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Date: 2011/1027 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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Oakvilleにある主要なワイナリの一覧を作りました。(抜けているところがあったら教えて下さい)


Oakvilleのワイナリ一覧

ナパのAVAはどこも有名なワイナリを抱えていますが、中でもOakvilleは高級ワイン、それもCabernet Sauvignonなどのオンパレードです。Opus One、Harlan Estate、Robert Mondavi、Dalla Valle、Screaming Eagle、などなど。敢えて「カルトワインの聖地」と呼んでも、文句は出ないでしょう。

Oakvilleは大きく分けて、Highway29の西側の山麓のスロープ、谷底の平地、Silverado Trail近辺から東の斜面にかけての赤土地帯からなります。高級ワインは主に両脇の斜面でできます。西側の斜面の代表がHarlanや、MondaviのTo Kalon。東の代表が、Dalla ValleやScreaming わEagleです。西側は太平洋からの涼しい風の影響があり、やや気温が低く、ブドウがゆっくりと熟成します。東側は気温は高めですが、土壌のため、ミネラル感がでてきます。
Date: 2011/1016 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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このところ、ワインの本以外に、知り合いがEPUBで電子書籍を作るのを手伝ったりしています。おりしも縦書きやルビなどをサポートしたEPUB3が策定されたこともあり、EPUBの記事を見かけることが増えています。

一方で、電子書籍全体を見ると、シャープのGALAPAGOSが路線変更を迫られたように、電子書籍自体の市場の伸び悩みという話もあります。

個人的には、最近EPUBをいろいろといじった感想として、これは間違いなく流行るだろうと思っています。特に、メルマガのフォーマットとして有力ではないかと感じています。ここでは10項目でそれを論じます。

1.作るのに特別な知識が要らない
  EPUBは簡単に言えば、XHTMLあるいはHTML5でページを作り、XMLで目次など書誌情報を入れ、ZIPで固めたものです。難しい技術は何もありません。ページサイズがデバイスによって大きく変わることさえ意識しておけば大丈夫です。習得が容易であることは普及において極めて重要な要素です。ツールもどんどん出てくることと思います。

2.いろいろなデバイスで見られる
  これからの時代、スマートフォンで見られないコンテンツは機会を大きく損じていることになります。Webページの場合、User-Agentによって表示を変えられますが、パッケージ化されたコンテンツではその手は使えません。代表的なパッケージコンテンツであるPDFの場合も、PC用のものをスマートフォンで見ると字が小さくなり過ぎてしまうのが大きな弱点です。EPUBであれば、一つのコンテンツがいろいろなデバイスの上で見られます。

3.ネットがない環境で見られる
  ダウンロードしてしまえば、ネットがない環境でも見られるのが普通のWebページと比べた大きなメリットです。筆者がカリフォルニアワインの本をEPUBで作りたいと思ったのも、旅行中などでネットにつなぎにくい環境でも簡単に見られるようにしたかったからです。

4.ネットとの親和性が高い
  EPUBの表示はHTMLですから、既存のWebページへのリンクも入れておけます。Webのコンテンツを移植するのも簡単です。

5.Kindleが来ても簡単に変換できる
  電子書籍の黒船と言われているKindleはEPUBには対応していません。しかしAmazon自身がEPUBをKindleの形式に変換するツールを作っているので、EPUBで作っておけば簡単にKindle用にできます。

6.動画や音声付きの本が作れる
  AppleのiBooksはQuickTimeの動画や音声を再生できますし、今後EPUB3が普及すれば、HTML5対応の動画が見られるビューワも増えるでしょう。こういったものが簡単に作れるのはPDFに比べて大きな魅力です。

7.アプリケーションにもなる(EPUB3で)
  EPUB3はJavaScriptも利用できるようになります。ビューワによって対応しないものもありますが、むしろここが差異化のポイントになってくるような気がします。例えばパズル系の本など、JavaScriptで解けるようになれば、本というよりアプリケーションと言っても過言ではなくなるのではないかと想像しています。これもPDFではできないことです。


8.目次は便利
  目次はEPUBの基本機能ですが、普通のHTMLと比べると、これがあるのは大きなメリットです。長いメルマガなどが、EPUBで配信されるようになると、目次機能で見たいところをすぐに見られて便利だと思います。

9.保存できる
  例えば、有料のメルマガなど、まとめて保存しておきたいと思うことはあるでしょう。EPUBはファイルとして保存できるので、普通のHTMLよりも保存が楽です。個人的には今のPodcastみたいな感じでEPUBの購読ができるといいのに、と思います。iPhoneのNewsstandはちょっとアプリより過ぎていまいちな気がするのですがどうでしょうか。

10.もしかしたらブラウザの標準機能に入るのでは
  EPUBの表示はHTMLですから、WebkitなどHTMLのエンジンを使って開発するのが普通です。裏を返せば、WebブラウザでEPUBを表示するのも簡単です。今後はWebブラウザの基本機能に入ってくる可能性もあるでしょう。
Date: 2011/1010 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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YountvilleというとFrench Laundryをはじめとするレストランで有名ですが、ワイナリも数は多くないものの、優れたところがあります。
Date: 2011/1004 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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常にカリフォルニアワインの中心だったナパは、カルトワインブーム以降、求心力を失っているように見えます。変わってソノマやセントラル・コーストのワイナリに注目が集まるようになりました。


2004年に公開された映画「Sideways(サイドウェイ)」は、Santa Barbara(サンタ・バーバラ)を舞台にしており、主人公が好きなワインもPinot Noir(ピノ・ノワール)でした。ここからピノブームが始まりました。


ソノマではWine Spectator誌で高く評価されて一時期カルト的な人気を博したKosta Browne(コスタ・ブラウン)や、請負のワインメーカーを大幅に減らしたHelen Turley(ヘレン・ターリー)のワイナリMarcassin(マーカッサン)、Kistler(キスラー)などが注目を受けました。いずれもPinot Noirを得意としており、MarcassinとKistlerはシャルドネでもトップクラスです。


セントラルコーストではMonterey(モントレー)近くのSanta Lucia Highlands(サンタ・ルシア・ハイランズ、SLH)とSanta BarbaraのSanta Rita Hills(サンタ・リタ・ヒルズ)がPinot Noirの産地として急上昇しました。SLHではブルゴーニュのLa Tacheから枝木を持ち帰って植えたという伝説を持つGary Pisoniが持つPisoniの畑や、Gary Pisoniの盟友であるGary Franscioniと共同で持つGarys'の畑など、ブドウ畑が注目されました。多くのワイナリがPisoniやGarys'のブドウを使ったPinot Noirを作っています。また、Santa BarbaraのSanta Rita Hillsでは、若いワインメーカーが切磋琢磨して品質を向上させました。Loring(ロウリング)やBrewerーClifton(ブリュワー・クリフトン)といったワイナリに注目が集まりました。


カリフォルニアの中央近くPaso Robles(パソ・ロブレス)も注目の地域です。Alban(アルバン)やSaxum(サクサム)などシラー系のワインが特に品質が高く、この二つのワイナリはRobert Parkerが100点を付けたワインがあります。


※歴史シリーズはこれで終了です。
Date: 2011/1002 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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2001年にインターネット・バブルが弾け、高額ワインを購入していたシリコンバレーの顧客が減ったことで、カルトワインのブームは収束しました。ただ、一回上がったワインの値段は簡単には下がらず、ナパを中心とするワイン業界は苦しいときを迎えます。中小のワイナリが大資本のアルコール飲料メーカーに買収されるといったことが頻繁に起こるようになりました。


それを象徴するのがRobert Mondaviです。バブル期に多くの投資や寄付をした付けが回り、経営が苦しくなってしまったのです。例えばナパに鳴り物入りで作ったCopia(コピア:The American Center for Wine, Food and the Arts)やUC Davisに多額の寄付をしていました。2004年、ついにコロナ・ビールなどを有する大資本のConstellation BrandsがOpus Oneを含むRobert Mondavi社を買い取りました。


さらに、Robertの長男Michaelと次男のTimとの間の不仲も表面化し、両者は別々の道を歩むことになりました。MichaelはMichael Mondavi Family Estate(マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステイト)というワイナリを興しており、TimはRobert夫妻や姉とContinuum(コンティニュアム)というワイナリを作っています。一方で、Robertは実弟Peterと仲違い以降初めて一緒にワインを作り、一応仲違いは終わりました。Robert Mondaviは2008年、91歳で亡くなり、ついに一時代が終わりました。


2000年代になってRobert Mondavi以外にもSanford(サンフォード)、Arrowood(アローウッド)、Gary Farrell(ゲイリー・ファレル)など創業者の名前が付いたワイナリが大資本に買われています。


2007年のリーマンショックは、不況に追い打ちをかけました。25ドルを越える価格のワインの売り上げが急減したのです。ワインの消費は減っていないものの高額なワインは売れない状況が続いています。