Sonomaというのはインディアンの言葉で「谷間の月」という意味があります。まさにその言葉をワイナリの名前にしたのがこのValley of the Moon(ヴァレー・オブ・ザ・ムーン)。1863年に設立されたソノマのGlen Ellenエリアでは一番古いワイナリです。
1883年に2番めのオーナーとなったEli T. Sheppardという人は、日本とも縁が深く、中国で領事を務めた後、明治政府に国際法の指南をしたそうです。Sheppardはワイナリの名称をMadrone Vineyardsとし、石造りのワイナリを建てるなど、近代的なワイナリへの道を進み始めましたが、健康上の問題で1988年にはワイナリを手放すことになりました。なお、この頃作られたワイナリの一部は現在も残っています。
その後もオーナーはたびたび変わり、禁酒法の時代には操業もストップしました。1941年にParducci家が買い取って現在の「Valley of the Moon」の名称にし、ようやく安定した時代を迎えました。1997年に、近隣のKenwoodに売却、現在はDaniel ZepponiとTony Stewartの2人がオーナーになっています。
自社畑は古いものは1930年代からあり、古木のジンファンデルが植わっています。作っているワインは多岐にわたりますが、大半は20ドル以下。それでも近年は多くのワインがWine Spectator誌で80点台後半の点を取っており、コスト・パフォーマンスの高さが目立ちます。