Kendall-Jackson(ケンドール・ジャクソンあるいはケンダル・ジャクソン)で知られるワイナリ・グループがJackson Family Wines(ジャクソン・ファミリー・ワイン)です。現在ではフランス、イタリア、オーストラリア、チリにもワイナリを擁していますが、Vérité(ヴェリテ)はこのグループの一員。グループの創設者でカリフォルニアワインの名誉の殿堂にも選ばれている故ジェス・ジャクソンの肝煎りのプロジェクトとして始まりました。
ワイナリの創設は1998年。ソノマのテロワールでボルドー系のワインを作ることを目指し、ボルドーのCheval Quancard(シュヴァル・カンカール)というワイナリでテクニカル・ディレクターを務めていたPierre Seillan(ピエール・セラン)をワインメーカーとして招きました。当時、ピエール・セランをカリフォルニアに案内し、「ペトリュスと同じくらいいいメルローを作りたいんだ」とジェス・ジャクソンが言ったところ、「どうして(ペトリュスより)もっといいワインを作らないの?」と答えたというエピソードが残っています。
作っているワインは3種。いずれもボルドー系の赤ワインです。La Muse(ラ・ミュゼ)はポムロールを意識し、メルロー中心にカベルネ・フランなどをブレンドしたワイン。La Joie(ラ・ジョワ)はメドック、中でもポーリアックを意識したワインでカベルネ・ソヴィニョン中心でメルローなどをブレンドしています。最後のLe Désir(ル・デジール)はサンテミリオン・タイプのワイン。半分がメルローで残りの大部分がカベルネ・フラン、少量のカベルネ・ソヴィニョンというブレンドです。
畑は4箇所。Alexander Valleyの山にあるAlexander Mountain Estateは標高900フィートから2400フィートの畑でカベルネ・ソヴィニョンとメルロー。Bennett ValleyにあるJackson Parkはメルローの畑。砂地で水はけがいいのが特徴。Knights ValleyにあるKellogはカベルネ・ソヴィニョンとメルローの畑。20年以上の樹齢の樹が植わっています。ワイナリを取り囲むVérité Valeの畑はChalk Hillの特徴である石灰質の土壌で冷涼なところ。メルロー、カベルネ・フラン、プチ・ヴェルドが植わっています。
ロバート・パーカーは2011年に1998年から2010年までのワインを試飲。うち7本(ラ・ミュゼの2001、2007、2008年、ラ・ジョワの2005、2007年、ル・デジールの2007、2008年)に100点を付け、ソノマでは最多の100点獲得ワイナリになりました。ロバート・パーカーによるとVéritéのワインは極めて長熟型。辛抱強く熟成を待つ必要があるとのことです。
100点ワインを生んだワイナリとしては珍しく、予約すれば試飲可能です。75ドルとテイスティング・フィーはかかりますが、ここのワインの高評価と希少性を考えれば、かなりお得でしょう。