米国のシリコンバレーバンク(SVB)が3月10日に経営破綻し、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入りました。リーマンショック時のワシントン・ミューチュアルの破綻に次ぐ規模だと言われています。
SVB

シリコンバレーのIT企業への投資で知られるSVBですが、ワイン業界でも極めて存在感が大きな銀行です。ナパに「プレミアム・ワイン」部門を持ち35人もの専門家を抱えています。また、年に1回公開される「State of the Industry Report」はカリフォルニアのワイン業界の状況を分析したもので、業界では必須の資料となっています。現在も400を超えるワイナリーやワイン関連企業がSVBから融資を受けています。有名なワイナリーではシャトー・モンテリーナ、ハーシュ、ダリオッシュ、トレフェッセンなどがSVBの顧客に含まれています。

SVBの破綻によって、今すぐワイナリーの経営が傾くといったことはなさそうですが、当面25万ドルまでしか預金を引き出せないということになっており、ワイナリーによっては運転資金の確保が問題になるケースは出てきそうです。また、開発中のワイナリーやブドウ畑などは開発が止まってしまう可能性がありそうです。運転資金を確保するために古い在庫を投げ売りするようなワイナリーもあるかもしれません。

SVBのワイン部門の創設者であるロブ・マクミランは、現時点ではコメントできないと問い合わせに対して返答しているとのことです。