。

独自の醸造技術を使い、カロリーはグラス一杯(140グラム)で85カロリーと約3割減。アルコール度数は9パーセントです。

コアなワインファンは「こんなマニピュレートされたワインなんて」と思うかもしれませんが、私は大いに「あり」だと思います。若い世代をワインに呼び込むためには、低カロリーも低アルコールも必須です。敢えていうなら缶入り版も一緒に出して欲しかったところ。パッケージも変わらなければワインは遺物になってしまうでしょう。
Date: 2020/0621 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの名門ワイナリーであるBVことボーリュー・ヴィンヤードのワイナリーツアーが、オンラインで日本人向けに開催されます。主催はBVの親会社の日本法人であるトレジャリー・ワイン・エステーツ・ジャパンです。
BV
開催日時は7月11日(土)12:00~13:30。参加費は視聴のみなら500円。ワイン送付込みなら5500円。いずれも税込みです。

ワインはナパのカベルネ・ソーヴィニヨンとプレステージ・シャルドネの2本が付きます。

内容は
 ・ボーリュー・ヴィンヤードの歴史
 ・カリフォルニア・ナパの畑、気候など
 ・ワインメーカーや哲学
 ・テイスティングしながらワイン紹介
 ・ワイナリーの裏話等
 ・質問コーナー

ワインメーカーのトレヴァー・ダーリン自らが説明をするというなかなか贅沢なイベント。ワイン付きは限定36名です。

申込みはこちらから。
【オンラインワイナリーツアー】カリフォルニア・ナパの歴史あるワイナリー「ボーリュー・ヴィンヤード」を巡る(ワイン付き/視聴のみ オンラインワインイベント) | Winomy-ワイノミ- ワイン持ち込みOKのお店が探せるグルメサイト
Date: 2020/0618 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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david pearson
2004年からオーパス・ワンのCEOを務めていたデヴィッド・ピアソンが電撃辞任しました。ハーラン・エステートなどのワイナリーを持つビル・ハーランの新しいプロジェクトに参加するとのことです。

デヴィッド・ピアソンは1990年代初頭からバロン・フィリップ・ド・ロートシルトの米国マーケティングを担当し、1996年からはロバート・モンダヴィで働きました。

オーパス・ワンのCEOになってからはブランド価値の強化に務め、ワインメーカーにマイケル・シラッチを登用して品質も改良。2000年代初頭の「有名で、価格は高いが、品質はもうひとつ」というイメージを覆し、トップレベルの品質に到達しました。販売ルートもボルドーのネゴシアンを経由する形に切り替え、レストランなどからの横流しを厳しく取り締まりました。

今後はビル・ハーランの新プロジェクトに関わっていくとのことですが、新プロジェクトの立ち上げまではメドウッド・リゾートおよび会員制のワインづくりプロジェクトであるナパ・ヴァレー・リザーブのセールスを担当するとのことです。

オーパス・ワン側の後任などについては発表されていません、
Date: 2020/0617 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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リッジがなんと1971年以来47年ぶりにピノ・ノワールを作りました。早速試飲しましたので報告します。


畑はサンタ・クルーズの町から東の方にいったところにある「コラリトス(Corralitos)」のガリ・ヴィンヤード(Gali Vineyard)。AVAとしてはサンタ・クルーズ・マウンテンズの枠外になります。サンタ・クルーズ・マウンテンズは標高で領域が決まっていますが、それよりも下、つまりより海に近いところにある畑です。太平洋からは約10kmで、間に遮るものがないので、霧などの影響はかなりあるはずです。ガリ・ヴィンヤードのサイト(Vineyard — Gali Vineyards)によると午後は風が吹いて霧が消えることで温度が上昇し、朝と昼との気温差は20℃近くにもなるとのことです。

非常にユニークなのは、樽熟成でアメリカンオークの樽を使っていること。84%がアメリカンオーク、16%がフレンチオークとなっています(新樽率は15%)。ピノ・ノワールでは異例ですが、リッジはシャルドネを含むほかのワインでもアメリカンオークを使っていますから、そこには自信があるのでしょう。

実際に試飲してみると、赤系果実の味わいに、アメリカンオーク由来かと思われる甘やかさと、バランスの取れた酸があり、とても飲みやすく万人受けするピノ・ノワールだと思いました。

トマトと牛肉をすき焼き風味で煮て、山椒でアクセントを付けて合わせてみたのですが、すき焼きの甘さと山椒のスパイス感によくあって、美味しかったです。



Date: 2020/0613 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・サーチャーが、オークション・ハウス「アッカー・メラル&コンディット」が偽造疑惑のあるロマネ・コンティをオークションのリストから外した話をレポートしています(DRC Withdrawn from Auction After Protest)。
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(写真はアッカー・メラルにおけるもの)

このワインは1924年のロマネ・コンティとしてオークションにかけられる予定だったもの。しかし、ラベルが手書きのものであることや、ボトルが19世紀に使われていたが1920年代にはもう使われていなかった、表面にしわのあるタイプであることから、カリフォルニアの弁護士がリストからはずすよう再三依頼し、結局おろされたとのことです。

ただ、疑惑はまだあり、このワインを出品していた人は匿名の収集家で、同じオークションにほかにも50に上るロットを出品しています。

ワインの偽造といえば2012年に有罪判決が出たルディ・クルニアワンの事件が有名です(参考:ルディ・クルニアワンの偽造ワイン、未だ600億円分以上が市場に出回る)。参考記事に記したように、いまだにワイン業界はこの事件の後遺症を引きずっています。

アッカー・メラルは2005年のカタログにおいて、ルディ・クルニアワンを絶賛しており「ワインを実際に検証している」コレクターだとしています。また、「何十年もの経験があり」とも記述していますが、クルニアワンは当時28歳であり、そこから既に記述の信頼性は失われています。

ワイン・サーチャーは、同じ出品者による他のロットについてや、同社がどういうチェックをしているのかなど、追加の質問をアッカー・メラルに送りましたが、返事は来ていないとのことです。
Date: 2020/0611 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Oregon Wine Board
オレゴン州のワイン業界の団体「オレゴン・ワイン・ボード」は2020年6月10日、米国における「ブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter)」の動きに呼応して、改めて人種差別の撤廃と平等の推進をしていくと宣言しました。

4項目からなる宣言の内容は以下の通り。

組織開発と説明責任
オレゴン・ワイン・ボードの役員とスタッフは、人種差別が歴史的かつ現在私たちの産業を形作っている方法をよりよく理解することを含む、公平性と包括性のトピックに関する教育とトレーニングに参加することを約束します。

私たちは知事の多様性、衡平性、包括性のスタッフと協力して、プロのパートナーが見つかるまでの間、彼らの援助を受け、夏の終わりまでに最初のトレーニングプログラムを完了する予定です。これは、反人種主義と公平性の原則を組織の文化により完全に組み込むための取り組みの最初のステップです。

オレゴン・ワイン・ボードの多様性を高めるため、スタッフ、委員会を募集します。組織のベンチマークを設定して、進捗状況を追跡および報告できるようにします。

プログラムとパートナーシップの代表
私たちは、すべての視聴者とチャネルにわたるメッセージングで、人種と性別の表現の多様性を確保します。

これは、オレゴンワインの新しいブランドアイデンティティの開発に着手する際に特に関係があります。この重要なプロジェクトのパートナーを選択する際には、多様性と公平性に対する企業の取り組みを考慮します。イベント請負業者から地元の印刷業者、そしてその間の全員まで、私たちが関わるすべてのパートナーに対してこれを行います。

声を増幅する
私たちは、少数民族が所有するオレゴンのワイン事業のリストを収集して維持し、パートナーと協力して少数民族が所有する観光事業を拡大します。これらのリソースは、メディアや消費者と共有します。

メディアツアーのためにオレゴンに招待する人々を含む、私たちのソーシャル・スペースとメディアプロフェッショナルの多様性のために採用します。

ワイン専門家のための開発機会
私たちは、有色人種のワイン専門家のための奨学金プログラムを実施し、オレゴンワインシンポジウムへの出席と州内の他のワイン教育の機会を設けます。このプログラムの詳細を今秋に発表します。

私たちは、貿易および産業向けの教育サービス全体にわたって、多様なプレゼンターと参加者を募集するよう努めます。
Date: 2020/0610 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・スペクテーターの記事によると、ソノマのチョークヒル(Chalk Hill)などのオーナーであるビル・フォーリー(Bill Foley)が、ソノマのドライ・クリーク・ヴァレーにある人気ワイナリー「フェラーリ・カラーノ(Ferrari-Carano)を買収することで同意したそうです(Exclusive: Bill Foley Expands Empire with Sonoma Jewel Ferrari-Carano | Wine Spectator)。
ferrari-carano
ビル・フォーリーは90年代にサンタ・バーバラでリンコート(Lincourt)やフォーリー・ワイン・エステートを設立したのに始まり、数々のワイナリーを買収してきました。中には現在、拠点を構えるソノマの名門チョークヒルやソノマ・ヴァレーのセバスティアーニ(Sebastiani)、ナパのメラス(Merus)、セントラル・コーストのシャローン(Chalone)といった有名ワイナリーが含まれています。

フェラーリ・カラーノはリノ(Reno)でカジノ・リゾートなどを経営するカラーノ夫妻が1981年に設立したワイナリーでフュメ・ブランやシャルドネなどが人気。ワイナリー自体もきれいな庭や豪華な建物で人気観光地になっています。

ビル・フォーリーによると、フェラーリ・カラーノのフュメ・ブランは15ドル以上、シャルドネは20ドル以上で売られており、フォーリーのポートフォリオのプレミアム化に役立つとのこと。

また、生産設備を2つ持っており、設備老朽化でリニューアルを迫られているセバスティアーニを補完することもメリットです。

買収金額は公表されていませんが、2億5000万ドル程度と見られています。
Date: 2020/0609 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズなどが、ワイナリーのテイスティングルームの早期再オープンを訴えているという話を書きましたが、6月5日に急遽ニューサム州知事が再オープンを認めることになりました(Relief All Round as Napa Reopens | Wine-Searcher News & Features)。

実は、私も勘違いをしていたのですが、当初テイスティングルームの再オープンに食事のサービスが必要となっていたのは全カリフォルニアではなくナパだけの話だったようです。既にソノマではテイスティングルーム再オープンが認められていたとのこと。最終的に再オープンを認めるのは郡によるので、このあたり地域ごとに対応が違っていて、わかりにくいです。

ともかく、ナパもようやく再オープンが認められたのでこれから順次ワイナリーも開いていくことになるでしょう。

また、食事の提供をしているV. サトゥイ(Sattui)などは既にテイスティングを開いています。ただ、テイスティングルームに入れる人数は、これまで認められていた人数の20%までとかなり厳しく制限されています。

このほかにもいろいろと厳しい手順に沿わなければいけないので、ワイナリー側も準備や従業員の教育など、簡単には再オープンできない事情もあるようです。

また、人数制限のこともあり、当面はテイスティングは予約した人のみということになります。ワイナリーに行く際は必ずワイナリーごとに確認して予約してから行くようにしてください。
Date: 2020/0606 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン雑誌「ワイナート」の2020年夏号でカリフォルニア・ピノ・ノワールの特集が掲載されています。同誌の巻頭特集でカリフォルニアワインが取り上げられるのはなんと創刊号以来とのこと。約25年ぶりということで、なんの関与もしていな私も感無量です。
ワイナート
それだけ取り上げられなかったのは最初の号、よほど売れなかったんでしょうねえ……。遠い昔、「カリフォルニアワインのファンクラブ」の初期のころに、当時の編集責任の方が「カリフォルニアワインなんて取り上げても売れないからやらない」というような旨のことを書かれていたのを思い出しました。

というわけで、今回売れないと、また今後25年、巻頭特集にならないかもしれないので、みなさまぜひ立ち読みで済まさないで買ってください。

内容はむちゃくちゃ濃いです。執筆は私も大変お世話になっている立花峰夫さん。この記事を書いた後、体調を崩して入院してしまったというほど力を入れています。北はソノマ・コーストのリトライやハーシュ、南はサンタ・バーバラのオー・ボン・クリマやドメーヌ・ド・ラ・コートまで、10個のワイナリーがテイスティング・コメントも含め、詳しく取り上げられています。

立花さんの文章もいいですが、さすがワイナート、写真もきれいです。

さらに第2特集では「ピノ生産者が手掛けるカリフォルニアワイン」。こちらも結構知らないことが載っていてびっくり。ロバート・シンスキーが日本に輸入されえちるのもしらなかったし、それになんといっても驚いたのがあのリッジがピノ・ノワールを作っているという話。

ページ数は全部で56ページ。絶対損にならないというか永久保存版ですので、繰り返しますが、カリフォルニアワインファンの方はぜひ買ってくださいませ。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

Winart (ワイナート) 2020年 07月号 [雑誌]
価格:1980円(税込、送料無料) (2020/6/6時点)

Date: 2020/0605 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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高級ワインを作るワイナリーは375mlのハーフボトルをもっと考えるべきだとワイン・ジャーナリストのW.ブレイク・グレイが提言しています(Considering the 375 ml Format: The Case for the Alternative ...)。

著名な業界アナリストのロブ・マクミランは若い世代や一人暮らしのコンシューマーにとって、ハーフボトルはより魅力的だとしていますが、グレイはそれよりもサンプル目的などで増やすべきとしています。

フェラーリ・カラーノ

コロナ禍において、ワイナリーはサンプル・ボトルの出荷を大幅に増やしています。ソノマのフェラーリ・カラーノは従来からフュメ・ブランの2%ほどをハーフボトルで売っていましたが、近年はシャルドネも追加するとともに、フュメ・ブランのサンプルはすべてハーフボトルに変更しました。これはとてもよく受け入れられているといいます。

また、レストランもテイクアウト用にハーフボトルを増やしているといいます。

以前から、リゾート地などでは飲みきりサイズの酒類が人気でしたが、これまでワインはそこにほとんど入っていませんでした。ハーフボトルはそういった需要もあります。

飲みきりという観点からすると、飛行機で提供されているような1/4サイズ(187ml)のボトル、という考えもありそうですが、このサイズになると、スクリューキャップも一般的なサイズではなく専用のものになったり、これまでのボトル詰めの機械が使えないなど、パッケージにかかるコストが非常に大きくなってしまいます。ハーフボトルの場合はコルクやスクリューキャップなどはフルボトルと同じサイズであり、同じボトル詰めの機械が使えます。フェラーリ・カラーノによると、サイズを切り替えるためのコストである300ドルがかかるだけで、後は変わらないとのこと。

ただ、ワインの量が半分になってもパッケージのコストは下がらないため、ハーフボトルが割高になるのは否めません。そういう意味では安ワインよりも30ドル以上する高級ワインに向くとしています。

缶入りのワインでは375mlよりも250mlのニーズの方が高いという話も、以前紹介したことがあります。ワインでもパッケージの小型化は徐々に進んでいくのでしょうか。このコロナのパンデミックが一つのきっかけにはなりそうです。
Date: 2020/0604 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ダックホーンが日本のワインショップやレストランを対象に特別価格でセットを販売できるようにしています。

参加しているショップの一覧はこちら。
ダックホーン・サポート・プロモーション参加店 – 中川ワイン – カリフォルニアワイン

例えば横浜のショップ坂口屋ではデコイのスパークリングを含む4本のセットで税込み1万1000円。27%オフとなっています。


カリフォルニアワインあとりえでは、セットの割引に加え送料無料で各種セットを販売しています。
ダックホーン系各種送料無料セット
Date: 2020/0603 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「Black Lives Matter」や「Black Out Tuesday」でのSNSにおける投稿がワイン業界にも広がっています。ジョージ・フロイド氏の警察による拘束死(殺人)に端を発した抗議です。

ニューヨーク・タイムズの記事の動画に、何が起こったのかつぶさに紹介されています。ひどい話でいたたまれませんが、こういった動画がちゃんと公開されるということに一抹の健全性を感じます(さまざまな疑惑が闇に葬られている日本と比べると)。
8 Minutes and 46 Seconds: How George Floyd Was Killed in Police Custody [Video] - The New York Times








Date: 2020/0602 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Brand
ナパのプリチャード・ヒルにあるワイナリー「ブランド(Brand)」が粋なプログラムをこの5月6月に行っています。ブランドの赤ワイン「ブリオ(Brio)」をワイナリーから購入すると、その購入した人が選んだ救急の人に、同じボトルをプレゼントするというもの。ワインは1本150ドルするものです。ワインには購入した人によるメッセージカードが付けられるとのことです。

ワイナリーのインスタグラムには、プレゼントされたボトルを持つ医療関係者の写真がいくつか挙げられています。

このパッケージの注文はこちらからです。
FromBRANDwithLove | www.brandnapavalley.com
Date: 2020/0601 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ郡や、ナパのワイナリーのケイマスがワイナリーの早期再開を求めてアクションを起こしています(Napa County CA asks Newsom to lift restrictions on wineries | The Sacramento BeeNapa Valley winery Caymus Vineyards seeks court help to speed reopening of California's tasting rooms)。

ナパなど、カリフォルニアの多くの地域では、ニューサム州知事のいう「フェーズ2」の外出制限措置解除に入っています。フェーズ2の前期では様々なショップ(飲食店を除く)で店舗前での商品の受け渡しやデリバリーができるようになり、後期ではレストランなども一定の条件を満たした上でオープンできるようになりました。ワイナリーも食事を提供する場合はレストランと同様の扱いになりますが、食事を提供しない場合は対象外となっています。

これが理不尽だと主張しているのがナパ郡やケイマスです。ナパ郡はカリフォルニア州あてに、ワイナリーの早期再開を求めて請願を出しており、ケイマスは州の厚生担当のソニア・エンジェルを、ワイナリーを除外したのは憲法違反だとして提訴しています。

カリフォルニアでは日本より1カ月早い3月上旬からシェルター・イン・プレイス(SIP)に入っていますから、もうじき3カ月となるところで、かなりフラストレーションが溜まっているところだと思います。