カリフォルニアはバークレーにあるシェ・パニースといえば、カリフォルニア料理の発祥のレストランとして有名であり、そのオーナーのアリス・ウォーターズは偉大なる成功者として尊敬されている。
1971年にシェ・パニースが開店してから約40年、本書はその足跡を丹念に追ったものだ。
で、一読して分かるのは上記のような成功者のイメージと実際のレストランの状況が大幅に異なっていること。レストランは料理の評判こそ落ちたことはないが、経営状態としては綱渡りの連続であり、シェフも度重なる交代を経てきている。アリスのレストランではあるが、アリス自体がシェフとして腕を振るった時期は必ずしも長くない。
それでもシェ・パニースが続いてきたのはアリスの楽天性と、それを支えようと思う友人達、および父親の力が大きかったように思える。例えば、アリスは何度となく男性と付き合い、別れているが、別れた相手とはその後も友達付き合いが続いている。
最初から、カリフォルニア料理を作っていたわけでも、そのようなものを目指していたわけでもないことも驚きだった。例えば初期のシェフであるジェレマイア・タワーの料理はほぼ純粋なフランス料理だったというし、アリス自身も最初はフランス料理を作っていた。
ただ、スローフード的志向は初期からあり、アリスにとってはそれが一貫したものになっていたように感じる。学校の校庭で野菜をつくる食育菜園の活動に熱心になるのも、その発展とかんがえられる。
いろいろなことを考えさせられたし、カリフォルニア料理の発展を知る上でも読む価値のある本である。
また、本書の装丁は昨年発行された「アート オブ シンプルフード」と一貫している。合わせて読みたい本だ。
1971年にシェ・パニースが開店してから約40年、本書はその足跡を丹念に追ったものだ。
で、一読して分かるのは上記のような成功者のイメージと実際のレストランの状況が大幅に異なっていること。レストランは料理の評判こそ落ちたことはないが、経営状態としては綱渡りの連続であり、シェフも度重なる交代を経てきている。アリスのレストランではあるが、アリス自体がシェフとして腕を振るった時期は必ずしも長くない。
それでもシェ・パニースが続いてきたのはアリスの楽天性と、それを支えようと思う友人達、および父親の力が大きかったように思える。例えば、アリスは何度となく男性と付き合い、別れているが、別れた相手とはその後も友達付き合いが続いている。
最初から、カリフォルニア料理を作っていたわけでも、そのようなものを目指していたわけでもないことも驚きだった。例えば初期のシェフであるジェレマイア・タワーの料理はほぼ純粋なフランス料理だったというし、アリス自身も最初はフランス料理を作っていた。
ただ、スローフード的志向は初期からあり、アリスにとってはそれが一貫したものになっていたように感じる。学校の校庭で野菜をつくる食育菜園の活動に熱心になるのも、その発展とかんがえられる。
いろいろなことを考えさせられたし、カリフォルニア料理の発展を知る上でも読む価値のある本である。
また、本書の装丁は昨年発行された「アート オブ シンプルフード」と一貫している。合わせて読みたい本だ。