1988年に、それまで他のワイナリで働いていたDonald Patz、James Hall、Anne Moses、Heather Patzが設立したワイナリ。シャルドネとピノ・ノワールの専門で、様々な畑と契約して単一畑のワインを作るというブルゴーニュの「ネゴシアン」的な方法をカリフォルニアで実践した先駆けのワイナリでもあります。
契約している畑はシャルドネがHyde、Dutton Ranch、Durell、Hudson、Alder Springsなど。ピノ・ノワールはPisoni、Hyde、Alder Springs、Burnsideなど。どれを取っても一級品の畑です。Patz & Hallではただ単に、優秀な畑のブドウを買うだけでなく、畑の持ち主とキメの細かい関係を築き、畑も毎週のようにチェックに行っているとのことです。
品質へのこだわりは並大抵ではなく、樫の木をフランスから輸入して、3年間乾燥させ、オリジナルの樽を醸造に使うほどです。
テイスティング・ルームはナパにありましたが、2014年にソノマに新たに建築しました。移転の理由はソノマの畑を数多く使っているからのようです。テイスティングは多くのワイナリと異なり、着席形式。そのためサロンと呼んでいます。確実に座るためには予約したほうがいいかもしれません。また、10:30、13:00、15:00に行うプライベート・テイスティングは予約が必須。一人50ドルとやや高額ですが、ワイナリ・メンバーと直接会話できます。なお、ワイナリもソノマにありますがテイスティング・ルームとは別の場所であり非公開です。
筆者はかつては毎年20本ほども、ここのワインを買っていたほどのファン。特にシャルドネは好きでした。日本への送料が上がってしまったため、現在は直接購入していませんが、今でも好きなワイナリの一つです。なお、Donald Patzさんは親日家で、たびたび来日しています。