なんとも奇妙なワイナリです。ワイナリの名前はQuixote(キホーテ)。かのスペインのドン・キホーテにちなんだ名前です。ワイナリのデザインも何やら不思議なもの。これは2000年に亡くなったオーストリアの建築家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーによるものです。
オーナーのCarl Doumaniは1971年にStags' Leap Winery(スタッグス・リープ・ワイナリ)を立ち上げた人。Stags Leap Districtの先駆け的人物です。DoumaniがStags' Leap Wineryを売却したのは1997年ですが、その1年前の1996年にQuixoteのプロジェクトを始めており、畑を買ってブドウを植えています。
畑の名前はStags' Leap Ranch。Stags' Leap WineryとShaferの間にあります。有機栽培で作られており、持続可能な運営を行なっています。
ワインはプティ・シラーとカベルネ・ソヴィニョン。それぞれQuixoteおよびセカンドのPanza(パンザ)のラベルがあります。どちらもStags' Leap Ranchのブドウだけから作られています。収穫からワインのリリースまで7~8年もかける珍しいワイナリです。プティ・シラーではWine Spectatorで93点を取るなど高く評価されています。Stags' Leap Wineryもプティ・シラーで知られており、プティ・シラーを追求するのがQuixote設立の1つの目的だったようです。
ワイナリおよびQuixoteのラベルをデザインしたフンデルトヴァッサーには色々とルールがあり、(1)直線を使わない、(2)屋根には草が生えている、(3)どの建物にも金の小塔がある(男性の象徴的意味合い)、(4)色こそ王様、といったことを決めていたそうです。
ユニークさではナパ・ヴァレーの中でも1、2位を争うこのワイナリ。一度訪問してみたいところでもあります。