日本の伝統芸能を、ちょっと体験しておきたいと思い立って、文楽を見に行くことにしました。行ったその日にデイリーポータルZに文楽の記事が出ていてちょっとびっくり(文楽を見にいってみる - デイリーポータルZ:@nifty)。私が見たのは、夜7時からの第3部「不破留寿之太夫(ふあるすのたいふ)」。シェークスピアの「ヘンリー四世」に登場するフォルスタッフを主人公とする新作です。

初めて見る作品がこれでいいのか? っていうのはなきにしもあらずだったのですが、面白そうだったし、時間もサラリーマンに優しい、というのが選んだ理由。

ところが、どうせ見に行くなら、同じ日に歌舞伎にもチャレンジしてみようということで、急遽、東京の歌舞伎座に歌舞伎も見に行くことにしてしまいました。

歌舞伎の方は「幕見席」という一幕だけを見る特別なチケット。当日券のみ、劇場入り口で販売しています。席までの誘導も、他の席とは分かれた形。自由席で立ち見も含んでいます。その代わりチケット代は安くなっています。
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今回は隅田川続俤『法界坊』大喜利「双面水照月」という40分程度の短いプログラムだったので、特に1000円と安くなっていました。

チケットを入手した後は、新しい歌舞伎座の地下の店をのぞいておみやげを買ったり、ランチを食べたり。歌舞伎茶屋のカレーは680円で、なかなか美味しかったです。
Andyさんの歌舞伎茶屋での写真 - ミイル
Andyさんの歌舞伎茶屋での写真 - ミイル

時間がくると、整理番号順に並び、席は自由に選びます。とはいえ、前の幕と連続で見る人も多かったので、空いている席は意外と少なく、立ち見の人がかなり出ていました。ちなみに外国人のお客も結構いました。

初めてでどんな作品かも全く分からないのでイヤホンガイド(500円)も借りました。これは借りてよかったです。そうでないとどこが見どころなのかわからなかったでしょう。

作品は、途中笑えるところもあり、リラックスしながら楽しく見られました。思ったよりも手軽に見られてよかったです。

舞台の後は歌舞伎座をちょっとうろうろ。それから半蔵門の国立劇場に向かいます。伝統芸能情報館でたまたまやっていた「歌舞伎入門」を見たり、映像資料を見たり。最後はFM東京のビルの甘味屋さんでちょっと一息。美味しかったです。
Andyさんの甘味 おかめ 麹町店での写真 - ミイル
Andyさんの甘味 おかめ 麹町店での写真 - ミイル

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さて、文楽の方は一等席しか空いてなかったので4500円。夜の公演は短いので昼間よりは安くなっています。

そしてこの作品「不破留寿之太夫(ふあるすのたいふ)」ですが、実に面白かったです。

文楽の演奏は三味線だけかと思っていたのですが、ここでは琴や大弓(三味線を弓で弾くもの)も使っていて、バラエティに富んでいました。三味線も5人で一斉に弾くとき、一人だけ弾くときなど、実に表情豊かな演奏でした。

セリフを受け持つ大夫の熱演もすばらしく、倒れるのではないかと心配になるほどでした。

歌舞伎でも、三味線と太夫による浄瑠璃がありましたが、文楽の方がさすがにそれがメインであるだけに迫力があるように感じました。

そして人形や舞台も秀逸。詳しくは「不破留寿之太夫 特設サイト」をご覧いただくのがいいと思いますが、こんなに魅力的だとは思ってもみなかったです。

セリフ回しやストーリーも面白く、ゲラゲラ笑っているうちにあっという間に終わってしまいました。最後の終わり方も全く予想していなかった展開でした。

この作品、9月22日までの公演なので、もし時間があったら今からでもチケット買って見に行くことをお薦めします。僕も時間とお金があったらもう一回見たいくらい。

と、一日で2つの伝統芸能を鑑賞するという試みは予想以上に充実したものになりました。