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Date: 2011/1028 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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どうも2011年は苦難な年のようです。春に雨でやられ、収穫時期にも異例の雨。ナパでは珍しく腐敗菌と闘う日々が続いているとのこと(Napa harvest: Widespread rot fails to dampen spirits | Daily wine news - the latest breaking wine news from around the world | News | decanter.com)。

多くのワイナリではようやくCabernet Sauvignonの収穫を始めようかというところで、腐敗による収穫の目減りが懸念されています。

比較的よかったのは10月上旬の雨の前に収穫したところ。Stag's Leap Wine CellarsのWarren Winiarskiはシャルドネは非常によく「今年すばらしいシャルドネができないというところは何か別のことをやってるんじゃないの」とまで。

Screaming Eagleも早めの収穫をしたところの一つ。例年よりはライトなワインになりそうですが、それでも「ボルドーよりは豊満」なワインになるでしょうとのこと。特にCabernet Francがよかったそうです。
Date: 2011/1027 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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今週の「神の雫」なんと、鼓動、花偲、風音も登場する神展開。

そして、残る美夜については遠峰一青のホテルの部屋のセラーにいれてあるとのこと(ワイン名はここでは書かれていません)。目的を果たした暁にはエルザに御馳走すると。

ということで、三度登場も期待できる展開でした。




Wassy'sには今なら全品揃ってます。
楽天店
本店
Date: 2011/1027 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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Oakvilleにある主要なワイナリの一覧を作りました。(抜けているところがあったら教えて下さい)


Oakvilleのワイナリ一覧

ナパのAVAはどこも有名なワイナリを抱えていますが、中でもOakvilleは高級ワイン、それもCabernet Sauvignonなどのオンパレードです。Opus One、Harlan Estate、Robert Mondavi、Dalla Valle、Screaming Eagle、などなど。敢えて「カルトワインの聖地」と呼んでも、文句は出ないでしょう。

Oakvilleは大きく分けて、Highway29の西側の山麓のスロープ、谷底の平地、Silverado Trail近辺から東の斜面にかけての赤土地帯からなります。高級ワインは主に両脇の斜面でできます。西側の斜面の代表がHarlanや、MondaviのTo Kalon。東の代表が、Dalla ValleやScreaming わEagleです。西側は太平洋からの涼しい風の影響があり、やや気温が低く、ブドウがゆっくりと熟成します。東側は気温は高めですが、土壌のため、ミネラル感がでてきます。
Date: 2011/1026 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米ウィスコンシン州のSuperior Discount Liquorという店でワインの棚が崩れ落ち、6810本のボトルが一気に割れるという事故がありました。店がそのときの様子を防犯カメラの映像で公開しています。



一瞬のことで、何が起こったのやらという感じですね。びっくりです。

記事はこちら
Date: 2011/1025 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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英国の有名なワイン評論家ジャンシス・ロビンソンのサイトにVinographyのAlder Yallow氏がレギュラーで寄稿することになりました。「一介の」と書いてはAlder氏に失礼ではありますが、ワインのプロではないブロガーがMaster of Wineのサイトに寄稿するというのは、時代の変化の象徴のような気がします。

というわけで、普通はこのサイトは有料会員にならないと記事が読めないのですが、最初の記事だけはフリーで公開されています(Napa and the new kid in town | Tasting Notes & Wine Reviews from Jancis Robinson)。

この記事は、Wine Advocate誌のカリフォルニアのレビュアがRobert ParkerからAntonio Galloniに変わってどうなるかを分析したもの。折しもAntonio Galloniが初めてナパを訪問してテイスティングしたとのことです。

記事によると、GalloniはParkerに比べると欧州的な舌を持っているとのこと。やや画一的と言われるParker好みのワインに疑問を持つワインメーカーからは歓迎されそうです。
Date: 2011/1024 Category: 技術系
Posted by: Andy
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友人のなちこさんがブログで年初から続けていた「iPhoneアプリ開発者名鑑」。先月84人でついに終了したというので電子書籍化するのに協力しました。iPhoneのiBooksなどで読めます。80Mバイトと容量が大きいのでダウンロードはちょっと大変ですが、無料ですので、ぜひいろいろな人に読んでいただきたいです。

詳しくは【アプリ開発者名鑑】EPUB版(電子書籍化)、無事リリースされました!もちろん無料! - *begejstring for DANMARK*
Date: 2011/1023 Category: イベント
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの歴史を語る上ではずせないのが1976年の「パリスの審判」(パリ・テイスティング)。これを境に、カリフォルニアワインの世界での位置付けが変わり、カリフォルニアの人たちの自信にもつながっていきました。

これをテーマにした映画「ボトル・ドリーム」の上映会が10月29日(土)に東京ミッドタウンのビルボードライブTOKYOで開かれます。ただの上映会ではなく「Wine & Dining Theater」としてカリフォルニアイタリアンのコース料理をいただき、ワインを飲みながらのの上映です。

しかもワインは、この映画の主役であり、パリ・テイスティングで白ワイントップを取ったシャトー・モンテレーナのシャルドネと、ここのフラグシップであるエステートのカベルネがグラスで付くのです。MontelenaのEstate Cabernet Sauvignonといえば、カリフォルニアのカベルネの中でも一流中の一流ですよ。

さらに、上映前には「パリスの審判」の本の訳者である葉山考太郎さんが講師をするセミナーもありますし、上映後にも葉山さんとワイン談義できるというのですから、充実しています。


詳しくはこちらからどうぞ
Date: 2011/1023 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Twitterである人が、「日本の消費者はワインの輸入業者に騙されている。国内価格は海外の3倍もする」という旨の書き込みをしていました。具体的に、どういう例があるのか聞いてみたところ、「ナパで8ドルのワインが日本で2500~3000円」とのことでした。

日本にワインを運ぶのには送料がかかるわけですから、日本の値段が米国の小売価格より高くなってしまうというのは、誰でも考えることです。ただ高いからといって、輸入業者が騙しているということにはなりません。

では本当に、8ドルのワインが2500円にまでなって売られているのでしょうか?

その人に言わせると、その値段は「ふつう」とのことなので、米国での価格が8ドル程度のワインをまずは調べてみました(ちなみにNapa ValleyのAVAで8ドルのワインというのはまずありません。ほとんどが10ドルを超えているでしょう。なのでナパというのは最初からあまり条件には入れていません)。

例えばMondaviのWoodbridgeのカベルネは実売約8ドルですが、日本の値段は1000円程度です。意外と値段は変わりません。日本でも人気のCycles Gladiator(サイクルズ・グラディエーター)。これのカベルネも米国では8ドルくらい。日本では1400円くらいなので、2倍くらいになっています。ちょっと高い気はしますが、3倍には至りません。Smoking Loon(スモーキング・ルーン)のMerlotも米国での実売が8~9ドル。日本では1800円くらい。これは3倍には至りませんが、倍以上ですね。大分高い感じはします。

ちなみに日本での価格がCycles Gladiatorと同程度のMcManis Family(マクマニス・ファミリー)のワインは米国では11ドル程度。10ドル超えるとランクが一つ上がるので、日本でのコスト・パフォーマンスはこちらが大分上に感じます。

もう一つメジャーなワインでKendall-Jackson(ケンダル・ジャクソン)のVintner's Reserve Chardonnay。これは米国で13ドルくらい、日本では2000円強です。倍くらいですね。これはやや価格差大きいなあと以前から思っていた銘柄です。

もっと高いところで調べてみると、例えばRidgeのLytton Springsハーフ・ボトル。これは米国で18ドル程度が日本で4000円強と、今の為替レートで約3倍。これはやや極端な例ですが、正直Ridgeは全般に高いです。大塚食品(製薬?)の子会社なのだから、ここまでマージン乗せなくてもいいと思うのですが。

KistlerのVine Hillシャルドネは米国で75ドル程度。日本では安い所で1万1000円くらいですが、高いところだと1万6000円超。これは2倍を大分超えます。Kistlerは割高傾向が強い方です。

日本で割高なワインとして有名だったOpus One。2000年ころだと米国で120ドルくらいのが、日本では約3万円でした。3倍近くです。しかし今は米国で160ドル~200ドルくらいに対して日本では安いところだと1万円台です。実はこの10年で価格差はほとんどなくなりました。

ここでは価格差が大きいものばかりを紹介したので、やっぱり日本のワインは高いと思われるかもしれませんが、実際には、ここまで差がないものの方がずっとたくさんあります。米国での税金の高さなどを考えると実質的に日本の方が安いワインもあるのです。

私は「格安ワイン」のコーナーを書くときには必ず米国の値段も調べますから、かなりのワインについて日米の価格を見ています。ここで挙げたのはその中で、これは高くて紹介できないなあと思っているものです。それでも8ドルが2500円という例は見つからなかったのですが。

また、Opus Oneの例にあるように、日米の価格差は10年前と比べて随分縮まってきているのも感じます。それは輸入業者の努力の賜物といっていいでしょう。これからもそういった輸入業者や、頑張っているワインショップを応援していきたいと思います。
Date: 2011/1021 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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次号まで話は続きますが、これまでのところ次のようなストーリーです。

「第十の使徒」を探すため、フリーダイビングの修行でハワイに来た遠峰一青。そのトレーナー「エルザ」が働くホテルで、ある客が用意した日本の白ワインを誤って従業員が別の客に出してしまったという事件が発生しました。

レストランの料理は和食ですが、日本と比べるとやや大味とのこと。それに合うようにと選ばれたワインは、「日本的繊細さを持ちながらアメリカ的なしっかりとした果実味を演出しているワイン」だと分析する遠峰一青。この客を納得させるのはただごとではないといいます。ただそこは遠峰一青のこと。「私の中には既にある作りてのワインが浮かんでいます」と。

ハワイ中のショップを探しても見つからなかったそのワイン、ようやくあるコレクターのところで発見しました。

ボトルをエルザに見せる遠峰一青。
エ「これは……アメリカのワインですか?」
遠「ええ 正真正銘アメリカワインです」(ここでもしかしたらDiatomかも、と思いました)
遠「サンタ・バーバラのサンタ・リタ・ヒルズで造られるシャルドネです」(おー、来たきた)
(中略)
遠「このワインはアメリカワインの特長である近づきやすさ 華やかさを持ちながら……ヨーロッパや日本で好まれるエレガントさを兼ね備えている」
エ「見たこともないラベルだわ。本当にアメリカのワインだとは思えません」(こりゃ間違いない)
遠「飲めばそこに哲学を感じるはずですよ」

選んだワインがないことを知って怒る客に「お客様が送られたワインに匹敵する、いえそれ以上のマリアージュを演出できる作品を選ばせていただきました」と自信満々の遠峰一青。

いよいよワインのテイスティング
遠「今 鏡のように静かな池に
一匹の蛙が身を投じました
池の静寂はわずかに破られ
しかしすぐ元どおりに静まり返る
そして後には同心円状に
この世の理をおのずから表現するかのような

» 続きを読む

Date: 2011/1020 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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10月20日発売のモーニング「神の雫」でDiatomのシャルドネ波紋が出てきました。最終コマだけの登場なので詳しくは次週だと思います。アメリカのワインという時点で予感はしましたが、ちょっとびっくり。まずは掲載おめでとうございます。

波紋 on 神の雫

当ブログでの記事はこちらこちら

Diatomの波紋はこちらから

Date: 2011/1018 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2008年に亡くなったRobert MondaviのStags Leapにある自宅が1390万ドルで競売にかけられることが分かりました(Mondavi home for auction at half original price | Daily wine news - the latest breaking wine news from around the world | News | decanter.com)。昨年売りに出されたときの2500万ドルから44%も値下げしたことになります。

360度周りを見渡せる素晴らしい眺望ながら、プールが室内であることや、ベッドルームが二つしかないなど、お金持ちのニーズに合わないところがあるのが、買い手が見つからなかった理由のようです。

老後をナパで過ごそうと思って、10億円ぽんと出せる人なら、出物なのではないでしょうか。
Date: 2011/1018 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Facebookに「冷涼ワインのページ」というFacebookページがあります。冷涼ワインとは聞きなれない名前ですが、主宰者によると次のようなコンセプトだそうです。
ワインを評価する視点や好みはもっと多様で良いと思いませんか?

ここでは、従来のワイン評価の視点から離れて、実際に飲んでみて「どことなく冷涼な感じがするワイン」を"冷涼ワイン"と呼びます。

”冷涼ワイン”とその周辺にあるモノ・コトを含めた「涼しげで、静溢で、成熟した」生活の楽しみ方を皆さんと一緒に考え、その価値を共有していきたいと思います。

この観点から、カリフォルニアワインのインポーターとして知られるワイン・イン・スタイルの試飲会で100種類以上のワインを試飲した結果が掲載されています("特集記事" ~ ワイン・イン・スタイル株式会社 試飲会潜入レポート!(1/9))。

縦の伸びとか横の広がりといった形容は、正直よくわからないところもありますが、これだけの種類を一度にテイスティングしてコメントを付けるのは大変なことだなあと、感服しました。

テイスティングの結果としてはHahnのワインが非常に評判よかったのが印象的でした。以前飲んだHahnのシャルドネが、冷涼さとは真逆に近いワインで、あまり好きではなかったのですが、ずいぶんと変わってきているようで、これはまた飲んでみないといけないですね。

Date: 2011/1016 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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このところ、ワインの本以外に、知り合いがEPUBで電子書籍を作るのを手伝ったりしています。おりしも縦書きやルビなどをサポートしたEPUB3が策定されたこともあり、EPUBの記事を見かけることが増えています。

一方で、電子書籍全体を見ると、シャープのGALAPAGOSが路線変更を迫られたように、電子書籍自体の市場の伸び悩みという話もあります。

個人的には、最近EPUBをいろいろといじった感想として、これは間違いなく流行るだろうと思っています。特に、メルマガのフォーマットとして有力ではないかと感じています。ここでは10項目でそれを論じます。

1.作るのに特別な知識が要らない
  EPUBは簡単に言えば、XHTMLあるいはHTML5でページを作り、XMLで目次など書誌情報を入れ、ZIPで固めたものです。難しい技術は何もありません。ページサイズがデバイスによって大きく変わることさえ意識しておけば大丈夫です。習得が容易であることは普及において極めて重要な要素です。ツールもどんどん出てくることと思います。

2.いろいろなデバイスで見られる
  これからの時代、スマートフォンで見られないコンテンツは機会を大きく損じていることになります。Webページの場合、User-Agentによって表示を変えられますが、パッケージ化されたコンテンツではその手は使えません。代表的なパッケージコンテンツであるPDFの場合も、PC用のものをスマートフォンで見ると字が小さくなり過ぎてしまうのが大きな弱点です。EPUBであれば、一つのコンテンツがいろいろなデバイスの上で見られます。

3.ネットがない環境で見られる
  ダウンロードしてしまえば、ネットがない環境でも見られるのが普通のWebページと比べた大きなメリットです。筆者がカリフォルニアワインの本をEPUBで作りたいと思ったのも、旅行中などでネットにつなぎにくい環境でも簡単に見られるようにしたかったからです。

4.ネットとの親和性が高い
  EPUBの表示はHTMLですから、既存のWebページへのリンクも入れておけます。Webのコンテンツを移植するのも簡単です。

5.Kindleが来ても簡単に変換できる
  電子書籍の黒船と言われているKindleはEPUBには対応していません。しかしAmazon自身がEPUBをKindleの形式に変換するツールを作っているので、EPUBで作っておけば簡単にKindle用にできます。

6.動画や音声付きの本が作れる
  AppleのiBooksはQuickTimeの動画や音声を再生できますし、今後EPUB3が普及すれば、HTML5対応の動画が見られるビューワも増えるでしょう。こういったものが簡単に作れるのはPDFに比べて大きな魅力です。

7.アプリケーションにもなる(EPUB3で)
  EPUB3はJavaScriptも利用できるようになります。ビューワによって対応しないものもありますが、むしろここが差異化のポイントになってくるような気がします。例えばパズル系の本など、JavaScriptで解けるようになれば、本というよりアプリケーションと言っても過言ではなくなるのではないかと想像しています。これもPDFではできないことです。


8.目次は便利
  目次はEPUBの基本機能ですが、普通のHTMLと比べると、これがあるのは大きなメリットです。長いメルマガなどが、EPUBで配信されるようになると、目次機能で見たいところをすぐに見られて便利だと思います。

9.保存できる
  例えば、有料のメルマガなど、まとめて保存しておきたいと思うことはあるでしょう。EPUBはファイルとして保存できるので、普通のHTMLよりも保存が楽です。個人的には今のPodcastみたいな感じでEPUBの購読ができるといいのに、と思います。iPhoneのNewsstandはちょっとアプリより過ぎていまいちな気がするのですがどうでしょうか。

10.もしかしたらブラウザの標準機能に入るのでは
  EPUBの表示はHTMLですから、WebkitなどHTMLのエンジンを使って開発するのが普通です。裏を返せば、WebブラウザでEPUBを表示するのも簡単です。今後はWebブラウザの基本機能に入ってくる可能性もあるでしょう。
Date: 2011/1014 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Bill Harlanの二つのブランドHarlan/Bondが作っているワインの中でダントツに安いのがBondのMatriarch(メイトリアーク)。ボンドの各畑のブレンドになっており、単一畑ものに比べて早くから飲みやすいのが特徴です。また、日本の価格が米国より実質安いというのも貴重なところ。1万円前後でカベルネ系買うなら間違いなくお勧めできる1本です。

新入荷の2007年はWine Advocate誌では91点。2005の93点よりは少し落ちるものの、十分いいワインです。何よりも手に入るハーラン系ワインということで。

Bond Matriarch 2006/2007はこちら
Date: 2011/1013 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋とカリフォルニアワインあらかると、京橋ワインにSeghesioのHome Ranch Zinfandel 2009が税抜き4980円で出ています。今日発行されたばかりのWine Spectatorの先行情報誌で95点というZinfandelとしては全米歴代3位の高得点を取ったことが明らかになったワイン。

私の予想では、多分これはWine SpectatorのWine of the Yearでトップ10に入るでしょうね。Seghesioは元々このリストの常連ですし、2008年にはSonoma CountyのZinfandelが10位に入っています。

そのときのレイティングは93点。価格は24ドルでした(Wine of the Yearには価格や生産量も加味されます)。また、RosenblumのZinfandel Rockpileが3位に入ったときは94点で28ドル。今回は95点で38ドルなので、トップ5くらいまで期待できそうな気がします。

上位に入ると、なかなか買えなくなるので、先物買いするなら今のうちですよ。


Date: 2011/1012 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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一週間まえの降雨がソノマの収穫に大きく影響しそうだという記事が出ていました(Rains bring rot to Sonoma County vineyards | PressDemocrat.com)。

Russian River Valleyなど、涼しい地域ではボトリティスによる腐敗の被害が出てきているとのこと。今週もまた雨が降ったりやんだりということで、この時期にしては雨が多いようです。Bacchus Vineyard ManagementのGlenn Alexanderさんのところでは、あるZinfandelの畑の半分、シャルドネの15~30%が被害にあったというから、かなりの規模です。

ただ、これまでのところ糖度には影響が出ていないということなので、品質には特に問題はなさそうです。Cabernet Sauvignonなど、収穫時期が遅いものでは、きちんと熟成するかどうか、今後の天候次第のようです。
Date: 2011/1010 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアのシラーは、はまるとむちゃくちゃおいしいと思ってます。正直、日本ではあまり人気がないのではないかと思いますし、私も数年前まではシラーってよくわからないとか書いていましたが、その後いくつか「これはおいしい」と感じるシラーに出会い、Pinot Noirほどではありませんが、ときどき飲むようになりました。

当時、米国で超入手困難、100ドル200ドルは当たり前だったのがSaxumで、国内では1万円以下で入手できました。その後、輸入中止から再輸入されるようになりましたが、さすがに以前ほどは安くありません。Wine Advocate誌で100点のワインもあり、今や押しも押されぬUSシラーの旗手となっています。

柳屋が、今当時のSaxumに相当すると言っているのがTensley。確かに、最高でWine Advocate誌99点を取っているという実力に加え、米国で非常に入手困難なこと。これで100点でも取ろうものなら、これもまた日本での価格に影響するでしょう。

今回のColson Canyon Vineyardは2007年95点、2008年96点の実力。さらに99点を取ったAnniversary Seriesも同畑のブドウを使っています。

シラー好きなら、今のうちに試しておきたいワインです。

Date: 2011/1010 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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YountvilleというとFrench Laundryをはじめとするレストランで有名ですが、ワイナリも数は多くないものの、優れたところがあります。
Date: 2011/1009 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインの裏ラベルなどにQRコードを印刷するワイナリが増えているとのことです(Scanning Ahead | News | News & Features | Wine Spectator)。Justin、Chappellet、Dry Creek、ワシントン州のCharles Smithなどが採用を始めているとのこと。

主な用途はワインの詳しい情報を伝えること。例えばDry CreekはQRコードのリンクからワイナリについてのビデオを見られるようにしているそうです。

ただし、まだこの動きが本格的になるかどうかについては、微妙です。QRコードは米国ではあまりメジャーではありませんし、Opus Oneなどのワイナリは今後携帯電話で普及すると見られているNFCを使っています。

※NFCは数センチといった近距離で無線通信する技術。おサイフケータイなどに使われているFelicaもその一つですが、NFCというとFelicaとは互換性がないTypeA、TypeBと呼ばれる技術を指すことが多いようです。

日本人としてはQRコードでいいじゃない、と思うのですが。
Date: 2011/1008 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Napaでどこが最良のカベルネを生み出すか。ShaferのあるStags Leap、Bealieuなどで知られるRutherford、SpottswoodeのあるSt. Helena、AraujoなどがあるCalistoga、どこも素晴らしいですが、Oakvilleがワン・オブ・ザ・ベストであることに異議を唱える人は少ないのではないでしょうか。

Halan Estate、モンダヴィなどで知られるTo-Kalon Vineyard、Screaming Eagle、Dalla Valle、PhelpsのBackus、etc。キラ星のごとく、有名ワイナリや畑があります。

ただ、一口にOakvilleといってもHarlanやTo-KalonがあるHighway29よりも西側のスロープと、Dalla ValleやScreaming EagleなどがあるSilverado Trail周辺の東側の地域と、大きく2つにわかれます。この東側の地域について論じた記事がありました(What’s So Special About East Oakville? Soil. - Wine Enthusiast Magazine - Web 2011)。

これによると、東側の地域は火山による赤土で覆われており、それが大きく影響しているようです。Dalla ValleのワインメーカーであるAndy Erickson(2010年まではScreaming Eagleのワインメーカー)によると、この赤土は鉄分を多く含んでおり、それがミネラルや酸に寄与しているのではないかとのこと。ただし、科学的にはっきりしたことは分かっていないそうです。

一方で、西のスロープと比べると、熱に当てられやすいのが弱点です。夏の熱波への対策が必要になります。Ruddでは霧を吹くことで熱波対策をしているとか、Dalla Valleではブドウを植える方向を通常の南北ではなく東西にして、西日に直接当たることを防いでいるそうです。

代表的なこの地域のワインです。
Date: 2011/1007 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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先日、コストコに行ったらモンダヴィのNapa Valley Cabernetがなんと1800円台。国内だと普通は4000円しますから破格な値段です。これにつられて、久しぶりにカベルネを飲みました。

いやいや、このワインおいしいですよ。カベルネ、どうしても飲み疲れてしまいがちなのですが、ミディアムボディで、だれたところがないワイン。こんなワインばかりなら、またカベルネ飲もうかなと思ったくらいです。

コストコに行く人はお勧めですよ。
Date: 2011/1005 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのRaymondが大幅なリニューアルを果たしました(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Napa)。

Raymondは1971年にBeringerの末裔であるRaymond家によって作られたワイナリ。その後、日本のキリンが買収。年産27万5000ケースという中堅のワイナリで、質の割に価格が安いなどの特徴がありましたが、あまりぱっとせず、2009年にBoisset家が買い取っていました。

Boisset家が買収してからは、ビオディナミを導入したり、テイスティング・ルームを充実させるなど、ビジター向けメニューなどに力を入れてきました。
Date: 2011/1004 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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常にカリフォルニアワインの中心だったナパは、カルトワインブーム以降、求心力を失っているように見えます。変わってソノマやセントラル・コーストのワイナリに注目が集まるようになりました。


2004年に公開された映画「Sideways(サイドウェイ)」は、Santa Barbara(サンタ・バーバラ)を舞台にしており、主人公が好きなワインもPinot Noir(ピノ・ノワール)でした。ここからピノブームが始まりました。


ソノマではWine Spectator誌で高く評価されて一時期カルト的な人気を博したKosta Browne(コスタ・ブラウン)や、請負のワインメーカーを大幅に減らしたHelen Turley(ヘレン・ターリー)のワイナリMarcassin(マーカッサン)、Kistler(キスラー)などが注目を受けました。いずれもPinot Noirを得意としており、MarcassinとKistlerはシャルドネでもトップクラスです。


セントラルコーストではMonterey(モントレー)近くのSanta Lucia Highlands(サンタ・ルシア・ハイランズ、SLH)とSanta BarbaraのSanta Rita Hills(サンタ・リタ・ヒルズ)がPinot Noirの産地として急上昇しました。SLHではブルゴーニュのLa Tacheから枝木を持ち帰って植えたという伝説を持つGary Pisoniが持つPisoniの畑や、Gary Pisoniの盟友であるGary Franscioniと共同で持つGarys'の畑など、ブドウ畑が注目されました。多くのワイナリがPisoniやGarys'のブドウを使ったPinot Noirを作っています。また、Santa BarbaraのSanta Rita Hillsでは、若いワインメーカーが切磋琢磨して品質を向上させました。Loring(ロウリング)やBrewerーClifton(ブリュワー・クリフトン)といったワイナリに注目が集まりました。


カリフォルニアの中央近くPaso Robles(パソ・ロブレス)も注目の地域です。Alban(アルバン)やSaxum(サクサム)などシラー系のワインが特に品質が高く、この二つのワイナリはRobert Parkerが100点を付けたワインがあります。


※歴史シリーズはこれで終了です。
Date: 2011/1002 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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2001年にインターネット・バブルが弾け、高額ワインを購入していたシリコンバレーの顧客が減ったことで、カルトワインのブームは収束しました。ただ、一回上がったワインの値段は簡単には下がらず、ナパを中心とするワイン業界は苦しいときを迎えます。中小のワイナリが大資本のアルコール飲料メーカーに買収されるといったことが頻繁に起こるようになりました。


それを象徴するのがRobert Mondaviです。バブル期に多くの投資や寄付をした付けが回り、経営が苦しくなってしまったのです。例えばナパに鳴り物入りで作ったCopia(コピア:The American Center for Wine, Food and the Arts)やUC Davisに多額の寄付をしていました。2004年、ついにコロナ・ビールなどを有する大資本のConstellation BrandsがOpus Oneを含むRobert Mondavi社を買い取りました。


さらに、Robertの長男Michaelと次男のTimとの間の不仲も表面化し、両者は別々の道を歩むことになりました。MichaelはMichael Mondavi Family Estate(マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステイト)というワイナリを興しており、TimはRobert夫妻や姉とContinuum(コンティニュアム)というワイナリを作っています。一方で、Robertは実弟Peterと仲違い以降初めて一緒にワインを作り、一応仲違いは終わりました。Robert Mondaviは2008年、91歳で亡くなり、ついに一時代が終わりました。


2000年代になってRobert Mondavi以外にもSanford(サンフォード)、Arrowood(アローウッド)、Gary Farrell(ゲイリー・ファレル)など創業者の名前が付いたワイナリが大資本に買われています。


2007年のリーマンショックは、不況に追い打ちをかけました。25ドルを越える価格のワインの売り上げが急減したのです。ワインの消費は減っていないものの高額なワインは売れない状況が続いています。