Kutch Wines(クッチあるいはカッチ)はJamie Kutchが2005年に設立した新しいワイナリです。「In Pursuit of Balance」(IPOB)という、バランスの取れたワインを志すグループの中でも注目株の1つとなっています。
ニューヨークにおいて有名な証券会社のメリルリンチでNASDAQのトレーダーをしていたJamieは、ワイン作りに興味を持ちました。インターネットの掲示板上でKosta BrowneのMichael Browneとやり取りするようになり、インターンとして学ぶためにサンフランシスコにやってきます。
当初は平日トレーダーとして働き、週末はKosta Browneで修行をするという生活。そして2005年にKutch Winesとしてワインを作り始めました。
ピノ・ノワールを専門としています。Kosta Browneが果実味たっぷりの濃いワインで知られているのに対し、Kutchは2007ヴィンテージから逆の方向を目指すようになりました。ソノマ・コーストやMendocinoのAnderson Valleyといった冷涼な地域の冷涼な畑と契約しています。収穫時期も他のワイナリに先んじます。
ワイン作りはできるだけ自然な形を志しています。オープントップの醸造槽で天然酵母を使い、手や足をつかってパンチダウンをしているといいます。
まだ勉強中とのことで、年によって変わる部分もあります。例えば、2011年は除梗なしのブドウの比率を上げ、樽熟成の期間を18ヶ月から10ヶ月へと短くしたとのこと。これが功を奏したのか、Wine Advocate誌ではのきなみ90点以上、McDougall Ranchは95点という高得点でした。
なお、妻のKristenとの間には有名なエピソードがあります。ブドウを収穫すると、ベルトコンベアのような選果台で悪い果実を取り除く作業をしますが、彼女が選果しているときに、婚約指輪の入ったケースを選果台に流したのです。それを取って中を開けて驚き喜ぶシーンはテレビで放映され、Kutchのサイトで今も見られます。