1990年代末のいわゆる「カルトワイン・ブーム」の中でも、一番高価で取り引きされていたのがScreaming Eagle(スクリーミング・イーグル)でした。例えば、2000年6月のNapa Valley Auctionでは1992年のScreaming Eagleの6リットル・ボトルがなんと50万ドルで落札されています。
Screaming Eagleの創設者はJean Philipps(ジャン・フィリップス)。それまでは他のワイナリにブドウを売っていたのを1992年に試しに醸造してみた結果がよく、Heidi Peterson Barrett(ハイジ・ピーターソン・バレット)をワインメーカーとして迎えて本格的にワイナリビジネスを始めたのでした。
ワインはカベルネ・ソヴィニョンブレンドのScreaming Eagleのみ。その最初のヴィンテージからWine Advocate誌では99点の評価が付けられ、あっという間に人気になりました。1997年と2007年は100点の評価を得ています。500ケースという生産量の少なさがオークションでの高騰につながりました。
2006年に、Jean PhillipsはNFLのSt. Louis Ramsなどを持つ実業家のCharles Banksと、そのビジネス・パートナーのStanley Kroenkeにワイナリを売却。この二人はサンタ・バーバラのJonataも購入するものの、2009年にCharles Banksは手を引くことになりました。
Jean Phillipsの売却に伴い、ワインメーカーもHeidi BarrettからAndy Erickson(アンディ・エリクソン)に変わりましたが、2011年にアンディ・エリクソンもScreaming Eagleから離れると表明しています。
価格の高さと、生産量の少なさから、常に注目の的になるワイン。一方で、飲んだことがあるという人をほとんど見かけないワインでもあります。これからも孤高の地位を続けることでしょう。