オレゴンとワシントンにおけるサスティナブルの動向とワイン(覚書)
5月に開催された「持続可能なパシフィック・ノースウェストワイン」のセミナーの覚書です。皆様に読んでいただく記事というよりは、自分のためのメモに近いものです。うまく記事にまとめられなくてすみません。
講師はBree Stock MW。昨年もパシフィック・ノースウェストの認定セミナーでお世話になりました。
まずは、オレゴンとワシントンについての基本的なことから。
95%の米国のワイン生産は西海岸ですがカリフォルニアが88%を占めており、1つのワイナリーでオレゴン(生産量5位)やワシントン(生産量2位)の全生産量を超えるような大手もあります。それに対してオレゴンとワシントンは小さなエステートの生産者が多く、栽培と醸造が近い関係にあるところが中心です。緯度で言うと緯42~49度と世界的に素晴らしい生産地が集まっている緯度帯です。
ワシントン州には21のAVAがありますが、その中で圧倒的に大きく、他のほとんどのAVAを包含しているのがコロンビア・ヴァレーAVAです。またコロンビア・ヴァレー、ワラワラ、コロンビア・ゴージュの三つのAVAはオレゴン州にも一部含まれています。
オレゴン州ではウィラメット・ヴァレーAVAの存在感が非常に強く、その中に含まれるネステッドAVAが増えています。
また、カリフォルニアやフランスから進出してきている生産者が増えており、サスティナビリティに根ざしたワイン造りを進めています。また、よりよいコミュニティ作りにも注力しているのが特徴です。サスティナブルについては、ただやっているというだけでなく、第三者認証によって示すのが重要になってきています。
認証としてはLIVE - Low Input Viticulture & Enologyがオレゴンで始まって現在はワシントンでも使われています。このほか水質保全を中心とするSalmon Safe、ワシントン州独自の認証で、Salmon Safeも含むSustainable WAなどが使われています。現在約半分のワイナリーがいずれかの認証を受けていますが、それを100%にしていきたいとのことです。このほか、企業の公益性を中心としたBコープという認証を受けているワイナリーもあります。
オーガニック、バイオダイナミック、最近では再生型にも注力している
ウィラメット・ヴァレーの玄武岩が母岩(保水性ある)
北の方では「ロス」ソイル 風によって運ばれる細かい土壌
ワシントンの土壌、バサルトのデポジット、ミズーラ洪水で運ばれる
カスケード山脈との標高差大きい
南向き斜面 ヤキマ 短い生育期間にたっぷり日照を受ける
マルベックやCSなどの熟すのが遅いブドウで重要
ワイン1
エロイカ リースリング コロンビア・ヴァレーAVA エンシャント・レイク XLC 2020
標高高いところの畑。大樽使用で20カ月シュールリーしてダイレクトプレス
青リンゴや濡れた石、ドライで酸高いリースリング
ワイン2
Phelps Creek Lynette Chardonnay 2019
オレゴンはこれまではピノ・ノワールの産地として知られてきましたが、近年はシャルドネの産地として評価されています。1970年代、80年代に植えられたシャルドネはカリフォルニアからのクローンで、オレゴンにあまり向いておらず、下火になってしまいました。1980年代に、デイヴィッド・アーデルシャイムなどが中心になって、ブルゴーニュからオレゴン大にピノとシャルドネのクローンを輸入できるようにして、シャルドネが増えてきました。
酸やや低く、ゆずやハチミツ、ブリオッシュ。ミネラル感ありますが、少し酸化が気になりました。
ワイン3
Adelsheim Breaking Ground Chardonnay
シェヘイレム・マウンテンズAVA
軽い樽感、ミネラル、酸高い、柑橘、バランス良く美味しい
ワイン4
Matthews Winery ソーヴィニヨン・ブラン 2022
再生型の認証も取っているワイナリー。Horse Heaven HillsとYakima Valley
ステンレススティールと樽を両方使っています。フルMLF
黄色い花や柑橘、ネクタリン、酸高くミネラル感ありおいしい
ワイン5
Grosgrain Vineyard Carignan 2022
ちょっとラスティックな赤果実、酸高く、凝縮感は低い。ちょっとナチュラル的なワイルドな風味
ワイン6
Grochau Cellars Gamay/Pinot 2023
ガメイはオレゴンの3%ですが増えています。ブルゴーニュより環境的には上かもしれません。
イチゴの香り、きれいな果実味、少し青果実も。タンニン低く、酸高い、ボディはミディアム
ワイン7
Granivlle Wines Koosah Vineyard Pinot Noir 2023
イオラ・アミティ・ヒルズで最も標高が高いところ(700フィート)に畑があります。オーガニック栽培。全房も使っていて柔らかく抽出しています。
赤い果実ときれいな高い酸、バランス良い、複雑さは強くないが美味しい
ワイン8
Ambar Estate Granville Pinot Noir 2022
ダンディ・ヒルズ、非常に涼しいヴィンテージ
再生型認証や有機認証取得
除梗して優しく抽出、スキンコンタクト21日 新樽30%
赤果実、レッドチェリー、少し黒果実、ミネラル感と複雑さ。ボディは強くないが複雑で美味しい
ワイン9
Boedecker Cellars Shea Vineyard Pinot Noir 2021
ヤムヒルカールトンの畑、50%新樽
レッドチェリーに濃厚なプラムの風味、熟した印象強い。酸は高くバランスはいい
ワイン10
Long Shardows Red Blend Piroutte 2020
カシスやブラックベリー、プラム、酸高く、ボディもやや強い、タンニンきめ細かい
ワインメーカーがフィリップ・メリカ
ワイン11
L'Ecole N.41 Ferguson Estate 2021
きれいで上品、タンニン強いがスムーズな味わい
ワイン12
Hedges Family Estate La Haute Cuvee 2020
沖積扇状地。最も暑く、風が強いAVA
煮詰めたプラム、濃く芳醇で酸高い。タンニン強くしなやか。ミネラル感、かなり良い
天然酵母、フレンチとアメリカンオーク 28カ月 新樽45%
講師はBree Stock MW。昨年もパシフィック・ノースウェストの認定セミナーでお世話になりました。
まずは、オレゴンとワシントンについての基本的なことから。
95%の米国のワイン生産は西海岸ですがカリフォルニアが88%を占めており、1つのワイナリーでオレゴン(生産量5位)やワシントン(生産量2位)の全生産量を超えるような大手もあります。それに対してオレゴンとワシントンは小さなエステートの生産者が多く、栽培と醸造が近い関係にあるところが中心です。緯度で言うと緯42~49度と世界的に素晴らしい生産地が集まっている緯度帯です。
ワシントン州には21のAVAがありますが、その中で圧倒的に大きく、他のほとんどのAVAを包含しているのがコロンビア・ヴァレーAVAです。またコロンビア・ヴァレー、ワラワラ、コロンビア・ゴージュの三つのAVAはオレゴン州にも一部含まれています。
オレゴン州ではウィラメット・ヴァレーAVAの存在感が非常に強く、その中に含まれるネステッドAVAが増えています。
また、カリフォルニアやフランスから進出してきている生産者が増えており、サスティナビリティに根ざしたワイン造りを進めています。また、よりよいコミュニティ作りにも注力しているのが特徴です。サスティナブルについては、ただやっているというだけでなく、第三者認証によって示すのが重要になってきています。
認証としてはLIVE - Low Input Viticulture & Enologyがオレゴンで始まって現在はワシントンでも使われています。このほか水質保全を中心とするSalmon Safe、ワシントン州独自の認証で、Salmon Safeも含むSustainable WAなどが使われています。現在約半分のワイナリーがいずれかの認証を受けていますが、それを100%にしていきたいとのことです。このほか、企業の公益性を中心としたBコープという認証を受けているワイナリーもあります。
オーガニック、バイオダイナミック、最近では再生型にも注力している
ウィラメット・ヴァレーの玄武岩が母岩(保水性ある)
北の方では「ロス」ソイル 風によって運ばれる細かい土壌
ワシントンの土壌、バサルトのデポジット、ミズーラ洪水で運ばれる
カスケード山脈との標高差大きい
南向き斜面 ヤキマ 短い生育期間にたっぷり日照を受ける
マルベックやCSなどの熟すのが遅いブドウで重要
ワイン1
エロイカ リースリング コロンビア・ヴァレーAVA エンシャント・レイク XLC 2020
標高高いところの畑。大樽使用で20カ月シュールリーしてダイレクトプレス
青リンゴや濡れた石、ドライで酸高いリースリング
ワイン2
Phelps Creek Lynette Chardonnay 2019
オレゴンはこれまではピノ・ノワールの産地として知られてきましたが、近年はシャルドネの産地として評価されています。1970年代、80年代に植えられたシャルドネはカリフォルニアからのクローンで、オレゴンにあまり向いておらず、下火になってしまいました。1980年代に、デイヴィッド・アーデルシャイムなどが中心になって、ブルゴーニュからオレゴン大にピノとシャルドネのクローンを輸入できるようにして、シャルドネが増えてきました。
酸やや低く、ゆずやハチミツ、ブリオッシュ。ミネラル感ありますが、少し酸化が気になりました。
ワイン3
Adelsheim Breaking Ground Chardonnay
シェヘイレム・マウンテンズAVA
軽い樽感、ミネラル、酸高い、柑橘、バランス良く美味しい
ワイン4
Matthews Winery ソーヴィニヨン・ブラン 2022
再生型の認証も取っているワイナリー。Horse Heaven HillsとYakima Valley
ステンレススティールと樽を両方使っています。フルMLF
黄色い花や柑橘、ネクタリン、酸高くミネラル感ありおいしい
ワイン5
Grosgrain Vineyard Carignan 2022
ちょっとラスティックな赤果実、酸高く、凝縮感は低い。ちょっとナチュラル的なワイルドな風味
ワイン6
Grochau Cellars Gamay/Pinot 2023
ガメイはオレゴンの3%ですが増えています。ブルゴーニュより環境的には上かもしれません。
イチゴの香り、きれいな果実味、少し青果実も。タンニン低く、酸高い、ボディはミディアム
ワイン7
Granivlle Wines Koosah Vineyard Pinot Noir 2023
イオラ・アミティ・ヒルズで最も標高が高いところ(700フィート)に畑があります。オーガニック栽培。全房も使っていて柔らかく抽出しています。
赤い果実ときれいな高い酸、バランス良い、複雑さは強くないが美味しい
ワイン8
Ambar Estate Granville Pinot Noir 2022
ダンディ・ヒルズ、非常に涼しいヴィンテージ
再生型認証や有機認証取得
除梗して優しく抽出、スキンコンタクト21日 新樽30%
赤果実、レッドチェリー、少し黒果実、ミネラル感と複雑さ。ボディは強くないが複雑で美味しい
ワイン9
Boedecker Cellars Shea Vineyard Pinot Noir 2021
ヤムヒルカールトンの畑、50%新樽
レッドチェリーに濃厚なプラムの風味、熟した印象強い。酸は高くバランスはいい
ワイン10
Long Shardows Red Blend Piroutte 2020
カシスやブラックベリー、プラム、酸高く、ボディもやや強い、タンニンきめ細かい
ワインメーカーがフィリップ・メリカ
ワイン11
L'Ecole N.41 Ferguson Estate 2021
きれいで上品、タンニン強いがスムーズな味わい
ワイン12
Hedges Family Estate La Haute Cuvee 2020
沖積扇状地。最も暑く、風が強いAVA
煮詰めたプラム、濃く芳醇で酸高い。タンニン強くしなやか。ミネラル感、かなり良い
天然酵母、フレンチとアメリカンオーク 28カ月 新樽45%