コンティニュアム(Continuum)のティム・モンダヴィの息子、カルロとダンテがナパを離れてソノマで作ったワイナリーがレイン(Raen)です。
参考:
モンダヴィ家の最新ワイナリーはピノ専業で高評価
【保存版】モンダヴィ・ファミリーの系譜 ←余談ですが、これ本当に力作なんです。モンダヴィ関係でだれがだれだかわからなくなったら、僕もこの記事で復習しています。

記事タイトルでも「ピノ専業」などと書いてしまっていますが、実はシャルドネも始めているんだよということで、最初のヴィンテージを早速購入されたKさんからお誘いを受けました。

ワイン会にきちんとは参加できなかったのですが、ちょっとでもということでずうずうしく試飲だけさせてもらいに行ってしまいました。場所は赤坂の「あじる亭 カリフォルニア」です。
ConundrumのスパークリングとRaenのシャルドネ
レインだけいただくつもりだったのですが、ほかに持ち寄られたワインもいただいてしまいました。本当に恐縮です。

まずは、ケイマス系列のコナンドラムが25周年で作ったスパークリングという珍しいワインです。軽いイースト香、花の香りやメロンの風味など、ヴィオニエ風の味わいに、アフターをちょっと引き締めるような軽い苦味はソーヴィニヨン・ブラン由来でしょうか。セパージュの詳細は明らかにされていませんが、白のコナンドラムと基本的に同じだそうです。スパークリングとしては比較的酸がおだやかなので、ふだんスパークリングを敬遠している人でもすいすい飲めるようなワインです。

次が本命のレインのシャルドネ。2016年で畑はソノマ・コースト(AVAはフォートレス・シーヴュー)のチャールズ・ランチ。フランスワイン風のラベルは畑の名前よりも「フォートレス・シーヴュー」というAVAの名前が目立つユニークなデザイン。

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ボトル番号が振ってあり、111番というのは奇しくもこの日の日付11月1日と重なっています。

オレンジなど柑橘系の香りが、びっくりするような濃度で押し寄せてきます。飲んでみると、意外と果実味は少なく、エレガントさが引き立つ味わい。酸はかなり強め。ハーブやいわゆるミネラルっぽさなど、果実味以外の要素がしっかりと感じられるワインなので、5年以上熟成させると魅力がさらに上がってくるのではないかと思いました。カリフォルニアワインファンからすると、もう少し果実味を前面に出してもいいのでは、という気もしました。

a.p. vin garys
次はA.P. Vinのピノ・ノワール ゲイリーズ・ヴィンヤード2014。ゲイリーズのワインを飲むのも久しぶりです。A.P.Vinは、ローリングやオーガスト・ウエストなどの流れを引くワイナリーですが、比較的エレガントなワインを作るとされています。一方、ゲイリーズは、サンタ・ルシア・ハイランズの3大著名畑と言っていいピゾーニ、ゲイリーズ、ロゼラズの中でも芯の太いワインができるので有名な畑。エレガント系かボールド系かどちらに行くのだろうと味わってみると、煮詰めたジャムのような、あま苦さがあり、これはまさにゲイリーズ。久しぶりにこの味飲みました。最近、ピノ・ノワールもかなりエレガントな方向にスタイルが移行していますが、ここまでゲイリーズらしさを打ち出すのは、逆にすがすがしいですね。個人的には好きです。

参考:A. P. Vin: 新世代ピノ・メーカーの筆頭格

Switchback Ridge
最後はナパのワイナリー「スイッチバック・リッジ」のカベルネ・ソーヴィニヨン2002。15年たって果実味が落ちてきて、それ以外の要素が次第に出てこようとしている感じのワイン。もうちょっと時間をかけて味を引き出したかったです。

ワイン持ち寄られた方々、ごちそうさまでした。