注目の若手ワインメーカーが造る『ルタム』」という記事を先月公開しましたが、ここで取り上げたルタム(Lutum)のワインメーカーがギャヴィン・チャナン(Gavin Chanin)という人。

このワインメーカー、よほどの才人で弱冠26歳にして、2012年にSFクロニクルの注目のワインメーカーに選ばれています。そのときのワイナリーが自身の名前がついた「Chanin」。ルタムは彼の才能を見込んだビル・プライスと組んで、その年に始めたワイナリーです(詳しくは「弱冠26歳にして2つ目のワイナリを手に入れるGavin Chaninとはどういう男か」を)。ビル・プライスはソノマのデュレル(Durell)やギャップス・クラウン(Gap's Crown)といった銘醸畑のオーナーでキスラーなどにも出資している大物ですが、26歳で彼に認められるというだけでもすごいことです。さらに2013年にはシャルドネで、2016年にはピノ・ノワールでワイン&スピリッツ誌の全米ナンバーワンに選ばれているなど、これまで受けた称号は数知れず…

前置きが長くなりましたが、このChaninのワインが実は日本に輸入されていたのです。ただ、飲食店向けだけに出していたそうですが、柳屋がそれを発見して輸入元と交渉し、なんとか一般向けに売り出したというのが今日の記事です。なお、ワイナリー名はカタカナで表記するなら前述のようにチャナンが近いですが、輸入元は「シャナン」としています。

この人のワイン造りのポリシーはバランス。かつてのIPOB(In Pursuit of Balance)に近い立場です。彼が最初にワイン造りを修行したのがオー・ボン・クリマのジム・クレンデネンだったということも影響しているのでしょう。アルコール度数も抑え、エレガントなワインを作っています。先日紹介したレインもそうですが、最近の若手ワインメーカー、こうやってエレガントなワインを上手に作っていてすごいなあと思います。

今回、販売されているのは2014年のビエン・ナシード・シャルドネ。ヴィナス(Vinous)とワイン・エンスージアストで95点を得ています。ワイン・アドヴォケイトはこのワインは未評価ですが2011年のビエン・ナシード・ピノ・ノワールに95点をつけるなど、そこでも高く評価されています(先日のルタムも記事では未紹介でしたが93~94点を付けていました)。

価格はルタムより少し安い約8000円。シャナン(チャナン)に関しては、今後も一般向け販売があるかどうかわからないので、この機会を逃すと日本での入手は難しいかもしれません。