California wine and other wine related issues(Japanese only)
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2002年は失速 2002 California Grape Acreage Report, May 2003

カリフォルニア州が，ブドウの植付け面積統計の2002年版を発表しました。ブドウの種類や植付け年ごとにエーカー（1エーカーは4046.8m²）で示しています。白ワイン用ブドウ（表4）と赤ワイン用ブドウ（表5）を見ると，なんといっても目立つのは2002年の植付けの少なさです。白ワインで見ると，Chardonnayが圧倒的に多いのは変わらないですが，失速も明らか。がんばっているのはSauvignon BlancとPinot Gris。赤ワインで見ると堅調なのはZinfandelくらい。Pinot NoirもSyrahも大幅に失速してます。
posted by Andy at Friday, May 30, 2003

 
5月は暖かくなってよかった Warmer weather cheers growers

関東はGW明けから天気が悪い日が多く，4月よりも涼しく感じますが，カリフォルニアは4月まで寒くて雨も多く，5月になってから急速に暖かくなったそうです。大事な開花時期，今からの天候不順はブドウの出来に直結する危険が高くなります。今年もよい年でありますように。

posted by Andy at Thursday, May 29, 2003

 
UC Davisの新校舎 The Sacramento Bee -- sacbee.com -- Mondavi dream coming up short

UC Davisと言えば，カリフォルニアにおけるワイン研究のトップす。カリフォルニアのワイン業界に多大な影響を与えると同時に，多くのワインメーカを育ててきました。Robert Mondaviが中心になって，そこに新しいWineと食のセンターを作るという計画が進んでいないという話です。Mondavi自身，2年前に2500万ドルを寄付しているのですが，まだ1500万ドル不足しているとか。このご時世，なかなか寄付が集まらないようです。

記事で，興味深かったのは，今使っている設備のこと。UC Davisのワインコースは1933年に禁酒法が解けた直後に始まったのですが，そのときから基本的に変わっていないとのこと。ワイン作りの基本である「清潔さ」を維持することもままならないようです。また，樽を置く場所もないため，コースにそれが入っていないとのこと。UC Davisというと最新技術というイメージがあるのですが，そんな状態とは驚きました。

というわけで新しいセンターは必須だと思うのですが，1500万ドルは大金ですねえ。なんとかならないものでしょうか。
posted by Andy at Wednesday, May 28, 2003

 
温故知新 Quintessaの新テイスティング・ルーム

Quintessaというと，ちょっと懐かしささえ感じるワイナリですが，まだまだ新しい部類のワイナリですし，コンスタントにいいワインを作っています。そこが新しいテイスティング・ルームを作ったそうです。環境とうまくマッチしたいいところのようです。ツアーあるいはテイスティングの予約は(707)967-1601.FAXは(707)286-2727 住所は1601 Silverado Trail，St.Helena。

posted by Andy at Tuesday, May 27, 2003

 
CaliforniaでNebbiolo Wine Spectator | Web Features | The Heartbreak Grape

Wine Spectatorより，ナパでNebbioloを作る話。ご存知のようにNebbioloというのはイタリアのピエモントでBarolo，Barbarescoに使われているブドウ。同じイタリア品種でもChantiで使われるSangioveseはカリフォルニアでもそこそこ成功していますが，Nebbioloに関してはこれまで成功例がありませんでした。

その難問にMt. VeederにあるParas Vineyardが取り組み，それなりに成功した（WSで90点）という話です。Mt. Veederの霧が好作用したのではないかということですが，やはりかなり育てるのは難しいブドウのようです。後に続くワイナリはあるのでしょうか。

posted by Andy at Monday, May 26, 2003

 
意外と人気のスクリューキャップ Only a matter of time before screw-cap sales explode

San Francisco Chronicleの記事から，コルクに代わってスクリューキャップの採用が伸びているという話。現実的にはスクリューキャップで十分だと思っても，コルクの方が高級な気がするというのが大勢ではないかと思っていたのですが，Downing Family Vineyardsのメーリング・リストでは半数の顧客がスクリューキャップを選んだそうです。90％スクリューキャップにしてしまったBonny Doonも「一番びっくりしたのは，（スクリューキャップにしたことが）ユーザーにとってどうでもいい問題だったこと」（Randall Grahmオーナー）といいます。唯一の文句は「コルクを開けようとしたらコルクがなかった」というユーザーからのものだったとか。どうやら合成コルクよりスクリューキャップの方が主流になりそうな雰囲気がでてきました。

この記事にはこのほかスクリューキャップと熟成の関係の実験など興味深い話がいろいろ出ています。興味ある人は原文を読むか，僕に質問してください。
それはさておき，記事中で気になったのが次の一節

Uncorking wine is a bit like applying lipstick, I decided. It's sort of inconvenient, but I sort of like it.

もちろん，これを書いたのは女性ですが，こういうものなんでしょうか，口紅を塗るのって。

posted by Andy at Friday, May 23, 2003

 
ワイナリの倒産WINE BUSINESS ONLINE:De Loach Vineyards Files Chapter 11

中堅ワイナリのDe Loachが改正破産法第11章（日本の民事再生法に相当）を申請しました。簡単に言えば倒産です。ただし，ワイナリがなくなってしまうわけではなく，一部のブランドに絞ることで生き残りを図るようです。具体的には25万ケースの生産量を10万ケースに減らすとか。

数年前の資料ではDe Loachの生産量は17万ケースとあり，バブル期に乗って生産量を拡大していったことが推測できます。ある程度規模があるほうが，売れなくなったときは大変なのかもしれないですね。意外とカルト・ワインのようなところの方が財政的には健全なのかも。
posted by Andy at Wednesday, May 21, 2003

 
ガロ70周年 Celebrating 70 years of winemaking tradition

Ernest and Julio Galloが設立70周年を迎え，本拠地のあるModestoの新聞「Modest Bee」が特集を載せています。
面白かった記事の一つは A bit of Gallo history: Tasting room to open。SonomaのHealdsburg Squareにテイスティング・ルームを開いたそうです。Gallo Sonomaの高級ワインもテイスティングできます。Healdsburg近くにはKendall-Jacksonのテイスティング・ルームもあったはず。巨大ワイナリ二つを訪れるのも面白いかも。
Galloについてはいろいろ書きたいことがあるので，後はコラムで。
posted by Andy at Tuesday, May 20, 2003

 
ブショネ追放へ一歩？　Sabate to Build Facility for Extracting TCA From Raw Cork

世界第2位のコルクメーカーだというSabateがスペインに新設する工場でTCAをコルクから取り除く設備を導入するという話。TCAという言葉にはなじみがない人が多いと思いますが，いわゆるコルク臭，ブショネの原因になる物質です。ブショネの原因はコルクとは限らないのですが（昨年騒ぎになったBVの場合，コルクではなくBVの設備に問題があった），日本語のコルク臭，英語のCorked，フランス語のBouchonne，どれもコルクを意味する言葉です。最近は人工コルクも問題ありということで，スクリューキャップに人気がでてきているようですが，やっぱりある程度高級ワインにはコルクじゃないと雰囲気でないですよね。これでブショネが減るならいいのですが。
posted by Andy at Friday, May 16, 2003

 
え！ソノマにカジノ？ County to fight casino plan

ソノマの海岸沿いにカジノ・リゾートを作るという話があり，郡議会ではそれを満場一致で否決しました。ただ，この計画を立てているのはネイティブ・アメリカン（インディアン）のCoast Miwokであるというのが問題のようです。彼らが土地を買収し，開発を決定したら郡の決定にはほとんど拘束力がないとか。現在のところほかの場所を探すなど，話し合いには応じているようですが，どうなることでしょう。
posted by Andy at Thursday, May 15, 2003

 
嫌いだからというわけではないですが Beringer accused of polluting Russian River

Beringerが排水でRussian Riverを汚しているということで訴えられました。もちろんBeringer側は否定しています。
それにしてもBeringerがRussian River沿いに設備を持っていることも初耳でした。
posted by Andy at Wednesday, May 14, 2003

 
注目の畑　Cargasacchi Vineyard

先日所用があって麻布十番のカリフォルニアワインガーデン（CWG）に立ち寄ったときに，zoukさんに一口味わせてもらったのがSiduriのPinot Noir Cargasacchi Vineyard 2001。スケールの大きな将来が嘱望されるワインでした。

このCargasacchi Vineyardというのがどこだかわからなかったので調べてみたところ，注目のMelvilleなどがあるSanta BarbaraのSanta Rita Hillsの畑であることが判明（というか，そこまではラベルに書いてあります。本題はこの後）。Santa Rita HillsはHwy246沿いの北部とSanta Rosa Road，Santa Ynez Riverが走る南部に大別できるのですが，Cargasacchi Vineyardは南部で川の北側に位置するそうです。近状にはSweeny CanyonやMt. Carmelなどの畑があります。

中でもこの畑がユニークなのは，石灰岩がゴロゴロしていること。かつてCaleraが大きな話題になったときに，有名な逸話で衛星写真で石灰岩の土地を探したというのがありましたが，ここはある意味Pinot Noirに最適なわけです（^^）。これから要注目です。SiduriのほかにはBabcock, Brewer-Clifton, Hitching Post, そして多分Bonaccorsiがブドウを買っているとか。畑のオーナーのPeter Cargasacchi氏も自身のワイナリPoint Conceptionを立ち上げるということだそうです。
posted by Andy at Tuesday, May 13, 2003

 
高いワインがおいしいとは限らない？ Big-bucks wines don't always live up to their mystiques / Pricey Napa Cabs sent to back of class

逆にこれはSan Francisco Chronicleでカルトワインなど50ドル超のワイン24種をテイスティングした話です。意外にも22位に甘んじたのが例のBryant Familyでした。「奢れるものは久しからず」？
posted by Andy at Friday, May 09, 2003

 
2ドルワインは83点？ Wine Spectator Online | Daily Wine News | Psst! Wanna Buy a $2 California Cabernet?

Wine Spectatorでも2ドルワインの話題を取り上げています。興味深いのは，低価格ワイン22種を集めてテイスティングしたという件。うち15種は80点未満の点数しか取れなかったということですが，3本が83点でトップでした。うち1本が例の「Two-Buck Chuck」と呼ばれる「Chales Shaw Chardonnay California 2001」。低価格ワインはそのときのソースによって味も変わるため，コンスタントにこの品質とはいえないという但し書き付きですが，一種のお墨付きと呼べるんでしょうか？
posted by Andy at Friday, May 09, 2003

 
BR Cohnで結婚式！？ Business Journal Article - Tapping tourists to boost wine sales

SonomaのB.R. Cohnといえば，ワインもさることながらオリーブ・オイルもおいしいし，オーナーがDoobie Brothersのマネージャーだということでも知られています。ここがワイナリやメーリング・リストなどでの直接販売をさらに強化しようという話です。
流通を通さない直接販売は利益率が高いため，ワイナリにとっては「おいしい」販売手段です。さらに，最近は競争の激化によって小売でうまく売るのは難しくなってきています。そこで，観光客などをもっと呼び寄せ，直接販売の機会を増やそうというのが，今回のプランのようです。具体的にはオリーブ畑のガイド・ツアーを新設したり，結婚式をできるようにしたり，といったことがあります。
B.R. Cohnで結婚式，いかがですか？
posted by Andy at Thursday, May 08, 2003

 
こちらはドロドロの争いか Wine Spectator Online | Daily Wine News | Helen Turley Sues Bryant Family Vineyard Over Her Departure

昨年10月にBryant FamilyのワインメーカーがHelen TurleyからPhilip Melkaに代わったという発表がありました（CWFC掲示板に書いた記憶があります）。収穫中というその時期や，Helenの「我々（Helenと夫のJohn Wetlaufer）は首になった」というコメントから，円満な移行には思えなかったのですが，昨年末にHelen Turley夫妻がBryant Familyを訴えていたことがわかりました。

Helen Turley側によると，契約は2004年まであったとのことで，年間契約25万ドルの2年分＋αに相当する55万251ドルを要求しています。一方，Bryant FamilyのオーナーDon Bryantによると，書面による契約はなく，1年単位でしか約束していないとのこと。Bryant側としては，昨年収穫時期の途中でTurleyが「やめてやる」と脅しをかけ，それを受け入れたという解釈だそうで，両者の亀裂はかなり深そう。

BryantもTurley夫妻を訴え，現在は互いに証拠を出しているところだそうです。実際に裁判に持ち込まれるのか，和解するのかはまだわかりませんが，いずれにしてもあまりきれいな結末にはなりそうにないです。

ところで，年間契約25万ドルというのは安いんでしょうか高いんでしょうか。Bryantのワインがワイン1本200ドルで，700ケース作ってますから，売り上げは168万ドル程度あることになります。25万ドルというと，この15％。Turleyの功績からすると高くないような気もしますが，コンサルタントという立場からするとずい分のような。
posted by Andy at Wednesday, May 07, 2003

 
商標は大事　Wine Spectator Online | Daily Wine News | Spottswoode and Virginia Winery Settle Trademark Infringement Issue

トップクラスのCabernet Sauvignonを作っているSpottswoodeがVirginia州のワイナリを商標問題で訴えようとしていたという話。このワイナリHortonはSpottswood Trailという道沿いにあり，Spottswood Trailという名前を冠したワインを売っていました。これにSpottswoodeが文句を付けたのですが，Hortonというワイナリはほとんどワイナリで販売しているだけの小さなワイナリ（生産量は2万5000ケースで約5800ケースのSpottswoodeより多いが）。有名なワイナリから寝耳に水の指摘を受けて慌てふためいたそうです。
ただ，大事には至らず，Horton側は現在の在庫を売り尽くしたら，ラベルからSpottswood Trailの表記をはずすことで和解に至りました。両者は和解の印にワインを交換しあったそうです。結果的にはちょっといい話でした（笑）。

ちなみに両者のラベル

posted by Andy at Tuesday, May 06, 2003

 
蝋封の開け方

下のBrewer-Cliftonのボトル，コルクの周りを蝋で固めてあります。これをどうやって開けるのがいいのかは，いくつかの掲示板でも話題になっていましたが，「ボトルの口を温める」方法を試してみました。

ガスバーナーで先端部分だけ少し温めると蝋が溶けてきます。そこで，ソムリエナイフを使って上部の蝋を削ぎ取ると，きれいに取れました。ボトルを触ってみると先端数ミリは温かくなっていましたが，ワインのところは影響なしです。思ったより簡単で，いい方法です。

posted by Andy at Thursday, May 01, 2003