高いワインが美味しいのはある意味当たり前ですが、やはり知りたいのはコストパフォーマンスの高いワインですよね。そこで5000円までのおすすめワインを品種ごとに価格帯別に紹介していこうと思います。すべて自分で試飲して自信を持って薦められるワインです。

まずはカベルネ系というかボルドー系の品種のワインから。

●1000円以下

この価格帯では個人的にはカルディコーヒーファームで売っている「レッドウッド」のカベルネ・ソーヴィニヨンが一択です。実は令和になって最初に飲んだワインでもあります。さすがに凝縮感はありませんが、カシスの風味もあってカベルネ・ソーヴィニヨンらしい味わいはちゃんとあります。ミディアムボディで柔らかい味わい。飲みやすくはずさないワインです。


●1000円台
意外と難しいこの価格帯。2000円台になるとかなり本格的においしいワインも多いのですが、1000円台で1000円以下のものより明らかにレベルが上のものって見つけにくいのです。その中で、さすがだなと思わせてくれるのがスリー・シーヴスのカベルネ・ソーヴィニヨン。スリー・シーヴスは、人気ハンバーガー店「Gott's Roadside」やワインブランド「Joel Gott」で知られるジョエル・ゴットが二人のワイン業界の才人と組んでコストパフォーマンスの高いワインを作るプロジェクト。ミディアムボディですが、スパイシーな感じやタンニンなど、しっかりした味わいがあるのが1000円以下のワインと一線を画しています。


1000円台のカリフォルニアワインで、「これを買っておけば安心」なブランドがマックマニス。家族経営のワイナリーですが、非常にコストパフォーマンスの高いワインを作っています。カベルネ・ソーヴィニヨンもカベルネらしい味わいのワイン。



●2000円台
カリフォルニアワインではありませんが、この価格帯ではずせないのがワシントンの雄チャールズ・スミスが作るワイン・オブ・サブスタンスのカベルネ・ソーヴィニヨン。この価格帯ですべて天然酵母を使い、樽熟成という手間のかけかたもすごいですが出来上がったワインも驚くべきレベル。チャールズ・スミス本人が「この価格でこれほど美味しいワインが作れるようになるとは想像もしなかった」と自賛するワイン。2018年には米国の大手オンラインワインショップwine.comで年間で一番よく売れたワインに選ばれています。「カシスやブラックベリーの果実味に鉛筆の芯の風味など複雑さもあり、酸も豊かでバランスもすばらしい。一言で言えば非の打ち所がないワインです」というのは私のテイスティング・ノートより。

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ワインズ オブ サブスタンス カベルネ ソーヴィニヨン[2016]
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2000円台のカリフォルニアワインからはウルトラバイオレットのカベルネ・ソーヴィニヨンを紹介します。「ニュー・カリフォルニア」と呼ばれるエレガントなスタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンですが、複雑さもありとてもレベルの高いワイン。ワインメーカーは注目の女性醸造家サマンサ・シーハン。


この価格帯でナパを代表するのがフランシスカン。オークヴィルの一等地の畑のブドウを使ってこの価格帯はがんばっています。ガロへのブランド移行で今後が心配ですが、少なくとも現状では間違いなくお薦めの一つ。


ダックホーンの作る一番安価なブランドがデコイ。といってもセカンド的な位置づけではなく、ソノマで一流の畑との契約ブドウで作っています。現地価格で25ドルが日本でも2000円台と、日本の価格自体がんばっています。ここはやはり紹介したいのはメルロー。ダックホーン系列だけあってメルローにはかなりのこだわりを持って作っているのだと思います。



●3000円台
ヴィノスやまざきが輸入するストーンヘッジの「メリタージュ」は、カリフォルニアらしい果実味の豊かさとふくよかさを十分に持ったワイン。同社の赤ワインでは一番の売上だというのが納得いくレベルの高さ。ちょっとだけ格上の「ヴィンテージ・セレクション」もあります。

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ストーンヘッジ・メリタージュ・ナパヴァレー2016
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ナパのフランシスカンに対し、ソノマからはシミ。フランシスカンと比べるとややエレガントなスタイルがソノマっぽさを表しているようです。これもブランドのガロへの移行で今後が心配なブランドです。


オールド・ヴィンテージの在庫発掘物なのでいつまであるかはわかりませんがトロワ・ヴォワイエルは安価で熟成ワインが楽しめる貴重なワイン。




●4000円台
群雄割拠する4000円台ですが、まずは逃せないのが明石家さんまさんがTV番組で紹介して大ヒットになった「ナパ・ハイランズ」。このブログでもそれより前から紹介しており、ナパらしい味わいをこの価格で提供していることにはかなり驚きました。


ナパ・ハイランズは売れすぎて常に品薄状態になり、各インポーターがこの価格帯で良質のワインをぶつけてきています。

ナパ・ハイランズの輸入元でもある中川ワインが輸入するのが「エクスペリエンス」。これも非常に良質のナパらしいカベルネ。


ブラックスミスのクラレットは布袋ワインズの輸入。これも秀逸な味わいです。


この価格帯のワインの多くはナパの契約畑のブドウを使っているのに対し、ホワイトホール・レーンは自社畑も数多く持っています。トレ・レオーニはカベルネ・ソーヴィニヨンを中心にメルロー、シラー、ジンファンデルをブレンドしたもの。やわらかくふくよかで非常にコストパフォーマンスの高いワインです。ラベルもいいです。