8月24日、8月31日とわずか1週間の間に米国と日本で、アップルとサムスン電子の訴訟の判決が出ました。米国ではアップルが勝訴、日本ではアップルの買収請求を棄却と全く別の結果になったことで、日本の裁判所はダメだ的な短絡的な意見までも目にするようになりました。

両社の訴訟合戦はいろいろな国で行われているので、わかりにくいことおびただしいのではありますが、今回の2つの判決に関しては、争点が全く異なっているので、違った結果が出るのは全然不思議なことではありません。

まず、米国の裁判ではデザインや操作方法など、いわゆるルック&フィールの部分が争点になっています。詳しくはTech-On!の「Apple対Samsung、争点の特許はこれだ 」を見てください。

一方、日本での裁判はスマートフォンとパソコンとの間の同期技術に関するものです。詳しくは日本経済新聞の「スマホ・PC間の同期技術、アップル特許の構成要件外)」を御覧ください。

ついつい勝った負けたといったところだけに目を奪われがちですが、詳しい内容は理解しなくても、概要くらいは目を通すようにしましょうね。



ところで、IT業界の裁判というと、前世紀の末、マイクロソフトとネットスケープの裁判が大きな話題になったことがありました。当時は米国にいたので、公判におけるMSエグゼクティブの一挙手一投足を注視していたものです。そのころはまさか10数年後にアップルとサムスンの裁判が世界的に注目されるだろうとは思いもしませんでした。