ダイアトム復活、ブリュワー・クリフトンからはクリフトンが去る――グレッグ・ブリュワー・インタビュー前編
シャトー・イガイタカハの漢字シリーズの新ヴィンテージ出荷開始記念で来日したグレッグ・ブリュワーにインタビューしました。ここ数年、イベントなどで顔を合わせる機会はあったものの、じっくりとインタビューするのは久しぶりで、いろいろと教えてもらいました。
――数年前にダイアトム(Diatom)をやめ、昨年はメルヴィル(Melville)のワインメーカーもやめました。今はブリュワー・クリフトン(Brewer-Clifton)とシャトー・イガイタカハだけなのでしょうか。
グレッグ:実を言うと、今いろいろと変化しているところです。ダイアトムは2016年に復活します。それからヒリアード・ブルース(Hiliard Bruce)ではワイナリー・ディレクターという仕事を始めます。
――ダイアトム復活ですか。おめでとうございます。コンセプトは従来通りなのでしょうか。
グレッグ:シャルドネのみ、ステンレスタンクでの発酵といった点はこれまで通りです。ダイアトムは当初、単一畑のシャルドネを作り、それから漢字シリーズで、畑名を明らかにしない形にしました。漢字シリーズはその後シャトー・イガイタカハに移管されたので、今回のダイアトムは、単一畑のワインに戻ります。
――畑はどこになりますか。
グレッグ:ヒューバー(Huber)と、その他2つ程度の畑になると思います。
――ヒリアード・ブルースではどういう仕事をするのですか。
グレッグ:ワイナリー・ディレクターという仕事はワインメーカーではないので、ワインを直接つくることはありません。それ以外のさまざまなワイナリー内のオペレーションを担当することになります。
――ブリュワー・クリフトンは従来通りですか。
グレッグ:実はつい最近、スティーブ・クリフトンはブリュワー・クリフトンから離れることになりました。このほかにシカゴからのパートナーが加わる形になります。
――それはびっくりです。
グレッグ:つい先日のことなので、まだほとんど誰も知らないのです。
――ブリュワー・クリフトンは2012年ヴィンテージ以降、エステート(自社畑のみになること)に移行しました。その理由を教えてください。
グレッグ:1996年にブリュワー・クリフトンを始めたとき、資金は1万ドルしかありませんでした。必然的にブドウ畑を買うことはできず、購入したブドウでワインを作っていました。その後、サイドウェイズによるブームなどもあり、いくつかの畑から契約を打ち切られてしまいました。そこで、もっと自分たちでコントロールできる畑が必要だと考えました。
まず、畑を管理する会社を作り、2005年のMt. Carmelの畑をそこで管理してみました。うまくいったので2007年に最初の畑3D Ranchを購入しました。
後編に続きます。