Kosta Browne Winery: ピノ時代の寵児になった21世紀的ワイナリ

Kosta Browne(コスタ・ブラウン)は、Dan Kosta(ダン・コスタ)とMichael Browne(マイケル・ブラウン)がソノマのRussian River Valleyに1997年に設立したワイナリです。ほぼピノ・ノワールの専業。1990年代後半以降に作られたワイナリの中では抜群の知名度と人気を誇っています。

2人はSanta RosaにあるJohn Ash & Co.というレストランで働いていたときに出会いました。Michael Browneは当初建築家を目指していましたが、それを諦め、ワイナリを作る夢を2人で持つようになりました。1997年にレストランでのチップを貯めた資金でピノ・ノワールを半樽だけ作り、レストランで供しました。その後、外部の出資者を得て1999年にはソヴィニョン・ブランを作りました。しかし、これはうまく行かず、2人は新しい出資者を探すことになります。

2001年秋にJim Costelloという人が出資者になり、Kosta Browneはピノ・ノワールを中心とした新たな道を進むことになりました。2002年のワインが2004年にWine Spectator誌において好意的にレビューされ、2005年には同誌で2003年のKanzler Vineyardピノ・ノワールが96点と評価されるなど、高得点のレビューが並びました。おりしも映画Sidewaysでピノ・ノワール・ブームが来たことも追い風になり、Kosta Browneは一気にブレイクしました。

メーリング・リストには長蛇の待ち行列ができ、ワインはオークションなどでワイナリ価格の何倍もの価格でやり取りされるようになりました。

その後も2006年に2004年のRussian River Valleyピノ・ノワールがWine Spectator誌の年間7位、2009年には2007年のSonoma Coastピノ・ノワールが同誌の年間4位、2011年には2009年のSonoma Coastピノ・ノワールが年間トップと、快進撃は続き、完全に人気が定着しました。一時ほどの価格の高騰はないものの、この間ワイナリからの出荷価格が着実に上がっているため、ワイナリの財政も楽になりました。また、2009年にはGary Farrellなどを持っているVincraftに株式の大部分を売り、Michael、DanとJim Costelloは一部の株を保有する形になりました。それまで他のワイナリを間借りしてワインを作っていましたが、自社のワイナリ設備を持つようにもなりました。

現在のラインナップはRussian River Valley、Sonoma Coast、Santa Lucia Highlandsの3つのAVAのピノ・ノワール、Russian River ValleyのKoplen、Sonoma CoastのGap's Crown、Kanzler、Keefer Ranch、Santa Lucia HighlandsのGarys'、Roeslla's、Pisoniの計7つの単一畑ピノ・ノワール、ピノ・ノワールの最良な樽4つを集めた4 Barrels、およびシャルドネ1種。

ワインの大半はメーリング・リストで売られており、一部がレストラン向け。ワイナリは非公開ですが、ピノ・ノワールのイベントには出展することがあるのでワイナリのページをチェックするといいでしょう。

Kosta Browneは自社畑は持たず、優良な畑と契約してワインを作るいわゆるネゴシアンのスタイルを取っています。Patz & Hallなど以前からある形ではありますが、ほぼピノ・ノワール専業であることや、メーリング・リストで大半のワインを売ることなどが21世紀的と言えるでしょうか。2000年以降に雨後の竹の子のように登場した同じような形態のワイナリにとって1つのロール・モデルなのだと思います。

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