ブロック・セラーズ(Broc Cellars)はサンフランシスコの対岸、大学で有名な街バークレーにある都市型のワイナリーです。ブドウは全部契約農家からの購入ですが、急斜面でとても痩せた土地など、恵まれているとはいいがたい畑で、有機栽培やバイオダイナミクス(ビオディナミ)で作られたブドウを使っています。

ワイン造りも原始的。天然酵母で基本的には放っておくだけといっても過言ではないような方法を使っています。酸化防止剤もボトル詰め時に最小限使うだけです。

ラブ・ホワイトは有名な国立公園ヨセミテから100kmくらい南に行ったところにある畑のブドウを使っています。と聞くと、暑いセントラル・ヴァレーを想像しますが、標高400mあまりで昼と夜の温度差が大きく、斜面を上がったり下がったりする風が吹くところだそうです。ブドウの葉を多く残して、糖度が上がりすぎないようにし、収穫は8月中。これでアルコール度13度で仕上げています。

品種はマルサンヌが85%、ルーサンヌが12%、ヴィオニエが3%。ルーサンヌだけは果汁と果皮を少し接触させているとのこと。

ラブ・ホワイト

色は黄色からややオレンジにかかった感じ。オレンジワインというほどではないですが、普通の白ワインよりは色が濃いです。香り、味わいともかんきつ系を強く感じますが、レモンのような鮮烈な味ではなく、オレンジなど酸味のおだやかな味わいです。かんきつ系の果皮のような軽い苦みも感じます。鉱物系のニュアンスも少しあります。

アルコール度数が低いためもあってか、飲みやすく、どんどんなくなってしまいます。

ハートをあしらったラベルはバレンタインに向くと思いましたが、飲んだ印象では、これから恋人になる人と飲むというよりも、夫婦でしみじみ飲む方が似合うかなあと思いました。とはいえ、このような「New California」ワインは米国では30代前半より下のミレニアル世代に特に受け入れられているようなので、先入観を持ってはいけないのでしょうね。

ちなみに、インポーターの担当者によると、ブロック・セラーズではジンファンデルもオススメとのこと。また機会を見て試したいと思います。