シュレーダー(Schrader)などのワインメーカーとして知られているトーマス・リヴァース・ブラウンのプライベート・ブランド「リヴァース・マリー(Rivers-Marie)」(Marieは奥さんのミドルネーム)。ソノマのピノ・ノワールやシャルドネをメインとしていますが、カベルネ・ソーヴィニョンもレベルが高く、しかもコスパもよいことで知られています。

カベルネ・ソーヴィニョンだけでも、いくつかの畑のワインを作っていますが、2016年から加わったのがセント・ヘレナのハーブ・ラム(Herb Lamb)ヴィンヤード。1990年代にはコルギン(Colgin)のワインの畑として一世を風靡したところです(当時のコルギンのワインはハーブ・ラムのみでした)。

その後、フィロキセラで植え替えを余儀なくされ、2007年を最後にコルギンとしてのワインはなくなり、自身のブランドとして続けていました。そして、2016年からこの畑のワインを作り始めたのがリヴァース・マリーで、この年のワインはワイン・アドヴォケイトやヴィナスで95点を超える高い評価を得ました(国内未輸入)。

2017年は山火事による煙汚染の影響でワインは作られず、今回2018年のものが輸入されてきました。試飲の第一印象はとにかく華やかなワイン。果実味強く、重さをあまり感じません。といって薄かったり軽かったりするワインというわけではなく、ジューシーでナパのカベルネ・ソーヴィニョンらしいきめ細やかなタンニンがあり、満足感の高いワインです。これも94、5点は付くのではないかと思います。



実は2020年からはハーブ・ラムのオーナーの引退によって畑自体をトーマス・リヴァース・ブラウンにリースすることになったため、今後は自社畑という扱いになります。おそらくブドウの品質もさらに上がり、リヴァース・マリーを代表するワインの一つ、というかナパのトップクラスの一員になっていくだろうと思います。