Caymus Vineyards: 1990年代のカベルネの王者

筆者がカリフォルニアワインを飲み始めたころ、ワインに詳しい（と思われた）知り合いにお勧めのワインを聞いたところ、Robert MondaviとCaymus（ケイマス）の名前が挙がったことを覚えています。実際、Wine Spectator誌のWine of the Yearに1989年1994年と唯一2回選ばれているのがCaymusのカベルネ・ソヴィニョン Special Selectionで、1990年代においてはOpus One、Dominusといったビッグネーム以上に高名なワインでした。

CaymusのオーナーであるWagner（ワグナー）家は20世紀初頭にNapaに移住してきました。果樹園やブドウを作っていましたが、1972年にワイン作りを開始。1975年からSpecial Selectionを始めています。1984年に現在の当主であるChuck Wagner（チャック・ワグナー）がワインメーカーに就任。この年のSpecial SelectionがWine Spectatorで98点を取り、Wine of the Yearに輝いたのでした。

作っているワインはカベルネ・ソヴィニョンとSpecial Selection、それとジンファンデル。このほか別ワイナリでConundrum（コナンドラム）という白ワインのブレンドがあります。ConundrumはSemillonやソヴィニョン・ブランなど5種の白ワイン用ブドウのブレンド。以前はCaymus Conundrumという名前でしたが、2001年から別ワイナリになり、Monterey（モントレー）で醸造しています。

筆者の印象では、ここのカベルネはカリフォルニアらしさを満喫できるもの。ボルドーっぽさはあまりありません。特にSpecial SelectionはShaferのHillside Selectによく似たタイプと感じています。日本では入手しにくいワインですが、機会があれば飲んでみるべきワインの一つでしょう。

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