Archives

You are currently viewing archive for April 2008
Date: 2008/0422 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
映画サイドウェイで重要な舞台として使われたレストランがヒッチング・ポスト(Hitching Post)。映画で取り上げられたハウスワインはハイライナーという上級版ですが,今回飲んだのはCork Dancerという安いほうのもの。昨年ワイン・イン・スタイルのセールで2000円台で購入しました。

色はかなり濃い目。香りはあまり強くありませんが,どちらかというとモワッとした妖艶なタイプです。味わいも同様。渋みは少なく,ジャミーな甘さを感じます。飲みやすく,親しみやすいワインですが,ちょっと味がやぼったいような。もう少し,締まるところが締まってメリハリが付くとすばらしいワインになりそうです。とはいえ,この値段でそこまで求めるのは酷でしょう。

2000円台なら◎,3000円台なら○といったところだと思います。

Date: 2008/0419 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
毎年この時期に開かれるTaste Napa Valley試飲会に参加してきました。今年はいつもより参加ワイナリが少なめ,会場も人が少し少なかったような感じ。ちょっとさびしかったです。半面,割と落ち着いてテイスティングできたため,出ていたワインの大部分を試すことができました。

全体的な感想を先に書くと「カベルネの味が分からなくなっている…」。ここ2,3年ほど飲むワインにカベルネが占める割合がぐんと減り,赤だとピノ,シラー,ジンファンデルといったところが中心になってきています。そのためかカベルネを飲んでおいしいと感じることが減ってしまったように思えます。特に今回はやや青臭く感じられることがしばしばありました。おそらくは,ワイン自体が変わったのではなく,私が変わってしまったのでしょう。そのあたりは割り引いてみていただけたらと思います。

参加した22(DuckhornとParaduxxを別と考えると)のワイナリの中でカベルネやカベルネ系のブレンドを出していなかったのはSaintsburyとSchramsbergだけ。一方でピノはArtesa,Clos du Val,Saintsburyの三つだけ,Syrah系はDarioush,Shaferだけといった風にナパなのでカベルネ系にかなり偏って出ています。

その中でCabernet Sauvignon系ではJoseph PhelpsとHeitzのMartha's,BondのMelburyはひとつ抜けていた感じがしました。ChappelletのSignature,Cain Fiveがそれに続くところ。

一方で今回はMerlotにおいしいものが多く思えました。Darioush,Duckhornはかなりおいしく,BlackbirdというMerlot中心のブレンドも結構よかったです。数が少ないですが上記二つのシラー(DarioushとShafer),Zinfandelとカベルネ系のブレンドParaduxxもよかったです。ピノはSaintsburyはよかったですが,後の二つはいまいち。

白ワインではSt. SuperyのSauvignon Blanc,TrefethenのDry Rieslingが意外とよく,ChardonnayではGrgich Hills,Saintsburyが印象的でした。ShaferのRed Shoulder Ranchは好きなChardonnayなのですが,今回(2006)はあまりよく感じませんでした,ちょっと残念。

米国では昨年,Merlotの盛り返しという話がありましたが,Pinotにとられた分を取り返したというよりも,Cabernetから移っていっているのかなあ,といったことをちょっと想像しました。正直に言ってカベルネは値段を考えるとあまり魅力的には思えなかったのが残念でした。カリフォルニアのワイン,また勢力図が変わっていくかもしれません。

Date: 2008/0407 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
柳屋で「2008年、恐らくコストパフォーマンスにおいて、これを上回るカリピノは現れないことでしょう」と書かれたワインです。旨安ピノというとRex-Goliathがこれまででは最強だったと思うのですが,それを上回ることができるかどうか。

香りはチェリー系で,かなりよく匂います。この時点で好感度10%アップ。色はやや薄めのクリアな感じ。味わいは,うーん,やっぱりチェリー系が強いでしょうか。やや甘さを感じます。

アメリカ人のテイスティング・ノートを見ているとキャンディとか咳止めシロップといった表現によく出くわしますが,このワインについては僕も「あ,これが咳止めだ」と思いました。日本人にはなじみないと思いますが,米国で子供用の薬でよく使われるチェリー味に似ているのです。

このワイン,この(やや不自然な感じがしないでもない)甘さをどうとらえるかで評価が大きく変わりそうです。個人的にはややマイナス。レックス・ゴライアスの方が好きですが,柳屋が誇大宣伝ということではなく,あくまでも個人の好みでということで。もうちょっとうまく酸が入ると評価が上がりそうです。

Date: 2008/0402 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
ワイナリ価格55ドルなのに日本では3000円台で入手できるRodney Strong Symmetryを試してみました。ヴィンテージは2002。結論から言うと,3000円台なら十分お買い得と思えるいいワインでした。ただし飲み方には注意が必要です。

初日,はっきり言って失敗したと思いました。味わいが平べったく,薄っぺら。ふくよかさも複雑さも欠けていました。55ドルは論外,3000円でも高いなと思うほど。

二日目,よくなりました。これならOK。55ドルはちょっと微妙だけど,3000円はお買い得でしょう。骨格もしっかりし,目覚めた感じです。

三日目…はワインを飲まず四日目。断然すばらしい。これなら55ドルでも十分。深みもありふくよかささえ出てきました。濃縮感も強くなったような。濃いだけではないので,「カリカベはちょっと」という人でも納得すると思います。これほど変わるというのはどういうことでしょう?

ということで,今飲むなら三日前に抜栓するか(笑),デカンタして十分時間を置いたほうがいいと思います。ゆめゆめ抜栓してすぐ飲むことなかれ。

納得できたので,安心してお勧めできます。