ワイン業界でのTwitter利用は日ごとに盛んになっています。本当に,月とか週という単位ではなく,毎日参入が続いている感じです。僕ごときをフォローするワイン関係の人が毎日複数いるくらいですから,ねずみ算のように膨れ上がってきているのでしょう。Twitter上でフォローすべき12人のワイン・ピープルなんていう記事も書かれており,200回以上「retweet」(Twitter用語で,だれかのつぶやきを自分のつぶやきで紹介すること)されています。

このブログのネタ元としては,以前はWine Business Onlineなどの専門サイトが中心で,それにパーカーの掲示板などをときどき見ていましたが,一昨年くらいからブログ(というよりRSSリーダーと言った方が適切かな)の比重がだんだん増えてきました。この1カ月はそこからTwitterに急速に移行しています。とはいえ元記事はブログだったり各種ニュース記事だったりするわけですが,それらを知る媒体としてはTwitterが一番早く多様性が高くなっています。

これが一過性のものなのか,ブログのように定着するのかはまだ分かりませんが,とにかくここしばらくはTwitterへの注目は高まるばかりだと思います。



閑話休題。

ここで書いているワイン業界の話は一言で言ってしまうと英語圏だけのことです。つまりは米国に英国,それにオーストラリアやニュージーランド。フランスやイタリアなどの旧世界からの発信もあるのかもしれませんが,少なくとも僕はまだ見たことがありません。まして日本は。

先週あたり,日本のWeb界隈では梅田望夫さんのインタビュー(前編後編)がかなり否定的な文脈で話題になりました。個人的には梅田さんが日本のWebと英語圏のWebを比べたときに,そこで発せられる情報の質の違いにがっかりしたというのは,かなり同感できます。特にワイン業界の場合,Webにおける情報がというだけでなく,そもそも日本においてワインに関するジャーナリスティックな視点がほとんど存在していません。リアルワインガイドは少なくとも創刊時はそのあたりをかなり志向していたのかと思いますが。

どうしてなんでしょうね。日本はワイン産出国として一流でないからなのかとも思いましたが,日本よりワインを作っていない英国にはDecanter誌があり,Jancis RobinsonやHugh Johnsonがいます。

日本でも堀賢一さんや,今は亡き麻井宇介のように高い志を持った人はいるし,おそらく僕の知らないところではほかにも多くの人がいるのだろうと思います。ただ,やはりその声はエンド・ユーザーにほとんど届いていません。それこそブログやTwitterで日本のワインのオピニオン・リーダーとしてどんどん発信して欲しいなあと強く願う次第です。「神の雫」の亜樹直姉弟が日本を代表してワイン業界の影響力がある人物に選ばれるなんて,あまりにも貧困だと思いませんか。